社長の夢実現への道

経営理念と経営計画の関係とは?

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経営理念と経営計画の関係(短期経営計画から企業ビジョンの実現まで)

経営計画を立てる手順の理想は、「経営理念から逆算して立てていくこと」です。

経営計画を立てようと思い、書籍などを参考にした場合、そのように書かれていることがあります。ところが、経営計画を立てるコンサルタントは、経営理念を立てるコンサルタントではありませんので、経営理念のことをよく理解されていないのか、その内容は曖昧に書かれていることが多いのです。

このコラムでは、経営理念と経営計画の関係について述べしつつ、経営理念から短期経営計画を作成する具体的な流れをご説明いたします。

経営理念とは?

経営理念とは、会社を経営していくための大義名分などが書かれたものです。正しい経営理念には、次のものが含まれたものと考えています。

  1. 我社の存在目的
  2. 将来の会社の姿
  3. それを実現するための経営哲学や方針

経営理念には、これらのことが明文化されたものです。我社の存在目的には、もちろん事業を通じての社会貢献が含まれなければなりません。

将来のわが社の姿、我社は将来どのような会社になっているのか、会社の規模や地位、事業内容などがイメージできる内容のことです。将来の会社の姿は、「企業ビジョン」として表します。

経営理念には理想が描かれていますが、それを実現するための指針が大事です。それを経営指針と呼んでいます。そして、理想や方針を浸透させることで経営理念が機能します。

経営計画とは?

経営計画とは、会社が目指すべき方向性を、数字や方針等を使って具体的に示したものです。

経営計画には、長期経営計画と短期経営計画があります。長期経営計画が10年以上の場合は、その中間として中期経営計画を作成すると良いでしょう。10年という長い期間は、従業員がイメージできないからです。

短期経営計画は、1年先の数字になりますが、長期経営計画と比較すると、かなり具体的な利益計画として作成されていると思います。短期経営計画の作成は、もちろん長期経営計画から逆算されて作成されるべきです。

短期経営計画の利益計画を実現するために、販売計画や資金繰り計画、要員計画、設備計画、プロジェクト計画などが作成されます。

そして、それらの計画を実現するための方針というものがあります。方針は、具体的である必要があります。

例えば、「営業を強化せよ」と言われても、具体性に欠けます。すると、社員は自分の営業成績が最大になるように、好き勝手に販売し始めてしまう可能性があります。

営業力の強化を指示するのであれば、「どこに営業に行くのか」「どれぐらい強化したら強化したと言えるのか」「何を販売したらいいのか」といった具合に、営業方針を明確に示すことで、社員は迷いなく経営理念の実現に向けた仕事ができるようになります。

長期経営計画から経営方針までをパッケージにしたものが、経営計画と言われるものです。それを経営計画書にまとめます。

経営理念と経営計画のつながり

続いて、経営理念と経営計画のつながりについて説明したいと思います。

企業ビジョンを実現させるための通過点としての長期経営計画

経営理念の中の企業ビジョンは10年以上先や30年先の未来の我社の姿であるはずです。また、企業ビジョンの内容は、具体的ではないことがほとんどです。

企業ビジョンをありありと具体的にイメージできたら、引き寄せの法則ではありませんが、その実現に近づいてくるものです。ありありと具体的にイメージする方法は、未来のバランスシートを作成することです。

このバランスシートを実現するための利益計画や経営方針などがあるはずです。それを、未来からの逆算で、長期、中期、短期と段階的に具体的な内容にしていきます。

つまり、経営理念の企業ビジョンと経営計画の長期経営計画がつながる部分です。短期経営計画を毎年実現していったら、長期経営計画が実現されて、いずれ企業ビジョンが実現されていきます。

もし目先の数字のみを追いかけたら?

短期経営計画の内容が、目先の数字を上げることのみに注力されてしまったらいかがでしょうか?

経営計画を立てても、立てなくても、目先の数字を追いかけるようにも見えます。実のところ、未来の数字を実現するための通過点としての目先の数字が短期経営計画です。

本当に目先の数字ばかりを追いかけるのであれば、長期的な視点が欠けてしまう可能性があり、市場の変化を読み違える可能性があります。すると、競合他社にいつも先手を取られ、自社が後手になってしまう可能性があります。

経営理念から短期経営計画を作成する流れ

経営理念から短期経営計画を作成する、理想的な流れについてご説明いたします。あくまでも理想形態ですので、このようにいかない場合も多いのですが、その理由を後で述べます。

経営理念から逆算して長期経営計画、短期経営計画を作成

長期計画の作成

広義の意味での長期計画は、経営理念から長期経営計画までを含みます。経営理念が長期計画に含まれる理由は、経営理念は「会社が実現したい将来の姿」を言葉にしたものだからです。

基本理念

最初に基本理念を作成します。基本理念は、会社のすべてを一文で表した言葉です。基本理念からは、上記の我社の存在目的が記されています。基本理念は、その一言から、会社が何を目指しているのかがイメージできるものになっています。

経営理念用語の中に、ミッションやパーパスというものがありますが、基本理念と同じ意味です。基本理念は、会社の存在理由も含まれているからです。

企業ビジョン

それをイメージとして表したものが、企業ビジョンです。我社が社運をかけて実現したい内容のことを、当社では「全社目標」と呼んでいます。基本理念や企業ビジョンの実現が、社員にとっての大義名分になります。

経営指針

基本理念や企業ビジョンを実現するために、経営幹部が社長に代わって仕事をしなければなりません。そのための経営判断をするための基本的な考え方として、経営指針を作成します。

経営理念

これら3つのものに、行動指針を加えたものが、パッケージとしての経営理念になります。

経営理念の浸透では、基本理念や企業ビジョン、経営指針の学習だけでなく、行動指針の学習も大事です。行動指針の学習によって、全社員が成果の出せる社員に成長していきますし、会社のカルチャーづくりにもつながります。

経営理念を浸透させて機能させるための構成要素については、「機能する正しい経営理念とは?経営理念の構成要素」をご参照ください。

長期経営計画

次に、企業ビジョンが実現した姿を数字で表していきます。経営理念にある企業ビジョンは、何年先のビジョンでしょうか。10年先でしょうか、30年先でしょうか?

