ホームページ制作のご相談をいただいたときに、よく「いいホームページを作りたい」とご依頼をいただくことがあります。
企業がホームページを制作するときは、社長や担当者は「いいホームページを作りたい」と考えることは、ごく自然なことです。
では、「いいホームページとはどのようなホームページのことでしょうか?」と聞かれたら、答えに困ってしまうこともあるのではないでしょうか?
自社が、どのようなホームページを求めているのか、ホームページ制作会社に正確に伝えられなければ、思っていたものとは違ったホームページが出来上がる場合が多いです。出来上がった後で、「思っていたものと違う」と言っても、手遅れになります。
企業によっては、「いいホームページを提案するのが、おたくの仕事だろう?」と言われることが、ときどきあります。しかし、制作会社としても「いいホームページ」の定義がわからないと、提案のやりようもありません。
このコラムでは、企業がホームページを制作するときに、どのようなホームページが「いいホームページ」と言えるのかを検討したいと思います。
一般的にありがちな「いいホームページ」の間違った例をいくつかご紹介いたします。企業のホームページ制作を検討されている方は、そこからご自身でいいホームページの条件を明確にし、ホームページ制作会社に依頼するようにしてください。
また、「ホームページを改善して本格的に集客をしたい」とお考えの企業様は、ぜひ当社のサービスをご利用ください。
いいデザインのホームページ
世の中に数あるホームページを見ていると、「かっこいいデザイン」「美しいデザイン」「斬新なデザイン」「やさしさが伝わるデザイン」など、たくさんのデザインが溢れています。
そういった他社のホームページを指さしながら、「このような、かっこいいホームページを制作してもらいたい」とご依頼されることもあります。
人には個人差があるように、感性にも個人差があるので、「いいデザインとはこのようなものだ」と定義しにくいものです。
ユニバーサルデザインという言葉があるように、一般的に共通する使い勝手の良いホームページを制作することは、すぐにできることでしょう。ところが、色合いとか画像や文字の配置、文字のフォントなどによって、ホームページのデザインは無限に存在するので、デザインを決定することは難しいと思います。
ホームページデザイナーは、社会通念や会社の個性、掲載したいコンテンツなどをくみ取って、ホームページをデザインすることと思います。そのデザインされたものが、お客様である社長やホームページ担当者が気に入るかどうかが試されます。
しかし、完全に気に入るデザインなど、世の中には存在しません。発注側がデザイナーさんに、デザインの細かな修正をたくさん出した場合には、いずれデザイナーさんは嫌気を出してきますし、発注する側も嫌気が出てきてしまいます。お互いに時間と経費のムダでもあります。
結局のところ、いいデザインのホームページが欲しい場合は、最後は提案されたデザインで納得するか、見やすさや自社のイメージに合っているかを確認しつつ、ある程度のところで妥協するかになります。
会社名でネット検索したら上位ヒットするホームページ
以前に、「自社名でネット検索したときに上位ヒットさせられないか?」とご相談をいただいたことがありました。
確か、住宅メーカーだったのですが、その会社の社名は、有名な企業名と被っているものではなく、「なぜ1位にならないのか?」と疑わしいぐらいでした。
ホームページを拝見させてもらったら、見栄えはとても美しいデザインで、しっかり制作されていました。
さっそくHTMLソースを確認したところ、予想通りSEO対策が設定されていませんでした。
社長からは、「お金を出すのでアドバイスが欲しい」と言われたのですが、とても簡単なアドバイスだったので、「タイトルと会社のロゴ画像のaltに社名を入れるように、ホームページ制作会社に伝えてください」とだけ無償でアドバイスさせていただきました。
美しいデザインをしてくれるホームページ制作会社では、ほとんどの場合で、SEO対策の知識が乏しいです。とあるデザイン会社で、「当社のホームページはSEO対策を導入していますよ」と言われる企業であっても、SEO対策の知識が乏しいと感じること多いです。
美しいデザインにSEO対策を組み込みたい場合は、ホームページ制作の企画段階で、当社のようなコンサルティング会社と提携した方が良いです。
自社に興味を持ってもらえるホームページ
とある中小企業の社長にホームページのご相談をいただいたときのことをご紹介いたします。
その社長は、「うちのホームページを見た人が、自社に興味を持ってもらえるようなホームページを作ったけど、意見を聞かせてほしい」というものでした。
そのホームページは、いわゆる「かっこいいデザイン」でしたが、事業内容が細かく書いてなくて、何をやっている会社なのか分かりにくいものでした。
- ホームページのデザインから、何となく自社自体に魅力を感じ、興味を持ってもらう
