今現在、上司であるご自身で「部下への指示出しが下手だ」と思っている人は、少ないことでしょう。
しかし、部下からすると「上司の指示出しの下手さは、何とかしてほしい」と思っている人が多いと思います。
上司の指示出しが下手だと、「部下が考えたらいいだけだ」と思われるかもしれませんが、会社としてとても損をしているのです。なぜなら、部下が無駄に考える時間が増えているからです。
その考える時間を、もっとクリエイティブなものに振り向けることができたら、業務の生産性が高まるはずです。そのための工夫は、実のところちょっとしたことなのです。
このコラムでは、私が経験してきた部下の指示出しが上手いリーダーの特徴をまとめました。
会社のイノベーション目標に、部下への指示出しの改善を取り入れて、ぜひ業務効率の高い会社へ変革してください。
最後に、当社のリーダーコミュニケーションスキル研修のご案内をしております。レベルの高い部下への指示出しができるスキルを学べる研修にご興味があれば、ぜひ当社にご相談ください。
何でもって「指示の出し方が上手い」と言えるのか?
上司から部下への指示の出し方が上手いと、上司の想定していた結果が得られることはもちろんのこと、それ以上の良き変化が起きることがあります。指示を出して、良き変化が起きたのであれば、「指示の出し方が上手い」と言えます。
具体的には、次のような変化が一般的だと思います。
- 部下が指示をすんなり引き受けてくれる
- 部下が指示された内容が適切に実行される
- 業務の生産性が上がる
- 部下が育つ
指示を出す上司が、どれだけの責任範囲のことを考えて、部下に指示を出しているのかによって、変化の結果が大きく変わります。
上司の指示の出し方が下手なときのデメリット
上司の指示の出し方が下手な場合の、上司側と部下側のデメリットを2つご紹介いたします。どちらも、上司が担当する部門の成績を下げてしまうことになります。
下手な指示を出した本人がイライラする
自分の指示の出し方が上手いと勘違いしている場合ですが、指示を出して、部下の理解度の低さにイライラすることがあります。
上司の指示の出し方を忖度して、うまく聞き返してきてくれるような、仕事の全体が見えている優秀な部下であれば、上司は「指示が上手く伝わった」と思って、上司はイライラしません。優秀な部下は、上司が出した指示の内容を忖度してくれて、最適な対応ができるからです。
しかし、会社には、そのような部下ばかりではありません。
上司からの指示を間違って解釈した部下は、指示とは異なることをしてきます。そういった部下には、指示を出す度にイライラすることになります。
指示出しでイライラしてきたら、部下は余計に間違った解釈をしてしまうことにもなり、悪循環になりかねません。
上司も、そのイライラ感が消えるまで、良い判断業務ができなくなるかもしれません。
優秀な部下の仕事が遅くなる
上司の指示の出し方が下手な場合、指示の内容を忖度できる社員であったとしても、最適解を導き出すのに時間がかかってしまいます。
そして上司は、そのような指示の出しやすい部下に、指示をドシドシ出していきます。
指示がドシドシ出てくる上司は、頭の回転が早い人が多いと思います。指示をドシドシ受けられる部下は、仕事の回転が早いと思います。上司は、優秀な部下に指示を出したくなるものですので、指示をたくさん出してしまう部下は、仕事能力を認めていることが多いはずです。
部下は、上司からドシドシ出されてくる指示に、優先順位を付けて取り組むのですが、優秀な部下であったとしても、作業速度や作業時間に限界があります。
また、企画の作成など、考えることが必要な指示については、じっくり考えるために、まとまった時間が必要となります。しかし、社長からドシドシ細かな仕事が下りてくると、部下はまとまった時間が取りにくくなります。部下としては、「社長、ちょっと今日は話しかけないでください」と言いいたくもなりますが、社長はお構いなしです。
そのようにして、優秀な部下の時間を奪って行き、成果を出してくれる優秀な部下の仕事が遅くなっていくのです。真面目な部下ほど、そうなります。
場合によっては、上司はその部下に「もっと出来る人材かと思っていたが、失望してしまった。」と無能のレッテルを貼ってしまう場合もあるのです。その部下は、指示の出し方が悪い上司の元で、落ちぶれていってしまいます。
上司の指示の出し方が悪ければ、上司の部下の人間関係も悪くなり、部門の生産性が落ちます。
部下への指示出しが下手な人の特徴
