社長の夢実現への道

経営計画の種類

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経営計画の種類

経営計画の種類には、時系列では長期経営計画、中期経営計画、短期経営計画があります。

経営計画を構成する計画の種類には、利益計画や販売計画、設備計画、要員計画、資金繰り計画、経営方針などがあります。

このように、経営計画にはさまざまな種類があり、コンサルタントによって名称の定義が異なる場合もあります。

このコラムでは、長期、中期、短期経営計画とは何かをご説明いたします。経営計画を構成する計画の種類は、別のコラムでご紹介いたします。

経営計画の種類

経営計画の種類は、長期経営計画、中期経営計画、短期経営計画の3種類です。

長期経営計画とは?

長期経営計画とは、会社の遠い未来の経営計画です。「どこまで遠い未来の経営計画が、長期か?」ということですが、社長が数字でイメージできる範囲です。

長期経営計画の期間

5年先までイメージできたら、5年の長期経営計画を作成することができます。10年先であれば、10年の経営計画を作成できます。「どこまで先の経営計画を作成したら良いか?」ですが、最長10年で良いと思います。

10年の長期経営計画では、それを1年毎の10列の表にして、毎年の予算を作成します。5年の長期経営計画では、5列の表にして、毎年の予算を作成します。長期経営計画ができたら、その予算を実現するための長期経営方針を作成します。

長期経営方針は、「10年後は主力商品を占有率ナンバー1にしたい」とか「利益率が10%高い商品を開発する」、「社員の給料をこの水準まで高めたい」といった具合です。

10年先の数字は、すぐには想定しにくいものですが、会社としてぜひともチャレンジしたいことや、会社の未来ビジョンの実現に向けて、「10年後には、これぐらいの事業規模になっていたい」とか「このような事業を行っていたい」という目標が立つはずです。

長期経営計画は変更しても良いか?

長期経営計画を立てても、社長の経営の悟りや経営センスの上昇、市場や競合他社などの客観情勢の変化によって、計画自体が変化していくことがあります。その場合には、長期経営計画に記載されている予算の数字は変化させてかまいません。

5年や10年先のことは、惰性で市場が動いていくこともあれば、突然のブームや震災などのような突発的な出来事で市場が動くこともあります。まさしく予想できないこともあります。

そのような市場の変化をつかんだら、その変化を読み取って長期経営計画を修正するときです。

長期経営計画を作成しなくても良い場面

もし、社長にチャレンジしたいことや企業ビジョンがなければ、短期経営計画だけでも良いと考えます。

また、経営計画を初めて作成される社長は、未来をイメージすることが苦手かと思います。そういった社長も長期経営計画は必要ないと思います。

どちらも短期経営計画の作成からお取組みください。

中期経営計画とは?

中期経営計画とは、長期経営計画から見て中間の状態の経営計画です。

中期経営計画の期間

10年の長期経営計画を立てたのであれば、中期経営計画は5年が妥当です。5年の長期経営計画では、3年が妥当かと考えます。

中期経営計画の内容は、長期経営計画と同じです。5年や3年を1年毎に分割して、予算を記載していきます。

中期経営計画を変更する場面

中期経営計画は、長期経営計画に基づいて作成されます。そのため、長期経営計画が変更された場合は、それに伴って中期経営計画も見直しが必要となります。

ただし、社長のご意向で「中期経営計画の数字は何としても達成したい」とお考えであれば、変更する必要はありません。

中期経営計画を作成しなくても良い場面

長期経営計画がなければ、中期経営計画は必要ありません。「3年後の経営計画を立てたい」とお考えであれば、3年後が長期経営計画となります。その場合は、2年後の中期経営計画は必要なく、1年間の短期経営計画と3年後の長期経営計画の2つだけで良いと思います。

また、長期経営計画があったとしても、1年単位で明確な計画が作成されていたら、中期経営計画は必要ないと思います。長期経営計画の中間を確認したら良いからです。

短期経営計画とは?