何年先か決めていない場合は、その途中経過として10年先の長期経営計画を作成すると良いでしょう。

10年先では、市場がどのように変化しているか予想しにくいものです。そこで、市場の変化を数字だけで予想し、将来のわが社のバランスシートを作成します。

長期経営方針では、将来的にどのような事業をおこなっているのか、事業規模はどうなっているのか、社員の処遇はどうなっていくのかを基本方針として、漠然としたものでも良いですので作成します。

長期経営計画が10年以上の場合には、その中間として中期経営計画を作成する場合が多いです。ちなみに、当社では中期経営計画は作成しておりませんが、10年計画を1年刻みで計画していますので、その途中段階が中期経営計画になります。

10年後の長期経営計画を実現するためには、経営方針が必要です。それを長期経営方針と呼んでいます。長期経営方針では、どの程度の利益率のものをどれだけ販売するのかという内容になります。この長期経営方針は、市場動向によって変化させていくべきものです。

短期経営計画の作成

短期経営計画は、短期計画と短期経営方針がパッケージになったものです。

短期計画

長期経営計画から1年後のものを抽出したものが、短期計画になります。短期計画は1年後のことですので、市場の読みはしっかり行えているはずですので、具体的に計画を立てることができることでしょう。つまり、販売計画や設備計画、要員計画などがそれです。

図では、利益計画、販売計画、設備計画、資金繰り計画、要員計画とありますが、企業によっては、他にも計画が必要な場合もあったり、必要でなかったりします。例えば、新商品開発をするためのプロジェクト計画です。

短期経営方針

また、それら短期計画を実現するためには、その計画を実現するための具体的な経営方針を決める必要があります。それを短期経営方針と呼んでいます。

短期経営方針の主なものとしては、販売計画を実現するための方針です。どの商品の販売に力を入れるのか、どこを重点地域とするのか、どの顧客を切り捨てていくのかといったものです。

中小企業の社長ならここまでお一人で作成すべき

短期経営計画までの作成は、中小企業の場合は基本的に社長お一人で行います。もちろん、コンサルタントに支援を依頼してもかまいませんが、社長お一人の意思決定で作成すべきです。

なぜなら、社長以外の人が作成した計画だと、社長自身が実施しないからです。すると社員全員にも経営理念をはじめ経営計画も浸透しません。

会社で最も市場の読みの優れた人材は社長です。会社の全責任を負っているのも社長です。であれば、会社の将来の姿を現す経営計画は、社長自ら立てる必要があるはずです。

中企業で、部門の詳細が分からない場合には、参考として各部門長に意見を聞いたり、コンサルタントに作成方法を相談したりしても良いと思います。その場合でも、決定は社長お一人で行う必要があります。

企業によっては、短期的な新商品開発やそれの販売が必要になったり、新しい部門を立ち上げたりする、重要なプロジェクトを計画している場合があります。そういった重要プロジェクトを行う場合には、別途、社長がリーダーとなり社長直轄のプロジェクト計画を立てます。

プロジェクト計画は、短期経営計画を達成するための計画として、経営幹部に立てさせると良いでしょう。その場合は、経営幹部に完全に自由にやらせるのではなく、あくまでも経営計画を達成するためのプロジェクト計画として立案させます。

経営理念や長期経営計画を作ったことのない社長の場合

経営理念や長期経営計画を作ったことのない社長の場合は、いきなりそれらを作成することは、難しいことが多いです。そういった社長の多くは、「10年も先のことは分からない」と思うからです。

イメージできないことは、計画が立てられません。

そこで、そういった社長は、短期経営計画を立てることからおすすめしています。先のイメージと言っても1年先のことであればイメージしやすいからです。

短期経営計画を作成し、未来の我社をイメージすることに慣れてきてから、経営理念や長期経営絵計画を作成しても良いと思います。

「いやいや、やはり経営理念から立てることが大切だ」とお考えの社長もいらっしゃることでしょう。そういった社長の場合は、ぜひ当社の経営理念コンサルティングをご依頼ください。

経営理念を作成したことのない社長でも、コンサルタントが丁寧に時間をかけてヒアリングし、社長が納得でき、情熱の湧き上がる経営理念作成をご支援いたします。

ともあれ、どのようにコンサルティングを行うのかご心配のことでしょう。経営理念コンサルティングでは、初回無料の経営理念相談会を随時行っています。

経営理念コンサルティングのご依頼や無料相談は、当社までお電話もしくはお問い合わせフォームにてご連絡ください。

今日は、これだけ覚えておいてください。

経営計画の作成は、理想的には経営理念から長期経営計画、短期経営計画の順に作成する。初めて作成する場合は、短期経営計画から作成する。

経営理念コンサルティング

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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