Web集客コンサルティングでは、「新商品を開発したけれども、それをWebで販売したい」というご相談をよくいただきます。新商品を開発しても、条件によってはニーズがあっても売れずに失敗することがあります。新商品開発は、会社にとってはとても勉強になります。
とある個人経営の社長から、「新商品開発をする予定だ」と、近況報告をいただきました。新商品を開発する前にご相談いただけたことは、コンサルタント冥利に尽きます。
さて、その方は、私がスポットでコンサルティングを行っているクライアント様です。独立起業して2~3年で、個人経営の社長とは言え経営者として勉強中の方です。ようやく、自分の力が発揮できる商品ができ、固定客もできてきて、収入が安定しだしました。
ご相談内容を聴いていると、「コンサルティングを受けるようになって、ものすごく仕事に対するやる気が出てきた」とのこと、そして、「収入はまだまだ厳しいけれども、来月は思い切って仕事量を減らして、新しい分野の新商品開発をしたい」とのことでした。
結論から申しますと、私が行ったアドバイスは、「今の仕事を減らしてまで、新しい分野の新商品開発をすべきでない。それよりも、サービスの質を改善していった方がよい」と、アドバイスをさせていただきました。
仕事量とやる気の関係で分かれるカメ型とライオン型
少し話はそれますが、仕事の仕方に、カメ型とライオン型があることを述べたいと思います。
このクライアント様は、やる気が出て来たと述べていましたが、仕事量とやる気には関係があることは、明白です。やる気があった方が、仕事が捗ることでしょう。しかし、中には、やる気がなくてもコツコツと仕事をする人がいます。このように、仕事量とやる気の関係を、大きく2つに分けるとするならば、コツコツと行うタイプの人と、やる気が出たらいっきにやるタイプの人がいます。
前者を「カメ型」、後者を「ライオン型」と呼ぶことにします。
カメ型とライオン型の仕事の仕方の分類は、完全にどちらかになるというわけではなく、「どちらかと言えばライオン型」という具合です。私自身が行っている仕事は、ホームページ制作はライオン型だと思いますが、ルーチンワークや読書は毎日コツコツと行っているのでカメ型です。
どちらのタイプが良いとか悪いというわけではありません。仕事の良し悪しは、顧客にどれだけ価値を提供したかで決まるためです。
ご相談を頂いた方は、やる気が出てきて新商品開発をしたくなったのですから、仕事の仕方がどちらかと言えばライオン型だと言えます。そして、やる気が出てきたということは、とても良いことです。
新商品開発のために削った時間の穴埋めはどうするのか?
ここで、この方は、「普段の仕事量を減らして、新商品開発に集中したい」ということです。「新商品を開発することによって、仕事の付加価値を高めることができ、より高い収入を得ることができるのではないか」ということを、お考えになったようです。
しかし、お金の貯えは持っていないようです。
その方は固定客を抱えているのですが、仕事量を減らすということは、もしかしたら顧客からの信頼を失ってしまう可能性もあります。信頼を失ってしまったら、仕事が来なくなって固定客を失ってしまいます。
そして、商品開発に時間を割いた分の、金銭的な補填をどうするかです。仕事を減らしたら収入が減ります。その減った分を補填しないと、生活が苦しくなってしまいます。そして、ライオン型であるこのクライアント様は、仕事や収入が減ったときに持ち上がって来る、長期的なやる気の低下を防ぐべきだと考えました。
なお、私でしたら、顧客に価値を提供する時間はそのままに、やる気が出ているうちに、寝る時間を削って商品開発をします。
その新商品は競合他社に勝てるのか?
今まで、顧客から「このような商品は作れないのか?」と要望されると、「作れるかどうかわからないので、とりあえず作ってみて、それから見積を作ります」と答えていたようです。作ったことのない製品を販売しようとしていることは問題だと思いますが、顧客のご要望にできる限り対応しようと努力していることは評価できます。
固定客から信頼され、自分が強みとしていない商品の提供を求められたときに、それを提供してよいのかどうか、とても迷うことでしょう。
顧客が、自分が強みとしていないことをご存じで、それを要求してくるのであれば、その商品を提供しても問題はないでしょう。しかし、信頼するがゆえに、その商品も強みだと勘違いしている場合には、後で信頼を失う可能性があります。
なお、私でしたら、競合他社の商品が優れていて付加価値が出せない場合には、そのことを顧客に正直に言って、競合他社に発注するように促します。
今の仕事の改善だけでも高い付加価値を出せる
新商品開発の前に、自分の経験や強みが確実に活かせるところがないか、サービスの質を高めることができないかを考えるべきです。すると、新商品開発の時間的なストレスなく収益を増やすことが可能だとわかります。
例えば、飲食店のメニュー表と同じように、現在提供可能な商品のラインナップを明確にして、そのリストからお客様に選んでいただくようにした方が良いと思います。
そのようにして、今の仕事を工夫して収益を増やし、充分にお金を蓄えておいてから、新しい分野の商品開発を行った方が良いです。
そして、新商品は今の仕事とはまったく異なる分野ではなく、手持ちの能力や技術を活かすことができるところで開発すべきです。
新商品が売れるための条件
新商品を開発しても売れるとは限りません。売れるためには条件があります。個人経営の社長が、新商品開発をするときに見落としやすい、売れるための条件を列挙しておきます。
- ニーズはあるのか?
