社長の夢実現への道

中小企業はどのような経営理念を作成すべきか?

投稿日: / 最終更新日:

中小企業はどのような経営理念を作成すべきか?

経営理念を初めて作成される社長は、おそらくは従業員数が30名以下のことと思います。

会社はそれくらいの規模で、企業の成長に壁が来ますが、それを乗り越えるための方法の一つが、社長が経営理念の作成・浸透に取り組むことです。

以前に、「中小企業に最適な経営理念とは?その内容・作り方・浸透方法」と題して、中小企業の経営理念について述べました、この記事では、中業企業の社長が、どのような経営理念を作成したらよいのかを、違う切り口でご説明いたします。

ここで述べることは、最初から完璧な経営理念の作成を目指す必要はないことです。また、そのような完璧でない経営理念を、会社の成長に合わせて進化させていくことを提供しています。

長文になりますが、経営理念を初めて作成される社長は、ぜひ最後までご覧ください。

中小企業が経営理念を作成すべきタイミング

まず、中小企業が初めて経営理念を作成するタイミングからご説明いたします。経営理念の作成には時間がかかるため、経営理念の完成に間に合わずに会社が損失を出し続けることもあります。

経営理念の作成は、思い立ったときにはすでに損害が出ていることが多いので、なるべく早めに作成を始めた方がよいです。

社員を一般採用し始めたときが経営理念を作成するタイミング

中小企業が成長をして、社員を一般採用するようになったら、経営理念を作成すべきタイミングです。従業員数は5人~30人ほどです。

起業したばかりのときは、従業員は家族や友人ばかりのことと思います。製造系であれば、近所の人をアルバイトやパートで雇ったりすることもあります。

そういった人員の場合は、社長の仕事の考え方ややり方は、従業員に直接教えることと思います。そのため、社長の意思が従業員に伝わりやすいですし、家族や友人は社長の意図をくみ取って仕事をしてくれやすいです。

この5人~30人の幅というものは、この範囲の通りではなく、社長が面倒を見られる範囲です。従業員数がその範囲で、社長自ら社員に会社の目指すものを伝えたり、人間性についての訓示を述べたり、仕事で成果を出すための考え方を説明したりできるのであれば、経営理念は必ずしも作成する必要はありません。

30人を超えてくると、それ以上事業規模を大きくしようと考えるならば、経営理念が必要となります。

なぜ一般採用を始めたときが経営理念作成のタイミングなのか?

一般採用を始めたときが経営理念のタイミングである理由をご説明いたします。

一般採用された社員にはものが言いにくい

今までは、家族や友人だけで仕事を回すことができていました。そういった社員は、社長は直接ものを言いやすいですし、社長の指示が届きやすかったと思います。

ところが、一般採用した社員には、社長の意図をくみ取って仕事をしてくれませんし、命令・指示・相談の区別もつきません。指示があいまいだと失敗しますし、それを少しでも強く注意したら、すぐに辞めてしまう社員が出てくるので、社長は直接ものを言いにくくなるものです。

社長がものを言わなくなってくると、社員は社長の目の届かないところで、仕事をさぼる社員が出てきたり、社長の意図しない勝手な方法で仕事をするようになったりします。

仕事のやり方やルールを固めていく

社員に質の高い仕事をしてもらうために、仕事のやり方やルールを決めておく必要が出てきます。

仕事のやり方やルールが明確になっていたら、新人は仕事を覚えやすいですし、先輩が仕事を教えるのも楽になります。

会社に入社したばかりの社員は、中途採用であっても、新卒よりは、仕事を覚える速度が早かったとしても、新人と同じです。新人社員は、仕事のやり方やルールなどを覚えることで、先輩や上司からいちいち細かな指示を受けなくても、仕事ができるようになります。先輩社員も、新人に何を教えたらよいのか決まっていたら、教えるためのストレスも軽減できます。

仕事のやり方やルールなどは、会社によってそれらの正しさ異なるので、同じような仕事をしてきた人であったとしても、入社したばかりのときは、それらを覚えるまで、仕事のやり方に戸惑うものです。それを防いでくれます。

