社長の夢実現への道

会社の未来ビジョン作成で考えてはいけないことと有効な方法

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会社の未来ビジョン作成で考えてはいけないことと有効な方法

会社の未来を考えること、会社の未来の姿を創造することは、社長にとって大切な仕事の一つであることは、述べるまでもありません。

先日、とある社長とのコンサルティング・セッションで、未来ビジョンを考えていただきました。

その社長は、ご自身の主力事業とは異なる投機的な事業に目がくらみ、そちらの方に方向転換しようとしていました。例えば、製造業の社長が、近所の経営者仲間から「不動産のもうけ話がある」という具合に、まったく異なる業種や顧客層のもので、アンゾフの成長マトリクスで述べられているところの「多角化」でした。

私は、「これはいけない」と思い、社長の未来ビジョンを考えていただくことにしました。

ところが、社長は未来ビジョンを達成するための「やり方」ばかりに囚われて、理想的な未来ビジョンがなかなか出てきませんでした。

未来ビジョンを考えるときには、やり方は気になっても横に置いておき、自分が理想とすべきものを考えていくことで、質の高い未来ビジョンを描くことができます。

会社の未来を考えるのは社長の仕事

社長にとって大切な仕事の一つに、会社の未来を考えることがあります。

社長が何を目指しているのか、会社をどのような事業をしていきたいのか、どのような規模を目指しているのか。会社の将来の姿は、社長の決定や決断の繰り返しで構築されていくので、社長の考えた通りにしかなりません。

社長が会社の未来をどのように考えているのか、社員も気になるところです。なぜなら、社員は「この会社に勤め続けたら、自分はどのようになるのか?」ということが気になるからです。社員自信の幸不幸の大部分を、社長が握っているのです。

ですので、社長は「会社の未来を考える」ということに対して、普段からイメージし続け、発信し続ける必要があります。

今までご支援をさせていただいた企業の中には、社員全員で会社の未来を考えるという方針を打ち出した社長もいました。そういった場合でも、社長の中には会社の未来の姿があるわけです。「社員全員が経営に関心を持ってもらえる会社にしたい」という未来の姿です。

社員に会社の未来を考えてもらう場合でも、どのような方向性で会社の未来を考えるのかを、社長が示すことが大切です。

未来ビジョンとは?

未来ビジョンとは、未来の姿をありありとビジョン化したものです。会社の未来ビジョンですので、当社では「企業ビジョン」と呼んでいます。企業ビジョンには段階があり、最終的な目標となるものを「全社目標」と呼んでいます。

例えば、最終的にロケットの製造をしたい会社があったとします。全社目標は「ロケットの製造」です。中小企業がいきなりロケットを製造することは、ほぼ不可能でしょう。そこで、段階的にガソリンエンジンが製造できるようになり、ジェットエンジンが製造できるようになり、最後にロケットエンジンが製造できるようになり、ロケットの製造へと進化させることができます。

ここで、ガソリンエンジンの製造が第一段階の企業ビジョン、ジェットエンジンの製造が第二段階の企業ビジョンという具合になります。

全社目標は、社長の志でもあります。豊田佐吉であれば、世界一の自動織機を開発したい。本田宗一郎であれば、世界一のオートバイ屋になり、いずれは自動車も開発したい。といったものです。

全社目標が壮大なものであったとしても、段階的に成長していくことで、社長の志を実現していくことが可能となります。

会社の未来ビジョンを明確にすることの効用

企業ビジョンや全社目標を明確にすることにより、会社の進むべき方向を明確にし、社長が横道にそれないようになります。

我が社の未来ビジョンを社員に伝えることで、自分の会社が将来にどのようなものになるのかが分かり、やる気の出る社員が増えてきます。なぜなら、未来ビジョンは理想の姿なので、自社の発展がイメージできるからです。

また、会社に一体感が生まれます

未来ビジョンを、わざわざ今の事業規模よりも小さく考える人は少ないことでしょう。そのようなイメージは、未来ビジョンではなく撤退ビジョンとでも言うべきものでしょう。

ともあれ、未来ビジョンを明確にすることにより、社長自身を含め、社員のモチベーションを高めてくれます。

会社の未来ビジョンは誰が作成するべきか?

