社長の夢実現への道

売上高が増えたのに利益が下がる原因

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売上アップなのに利益ダウン

会社の売上高が増えても、利益が下がってきたら、社長は疑問に思うことでしょう。さらなる売上高のアップを営業担当者に指示するかもしれません。

売上至上主義になっている社長から、「売上~、売上~」と連呼され、困っている営業担当者は多いことでしょう。

利益が下がって困っている社長からすると、仕方のないことでもあります。

いろいろと手を打った結果、売上高が増えて喜んでいるのもつかの間、利益が下がっていることに気が付いて、次に「利益~、利益~」と連呼しだす社長もいます。会社は、売上高が増えても利益が増えなければ生き残れないからです。

社長も勉強で、自分の出した指示の悪さによって、「売上高が増えても、利益が減ることがある」ということに気が付くのです。

このコラムでは、売上高が増えたのに利益が下がる原因をご紹介いたします。

経営における利益とは?

利益には、たくさんの種類があります。「売上高が上がったのに、利益が下がってしまった」とお考えの経営者であれば、次の利益が下がってしまったのではないでしょうか?

  • 売上総利益(粗利益)
  • 営業利益(経常利益)

売上総利益(粗利益)

売上総利益は、売上高からその売り上げを上げるためにかかったコストを引いた利益のことです。

製造業であれば、製品を製造していますが、製品の原価と製造にかかった人件費、エネルギー代が主なコストです。製造するために電気をたくさん使用する業種の場合は、電気代も原価に入ります。自社でパンを製造して販売しているお店も、これに該当します。運送業であれば、トラックのガソリン代がコストになります。

粗利益とは、卸売業のような製造のための費用がかからずに、仕入れ原価のみが主な原価となる業種で利用される用語です。パンを仕入れて販売しているお店の場合は、これに該当します。

このように、売上高によって変動する費用のことを、「変動費」といいます。

営業利益(経常利益)

営業利益は、売上総利益から製造とは関係のない販売費や管理費といった費用を引いたものです。販売費とは、ホームページやチラシの代金であったり、営業担当者や販売スタッフの人件費です。管理費とは、経営幹部や事務スタッフの人件費であったり、オフィスの家賃であったりします。

これらの費用は、売上高の増減によって変動しない費用ですので、「固定費」といいます。しかし、売上高によって変動しない費用なのに、「売上高が上がったら、それ以上に固定費が増えてしまい、利益が減った」という場合もあります。

営業利益とは、本業となる事業活動で得られた利益のことです。それに対して経常利益とは、本業以外での利益や損失を増減させた利益のことです。お店を経営していて、たまたま空いている土地を駐車場として貸していたら、そのお家賃が毎月入ってきます。その利益が営業外での収益となり、経常利益に加算されます。

本業以外の収入や損失がない場合は、「営業利益=経常利益」となります。

「売上が上がって利益が下がる」とおっしゃる方は、どの利益が下がったかによって、対策が異なってくることがご理解いただけることと思います。

利益率が下がることが原因

売上高が増えたのにもかかわらず、利益が減ったということは、原因は利益率が悪くなったからです。

例えば、10億円の売上高で利益率が10%であれば、利益は1億円です。売上高が2倍の20億円に増えて、利益率が3%に減ってしまったら、利益は6,000万円に減ってしまいます。

せっかく努力して売上高を増やしても、利益率が下がってしまったら、残る利益が反対に減ってしまうことを意味します。努力した営業担当も報われません。そのときに社長は、「売上高を増やすだけではいけない」と気が付くのです。

利益率の高さは、生産性や付加価値の高さとも言えます。事業活動の生産性が下がったり、市場が求める付加価値に対して自社の付加価値が高まっていない場合、つまり薄利多売をした場合には、売上高が上がっても利益が下がってしまいます。

営業担当に目標値を示す場合は、必ず、「売上高」以外に、「利益率」や「利益」など、2種類以上設定してください。

なぜ利益率が下がるのか?