短期経営計画についてご説明します。コンサルタントによっては、短期経営計画のことを「事業計画」と言っている人もいますが、意味はほとんど同じです。

短期経営計画の期間

短期経営計画とは、「1年後はどうあるべきか?」「そのための方針は?」という経営計画のことです。社長によっては2年の経営計画を立てる人もいますが、最小単位は1年が良いです。

販売計画は、短期経営計画に記された1年に達成していたい予算を12カ月で割り、12カ月の表で作成します。

今後1年の目標を立てるわけですから、長期経営計画や中期経営計画と比べたら、数字のイメージはしやすいです。短期経営計画の販売計画や経営方針は具体的でなければなりません。

「1年ではなく、6カ月の短期経営計画はどうか?」と思われた方もいらっしゃることでしょう。6カ月では、季節変動の影響があり、正しく数字を把握できない場合があります。

短期経営計画の作り方

長期や中期経営計画を作成している場合には、その最初の1年の計画を12カ月に分割したものが短期経営計画になります。短期経営計画のみ作成される場合は、1年後に達成したい利益から逆算で計算していきます。

経営計画は、得たい利益から逆算して作成するので、経営計画のことを利益計画と言われることもあります。また、利益計画は表になっているので、この表のことを利益計画表と言います。

短期経営計画の作成では、利益計画に基づいて販売計画や短期経営方針を作成します。それらをパッケージとして、「短期経営計画」と称することもあります。当社では、パッケージで短期経営計画と称しています。

短期経営計画は変更しても良い?

短期経営計画は変更してもかまいません。そのタイミングは、突発的な市場の断層が発生した場合のみです。

東日本大震災や新型コロナ感染症拡大によって、多くの企業がダメージを受けました。そういった場合には、すぐさま短期経営計画を変更すべきです。「短期経営計画を守って、会社を守れず」ということがあってはいけません。

そのような突発的なこと以外では、短期経営計画は変更せずにご使用ください。そして、来年度の短期経営計画を作成するときに、変更したい点があればそれを盛り込むようにしてください。あくまでも期中では変更せずに使用します。

経営計画の期間をまとめると、次のようになります。

経営計画の期間の目安
経営計画の種類期間
長期経営計画5~10年
中期経営計画3~5年
短期経営計画1年
経営計画の期間

中長期経営計画と短期経営計画の違い

中長期経営計画と短期経営計画の違いは、按分は、年毎の利益計画か、月毎の利益計画かの違いです。また、数字の具体性が違います。短期経営計画は、社長が会社の未来像を具体的にイメージできるので、具体性のある数字となりやすいです。

中長期経営計画と短期経営計画は、変更するタイミングの違いがあります。中長期経営計画では、不確定要素が多いため、市場や競合他社などの情勢の変化で、計画を変更する必要が出てくるはずです。短期経営計画の場合には、情勢の変化はそれほどありませんので、変更せずに使用します。

経営計画を作成する目的

経営計画を作成する目的は、社長が理想とする立派な会社をつくるためです。立派な経営計画を作成することが目的ではありません。

社長には、「自分にとって立派な会社とはどのようなものなのか?」というイメージをお持ちのことでしょう。立派な会社を目指していなくても、「社員のお給料を増やしてあげたい」とか「地域で一番の会社にしたい」といった理想像があるはずです。

もし、「会社は今の規模のまま維持できたら良い」とお考えであったとしても、今の規模を維持するための経営計画があるはずです。

経営計画は、そういった社長が目指している将来の姿を数字で表したものです。社長の夢が詰まったものです。その実現の決意表明を明確に表したものが経営計画です。

ですので、経営計画は社長が作成しなければなりません。誰かに手伝ってもらっても良いのですが、その場合は、手伝ってもらう人の私情を挟ませないようにしなければなりません。

どの経営計画から作成したらよいのか?

