ホームページで集客することが当たり前になった現在ですが、チラシは必要かどうかを聞かれたら、「業種によってチラシは必要だ」と答えるようにしています。
もし、チラシに効果がなければ、新聞折込チラシを入れる企業はなくなっていることでしょう。
ホームページの時代にチラシが必要かを、次の目次に沿ってご説明いたします。
ホームページでPRされる時代
私がホームページ制作を販売し始めたのは15年ほど前のことですが、販売手法として飛び込み営業をしていました。そうしたら、少なからず「ホームページのようなオモチャ、誰が見るのだ?」と言われたことがありました。しかし、今の時代であれば、「ホームページが無ければ、会社が存在していないのと同じ」と言う人もいるぐらいです。
欲しいものがあったら、まずネット検索して、商品やサービスの内容をチェックすることが当たり前です。そして気に入ったら、すぐさま購入してしまいます。
印刷市場の動向
このような時代なので、チラシ制作のニーズは減ってきていることは確かです。一般社団法人日本印刷産業連合会のホームページに掲載されていたデータによると、印刷産業の出荷額は1997年からほぼ右肩下がりで、ピークの1991年と比較して現在は4割以上も低下しています。
しかし、印刷市場の出荷額が減ったとしても、企業はPRが必要です。印刷に掛けていた費用を別のものに充当したと考えられます。その代表として、ホームページ制作があります。
EC化率
次に、商取引がどの程度EC化されているのかを調べたいと思います。全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を「EC化率」といいます。
EC化率を調べる理由は、印刷市場の動向と商取引のEC化は、ある程度関係していると考えるためです。業種によっては、店頭でチラシを配ってPRしていたものを、ホームページだけでPRするようになったところもあることでしょう。例えば、パソコンの販売も一部そうなっています。
EC化率は、「B to B」と「B to C」では異なるはずです。おそらく「B to B」よりも、Amazonや楽天などのモールがある「B to C」の方が、EC化率が高いように思われたことでしょう。また、市場規模も「B to C」の方が高いのではないかと予想されたことでしょう。
2020年のEC化率と電子取引での市場規模は?
2020年におけるEC化率と電子取引での市場規模の予想ですが、驚くことに「B to C」のEC化率は7%程度と低く、「B to B」は32%程度と「B to C」よりも高いのですが、やっと1/3に届きそうな程度です。
また電子取引での市場規模は、2020年の予想は「B to C」が21兆円程度、「B to B」は400兆円程度です。実は、「B to C」よりも「B to B」の方が、EC化率が高いですし、電子取引での市場規模は20倍程度と大きいようです。
確かに、我が家でも、お給料の手取り分の中から、ネット通販で消費する金額は知れています。ネットで商品を購入する金額よりも、スーパーマーケットやコンビニなど家の外で買い物をする金額の方が圧倒的に大きいです。
「B to C」の商売であれば、チラシでのPRはまだまだ健在と言えます。
チラシが必要な業種は?
これだけホームページでPRする時代になってきたとしても、チラシが有効な業種は、主に次の2種類です。
- 商圏が狭い店舗販売
- 認知されていない商品の販売
「商圏が狭い店舗販売」とは、スーパーマーケットや鍼灸院、歯科医院などです。
「ピザが食べたい」と思ったら、宅配ピザやスーパーマーケットの冷凍食品コーナー、近所のイタリアンのお店で購入するという選択肢があります。宅配ピザは、商圏が狭い店舗販売ですが、たいていネットで注文ができます。しかし値段が高いので、スーパーマーケットの冷凍食品コーナーを選択することが多いことでしょう。やはり、チラシが定期的に入り、おいしそうな写真や新商品の紹介などによって、多少値段が高くても注文してもらいやすくなります。
「認知されていない商品」は、ネット検索で探されることはありませんので、新聞折込やポスティングでチラシを撒いて、不特定多数の人の目に留まるようにしてあげる必要があります。
ただし、チラシが有効な業種であったとしても、一部の業種では、ホームページを制作しコンテンツマーケティングやリスティング広告などと組み合わせてPRすることの方が有効な場合があります。
EC化率が100%になってもチラシは無くならない
仮にEC化率が100%になったとしましょう。そうすると、チラシは無くなるでしょうか?
実際にそのような時代になってみないとわかりませんが、私は「販売がなくならない限り、チラシはなくならない」と考えます。
新聞折込チラシをネットでダウンロードできるサービスがあります。新聞を取っていない人でも、近所のスーパーマーケットのチラシを手に入れることができる可能性があります。しかし、すべてのスーパーマーケットが、ネット配信サービスを利用していません。
やはり、多くの人は、新聞折込チラシを配信するサービスの存在を知りませんので、新聞折込チラシを求めているのでしょう。
市場からポストが無くならない限り、スーパーマーケットはチラシを止めないことでしょう。
ホームページの時代にチラシは必要か?(まとめ)
結論としては、ホームページの時代に入り、ますます電子取引の市場が大きくなったとしても、業種によってはチラシの方が有効な場合もあることでしょう。
そして、ホームページとチラシを連動させて、販売効率を高める方法もあります。
これからのチラシづくりは、「お客様が少なくなってきたから、チラシを作って撒こう」という発想でなく、営業戦略を考える中でチラシの可能性を検討し、さまざまな営業方法と組み合わせていくと良いと思います。
チームコンサルティングIngIngのコンサルティングには、ホームページとチラシを連動させた販売方法の構築をご支援するサービスがあります。どうぞご利用ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。