- 競合他社よりも競争力があるか?
- PRの方法は効果的か?
- 身の丈は合っているのか?
- それを売り続けることは幸福か?
1. ニーズはあるのか?
1つ目に、ニーズを挙げました。新商品開発でよく聞かれることとしては、「顧客から『こんなものがあったら買うのにな』と言われた」ということで、それをそのまま開発する人がいます。確かに、顧客から聞いたものであればニーズでしょう。しかし、顧客からのご要望が真なるニーズでない場合もあるので、その見極めも大切です。
2. 競合他社よりも競争力があるか?
2つ目に競合の商品について挙げました。競合他社というものは、新しく開発しようとしている商品が持つ商圏での競合です。ネットで販売するのであれば、近所にある同じ商品を開発しているところが競合ではありません。その商品をネット検索で探したときに、上位ヒットしてくる競合ホームページが競合他社となります。
3. PRの方法は効果的か?
3つ目にPRを挙げました。いくら競争力の高い新商品を開発しても、その存在を顧客に知られなければ売れません。効果的なPRによって、商品を欲している人に認知されることが大切です。
商品によって認知してもらえる手法が異なります。
4. 身の丈は合っているのか?
4つ目に身の丈を挙げました。商品の性質上、大企業でないと販売が難しいものがあります。例えば、ドラッグストアで販売されているような日用品です。ドラッグストアには、ほとんどの商品がメーカー品です。いくら良い商品が開発できても、何かのコネクションが無ければドラッグストアが扱ってくれません。
また、開発する商品によっては、リードタイムが長くなりすぎることがあります。リードタイムが長くなると、資金繰りが悪化してくるため、会社の能力に合わせることが大切です。
5. それを売り続けることは幸福か?
5つ目に幸福感を挙げました。その新商品開発が、利益が見込まれて、自分の夢や使命に結び付くものであれば良いのですが、単に「売れるものだから」という理由だけだと、売れ続けた結果、面倒くささと疲労感だけが残ることがあるからです。
何を優先するかにもよりますが、多くの人のお役に立つもので、PR方法や販売方法が確立していて、しっかりと利益が出せ、仕事に対する充実感が得られるものを開発することが、望ましいと思います。
以上、個人経営の社長が新商品開発をするときの考え方や条件などを、さまざま述べてきました。ここで述べたようなことは、失敗しながら学んでいくところもあります。また、個別の条件によっては、私が述べたことが当てはまらないこともあることでしょう。
このコラムを読まれた方が、新商品を開発して、しっかりと利益が得られることを願います。
新商品開発のときのコンサルティングのご提案
個人経営の社長であれ組織運営されている企業の社長であれ、新商品開発をするときには、できれば新商品開発の前に、コンサルティングのご相談をください。そのコンサルタントは、会社の状況に応じて適切に選ぶべきです。
チームコンサルティングIngIngのコンサルティングは、次のような状況に、適切に対応いたします。
会社のイノベーションのために新商品開発したい場合
既存の商品やサービスで商売をしてきたが、会社の成長が止まり、次の成長の波を作りたい場合、つまり新商品開発で会社をイノベーションさせたい場合にお勧めしたいのが、経営理念コンサルティングです。
経営判断は社長の独断ではよくありません。経営理念コンサルティングでは、経営理念の構築や浸透を行いながら、全社員が力を合わせて一つの目的に向かう一体感を持ち、社員同士が互いに高め合い、助け合う素晴らしいチームをつくり上げ、顧客の創造という成果を習慣化していきます。
経営理念に基づいた新商品開発を行うことで、全社が一体となって、次のヒット商品の開発に取り組むことができるようになります。
新商品の市場や販売方法を知りたい場合
新商品を開発するに当たり、新商品のニーズがどれぐらいあるか、競合はどうかを知ってから開発する方が、開発された商品の売れ行きが予測できて、安心感が得られます。また、新商品を開発しても、販売の仕方を間違うと、ほとんど売れずに、開発費を無駄にしてしまうこともあります。
新商品が売れるかどうかの安心感を得ることや、販売の仕方を失敗しないためにお勧めしたいのが、Web集客コンサルティングです。
Web集客コンサルティングでは、Webから得られる情報に基づいて、新商品のニーズや競合他社の商品力、販売方法などを推測し、新商品がどれぐらい売れるかを試算いたします。
新商品開発には、ぜひチームコンサルティングIngIngをご利用ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。