部下への指示の出し方が下手な人の特徴を、見たり聞いたり、体験したりしたことをまとめたいと思います。すべての項目に当てはまる人がいたら、ご自身の周りでは、迷惑千万と考えている人ばかりだとお考えください。
自分の地位を振りかざして、部下を育てる気がない
自分の地位を振りかざす人は、部下への指示出しが下手な人が多いと思います。酷い人では、部下のマウントを取ることに優越感や自尊心を得ているように感じる場合があります。指示を出され続ける部下は、畏縮していってしまうことが多く、廻りはYesマンばかりになり、組織の発展を止めてしまうのです。
そういった上司は、自分自身は「指示の出し方がうまい」と思っているわけですから、すべて部下の責任です。そのため、「指示の内容をよく考えない部下が悪い」ということになります。
部下からすると、メールの内容に曖昧な表現が多く、上司の気分が良いときは、聞いたら教えてくれますが、気分の悪いときには、「自分で考えろ」と叱られてしまいます。一度そのように怒られてしまったら、部下は上司に聞きにくくなってしまい、上司の顔色を伺うようになります。
自分で考えることで、部下に実力が身に付く場合もありますが、ほとんどの場合、部下は成長しません。それを部下指導と称して、千本ノックを楽しんでいるかのようです。
指示が出される背景も知らずに指示だけ出された部下は、指示の通りに仕事をしようとします。そして、上司からすると、「部下は考えて動かない」と文句を言うことになり、考えて動ける上司は、さらに自尊心を高めるのです。
そのような部下に対する湾曲した指導方法によって、部下はたいへんな苦労をします。「部下を育てたい」という気持ちを、正しい方向に向けて、能力に合った指導をしてあげたいものです。
指示を出す理由や背景、得たい結果を説明しない
指示を出す場合には、指示を出す理由や背景、指示の内容が実施された先に得たい結果があるはずです。
例えば、新幹線の乗車券を購入する場合であれば、お客様との打ち合わせがあったり、ビジネス研修に参加したりするわけです。切手を購入するとしても、請求書を出したり、案内状を出したりといった理由があります。
指示の出し方が下手な人は、その理由を述べないで、やることだけを伝えるという、指示の出し方をする人が多いです。それらを総じて、めんどくさがりであったり、指示を出す相手への思いやりが無い場合が多いです。いわゆる自己中です。
新入社員の育成を担当した能力の高い上司は、育成に時間がかかることにイライラすることがあります。そのうち育成が面倒になって、「考えて動け」と言わんばかりに、部下がわざと失敗するように、情報を与えないで指示を出す人もいます。そこまでいくと、イジメに近いものがあります。
自分が「優秀な人材だ」と思うのであれば、せめて考え方のヒントを出してあげるくらいは、してあげてほしいものです。できる部下は考えて動くことができます。しかし、それは適正があり、考える方と考える材料があってのことです。
上司が部下に、指示の内容の理由を伝えて、それを聞いてから部下が指示の対応をすると、部下の失敗が少なくなりますし、部下の仕事能力が上がりやすいです。上司から上手く育てられた部下は、その部下をうまく育てることができるようにもなりやすいです。
期限を言わないで、指示の出しっぱなし
部下に指示を出すときに、期限を言わないで指示を出す上司がいます。期限を言わないと、部下は仕事の隙間時間にやると思います。すると、指示の内容を忘れてしまって、後回しになっていくことがあります。
上司は指示が出しっぱなしのことがあり、上司の方で期限が差し迫ってきて、「おい、あの指示はどうなった」といきなり聞いてきます。部下の方では、「うっかり忘れておりました」ということで、たいへんなお叱りを受けてしまいます。
期限を言わないで、指示の出しっぱなしの上司の場合、その部下は上司の事情も考えずに「上司から『まだか』と言われたらやる」ようになってしまうのです。
期限を言ったとしても、その期限が曖昧な場合があります。
例えば、部下に「すぐやれ」と指示を出すことは多いと思います。しかし、「すぐ」とはいつなのか、上司と部下の間で意見が異なると思います。上司は、本当に今すぐにやってほしい内容だったとしても、部下は今日の夜までと勘違いして、トラブルになる場合もあります。
指示の出し方が上手い上司がやっていること
以下、指示出しのうまい人から学んで、私が実践していることをお伝えいたします。
口述とメモで伝える
指示を出すのがうまい人は、部下がミスしやすい箇所を把握していることです。うっかりミスをしやすい部下には、指示出しを口述とメモの両方で伝えています。