仕事のやり方やルールが固まってくると、それなりにメリットがありますが、成長を止めてしまうデメリットも出てきます。

ことなかれ主義が、仕事の考え方やルールを固定してしまう

経営理念を持たない会社では、今まで仕事を滞りなく仕事をこなしてきたやり方や暗黙のルールが凝り固まっています。暗黙のやり方やルールは、進化させていくことが大事なのですが、たいていは「うまく仕事ができている」ということで、変更されることはありません。

会社が成長し、仕事が固まってきて、古参社員が新入社員を指導できるようになってくると、古参社員は会社の幹部に昇進していきます。そうすると、変化による失敗を恐れてしまうようになり、「今までのやり方やルールでうまくいっている」と言い訳して、コトナカレ主義になり、その指導方法が凝り固まっていきます。すると、会社の生産性や商品の品質が上がりにくくなってしまいます。

社長が古参社員に、考え方やルールを進化させるように強く指示を出せたら良いのですが、そうはいかない場合が多いです。社長が古参社員に強く言えない場合もありますし、社長自身がコトナカレ主義になっている場合もあります。

ともあれ、固定化された考え方やルールは、いずれ陳腐化して、会社の成長の妨げになるのです。

本来のリーダーの仕事には、危機を察知して社長に報告する役割もあるはずです。便宜上仕方のない部分もありますが、できればコトナカレ主義の人をリーダーにしてはいけないのです。

もし、古参社員からの反発を恐れて、コトナカレ主義の古参社員をリーダーに据えてしまったとしたら、その社長も実のところ、コトナカレ主義になっているのです。

経営理念を作成し、浸透させていく中で、経営理念に基づいた人事制度を導入しようとすると、古参社員の処遇はよく問題として出てきます。これについては、別途コラムでご説明したいと思います。

経営理念に仕事のやり方やルールを改善することを入れる

仕事の考え方やルールが固定化されたら、会社の成長が止まり、競合他社に敗れていくことがあります。それを防ぐために、経営理念の中に、仕事のやり方やルールが進化させ、生産性を向上させることを盛り込まなければいけません。

仕事のやり方やルールの基となるものが、経営理念です。経営理念に、進化や成長の文面が入っていると、凝り固まった仕事のやり方やルールは、進化や成長させていかなければなりません。

仕事のやり方やルールは、経営理念に従って作成されるようにカルチャーを変えることが、会社の成長にとって大切です。

経営理念があると社員が定着しやすくなる

新しく入社した社員は、仕事の流れを覚えてしまったら、進化のない会社に飽きてしまうのか、仕事に意欲が出なくなっていきます。変化の速度は、とても遅いので、意欲的な社員ほど、他の会社に転職してしまいやすいです。

中小企業であっても、経営理念がしっかり定められている企業では、社員はビジョン実現のための成長が求められます。経営理念には、何を基準に仕事をし、何を目指して成長していったらいいのかが明確になっているので、社員は試行錯誤しなくてもよくなります。

経営理念を作成し、経営理念に基づいた経営を行うことで、あまり優秀でない社員でも仕事能力が高まり、優秀な社員でも定着しやすくなります。

中小企業では完璧な経営理念を作成しなくてもよい

ここで述べる「中小企業」とは、一般採用を始めたばかりの企業のことです。この見出しの通り、そのような企業は、完璧な経営理念を作成しなくてもよいと考えます。

なぜなら、経営理念は完璧を求めると、内容が膨大なものになることが多いからです。しかも、後世に残しても間違いのないものを作成するとなると、内容の点検にも時間がかかります。

完璧な経営理念の作成に要する時間は、当社で経営理念作成のご支援をさせていただいた社長様でも、作成が早い方でも2年ほどかかります。コンサルティング支援がなければ、10年や20年の時間がかかる場合もあり、中小企業ではそこまで待てないことが現状のことと思います。

