多くの中小企業において、ホームページを制作する目的は、「集客をするため」のことと思います。
起業直後では、ホームページに割ける予算が乏しいので、ホームページ制作を外注することが難しい場合もあります。
そのような起業直後の小さな会社が、どのような目的でホームページを制作し、その後にその目的をどのように変化させていくのか、一般的な変化の過程をご紹介いたします。
そこから、ホームページ制作するときに、どのような目的で制作したら良いのか、どのような業者にホームページ制作を依頼したら良いのか、ヒントになればと思います。
[1] 名刺代わりのホームページを自作する段階
起業したばかりの企業は、資金に限りがあり、「ホームページ制作を外注する予算がない」という企業も多いことでしょう。そういった企業は、社長や従業員がホームページを制作したり、知り合いに格安で制作してもらったりすることが多いと思います。
現在では、ホームページの制作方法が紹介された書籍やYouTube動画がたくさんあることや、WordPressといった無料で優秀なCMSもあり、自社でホームページを制作しやすい環境です。
自社でホームページを制作してもらったり、格安で制作してもらったりした場合の、ホームページの目的は、「とりあえずホームページを持つ」という漠然としたものであることが多いと思います。
名刺交換をしたときに、ホームページが無かったら、「今時、ホームページも持っていないのか」と思われ、信頼性に欠くかもしれません。そういった理由から、「名刺代わりのホームページ」を目的とする段階が、最初の段階です。
[2] ホームページ経由での集客を検討する段階
個人レベルの小さな会社を起業するときは、取引先をすでに持っていて、起業したばかりでも食べていけるほどの収益を見込んでいることが多いと思います。反対に、そうでなければ起業は危険です。
知り合いを回って、初期の顧客は取り込むことができましたが、今まで会ったことのない人に営業ができるようになって、企業としては一人前です。そのための手法として有効なのが、ホームページ集客です。
ホームページで集客ができることを知っている企業の場合は、「集客」というもう一段、高い目的を持つことになります。
ホームページでの集客を考えた場合、次の2つのことを調べて導入することになります。
- どのようなコンテンツを掲載したらいいのか?
- ホームページのアクセス数を増やすためにはどうしたらいいのか?
1つ目のコンテンツの掲載は、競合ホームページを調べたり、ホームページ集客の書籍を参考にしたりしながら作成されることが多いと思います。
2つ目のアクセス数を増やす方法は、主に3つの手法があります。
- SEO対策
- リスティング広告
- SNS活用
SEO対策の知識のない人からすると、何をどうしたらいいのか分からないと思います。SEO対策の本やYouTube動画を見て勉強をしても、どの手法が最も効果的なのかわかりませんし、ホームページを触ってみても、順位に変化しないことさえあります。
リスティング広告は、初めて導入される方にとっては、難易度が高いものです。
SNSは簡単に導入ができますが、ホームページのアクセス数を増加させる方法としては、難易度が高いと言うか、効果が出にくいです。
ともあれ、この段階では、ホームページのアクセス数を伸ばすための知識を得て、いろいろな方法を試して、1件でもホームページ集客ができるように目指す段階です。
[3] 本格的に集客をする段階
ホームページ集客を信じる方は、ここから次の段階に移行します。それは、ホームページ集客を外注する段階です。この段階で、初めてホームページ制作を外注する企業もあります。
このときに、委託先の選び方を間違うと、費用ばかりがかかって集客ができないことがあります。
委託先を選ぶポイントは、次のどれかです。
- 見栄えのよいデザインのホームページを制作してくれる業者
- SEO対策込みのホームページを制作してくれる業者
- 動画やSNSなどの流行りものの付属品を付けてくれる業者
- 集客ホームページを制作してくれる業者
1つ目は、「見栄えの良いデザインのホームページを制作したら、集客ができるのではないか」という勘違いで、業者を選んでしまうパターンです。確かに、自分で制作したホームページよりは見栄えは圧倒的に良いものができることでしょう。
しかし、デザインが良くても、ホームページのアクセスが増えなかったり、訪問者が求めるコンテンツがなかったりしたら、集客ができないホームページになります。
2つ目は、SEO対策込みのホームページですので、アクセス数は増えそうに思えます。
しかし、SEO対策には素人レベルの業者もあるので、本格的なSEO対策をしてくれる業者を選ぶ基準を持っていないと、アクセス数は増やせません。
3つ目の動画やSNSは、最近話題ですので、「PR効果が高いのではないか」と思い、導入を検討するパターンです。そういった流行りものは、集客ができないことが世の常です。今後、「当社ではAIを導入して」ということを売り文句にする業者が増えることでしょう。
4つ目は、ホームページ集客の専門家です。この業者に依頼することが正しい選択です。