メラビアンの法則ではないですが、指示の内容が口述だけよりも、圧倒的に伝わりやすくなります。
口述した内容を部下にメモさせても良いですし、部下に指示出しをするときに、メモを渡して、メモの内容を部下といっしょに読み合わせをします。
指示出しで失敗した身近な例
卑近な話ですが、妻から「近所のスーパーマーケットで、卵と牛乳、氷を買ってきて欲しい」と頼まれたことがありました。散歩がてら購入して戻ってくると、「小麦粉がない」と叱られてしまいました。
通常であれば、「言った/言わない」の喧嘩になるような場面かもしれませんが、そこは経営コンサルタントの妻です。もう一度買いに行けば良い話ですし、メモで渡さなかった自分の責任だとして、謝ってくれました。
次の月に、また同じような場面があり、私が買い物に行くことになりました。次は、メモを渡され、口頭で買うものを言ってくれました。帰ってくると、実はメモに記載忘れがあり、また買いに行く羽目になりました。
メモの内容が3種類以上記載されている場合は、読み合わせをした方が、確実に伝わります。期限がある場合は、メモに期限を記載しておいた方が良いでしょう。
電話を受けた場合のメモは、よく利用されるメモです。大きな企業では、破棄するコピー用紙の裏紙で、メモのフォーマットを作っているところもあります。
上司がメモで指示を出すようになると、その効果を実感した部下もそれを真似し始めます。
指示を出す理由や背景、経緯などを伝える
指示出しの上手い上司は、部下に対して、指示を出す理由や、指示の内容の背景や経緯を伝えています。
なぜ指示を出す理由や背景、経緯を伝えるべきなのか?
上司が部下に指示を出すときに、部下は身構えますが、指示を出す理由などを話すと、指示を聞いてくれることが多くなったり、ミスが減ったりするメリットがありますが、それ以外にも大きなメリットがあります。
上司は忙しいので、指示を出すときは、パッと出して終わりにしたいものです。指示を出す理由などを話していると、時間がかかることもあります。
指示を出す理由や背景、経緯などを伝えると、部下が指示の内容を正しく受け取ることができるというメリットについては、先ほど述べました。それ以外にも、重要な理由があります。
それは、上司がなぜ部下に対して指示を出そうとしているのか、上司の考えを部下に暗黙のうちに伝えることができることです。それを聞いた部下は、知らずのうちに上司と同じ判断力を身に付けていくことができます。
また、切手を購入するお使いを頼んだとしても、その背景として「先日研修会にご参加いただいたお客様にお礼の手紙と、今後のスケジュールのご案内を送りたい」ということを伝えたとしたら、部下から「では、落ち着いたデザインの記念切手はいかがでしょうか?」と提案があるかもしれません。
そのようにして、部下の思考が育っていき、判断力が身に付いていきます。
部下には分からないことは「何度でも聞いて良い」というルールをカルチャーとする
牛丼でおなじみの吉野家では、上司が部下に指示を出したときに、「上司の指示の内容に不明なことがあれば、何度でも聞いて良い」というルールがあるそうです。
通常であれば、部下が何度でも聞いてきたら、上司は「うっとうしい、なぜそんなことも判らないのか。無能な部下だ」と感じてしまうはずです。上司も忙しいので、いちいち説明していられないと思うことでしょう。
吉野家のこのルールは、おそらく社長命令だったと思います。そして、部下の質問に丁寧に答えない場合は、ペナルティを課した可能性もあります。
コミュニケーションの場面では、言葉の意味のとらえ方の違いによって、意味の伝わり方が大きく異なり、実施内容も異なってきます。
例えば、「すぐにやってほしい」という指示があったときに、「すぐに」とは、どれくらいすぐなのか、部下にはわかりません。上司にとっては「ただちに」という意味かもしれませんが、部下からすると、「すぐなので、午前中までに終わらせたら良いだろう」と、指示を1~2時間ほど放置しておくかもしれません。
そういった場合は、部下は上司に対して、「ご指示の『すぐ』とは、いつまでのことでしょうか?」と質問しないといけないのです。
指示を実行したときの期待する成果(ゴール)を伝え、意見を聞く
指示を出したときに、期待するゴールを伝えることで、上司が部下に対して「考えて行動してほしい」だったり、「自分だったらこうする」という判断材料を提供することになります。