簡易的な経営理念を作成し、いずれ経営理念を完成させることを目指す

実のところ、中小企業の場合は、そこまで立派な経営理念は必要ないと思います。

まず簡易的な経営理念を作成しておき、それに基づいて会社を運営していき、会社や社長の考え方の成長や進化に伴って、経営理念も進化させていくことをおすすめいたします。

社長の経営の悟りによって、経営理念の内容が変化してきます。そのため、立派な経営理念を作成しようと思ったら、昨日よりも今日、今日よりも明日という具合になって、いつまで経っても経営理念が完成しません。

そこで、今現段階での簡易的な経営理念を作成することをおすすめします。

経営理念を作成し浸透させることによって、会社が成長していかなければ、経営理念を作成する意味は無いと思います。簡易的な経営理念といえども、成果を求めなければ、作成する意味がありません。

そのような、簡易的でありながら成果が出て、さらに進化させていく経営理念を作成するための考え方や方法をご説明いたします。

事業活動の目的はガッチリ定めること

簡易的な経営理念であったとしても、その経営理念が機能するものでなければ、経営理念を定める意味がありません。機能させるためには、経営理念に「事業活動を行う目的」を定めることが求められます。

事業活動を行う目的とは、わが社の存在目的でもあり、社長の志の一部でもあります。わが社の存在目的や志がわからない場合は、現在の事業の機能を定めるとよいでしょう。

例えば、ケーキ屋さんでしたら、事業の目的は「家族の団らんを特別なものに演出する」ということかもしれませんし、「家族との絆づくりのサポート」かもしれません。

どちらにしても、そういった家族をテーマとするのであれば、単なるケーキ屋にとどまらず、子どもの誕生会の演出を提案したり、結婚記念日の特別なオーダーメイドケーキを提供することも考えられます。

ナンバー1を目指す

次に、経営理念から、わが社の将来像や未来ビジョンが盛り込まれていたり、成長していくイメージがつかめる内容が盛り込まれていたりすることが大事です。

未来ビジョンがイメージできない場合には、何らかのナンバー1を目指すとよいでしょう。

地域ナンバー1でもよいですし、業界で最も有名な企業を目指すことでもよいですし、品質が日本一でもよいです。そういったナンバー1を目指す目標を立てることで、社員のやる気が出てきます。

社員からすると、会社に未来が見えなければ、自分の将来像がイメージできません。社長に「わが社は何を目指していますか?」と聞いても、返答が曖昧だったら、お給料を増やしていきたい社員は、やる気が失せてしまいます。仕事の実力がついてきたら、自社よりも処遇の良い他社に転職してしまいます。せっかく育成した社員を流出させて、競合他社を富ませてしまうことにもなります。

社員にも生活の向上や夢があるので、社員たち個々に対して「この会社に勤めていて満足しているのか?」といつも考えていた方がよいです。

もちろん、今の給料に満足している社員は一人もいないことでしょう。つまり、社員たちは給料以外のインセンティブを求めています。社長を信頼し、会社の将来性が分かったら、心ある社員はついてきてくれることが多いです。

最初の経営理念は最低限のものからスタート

しっかりした経営理念を作成して、社員に浸透させようとしても、社員は理解できないことが多いです。

そこで、最初から完成形に近いものを作成するのではなく、最低限必要な項目に抑えたものを作成します。もしくは、経営理念のテンプレートを用いたとしても、そこから最低限のものを抜粋した軽いものを公開してもよいでしょう。

最初に作成する経営理念の構成要素ご提案

ここで、「どの程度の最低限のものを作成したらよいのか?」ということになりますが、中小企業において、最初に作成する経営理念の構成要素は、次の3つの内容が含まれた、最低限のものを作成することをおすすめいたします。

  • わが社の存在目的
  • 未来ビジョン
  • 5つ程度の項目に絞った行動指針

また、これらを実現するための方法として、経営理念に基づいて作成された利益計画と経営方針があると、経営理念の内容を補完することができます。

わが社の存在目的と未来ビジョンは、先ほど述べた「事業活動の目的」や「ナンバー1」と同じ意味です。未来ビジョンの中に、何らかのナンバー1を含めるとよいでしょう。

5つ程度の項目に絞った行動指針

行動指針は、完全なものを作成すると文庫本に匹敵するぐらいのものになる場合もあります。経営理念を始めて作成する中小企業では、そのよう立派な行動指針はあってもよいですが、なかなか浸透しません。