集客力の高いホームページを制作してくれる業者を見分ける方法
結論から申しますと、「当社にご依頼ください」となりますが、それだとイジワルですので、少しご説明いたします。
ホームページ集客では、次の3種類の専門分野があると思われます。
- ECサイト制作による物販
- BtoC営業ホームページでの集客
- BtoB営業ホームページでの集客
集客に強いホームページ制作会社かを見分ける質問例
まずは、業者に対して「ホームページ集客は得意ですか?」と訊ねてみてください。営業担当が気分良く「得意です」と答えたのであれば、上記の3つのどの分野が得意なのか、訊ねてみてください。
業者が、「やったことがある」と述べた場合は、要注意です。「やったことがある」と「得意である」は意味が違います。
この3つの中から、自社の事業と業者の得意分野が合致しているのであれば、集客の見込みを訪ねてみてください。集客の見込みは、憶測になりますが、その返答次第で決めたら良いと思います。
つまり、「やってみなければ判りません」ということが本音としつつも、「お約束はできませんが、経験上これぐらいは販売できるのではないかと予想します」と答えてくださるのであれば、信頼できる業者だと思います。
ちなみに、当社ではBtoB営業ホームページを得意としています。ECサイト制作は、「WordPressとWelcartを組み合わせてやったことがある」というレベルですが、SEO対策には自信があります。
営業戦略や会社経営の知識も大事
企業の集客ツールとして、集客ホームページは有効ではありますが、集客方法はホームページだけとは限りません。チラシやポスター、SNS、DMなど、さまざまな方法があります。
また、ホームページ集客は、営業戦略の中の販売手法の一つです。また営業戦略は、会社経営の中の一つの要素です。そういった、会社経営全体から営業戦略を立て、その中にホームページ集客を組み込むことが大事です。
ホームページ制作会社で、こういった知識があるところは稀ですが、探し当てられたら強力なパートナーになってくださることでしょう。
営業戦略に強い企業かどうかを見分けるための質問例を、1つだけご紹介いたします。それは、「営業と販売の違いはなんでしょうか?」と質問してみることです。
ホームページ制作会社の担当者に質問したときに、明確な違いを説明してくださる方であれば、その方は営業戦略の知識を持っていると思います。
起業する前に集客ホームページ制作の費用捻出を!
起業をしたばかりの会社が、最も大事なことは、営業です。
営業に自信のある方であれば、ホームページを制作する目的は、「名刺代わりで、とりあえずあれば良い」というもので良いと思います。営業に自信のない方、もしくは「販売チャネルを複数持ちたい」という用心深い方は、ぜひ集客ホームページをご検討ください。
ホームページは、制作の仕方によっては、強力は営業ツールになります。
「制作の費用が出せない」という企業の場合は、当社の研修やスポットでのコンサルティングを利用することはいかがでしょうか。一度、専門家に相談することで、どのようにしたら集客ができるのか、集客が見込めるのかといった、Web集客の要点が分かります。
とある地域密着ビジネスをされている企業様からのご依頼で、SEO対策の1回のスポット対応をしたことがありました。その企業様は、2時間ほどのアドバイスで、地域名や駅名などと組み合わせて、自社ホームページのサービスを上位ヒットさせることに成功しました。
そうして顧客数が増え、利益が出てきてから、当社の本格的なコンサルティングサービスをご利用されるようです。
そのようなご利用の仕方もございますので、お気軽にご相談ください。
[4] 営業戦略を立てる段階
先ほどご紹介したように、ホームページ集客は、企業の集客手法の中の1つに過ぎません。他にも、チラシや名刺交換、YouTube動画など、さまざまな集客ツールが存在します。
それらの集客ツールを活用して、営業方針を立てることが大事です。
営業方針を立てるためには、利益計画と言われる「会社がどれくらいの利益を得ないといけないのかの計画」を立てます。そして利益計画に基づいて、販売計画と言われる「誰が何を、いつまでにどれくらい売ればいいのかの計画」を立てることが大事です。
利益計画があり、それに基づいて販売計画ができ、それを実現するための販売方針ができて、その手法の1つとして集客ホームページ制作があります。
そういった営業戦略を立てることで、企業の営業の実力が高まっていきます。
以上、起業したばかりの会社がホームページ制作の目的をどのように変化させていくのかご紹介しつつ、集客ホームページの制作を委託する場合の業者の選び方をご解説いたしました。また営業戦略の一環としての集客ホームページにも言及しました。
当社では、BtoB営業の集客ホームページ制作だけでなく、営業戦略の立案、さらにはその上位概念である経営計画や経営理念の策定もご支援しております。ぜひ当社のコンサルティングサービスをご利用ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。