会社の未来ビジョンを考える人は、もちろん社長ただ一人です。理由は簡単です。

もし、未来ビジョンを社員が考えたとしましょう。社員が考えた我社の未来ビジョンを社長は承認できるでしょうか。それを受け入れたとしても、社長はそれに心から従うことはできないはずです。社員は社長に意見はできますが、決定は会社の経営者である社長が行うものです。

では、外部のコンサルタントが考えた未来ビジョンはどうでしょうか。信頼できるメンターから、「これを目指しなさい」と言われたら従うかもしれませんが、やはり社長自ら考えて汗を流した先に未来ビジョンを作成することが一般的です。

ですから、未来ビジョンは社長自ら考えて、外部のコンサルタントには相談するぐらいが良いと思います。

当社のコンサルタントなら、社長の気持ちを大切にするコーチング・セッションにて、社長のハートが燃え立つような未来ビジョンを構築するご支援をいたします。

未来ビジョンを考える上で考えてはいけないこと

冒頭で述べた社長との会話では、「将来の会社の規模はこれぐらいになったらいいな」という具合に、通過点やゴールをイメージしていただいたのですが、しきりに「やり方」が気になったようです。

先ほどの例で説明すると、「ガソリンエンジンの部品は製造したことがあるけど、ジェットエンジンなんてどのように製造したらいいのか?」という具合に、やり方が気になるのです。

やり方ばかり考えたら、未来のことがイメージしにくくなります。そのような人は、現実に囚われているのだと思います。

未来ビジョンを考えるときは、やり方は無限にあるものと考えて、とにかく理想のみを追求してください。まだ見ぬ会社の未来の姿ですから、現実ではなく理想を語るべきなのです。10年後、20年後、30年後の姿です。

「このご時世、そんな未来なんて考えられないよ」と思った方もいることでしょう。ご安心ください。

未来ビジョンが出にくいときのIF質問

未来ビジョンが出にくいときには、IF質問が有効です。

IF質問とは?

IF質問とは、コーチングを知っている人ならご存じでしょう。「もし・・・なら」という質問で、限界を突破するための質問です。

未来ビジョンをイメージしにくい方は、次のように自問自答してください。

もし、経営資源が何でも手に入るとしたら、何を実現したいですか?

経営資源には、人やもの、お金、時間、場所など、事業経営に必要となるあらゆるものです。それが無尽蔵に手に入ります。

このようなIF質問をすると、社長によっては「私には経営能力がない」とお考えの方もいらっしゃいます。そこもIF質問です。

もし、社長の経営能力に限界がなかったら、何を実現したいですか?

これらの質問を真剣に考えることで、未来ビジョンが見えてくるはずです。実際には、何でも手に入ることはありませんが、その限界を超えて考えることができるのが、IF質問の良さです。

IF質問をしないで未来ビジョンを考える場合は、現実から積み上げられた未来ビジョンを考えることが多いと思います。当社の経営コンサルティング事業を例にすると、現実から考えたら「何とか社員全員の生活を守り、少しずつ会社を大きくしていきたい」という具合でしょう。

ところが、何でも手に入るIF質問でしたら、「何でも手に入るですから、世界一の経営コンサルティング会社になりたい」という具合に、現実に囚われていては出てこないような答えが出てきます。

どれぐらい先まで会社の未来を考えるべきか?

未来ビジョンを考えるときに、どの程度の未来のことを考えたら良いのかが気になるところでしょう。

それは、イメージできる限界まで先の未来を考えてください

「100年先なんて考えても意味はないよ」とおっしゃるかもしれません。そのようにお考えの社長は、ご自身の寿命があと数十年だからでしょうけれども、自社がうまく承継されて、100年後にも存在するかもしれません。

パナソニックの創業者である松下幸之助(1894~1989年)先生は、250年計画を立てられたそうです。

一般的には、10年先の未来ビジョンを考えられる社長が多いです。稀にですが、30年先の会社の未来を考える社長もいらっしゃいます。

反対にあまり未来のことが考えられない社長は、少なくとも5年後の未来を考えるようにしてください。「5年先も考えられないよ」とおっしゃる社長の場合は、3年先のことを考えてもらうようにしています。3年先の会社の姿がわからなければ、販売や資金、投資の計画が立てにくく、成り行き経営になってしまうからです。