そこで、「行動指針を5つ程度の項目に絞ったものがよい」と思います。

そのような5項目程度の行動指針の名称は、「行動指針あいうえお」とか、「行動指針ABC」といった、誰でも覚えられそうな軽い感じの名称を付けるとよいと思います。

社員に行動指針を浸透させる場合、この最低限の項目から浸透をスタートします。そして、最低限の5つの項目だけでも、社員が行動指針に沿って仕事をするのに時間がかかると思います。

詳細は、「行動指針の『あいうえお』のすすめ」をご覧ください。

「行動指針あいうえお」は、項目数が5つだけであったとしても、入念に作成された行動指針は、社員の仕事能力や人間性を高められるので、お客様に貢献ができ、事業規模が少しずつ大きくなってくると思います。

そのような社員や会社の成長によって、高い仕事レベルが要求されるようになってきます。その状況を見ながら、経営理念を進化させていくとよいでしょう。

中小企業の経営理念をどのように作成したらいいのか?

実のところ、当社の経営理念コンサルティングをご利用いただけたら、手っ取り早いのですが、当社のノウハウを知りたい方もいらっしゃるでしょうから、文章のみで、上記のような中小企業の経営理念を作成するための方法を述べたいと思います。

経営の原理原則を勉強し続ける

経営理念の作成を試みる社長は、勉強熱心な方ばかりです。そのような社長がよく勉強される内容が、経営の原理原則です。

経営の原理とは、法則のようなものです。経営の原則とは、経営がうまくいくルールのようなものです。

経営の原理原則を学ぶ方法としては、書籍を読んだり、正しい価値観を持った人と会話をしたり、経営系のセミナーに参加したりすることです。

書籍で勉強する

「どのような書籍を読むと、経営の原理原則が学べるのか?」ということですが、それは次のような書籍です。

  • 経典や古典
  • 近代の思想家や大経営者、コンサルタントが書いた書籍
  • 経営者の伝記

他にもあると思いますが、主にはこれらです。次の偉人の方々が遺された書籍は、特におすすめです。

  • ピーター・ドラッカー
  • 一倉定
  • ナポレオン・ヒル
  • デール・カーネギー
  • 松下幸之助

中小企業の経営で、「どれから読んだら良いのかわからない」ということであれば、一倉定先生の「一倉定の社長学」から読みはじめられると良いと思います。

ニュースからも原理原則を学べる

書籍やセミナー以外からも学ぶことができます。それは、ニュースです。

ニュースでは、企業の不祥事が世の中をにぎわすことがあります。そういった企業の不祥事を反面教師として、「その不祥事を自社に置き換えると、どのような教訓を得ることができるのか?」と考えます。そこからも、経営の原理原則が見えてくることが多いです。

ここで、どの程度の企業がどのようなことをしたら、不祥事としてニュースに取り上げられるのか、おおよその傾向性を把握しておいた方が良いです。

ニュースから学んだ教訓や影響の大きさを社員に伝え、自社は大丈夫なのか調べさせた方が良いです。

朝礼で教訓を語る

上記のような方法で経営の原理原則を学び、「これは社員にも伝えたい」と思うことがあったら、朝礼などで学んだ教訓を語るようにしてください。

社長が語った内容が、将来的に経営理念の内容になったり、経営理念を解説するためのテキストになったりすることが多いです。

大企業では、創業社長や創業社長を支えた人材の言葉を残し、それを書籍にして社員に配布しているところもあります。

将来、会社が大企業に成長したときの社史にも掲載されるようになるので、ぜひアーカイブとして残しておいてください。

経営理念を作成したら熟成させる

経営理念が出来上がってきたら、「社員がこの経営理念に従って仕事をしたら、良い仕事ができるようになるだろうか?」ということを考えます。

「良い仕事」の定義としては、次のことを実現できそうか確認するとよいでしょう。

  • 仕事能力が高まり、人間性が成長するのか?
  • より多くのお客様に、より貢献できるようになるのか?
  • 会社が社会的責任を果たせるのか?

