経営理念コンサルティング

未来ビジョンとは?

未来ビジョンとは何ですか?

未来ビジョンには2種類あります。1つ目は、社長の志をビジョン化したものです。社長が生涯をかけてぜひとも実現したい、社長個人のビジョンです。

もう1つは企業ビジョンです。会社が事業活動を通じて、未来に実現させたいことを、具体的にイメージできるもののことです。

絵で表したり、文章で表したりします。単に「ビジョン」とも言われます。

未来ビジョンと似た用語

未来ビジョンには、似た用語がたくさんあります。例えば、単に「ビジョン」と言われる場合があったり、経営ビジョンや企業ビジョンと言われたりする場合もあります。他にも、事業ビジョンや10年ビジョンなどもあります。

「ビジョン」の意味には、将来像がどういったものかを洞察する意味になりますが、「未来ビジョン」とした方が、時系列的に若干明確になると思います。時系列をより明確にするために、「5年ビジョン」や「10年ビジョン」という名称を使う企業もあります。

「企業ビジョン」であれば、会社の将来像をイメージしたものですが、事業活動の将来像としての「事業ビジョン」と別けて利用することもあります。

当社では、企業が最終的に到達を目指す未来ビジョンのことを、「全社目標」と呼んでいます。

未来ビジョンとして描かれる内容

未来ビジョンとして描かれる内容は、次のようなものがあります。

  • 事業内容
  • 事業活動を通じて実現する社会貢献
  • 会社の規模
  • 社員の処遇

この4つについて、簡単に解説いたします。

事業内容

事業内容としては、現業がどのように進化するのか。将来、参入したい事業は何なのかといった具合です。現業は、社長の望むものでない場合もあり、社長の夢として「将来はこの事業をやりたい」とおっしゃる場合もあります。

現業がうまくいってから、まったく関係のない事業を始めたいと思っても、社員の反発があることでしょう。今から、「将来はこの事業をしたい」と明言しておくことで、将来に起こるであろう社内の混乱を対策できます。

事業活動を通じて実現する社会貢献

企業は、事業活動を通じて社会貢献することで、存続が許されています。その社会貢献をしていった結果、どのような未来社会を実現したいのかを描きます。それが、社員にとっての大義名分になります。

会社の規模

会社の規模は、「地域ナンバー1」や「世界企業を目指す」といった会社の規模です。将来の事業活動がどの程度の規模になるのか、どの程度の規模の社会貢献をするかによって、会社の最終的な規模がイメージできます。それを未来ビジョンとすると良いでしょう。

社員の処遇

また、それらが実現したときに、社員の処遇がどうなのかも、イメージできるようにした方が良いです。会社が成長したら、将来の生活が豊かになるのであれば、社員もチャレンジのし甲斐が出てくるものです。

「4つの中で、どれを決めたら良いのか?」ですが、4つすべて決めると良いと思います。

いつの未来を描いたら良いのか?

未来と言っても、時系列があり、短期的なビジョンのことを「短期ビジョン」、長期的なビジョンのことを「長期ビジョン」、最終的に実現させたいことを「全社目標」と言ったりします。

このように時系列がさまざまですので、単に「未来ビジョンを作成した」と言う場合には、いつの未来ビジョンなのかを明確にする必要があります。

10年ビジョン

未来ビジョン達成の時期が10年後であれば、「10年ビジョン」という名称を使うこともあります。5年後の場合は「5年ビジョン」です。

10年後は長期ビジョンのように思われるかもしれませんが、大手企業の中には10年ビジョンを「中期経営計画」と位置付けている企業もあります。

どれぐらい未来をビジョンにしたら良い?

「どれくらい先のビジョンが長期ビジョンなのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃることでしょう。社長が考える最長の未来ビジョンのことを、「長期ビジョン」と言います。中期ビジョンは、その中間に位置するビジョンです。

長期ビジョンが30年先のことであれば、中期ビジョンは10年先が妥当です。また、長期ビジョンが10年先のことであれば、中期ビジョンは5年先が妥当です。長期ビジョンが5年先であれば、中期ビジョンは必要ないと思います。

経営理念の項目を作成する中で未来ビジョンを作成する順番は?

経営理念は、次の4つのものをパッケージとして作成することで、機能する正しい経営理念になります。

  1. 基本理念
  2. 未来ビジョン(当社では、「企業ビジョン」や「全社目標」と言っています)
  3. 経営方針
  4. 行動指針

これら4つの中で、未来ビジョンを作成する順番は2番目です。最初に基本理念を作成し、それが実現した姿をイメージすることで、未来ビジョンを作成することができます。

未来ビジョンも、時系列で段階がありますが、まず未来ビジョン最終ゴールとなる「全社目標」を作成します。そから逆算して得られる中間目標として「10年ビジョン」や「中期経営ビジョン」などの名称で、中間目標を立てます。

逆算型で未来から現在に向かって、未来ビジョンを立てていきます。中間目標を立ててから全社目標を立てるような、積み上げ型で未来ビジョンを作成しても良いのですが、そうすると現実に押し流されて、モチベーションが高まりにくい経営理念になってしまいます。

経営理念を作成している最中は、中間となる未来ビジョンは考えても良いですが作成しません。最終ゴールである全社目標の実現のみを考えて、理想的な経営理念を作成していくことが大事です。

すべての経営理念が作成できたら、未来ビジョンを経営計画の数字に落とし込む必要があります。そのときに、中間目標となる未来ビジョンを作成すると良いでしょう。

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