経営理念コンサルティング

経営方針とは?

経営方針とは何ですか?

経営方針は、基本理念や企業ビジョンを達成するために、経営幹部が採るべき判断基準のことです。基本方針と言われることもあります。

企業によっては、年度の会社の方針のことを指す場合があります。その場合、「2021年度経営方針」などと、年数を入れることが多いです。経営理念の経営方針と区別するために、「戦略方針」と言ってもよいと思います。

経営方針の種類

経営方針とは、「この目標に向かって、この方向でやっていきますよ」という意思表示や具体的な内容です。経営方針の種類は、目標の種類に応じて存在します。

目標経営方針の種類
全社目標(企業ビジョン)経営理念の経営方針
長期経営計画長期経営方針
中期経営計画中期経営方針
短期経営計画短期経営方針

このように、全社目標(企業ビジョン)という経営全体の大きな経営方針から、短期経営計画の短期経営方針まで、大小さまざまあります。

全社目標の経営方針と経営計画の経営方針を明確に分けるために、全社目標の経営方針の名称を「基本方針」としたり、各種経営方針の内容を3~4の箇条書きにした分かりやすいものを「基本方針」と定義したりしても良いと思います。

経営理念を実現するための経営方針

名称はともかく、正しい経営理念は次の4つのパーツで構成されています。

  • 基本理念
  • 全社目標(企業ビジョン)
  • 経営指針(経営方針)
  • 行動指針

この4種類の名称は、当社にて定義したものですので、企業によっては異なります。この中の、「経営指針」が、この記事で説明している最上位の経営方針に該当するものです。

経営理念の1つの要素となる経営方針は、基本理念に含まれる価値観をさらに細分化したもので、経営判断や決断をするときのより所とするものです。経営方針に従って経営判断や決断をしていくことで、基本理念に込められた会社の存在目的や企業ビジョンを達成できるようになる、そのような判断基準です。

経営方針の作り方

社長は、座右の銘とするようなものを持っていることが多いですが、基本理念に込められた価値観を大切にし、どのように経営判断しているかを明文化して作ります。

経営方針は、箇条書きで3か条から5か条が望ましく、価値観がすべて含まれている必要があります。あまりに条数が多いと、覚えられません。

社長が持つ価値観が多い場合には、集約・収斂させて、3~5か条にします。

経営方針を作るメリット

会社経営では、社長だけがすべての経営判断をしていると会社の発展速度が遅くなります。そこで、社長に代わって経営幹部で経営判断ができるようになると、会社の発展速度が速まります。

経営方針があれば、経営幹部は任された部分では「社長だったらこのように判断する」ということが判り、判断できるレベルに成長します。

経営方針の浸透

経営方針の浸透は、条文を強制的に暗唱するだけでは意味がありません。経営幹部が基本理念の意味を理解し、さらに条文に込められた意味をも理解してもらうことをします。

経営方針を経営幹部の腑に落として、それぞれの幹部が自分の価値観に昇華していきます。経営方針をマスターした人物が、経営幹部に抜擢されていくようにします。すると、その経営幹部は良い仕事ができます。

例えば、経営方針に「学習する組織の構築」というものがあったとします。すると経営幹部たちは、なぜ基本理念の達成のためには学習する組織が必要なのか。そのような組織とはどのようなものなのか。どのように組織づくりをしたらいいのかということを、考えて行動するようになります。

また、経営方針に「自己管理を可能にするマネジメント力の発揮」というものがあったとします。近年のマネジメント理論では、肉体労働者と知識労働者では彼らを管理する方法は異なることが知られています。すると経営幹部が採るべきマネジメントは、「自発的に自己管理ができて、いい仕事ができるようになり、仕事で成果を出し喜びを見出すようにすることだ。」と考えられるようになります。

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