会社の社会的責任とは、「社会をより良い社会にするために貢献する」というものです。お客様が求めているものを提供して利益を出すことが、会社経営で求められることです。しかし、お客様が犯罪をするために、そのための準備を支援したとしたら、社会的責任を果たしているとは言い難いです。

会社が目指すべきことは、会社が成長すると、社会も良くなっていくものでなければいけません。会社と社会は、言葉通り表裏でつながっているものでなければいけないのです。

経営理念の浸透で大事なこと

経営理念が完成したら、それを浸透させていきます。浸透させた結果、経営理念に基づいて会社が運営され、社員が仕事をしている状態、つまり理念経営ができている状態になれば、「経営理念が浸透した」と言えます。

中小企業の社長が経営理念を浸透させるときに大事なことをお伝えいたします。それは、次の3つです。

  1. 社長自ら率先して経営理念に基づいて仕事をする
  2. 経営理念に忠実に仕事をする
  3. 経営理念に基づいて仕事をしている社員を評価する

これらについて解説いたします。

社長自ら率先して経営理念に基づいて仕事をする

社長自ら率先して、経営理念に基づいて仕事をすることです。

社内で決められたルールを真っ先に破るのは、たいていの場合が社長です。社長は、自らルールを作ることもできれば、ルールを破ったり、捻じ曲げたりすることもできます。

社長が率先して破ったルールを、社員は守ることができるでしょうか?

社長がルールを破ったら、社員は「社長が以前に決めたルールは、いつの間にか破棄されたのに違いない」と勘違いすることでしょう。そして、社長によって何度もルールが破られたら、ついに社員は「社長がまた新しくルールを作ったが、またすぐに破られるので、従う必要はない」と、初めからルールに従わなくなってしまいます。

社長自ら率先して経営理念に基づいて仕事をし、その姿勢を社員に見せて、経営理念を浸透させることが大切です。その姿勢を見て、社員は「社長は本気だ」と感じ、自分たちも経営理念に基づいて仕事をするようになります。

経営理念に忠実に仕事をする

経営理念に基づいて仕事をする場合、経営理念の内容を曲解したり、妥協したりしてはいけません。

例えば、経営理念に「仕事は真剣勝負で取り組むこと」と書いてあったとします。そして社長が、「ゴルフは仕事だから、ゴルフに毎日真剣に取り組む」ということをしてしまったら、社員はやる気を失せてしまうことでしょう。

経営理念に書かれたことや、経営理念に込められた意味は、社長が決めたことです。その社長が経営理念の内容に対して、忠実に仕事をすることで、経営理念が正しく浸透していきます。

経営理念に基づいて仕事をしている社員を評価する

経営理念を浸透させたら、浸透させっぱなしはよくありません。経営理念が浸透しているのかを評価する必要があります。

そこで、経営理念に基づいて仕事をしている社員を評価することが大事です。この評価は、社長が直接褒めたり、ボーナスを出したりするなど、インセンティブを出すことが大事です。いずれは、経営理念に基づいた評価制度を構築していくべきです。

経営理念に基づいて仕事をしている社員を評価することで、社員自身が経営理念に基づいて仕事ができていることを実感できます。また、評価されている人を見た別の社員は、自分の仕事の仕方を比較して、どのようにしたら評価されるのかを知ることができます。

社員を誉めることに慣れていない、負けず嫌いの社長にとっては、恥ずかしくなる場合もあります。しかし、社員を誉めることは無料であることを、お忘れなく。社員を誉めることは、無料で社員をやる気にさせる動機になり、社長の徳につながるのです。

社長の成長と共に経営理念を進化させること

経営理念が浸透すると、社員の仕事能力や人間性が高まるので、売上高が増え、事業規模が拡大し、会社が成長していきます。もちろん、成長している会社を経営している社長も成長していきます。

社長が成長すると、実のところ仕事に対する考え方が進化したり、社長の人間性も成長せざるを得ないところもあり、以前に作成した経営理念が物足りなく感じたり、陳腐化したりします。これは、必ず起きることです。