切手を購入してくる事例であれば、「お客様にお礼を出したいのだが、お客様に次回の研修に良い印象を持ってもらいたい」というゴールを伝えたとしたら、部下からは「では、手書きの手紙を添えられてはいかがでしょうか?」と、切手を購入する以上の提案が得られるかもしれません。
そのように部下から意見が出てくることを促し、その意見を直接採用したり、形を変えて採用したりして、部下の手柄にしてあげると、部下の仕事に対するやる気も上がると思います。
急ぎ度合いや重要度を伝える
指示を出す理由や経営などを話していると、その中には急ぎ度合いや重要度が含まれてくることがあります。その指示の急ぎ度合いや重要度を伝えるようにすると、部下は指示を受け入れやすくなります。
指示の内容の急ぎ度合いや重要度は、部下には分かりません。上司にとっては重要な内容であったとしても、指示だけを聞いた部下は、「自分は重要顧客の仕事で忙しいので、上司のことは後回しにしよう」と考える可能性もあります。重要な指示ほど、部下の都合を確認した方が良いでしょう。
重要でないことであったとしても、理解のある部下であれば、対応してくれるはずです。「上司は疲れているし、時間を作ってあげたい」と考えてくれます。
私が20代前半の頃、尊敬する優秀な上司がいました。その上司には仕事が集中し、毎日のように残業して、ヘトヘトでした。ある日、たまたま会社に戻っていた私に、「体調不良でフラフラだから、自動車で来ているのであれば、自宅まで送ってくれないか?」と依頼されました。
私の自宅とは反対方向でしたが、私は体力があったので、帰宅が2時間ほど遅くなりましたが、その上司の指示を受け入れました。
私がそのときに考えたことは、「この上司は、自分の部署の要の存在である。もし帰宅途中のラッシュで倒れられでもしたら、明日から大変だ。これは重要ミッションだ」と考えたのです。
上司から重要度は伝えられていませんが、上司の話し口調からして、重要ミッションと捉え、指示を受け入れました。
指示の言葉の中で誤解しそうな表現をしない
次の図をご覧ください。この図は、とある飲食店でメニューの修正を、部下に依頼した事例です。
この指示ですと、青色と赤色の色だけを入れ替えるのか、1段目の項目と2段目の項目を入れ替えるのか迷います。
誤解しそうな表現があったとしても、指示を出す理由を伝えておけば、部下は考えて正しい選択をすることが多いです。
上図の例であれば、「色だけを入れ替えたいので・・・」や、「重要な内容を上段にしたいので・・・」という具合に、理由を添えてあげると、その後の「青色と赤色を入れ替えてほしい」と言われたら、結果が予想されます。
なおかつ、面倒であっても結果のイメージをメモで伝えると完璧です。
部下が失敗しそうな状況を見抜いてあらかじめ手を打つ
指示の内容は、切手を購入してくるような軽いものから、会社の重要案件に至るまで、重要度のレベルがさまざまです。
新入社員であれば、まずは切手を買ってくるような簡単な業務から指示を出して、どのように考えて行動するのかを上司は見ていると思います。そして少しずつレベルの高い指示を出すようにしていくことになります。
そうしている中で、部下が失敗するパターンが見えてくると思います。重要な場面で大きな失敗をしてしまったら大変ですので、失敗しそうな箇所を前もって手を打つことが大事です。
これが、上司のマネジメント力です。
指示の期限を決めて経過確認をする
上司が部下に指示を出したら、そのまま放置するという、指示の出しっぱなしは良くありません。
指示を出されっぱなしの部下は、「上司からの指示は、自分の仕事をする時間が減って成果が出なくなる。上司はどうせ催促してこないから、ほっておいたら良い。催促されたときには、本当に必要な仕事なのだから、それをやれば良い。」と考えるようになります。
メールを出したら、相手に返答するボールが渡った状態です。その返答が返ってくるまで、別の仕事をしながら待っている状態になります。別の仕事をしていると、メールを出したことを忘れてしまう場合があります。
指示出しのうまい方は、ToDoリストを付けている人が多いです。
指示する内容によっては、日時のかかるものがあります。そのまま、1週間や1ヶ月といった期間を放置していて、部下がその指示のことを忘れてしまっていたら、大変な事態になりかねません。
そこで、指示にはすべて期限を決めておくことが大事です。日時のかかるもの、重要なものはあらかじめ中間報告を指示すると良いでしょう。中間報告を指示する場合も、その理由や報告期限などを伝えるべきです。
指示に利己心は無いか?