理想的には長期経営計画から

理想的には、経営計画は未来から逆算して作成します。つまり、長期経営計画を作成し、次に中期経営計画を作成します。最後に短期経営計画を作成します。

未来の会社の姿を計画を作成するときは、前向きなものを作成したいものです。

民主主義社会では、現状維持は衰退を意味します。会社が衰退していくような計画では、小さな会社であれば家族が心配しますし、従業員のいる会社では従業員に明るい未来を指し示すだけの徳を持ちたいものです。

もっと理想を述べるならば経営理念から

また、長期経営計画から作成する場合、もっと理想を述べるのであれば、経営理念の実現から逆算して長期経営計画を作成することです。

経営理念の実現とは、例えば「地上から公害を無くしたい」というミッションを掲げた企業であれば、地上から公害が無くなったときの、事業規模をイメージするという具合です。「我社の将来をこのような事業をしたい」「いずれは世界一を目指したい」といった夢のある会社を創りたい場合もあるはずです。

社長のそういった夢を実現したい場合に、「10年後には、この事業内容を、これぐらいの規模で行っていなければ、その夢は実現できない」という使命感から長期経営計画を作成します。

そのような大義名分のある長期経営計画は、社員の心を動かすことでしょう。なぜなら、将来の自分たちの処遇が示されたようなものだからです。

将来の会社の姿をイメージできない場合は短期経営計画から

経営計画は、長期であれ短期であれ、未来の会社の姿をイメージして数字にすることです。まず、将来の会社の姿のイメージがあってのことです。

会社の遠い未来のイメージは、慣れていないとできない場合があります。慣れていない社長は、短期経営計画から作成すれば良いと思います。経営計画の作成に慣れてきて、未来の数字がイメージできるようになってから、長期経営計画の作成に取り組むと良いでしょう。

当社にて、初めて経営計画の作成に取り組まれるお客様の場合、半数程度の方が短期経営計画からの作成にお取組みになられます。

ところが、短期経営計画を立てている間に、「利益率の高い商品を開発したい」とか「店舗数を増やしたい」という具合に、3年後の企業ビジョンが見えてくる方もいらっしゃいます。そういった場合は、短期経営計画をひとまず置いておき、先に3年後の長期経営計画の概算を出すことをします。すると、短期経営計画が社長の理想に近づいたものになります。

経営計画の作成は難しい?

確かに経営計画の作成は難しいと思います。私も初めて経営計画を作成したときは、苦労しました。なぜなら、何をしたら良いのかわからなかったからです。

始めは、簿記や会計の勉強をしようとしました。後から知ったのですが、そういった知識がなくても経営計画が作成できることを知りました。実は、経営計画は簿記や会計といった難しい内容を駆使しなくても、直観的に、常識的に作成することができます。

簿記や会計の数字は、会社の外部の人に見せるものですので、経理担当や専門家に作成してもらったら良いと思います。経営計画を見るのは、社長や経営幹部といった内部の人だけです。ですので、社長が理解しやすいフォーマットで作成したら良いのです。

経営計画の作り方は、普段、社長が会社経営をしている中でつかんでいる数字を利用して作成すれば良いのです。

すると、「社長がつかんでいる数字は何か?」ということですが、それは、次の数字でしょう。

  • 売上高と利益
  • 経費
  • それらから算出できる数字(例えば、利益率や労働分配率)

売上高は、言わずと知れた、商品やサービスを販売して得られたお金のことです。厳密には売掛金もありますが、資金繰り計画では売掛金が入るタイミングを、ざっくりと把握する必要はありますが、経営計画ではそこまで難しく考える必要はありません。

経費は、大きく変動費と固定費の2種類があります。その分け方だけ理解できたら、経営計画は作成できます。なぜなら、後は簡単な計算式で算出できる数字ばかりだからです。

経営計画の必要性

経営計画は必要ないと言われる場合があります。経営計画の必要性について考えてみましょう。

経営計画を作成する目的

もう一度、経営計画を作成する目的を明らかにしておきたいと思います。経営計画を作成する目的にはいくつかありますが、最も大切な理由は社長の決意表明です。社長が社長自らの強い意思で、「我社を将来このような優良企業にしたい」という決意です。