続いて、売上高が増えて利益率が下がってしまう原因についてご説明いたします。

変動費率の増加(付加価値率の低下)

1つ目の原因は、変動費率の増加です。変動費率とは、売上高に対する変動費の割合です。変動費率が増加する場合は、仕入れ原価が高くなってしまった場合と販売価格が下がってしまった場合です。

例えば今まで1個当たり1,000円で仕入れていて、販売価格1,500円で売っていたものがあったとします。粗利益は500円です。

仕入れが1,200円に上昇してしまい、販売価格が1,500円のままであれば、粗利益が300円に減ってしまいます。

また、仕入れが1個当たり1,000円のままであったとしても、販売価格が1,300円に下げてしまったら、これも粗利益が300円と、元の500円からすると減ってしまっています。

営業担当は、社長の「売上~、売上~」の圧力によって、「たくさん売るためには、ダンピングして販売するしかない」ということで、安売りをして売上高を確保していたのです。

すると、安売りをしているわけですから、売上高は高くなって当然です。ところが、利益の総額が安売り以前よりも下がってしまうのです。

固定費の増大

利益率が下がる原因として、固定費の増大があります。固定費の増大によって下がる利益は、販管費をも含めた「営業利益」です。

売上高を増やすためには、PR活動が大事になります。売上高は、自社製品がどれだけ認知されたかの成績でもあります。

そこで、営業担当はムリなPR活動で費用を使ってしまい、固定費が増大してしまって、利益率が低下してしまうことになります。

事業構造の悪さ(生産性の悪さ)

事業構造の悪さで、利益率を下げてしまう場合もあります。その大部分は、「仕組み化」にあります。事業が仕組み化できていないと、利益率が下がってしまいます。

小企業でよく見かけるのですが、仕組みができていない会社でのアルアルは、社長や優秀な1~2名の社員に仕事が集中し、他の社員は仕事がなくて定時で毎日帰宅するパターンです。

この状態は、事業構造の仕組み化ができていないので、仕事が社長や優秀な社員の属人化されている状態です。今まで社長や優秀な社員がお客様の御用聞きをして、成果を出し、売上高を上げてきたのですが、仕事量が増えてくると、その御用聞きがボトルネックとなります。

このような状態では、「仕事量が増えたから社員を増やす」と言っても、入社した社員には仕事がないので、いつまでもアシスタントばかりです。すると、その社員はすぐに辞めていってしまい、次の社員を雇ってまた一から育て直しです。

そのような、優秀な社員しか生き残れない事業構造では、売上高が上がれば上がるほど、利益率が下がり、利益がほとんど残らなくなってしまいます。

そういった会社では、「優秀な社員が増えたら利益も増える」と考えがちですが、誰であっても利益が出せるように仕組み化をして、いろいろな場面で生産性を高めるためのイノベーションをしていかなければいけません。

経営方針の悪さ

変動費率や固定費が増大する原因は、もちろん社長が出した経営方針の悪さです。

営業担当者には、「利益を出すための売上高増大」という当たり前のことを伝えておく必要があります。

そして、営業担当の評価を「売上高だけ」で評価するのではなく、社長が思い描く未来ビジョンの実現に向けて、最も貢献している人物を評価できるように、経営理念を整備したり、会社のルールを改善したりする必要があります。

そのように事業構造を変えていくために、社長は正しい経営方針を打ち出す必要があります。

売上至上主義の弊害

売上至上主義とは、利益をさておき売上高を優先する主義を主張することです。社員に、売上高のみを追求し、営業担当者には売上高のみを評価とする経営方針です。

売上高がいくら高くなっても、利益がなければ、会社は生きていけないのにもかかわらず、なぜ売上至上主義になるのか、理由は簡単です。

それは、利益率がほぼ固定されている企業であれば、売上高からおおよその利益が予想できるからです。

利益 = 売上高 × 利益率

この式からすると、利益率が一定であれば、売上高が2倍に増えたら、利益も2倍に増える計算になります。しかし、上述したように、売上高が増えていくと利益率が下がることが多いので、利益が下がってしまうことがあります。