当社では、10年先の未来ビジョンを明確にしています。漠然としていますが、30年後もイメージしています。

このようにして、実現したいことが発見できたら、それが「我社は何のために存在するのか?」という自社の存在目的となります。

自社の存在目的は、一度考えたら終わりではなく、世の中の変化で変わっていくこともあります。社長は、ときどき原点に返る意味でも、自社の存在目的を考えることが大切です。

イメージできた未来ビジョンは実現の可能性がある

成功哲学には、「イメージできることは実現の可能性がある」と言われています。未来ビジョンの実現性について述べたいと思います。

未来ビジョンがイメージできた範囲が社長の器の範囲

社長が未来ビジョンとしてイメージできたことが、社長の能力の範囲を決めるものだと言えます。

社長がどのような会社にしたいのか、どのような事業をしたいのか、どのような顧客にどのように満足してもらいたいのかをイメージできたことが、それが実現するからです。

ここで、「大きな未来ビジョンがイメージできないので、私は器がない」とか、「当社の社長は、器が小さい」などと思わないでください。

未来ビジョンをイメージすることは、繰り返しの訓練がいるのです。

小さな会社の社長であれば、売上高や銀行の残金、資金繰りのことなど、目先のことで頭がいっぱいなのです。そういった状態で、「未来ビジョンを描きなさい」と言われても、「借金を返済して、食っていくための利益が出て」という具合の未来ビジョンを出すことで精いっぱいでしょう。

IF質問は、社長の器をむき出しにしてくれる質問なのです。

未来ビジョンは方法を通じて実現する

成功哲学を否定される方の中は、「イメージできたからと言って、それを実現できるとは限らない」とおっしゃる方がいます。「100万円が降ってくることをイメージしたが、降ってこないじゃないか」と非現実的なことをおっしゃる方もいます。私もその通りだと思います。

何かを実現したい人は、その代償を払うことが必要です。これを、代償の法則といいます。100万円が欲しい人には、100万円が得られるための何か行動をしなければいけません。行動が代償になります。会社であれば、100万円の利益が得られるように事業活動することを、代償として支払います。

イメージした未来ビジョンは、それを実現させるための手法を行うことによって実現します。その良い手法は、未来ビジョンの実現を考え続け、実施し続けることによって得られます。

未来ビジョンをイメージしたときに、それを実現するためのプロセスもイメージするべきです。

どうしても未来ビジョンがイメージできない場合

IF質問で自問自答しても、未来ビジョンをイメージしにくい場合が多いことでしょう。また、イメージできたものが本当に正しいものなのかどうかも、判断がつきにくいことでしょう。

そういった場合におすすめな方法があります。

それは、当社のサービスのご紹介にもなりますが、経営理念コンサルタントやビジネスコーチにセッションを依頼することです。

経営理念コンサルタントやビジネスコーチから質問されることによって、今までイメージしていなかったことが、社長自らの口から次々と出てくることに、社長ご自身が驚かれることでしょう。

経営理念コンサルタントやビジネスコーチのご依頼なら当社までご連絡ください。

未来ビジョンがイメージできたら期限を決めて計画を

未来ビジョンがイメージできたら、それを実現したい期限を決めます。期限を決めたら、実現すべきことや方針、やるべきことを明確にして数値化し経営計画にまとめます。それを基にしてガントチャートのようなスケジュールを立てていきます。

その計画が5年~10年のものを長期経営計画と言います。1年にしたものを年度計画や短期経営計画と言われるものです。

短期経営計画を、12か月で割り、今週に割り、今日に割っていけば、今日や明日に行うべきことが明確になります。その行動によって実績を積み上げていくことができれば、未来ビジョンが達成できるということになります。

まとめ

未来ビジョンを作成するときは、やり方に囚われず、理想を考えてみてください。そのときにIF質問が効果的です。

それによって導き出された自社の存在目的を未来ビジョンにして、期限を決め、計画・スケジュールを立てて、今日・明日の行動まで落とし込んでください。

もし、我社の未来ビジョンを考えることができない場合や、もっと良い未来ビジョンを考え気持ちを鼓舞したい場合には、当社のコンサルティングをご利用ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

経営全般からマーケット分析、集客コンサルティング、SEO対策、SEOコンテンツ・マーケティング、ホームページ制作等を主に行っています。Web集客と併せて、新商品開発やブランディングの支援など、クライアント企業が競合企業に勝つためのコンサルティングを提供しています。

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