しかし、決意があっても未来の姿が実現するものではありません。未来の姿を明確にイメージして、それを数字に置き換え、それが実現するための方針を固める必要があります。

それらをまとめたものが経営計画です。

経営計画は無駄だと考える社長の場合

社長の中には、「経営計画は無駄だ」とお考えの方がいらっしゃいます。そういった方は、経営計画を作成しても活用されないので無駄になります。

経営計画を立てる目的は、社長の決意表明でもありますので、決意が苦手な社長もいます。決意したことが実現しなかったら、社員に示しがつかなくなり、社員が社長に対する不信感を持たれてしまうかもしれません。

経営計画は無駄だと思う社長は、経営計画でなく販売計画を立てると良いと思います。

販売計画は、短期経営計画と似ています。経営計画とは、どの商品やサービスをどれぐらい販売できたら嬉しいのかを、計画にまとめたものです。その販売数や売上高を実現するための販売方針と併せて作成します。

経営計画を立てるべき社長とは?

以前に、経営計画を立てて活用されている社長とお話しをしました。その社長は、従業員が3名、外注先の人員が3名といった小さな会社の経営者なのですが、「経営計画がなければ、恐ろしくて経営なんてできない。私は『この数字を達成しなければ会社が倒産する』という数字を基にして経営計画を立てている。」とおっしゃっていました。これは本心だと思います。

経営計画を作成して、普段から利用している社長は、「経営計画は必要だ」とおっしゃる方がほとんどです。

経営計画を作成して、それが機能しだすと、会社の経営が安定し、会社を発展させたり業績を改善したりするのに必要なことがわかり、資金繰りが良くなったりします。

その効果を考えた場合、経営計画を必要とする人は、主に次のような社長です。

  • 安定経営を目指したい社長
  • 会社を発展させたい社長
  • 会社の業績改善に足りないこと、必要なことを知りたい社長
  • 資金繰りの苦しみから解放されたい社長

経営計画を立ててもその通りいかないので必要ないのか?

社長の中には、「経営計画を立てても、その通りいかないから必要ない」とおっしゃる社長がいました。経営計画通りいかないことは、まさしく、その通りなのです。だから必要なのです。

経営計画は、丸められた数字で計画を立てるものですから、その通りにいくはずがありません。また、ボールペン1本まで計画に立てるなんて、ナンセンスです。おおざっぱに把握できたら良いのです。

経営計画で立てた予算と実績が大幅にずれる場合があります。そのズレから、会社の実力や改善点を知ることができます。つまり、会社の実力や改善点を知るために、経営計画はとても良いのです。

経営計画通りにいかなかったら、その理由を考えます。その数字のギャップから知り得ることがたくさんあり、社長としての学びになります。また、売上予算や利益予算よりも実績が劣っているのであれば、その傾向を早めにつかみ、期末までに遅れを取り戻すようにテコ入れができます。

経営計画の必要性について結論を述べるとするならば、成り行き経営をしていても自分の思うように利益が上がっていて、将来も安泰であるなら、経営計画は必要ないと良いと思います。

社長に大きな目標があったり、会社を成長させたいと考えたり、将来にわたって安定経営をしたいと考える社長には、経営計画を作成された方が良いと思います。

以上、経営計画の種類、作り方、メリットなどについて簡単に述べました。

当社のサービスとして、「初めて経営計画を立てたい」という社長向けに、丁寧に解説しながらの経営計画作成支援を行っています。また、「経営理念を立ててそこから逆算して長期経営計画を策定したい」という未来志向の社長にもご対応いたします。

経営計画作成支援をご希望の社長は、ご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジン・マーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツ・マーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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