そのように感じたら、経営理念を進化させるタイミングです。

経営理念は、先ほどの説明によると、次の3つの項目で構成されています。

  1. わが社の存在目的
  2. 未来ビジョン
  3. 5つ程度の項目に絞った行動指針

その構成要素のうち、何を進化させていったらよいのか、何か加えるべきものがあるのかをご説明いたします。

わが社の存在目的の進化

この内容は、事業活動が横展開をしていった場合に変化する場合があります。

例えば、住宅メーカーが、今まで培ってきた住宅やマンションのメンテナンスの技術を活かして、新規事業としてビルの点検事業を始めたとします。

すると、今までの会社はファミリーの幸せのために存在していましたが、これからは、企業向けにも存在していることになります。

すると、事業部それぞれの存在目的は異なっても、会社自体の存在目的は「住環境のトータルサポート」とでも言うべき、住宅メーカーとビルメンテナンスの両方を合わせた存在目的を持つようになります。

このように、事業活動に応じて、わが社の存在目的が変化していきます。

存在目的を未来永劫変えることなく、事業活動を行っていく場合には、社長の志と先見力が関わってきます。そのことは、未来ビジョンにも影響を与えます。

未来ビジョンの進化

社長の成長の一つに、先見力があります。事業の拡大と共に、社長に自信がついてきて、先見力が高まっていくことがあります。

先見力が高まると、今までは1年先や3年先のことを考えて経営していた社長が、「わが社は10年後には、このように事業展開をしたい」とか、「世界に進出したい」という願望が出てくることもあります。

そのような前向きの成長があった場合は、未来ビジョンをぜひとも変更していただきたいと思います。

そして、わが社の存在目的と未来ビジョンの最終形態が合わさったものを、「基本理念」と称して一文として掲げるとよいでしょう。

行動指針の進化

会社が成長し、事業活動の幅が広がってくると、市場からの圧力で、社員にはより高度な仕事や人間性が求められるようになります。

例えば、パパママ・ストアとチェーン展開しているスーパーマーケットとでは、求められる顧客への対応やサービスの品質が異なります。事業が拡大していくと、より高度なものが求められるのです。

すると、行動指針も5つの簡単なものではなく、より高度な内容のものを浸透させていかなければ、会社の成長が止まってしまったり、競合他社の圧力に耐えられなくなったりするのです。

行動指針の完成形では、項目数が細かくは30項目以上になることが多いです。反対に、項目数が少ないものは、全方位的に網羅されていないものとお考えください。

経営指針の追加作成

会社が成長し、社員数が増えてくると、経営幹部に昇格してくる人材が出てきます。経営幹部は、社長に代わって経営判断を行い、任された部門をマネジメントしなければなりません。

経営幹部が社長に代わって経営判断をするための基準のことを、当社では経営指針と言っています。

文鎮型からピラミッド型の組織になっていくタイミングで、経営指針を経営理念の中に盛り込んでください。そして、経営幹部に経営指針をも浸透させてください。

これらが合わさって、経営理念が完成し、次の4つの構成要素が出来上がります。

  1. 基本理念
  2. 企業ビジョン(全社目標)
  3. 経営指針
  4. 行動指針

これらの内容が進化したときには、人事評価の基準が見直させるタイミングでもあります。

以上、中小企業がどのような経営理念を作成すべきなのか、経営理念を作成するタイミングや進化などについて解説いたしました。

しかし、この記事を読んだだけでは、「結局、どのような内容のものを作成したらいいのか分からない」とお感じになられたかもしれません。それもそのはずです。経営理念の内容は、会社によって異なり、正解が無いからです。

もし、経営理念の内容に自信が無い場合は、当社までご相談ください。基本理念や経営指針、未来ビジョンは、社長にお考えいただきたいのですが、行動指針はどのような企業でもおおよそ共通するポイントがあるので、テンプレートを作成いたしました。

当社の経営理念コンサルティングと行動指針のテンプレートをご活用いただけますと、初めて経営理念の作成にお取組みになられる社長であっても、経営理念作成の時間が圧倒的に短縮できます。

ぜひご相談ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

プロフィール詳細


「社長の夢実現への道」一覧に戻る