指示の出し方のテクニカルなことを述べてきましたが、少しマインドについても述べたいと思います。
上司の指示には、指示を出した側の責任が生じます。部下に指示を出した指示の連続によって、会社や部門の結果が左右されるからです。
指示を出す中に、利己心が少しでも混じっていたら、部下はそれを読み取ってしまうものです。
例えば、家族旅行をするための飛行機のチケットを、部下に予約させたり、旅行の計画を立てさせたりすることは、上司として徳を失う行為です。仕事時間中に、上司の私欲を満たすための行為をしていると、良識のある部下の心が荒んでしまいかねません。
また、名誉心が出て、部下に指示を出して得られた結果の手柄を、上司である自分の手柄として報告するような人は、部下の人心が離れていきます。そのような上司が出世してしまったら、会社は大変な間違いをしてしまう可能性もあります。
役職が上がれば上がるほど、自分の成果をゼロにできる人ほど、マネジメント能力の高い人だと思います。
このように、指示の出し方が小手先で上手くても、結果的に部下や上司、はたまた会社をダメにしてしまうことになります。
本当に指示出しの上手い上司は、「繰り出した指示に、利己心は無かったか?」という反省をして、最善の指示が出せるようにしているものです。そして、出した指示に間違いがあったら、すぐに修正ができるのも、利己心のない人の特長です。
以上、上司の指示の出し方が上手くなる方法について述べました。その反対として、上司の指示を正確に聞くことができる部下もいます。その部下の特徴については、別の機会に述べたいと思います。
リーダーコミュニケーション研修のご案内
最後に、当社が開催しているリーダーコミュニケーション研修のご案内をさせてください。
上司が部下を指導するときのコミュニケーションを中心に、仕事能力が高い部下がチャレンジングな仕事に挑戦するときのコーチングスキルを活用した導き方を身に付けていただく研修を行っています。もちろん、今回の指示の出し方が上手くなるコツも含まれています。
特に、次のような方にはおすすめの研修です。
- 部下の指導力や企画提案力を高めたいリーダー
- 営業力を高めたい営業担当者
- 経営理念の浸透をしたい会社の部課長
参考書籍は、もちろんデール・カーネギー先生の著作「人を動かす」です。
貴社だけでの開催も可能です。お気軽にご相談ください。
上司からの指示の正しい受け方
最後に、部下の立場で、上司からの指示の正しい受け方についてご説明いたします。部下の指示の受け方が正しいものであれば、上司からの指示の出し方が上手くなっていく場合もあります。
上司から指示を受けているときに、部下が最低限やってもらいたことは、次の3つです。
- 相づち
- メモ
- 復唱
相づちでは、上司の言葉に合わせてうなずいたり、「はい」と返事をしたりします。上司からすると、指示を受けている部下の反応を見て、指示を詳細に説明・解説するかを迷っています。そのときに、部下が、ボーッと立っているだけで指示の内容を聞いているのかどうかわからないと、上司は不安になってきて、上司の時間を奪うことになります。
メモは、上司からの指示を聞き洩らさないようにするためのものです。自分では覚えていたつもりでも、記憶というものはフッと消えてしまうこともあるのです。
復唱は、上司が出した指示の内容を復唱して、確認する作業のことです。自分自身のメモのし忘れを防ぐためだけでなく、上司のうっかりミスを防ぐためにも復唱は大事です。上司も万能ではありませんので、指示の内容に伝え忘れがあるかもしれません。復唱した後に、「これで良いでしょうか?」と確認すると、上司の思考が回転し、うっかりミスを防ぐことができます。
上司からよく頼み事をされる部下は、上司から信頼されている証拠です。上司の時間を創り出すようにして、上司のストレスを緩和してあげていってください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。