売上至上主義の企業では、営業担当は社長から売上高の成績のみを問われるわけですから、大きな案件を取りにいくようになります。すると、人間関係や利益が無視されて、結局的に企業経営を危うくしてしまうこともあります。

売上至上主義から脱却するためには、まず社長がその危険性を知ることです。対策として、経営理念を立て、そこから導き出される経営計画や営業方針に基づいて営業担当者が販売活動をするようにすることが大事です。

利益率が下がっている商品やサービスを発見する方法

商品やサービスの種類が多い企業では、売上高が上がっていても利益が下がっているものを発見することが、困難な場合があります。

すぐに調べられるおすすめの方法は、移動累計を調べることです。移動累計という言葉を始めて聞いた方は、「売上高が下がる傾向をいち早くつかむ方法」をご覧ください。

商品やサービス毎の売上高と粗利益などの利益を移動累計にして調べます。すると、利益を下げている原因を発見できると思います。

商品やサービスの種類が多い企業の場合は、少し工夫がいります。

例えば、スーパーマーケットには商品の種類が10,000種類ほどありますが、利益が減ってきていたら、そのどれが利益が下がってきているのかを調べることは大変です。ビッグデータやらIoTやらDXといった、多量のデータを調べる流行の方法もあるようですが、社長としては細かなデータが知りたいわけではなく傾向をつかめたらそれで良いはずです。

商品点数が多い場合は、商品を個別に調べていたら手間です。そこで、仕入れ先やカテゴリ毎に売上高と利益の移動累計を調べると、どの商品群が利益を下げる原因になっているのかがわかります。

売上高を増大させつつ利益率も高める方法

「そのような都合の良い方法はあるのか?」と思われたかもしれませんが、実はあります。その方法は、いくつかございます。

4番目は意外なことと思われたかもしれませんが、当社の集客ホームページ制作をご依頼いただくと、売上高だけでなく利益率が高まります。

売上高の増大と利益率の上昇を両立させられる理由は、SEO対策に強いことに加え、貴社も知らない本当の強みを引き出し、それを訴求するからです。すると、貴社の製品やサービスに価値を感じ、高いお金を払って利用してくれるお客様を集客できるようになります。

貴社には強みがあるはずです。強みがあるので、厳しい市場の中で生き残っているのです。もし、貴社がお持ちのホームページで集客ができていないのであれば、強みが訴求できていないか、強みが間違っているかのどちらかです。

当社の集客ホームページ制作では、貴社の業界における検索市場を分析しつつ、貴社の本当の強みを発見することから始めます。そして、競合他社よりも効果的に製品やサービスの良さを訴求するように改善します。

ホームページの改善ができたら、次に強力にSEO対策とコンテンツマーケティングを行い、製品やサービスを欲しがっている消費者が、ネット検索を通じて貴社のホームページにたくさん訪れるように施策いたします。

そのように売上高を増大させます。早ければ、制作後3ヶ月ほどでお問い合わせ件数が増えることをご実感いただけます。もちろん、BtoB営業でも集客は可能です。

消費者は、「どうしても欲しいもの」であれば、価格交渉をしてくることはありません。また、集客が充分にできていたら、価格交渉をしてくるような消費者は、お断りして良いのです。そうすることで、利益率が高まります。

このようにして、集客ホームページ制作にて売上高の増大と利益率の上昇を両立させることができます。

以上、売上高が増大しても利益が減ってしまう原因と、その対策として社長の指示の出し方について述べました。また、集客ホームページ制作にて、売上高と利益率を高めることができることを述べました。

売上高と利益率を増やすホームページをお求めであれば、ぜひ当社までご相談ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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