最初に、ホームページ集客15年の経験から、中小企業の社長によくある勘違いからお教えします。
「デザインを変更するだけでは、ネット集客できません。」
中小企業がネット集客をしたいときに、ホームページのデザイン性よりも大切なことがあります。中小企業の社長に多い「ネット集客ができないのは、デザインが悪いから」とお考えであれば、その固定観念を外してください。
私がコンサルティングした企業様で、「デザインはそのまま」で、売上が数倍になったころも実際にあるのです。
このコラムでは、次の目次で、集客ができるホームページの設計方法や制作方法、コンテンツ掲載の考え方について述べます。
企業の理想的なホームページとは?
当社では、お客様からのホームページ制作のご依頼をいただいたときに、最初に質問させていただくことが2つあります。それは、
- どのようなホームページが欲しいですか?
- それはなぜですか?
そのご返答によって、お客様がどの程度のWebマーケティングの知識をお持ちなのか、どのような顧客を集客したいとお考えなのかが、おおよそ判ります。
ある程度の知識を備えていても、ネット集客を本格的に行ったことのない方は、次のようなご返答が多いです。
- 検索で上位ヒットするホームページが欲しい
- SEO対策を強化したい
- 新規顧客のお問い合わせ件数を増やしたい
確かに、SEO対策が強化できて、結果的に新規顧客からのお問い合わせが増えたら、その一部が受注につながり、結果的に会社の利益を増やすことが可能でしょう。
しかし、このようなことが満たされても、理想的なホームページとは言えないのです。
ネット集客での理想的なホームページを、次のように定義したらいかがでしょうか?
集客を自動化すること
このように定義すると、ネット検索で上位表示させたりお問い合わせ件数が増えたりすることは大切ですが、それよりも良いホームページになりそうだと思いませんか?
この定義は、あくまでも理想です。業種によっては、完全なる自動化は難しいと思います。
少なくとも、商品やサービスをPRしたり、提案したりする活動は自動化が可能です。このPRや提案を自動化することが、現在の集客ホームページに求められることです。
集客が自動化できたら、営業活動の必要性がなくなってきます。ホームページ訪問者からの反応が、「この商品はどのようなものか?」といった問い合わせから、「今すぐ売ってほしい」という購入に変化します。
現在では、新型コロナの影響で、人によっては「会ったことのない人と会うのが怖い」、「他人を見たらコロナを疑え」と考える人もいる時期です。飛び込み営業はさらに嫌がられて効果が出ませんし、直接営業で「商品説明に来てもらいたい」というご依頼も極端に少なくなってきていることでしょう。
当社では、集客が自動化できるホームページをご提供していますが、お客様からは「営業活動が楽になった」とか「注文が増えた」という喜びの声を、多数いただいています。
当社は、集客が自動化できるホームページを持つことが、企業活動を継続していくためには、とても大切だと実感しています。
B2C集客を自動化するための設計・制作
まずは、B2C集客をしたい場合のホームページの設計・制作を考えたいと思います。B2Cとは、コンシューマ向けの商売のことです。
店舗型経営の場合
店舗を構えて、そこに集客したい場合です。飲食店や美容院、雑貨屋などがそれにあたります。
この場合は、よほどの事情がない限り、地域の人に来てもらいたいはずです。よほどの事情とは、「ミシュランガイドに掲載された店」とか、「世界コンクールで1位を獲得した」といった、地域の人だけでなく、遠くからでも来店があるような極端な場合です。
地域の人に来てもらいたい場合は、その地域に店が存在していることを、ネット検索で気が付いてもらう必要があります。そのための手法は、次の2点です。
- 地域名と組み合わさった検索キーワードで上位ヒットさせること
- Google地図などに店の紹介を掲載すること
1つ目は、検索キーワード分析、顧客分析を行い、ロングテールSEOを行えば集客ができるはずです。2つ目は、登録するだけです。
製造業の場合
製造業とは、例えば冷凍コロッケを製造しているとか、手作りの布団を製造しているとか、タオルを製造していてコンシューマ向けに販売したいといった場合です。
この場合は、ECサイトを制作すべきです。
ここで注意を一つ。製造業の企業でも、商社や大手企業を相手に取引をしている場合は、ECサイト制作後によく起こることがあります。
ECサイトでの販売は、商社や大手企業に卸していたときと比べて、利益率は高いものの、売上高がかなり低くなります。また、その割に手間がかかり、顧客対応の仕方や商品の提供などで社員にも無理を強いることになります。その現状に気が付いた社長は、ECサイトに対する熱が下がってしまいます。そうなると、ECサイトがおろそかになり、いつの間にかECサイトが放置されて、終いには注文があっても無視されてしまうことになります。
もともとB2Bの商売をされている企業が、B2Cに参入することは、よほどの熱意を持って取り組まないと、うまくいきません。
さて、B2Cの仕組み構築はともかくとして、B2CのECサイトを制作することは、競合他社がひしめき合っているところに参入するようなものですので、ホームページの入念な設計が必要です。次の「B2B集客を自動化するための設計・製作」の内容を参考になさってください。
B2B集客を自動化するための設計・制作
では、集客を自動化するためのホームページは、どのように設計・制作したら良いのでしょうか?
