製造業改善コンサルティング
見える化に関する質問
見える化とは
- 仕事の見える化とは何をすることですか?
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仕事の管理状態やPDCAサイクルが、目で見えるようにして、決められたことが実施されるようにすることです。
例えば、ゴミ箱の例で述べますと、ゴミ箱の中に赤色のラインを入れます。そのラインを越えたら、ゴミを捨てに行くルールを決めます。ゴミがラインを超えたまま放置されていると、業務がきちんと行えていないことが判ります。
見える化では、どうなったら、誰がいつまでに何を行うのかが、しっかりルール化されて、それが実施されていることを「美しい状態」と定義します。
- 工場が見える化を導入する意味や重要性を教えてください。
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「見える化」は、単純なようで、本質的には人間の認識能力にも関連する大変奥深いものがあります。見える化の意味や重要性の詳細は、コラム「見える化とは」を是非ご覧になってください。
- 見える化と可視化の違いは何ですか?
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工場の改善の範囲では、目的や機能は基本的に同じと考えています。しいて違いをあげるとすれば、見える化は「アナログ的で創意工夫を伴うもの」ですが、可視化は、「物理的、デジタル的なツールや手法」といったイメージを私は持っています。
- 5S活動と見える化の関係を教えてください。
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5S活動は環境整備のことであると同時に、問題点を見える化し改善活動をすすめるためのスタート点となります。5S活動と見える化の関係については、コラム『5S活動で企業を成長させる「5Sの3段階理論」』をご覧ください。
見える化の方法
- 見える化の手順を教えてください。
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日頃から5S活動をおこない、環境整備をしておくことが前提となります。それだけでも問題点の見える化がある程度はできます。改善を本格的にすすめるためには、見える化の手法を活用し、改善につながる問題点を見つけることが不可欠です。
- 見える化には、どのような方法を用いるのでしょうか?
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私は経験上、「強調法」「基準法」「暴露法」「置換法」「表現法」の5つの方法を用います。例えば、「基準法」は、「管理グラフ」で、不良と良品の境界として「管理限界線」を記入し、良否を見える化するものです。その詳細や他の方法などについての詳細は、コラム「見える化とは」を是非ご覧ください。
- 見える化をどのように意思決定に結び付けたらいいのでしょうか?
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基準法と言って、今の状態が正常化か異常かを判断する基準を設けることで、一見して識別できる方法を行います。意思決定のための基準を活用し、必要により基準と判断のルールを補う方法があります。
- 工場の薬品や劇物を見える化したいのですが、注意点はありますか?
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見える化以前に、食品や製品などに混入しないよう、別の場所に隔離し管理することが必要です。そのうえで、薬品や劇物が必要なときにすぐ取り出せるよう、置き場所の表示を行い、それらが危険物であることを示す表示も必要になります。
- オフィスでの見える化は、どのような事例がありますか?
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行先掲示板、マーカーの表示、管理グラフ、書類やファイル棚など、生産現場と基本的には全く同じ考え方で見える化を進めます。
- 工場の見える化をシステム化するときの注意点は何ですか?
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「見える化」は現場で直接観察することが前提です。システム化するということは、この前提に反することになります。
システム化すると、それだけ現場で生じる現象や問題点の本質や真因を洞察することがより困難になります。共有されたデータを見ただけで、現場を理解した気にならないように注意が必要です。
見える化のメリット/デメリット
- 見える化のメリットは何ですか?
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現場での問題点が目に入ってくるようになるなど、視認性が向上します。
- 見える化のデメリットは何ですか?
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「見える化」は、改善の達人でなくても誰でも一般の人が改善できるようにするためにできたツールです。ですから、見える化に頼りすぎると、改善の達人のような直観力や洞察力を得るのは難しくなるでしょう。
- 見える化を導入すると工場を効率化できますか?
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達人でなくても誰でもが問題の発見が早くできるようになるので、もちろん効率化できます。極論すれば、見える化なくして効率の最適化は不可能と言えるでしょう。
- 見える化は、利益につながりますか?
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勿論です。見える化に問題点(七つのムダ)の解決ができるので利益につながります。