- 詳細に明かされていない事業内容を見て、「詳細な事業内容の話が聞きたいな」と思ってもらう
- お問い合わせをしてもらう
社長なりに、ホームページ集客のことを考えて、社長自ら企画に参画し、制作されたようです。
社長に、「お問い合わせはありましたか?」と聞いたところ、案の定、お問い合わせ件数はゼロでした。
自社に興味を持ってもらいたいと考えることは良いことです。しかし現実には、自社名を知らない人が、自社のホームページを見ることはありません。
名刺交換をした人がホームページを見てくれることはありますが、事業内容が詳しく書かれていなければ、自社に興味を持ってもらえることはないことでしょう。会社自体に興味を持ってもらうよりも、会社の事業内容に興味を持ってもらった方が、お問い合わせにつながる可能性が高いと思います。
名刺交換した人は、後でホームページを見ることが多いと思います。そのときに、名刺交換で伝え切れなかったことを、ホームページに代弁してもらう。そのようなホームページを設計されたのであれば、「いいホームページだ」と言えます。
事業内容がしっかり記載されているホームページ
では、「事業内容がしっかり掲載されていたら、いいホームページか」と言われたら、場合によってはそうではありません。
展示会に出展していなかったり、社長や営業担当者が異業種交流会などのイベントに参加していなかったりする企業であれば、名刺交換をする機会がほとんどないことでしょう。すると、名刺を見てホームページに訪れてくれる人がいなくなります。
事業内容がいくらしっかり掲載されていても、ホームページに訪れてくれる人がいなければ、そのホームページは「いいホームページだ」とは言い難いものがあります。
アクセス数が増えるホームページ
ホームページのアクセス数が増えたら、いいホームページなのかを検討したいと思います。近年、ホームページ制作のときに、「アクセス数を増やしたい」というご要望が増えてきました。
アクセス数を増やす方法はいくつかありますが、主な方法はSEO対策とリスティング広告です。
アクセス数が増えると、相対的に集客効果が期待できるので、そのようなご要望もうなずけます。ところが、アクセス数が増えても、お問い合わせがまったく増えないケースもあるからです。
例えば、とある地元密着の工務店から、「『注文住宅』という検索キーワードでSEO対策したい」というご相談をいただいたことがありました。
この検索キーワードで上位ヒットさせるためには、全国展開している大手工務店などに勝負を挑まないといけません。大手工務店は、潤沢な資金を使って、強力にSEO対策していることでしょう。すると、上位ヒットの難易度が高くなるため、SEO対策の費用が高額になることが予想されます。
検索キーワード「注文住宅」は、月間数万回検索されているので、上位ヒットしたらホームページのアクセス数は膨大なものになることでしょう。
ここでお考えいただきたいことは、「注文住宅」で検索する人は、北海道から沖縄県まで日本全国の人が検索しているのです。「日本全国からお問い合わせが来たらどうしますか?」と聞いたところ、「当社は地元密着なので、ほとんどお断りすることになるでしょう」とのことでした。
このように、単純に「ホームページのアクセス数が増えるならいいホームページだ」と考えるのではなく、SEO対策の効果を考え、どのような検索キーワードで上位ヒットを目指すべきなのかを検討することが大事です。
集客ができるホームページ
最後に、集客できるホームページについて述べたいと思います。企業がホームページを制作する理由は、「集客できるかどうか」ということに集約されるのではないかと考えます。
ホームページ制作をご依頼される会社よっては、「自社はホームページを持っていないので、恥ずかしいからホームページぐらいは持っておきたい」とお聞きすることがあります。
ホームページを持つことで安心できるのであれば、その理由でも良いでしょう。しかし、ホームページはアクセスしてもらえなければ、存在しないことと同じです。いえ、維持費がかかる分だけムダになります。
せっかくホームページを制作されるのであれば、集客することを目的として制作していただきたいと思います。
これまでご紹介してきた内容から集客ができるホームページの条件をまとめると、次のようになります。
- デザインにこだわり過ぎないこと
- 事業内容を詳細に掲載すること
- 集客できる検索キーワードでSEO対策したり、リスティング広告を出したりすること
当社は、ホームページ経由で集客をするためのコンサルティングや、ホームページ制作、SEO対策などの実務サービスを提供しています。新規ホームページ制作だけでなく、既存ホームページの集客改善にも対応いたします。
中小企業から大手企業まで、ホームページ集客をお考えの方は、ぜひ当社のサービスをご利用ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。