それは、廉価なホームページ制作の方法とは手順が大きく異なります。ネット集客の手法にはいくつか種類があり、その集客手法によっても施策手順が異なります。また、B2B、B2C、B2B2Cなど、どのような顧客を対象としたホームページかによって異なります。
以前までのB2Bの集客では、異業種交流会や展示会などで新規顧客と出会う機会がありました。そのような機会が減っている現在では、SEM(Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング)が主な集客手法になります。
当社が行っているネット集客の手法である、SEMで集客を自動化する場合、ネット集客施策の手順は次のようになり、初期施策と継続施策に分けられます。
初期施策の手順
- 検索キーワード分析
- 顧客分析
- 競合他社分析
- 自社商品の強みを分析
- (商品の改善・改革)
- ネット集客企画
- 集客ホームページ制作 (もしくは、既存ホームページ修正)
- ランディングページ制作
廉価なホームページ制作では、まず「どのようなデザインがいいですか?」とか、「どのようなコンテンツを掲載しますか?」と聞かれることが多いと思いますが、集客を自動化する場合は、顧客を知ることから始めます。
まず、商品やサービスを購入する可能性のある人が、どのようなキーワードで検索をするか、またどれぐらいの人数がいるかを調査します。
次に、その人がどのような経路で商品やサービスを購入するのかを分析します。この分析手法として有効なものが、ペルソナマーケティングです。
そして、競合と自社を知り、ネット集客の戦略を立てます。孫子の言うところの「彼を知り己を知れば百戦殆からず」です。
ここで、自社の商品に、競合他社よりも強みがない、もしくは弱みが目立ってしまう場合には、商品の改善・改革が必要となります。ネット集客の限界は、実はここにあります。
継続施策の手順
- SEOコンテンツマーケティング
- アクセス解析に基づいたホームページの改善
- ランディングページの横展開
集客を自動化するためのホームページは、制作したら終わりではありません。
継続施策として、SEOコンテンツマーケティングでロングテールSEOを行い、アクセス解析に基づいたホームページの改善によって、ホームページの集客力を高めつつ、ホームページに訪れる人の動向に合わせて改善を行います。
そして、初期施策時よりも顧客が明確になった時点で、ランディングページの横展開を行い、集客の幅を広げていきます。
集客を魚釣りで例えることは気が引けますが、継続施策によって竿を用いた釣りから、網を使った漁に変化していくイメージです。
継続施策は、一生続ける必要はなく、会社のキャパシティに応じて充分に注文が入るようになったら止めてもかまいません。その後は、ホームページの集客力が低下や顧客の変化に対応するときだけ改善を加えていくと良いでしょう。
ネット集客ホームページのコンテンツ掲載に対する考え方
ネット集客をするためのホームページには、どのようなコンテンツを掲載したら良いのかを述べたいと思います。
ネット集客のホームページにコンテンツを掲載するときの考え方は、
掲載できる情報は、すべて掲載する
昔のコンテンツ掲載の考え方
ホームページ制作のご依頼で、いまだにネット集客での間違ったコンテンツの入れ方として、「情報量を少なくして、『どのようなことをしている会社なのだろうか?』と疑問に思ってもらい、お問い合わせにつなげること」と言われる方がいます。
そのようなホームページでお問い合わせが来るのであれば、世の中のほとんどすべてのホームページが集客力のあるホームページでしょう。しかし、現状はそうではありません。
すべての情報を掲載したら競合他社に情報を取られるのでは?
このことを述べると、「競合他社に情報を取られてしまうのではないか?」とおっしゃる方が多いです。
確かに、その通りです。ホームページに掲載された情報は取られてしまいます。
しかし、ここで極秘のノウハウまでホームページに掲載すべきなのではなく、あくまでも掲載できる情報はすべて掲載すべきだということです。競合他社に情報は取られても、それを真似できるとは限りませんし、真似できない隠し味となる情報まで掲載しなくてかまいません。
会社の規模別、コンテンツ掲載の考え方
貴社が、業界の強者でもあるリーダー企業であれば、できる限り情報は掲載し、業界を発展させるためにホームページを活用するぐらいの意気込みが欲しいものです。
また、強者にチャレンジする企業であれば、素早く静かに動き、強者の動きの遅さでは追従できないように進化させていくことです。余談ですが、武田信玄の「風林火山」という経営理念は素晴らしいです。
当社と組んでネット集客を行うことをPRし過ぎてもいけませんが、当社が行っているネット集客手法を本質までつかんで模倣できるホームページ制作会社は少ないので、上辺の情報だけ見られても問題はありません。
以上、ネット集客を考えてホームページを制作したいときに、理想的なホームページの定義や、設計の方法、コンテンツ掲載の考え方を簡単に述べました。
この話をもっと詳しく聴きたい方は、ぜひともWeb集客コンサルティングのスポット対応をご依頼ください。ネット集客の新しい考え方を、詳しく伝授いたし、集客ホームページ制作を企画からご支援いたします。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。