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イノベーションとは?シュンペーターとドラッカーのイノベーションを解説

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イノベーションとは?

イノベーションとは?

イノベーションとは、日本語では一倉定(1918~1999)先生の言葉をお借りすると「革新」です。今までとはまったく異なる新しいものに変革することです。

イノベーションと言えばピーター・ドラッカー(1909~2005)先生が有名ですが、他にも経済学者のヨーゼフ・シュンペーター(1883~1950)先生が説いたイノベーションがあります。

シュンペーターは、ドラッカーのお父さん(アドルフ・ドラッカー)と親友でしたので、シュンペーターはドラッカー・ジュニアとも長く親交があり、ジュニアはシュンペーターからおおいに影響を受けたようです。

シュンペーターが説いたイノベーションを「新結合」、ドラッカーが説いたイノベーションを「体系的廃棄」と区別されます。どちらのイノベーションについても、会社でリーダーをしている人は、理解しておくべき内容です。

イノベーションについて、次の目次に沿ってご説明いたします。

シュンペーターとドラッカーのイノベーションをご紹介する前に、イノベーションの誤解と、企業がイノベーションを起こす仕組みを持つことの大切さからご説明いたします。

よくあるイノベーションの誤解

イノベーションのよくある誤解をご紹介いたします。それは、「イノベーションとは、新技術やアイデア商品を生み出すことである」という誤解です。

確かに、新技術やアイデア商品を生み出すことは、イノベーションです。そのうようなイノベーションは、起業家の醍醐味ですし、何が爆発的にヒットする商品を生み出したら、派手に目立つものです。しかし、それはイノベーションの一面に過ぎないのです。

「多くの」というよりは、ほとんどのイノベーションは、地味なイノベーションなのです。

地味なイノベーションの例を紹介しましょう。

  • ゴミ箱の内側に線を入れて、その線を越えたら捨てに行くように、誰でもわかりやすくした。
  • 電話や経理を担当していたスタッフが退職したことをきっかけに、新しく人を雇わずに電話代行サービスや経理代行サービスに業務アウトソーシングした。
  • オーダーメイド品ばかり製造していたが、よくある注文を規格品としてまとめ、カタログを作った。

世の中は、このような地味なイノベーションの積み重ねで、企業の付加価値が高まり、社会が少しずつ豊になっていっています。

ドラッカーの書籍「イノベーションと企業家精神」にて提唱されている、イノベーション7つの機会を調べていると、本当に大小さまざまなイノベーションがあることがわかります。

企業はイノベーションを起こす仕組みが大切

企業は、市場と顧客の変化にあわせてイノベーションしていかなければなりません。もしイノベーションできなければ、古いものをそのまま販売し続け、いずれ顧客を失ってしまいます。

例えば黒電話からプッシュホンへ、プッシュホンから携帯電話へ、携帯電話からスマートフォンへと変わっていったように、市場や顧客の要求の変化に合わせて、商品をイノベーションさせていくことができ、会社は生き残ることができます。

会社では、リーダーやイノベーションの知識があれば、顧客の心をつかんで客数を増やし、会社の発展が早まっていくことは確かです。そのためにも、企業の中にイノベーションを起こす仕組みを導入し、イノベーションをカルチャーとすべきでしょう。

当社では、経営理念策定・浸透コンサルティングを提供しています。経営理念を作成する過程で、行動指針を作成しますが、その中にイノベーションを起こすための仕組みを導入するように促すこともあります。

Web集客コンサルティングでは、ネット集客のPDCAサイクルの中にて7つの機会に当てはめてホームページを改善していくサービスを提供していますが、新商品の開発に結び付けた事例もあります。

まずは、このコラムでイノベーションの意味をご理解いただいてから、イノベーションを起こす仕組みを導入されることをおすすめします。

シュンペーターが説いたイノベーション【新結合】

シュンペーターが説いたイノベーションは、「新結合」と言われるもので、異なる2つのものを結合させて、新しい価値を生み出すことです。「異種結合」と言う人もいて、私は異種結合を用いています。

新結合の事例は、本当にたくさんのものがあります。世の中のものは、すべてが新結合で生まれたと言っても過言ではないぐらいです。

例えば、携帯電話とデジカメが結合したり、エンジンと車輪が結合して自動車になったりと、本当にさまざまです。

新結合は、物と物が結合するだけではありません。サービスも新結合で便利なものが生まれています。例えば、カード決済と宅配便、そしてインターネットが結合して、ネットショッピングが生まれました。

昔は、美容院では水道に浄水器を設置しているところはなかったことでしょう。今では、少しグレードの高い美容院では、浄水器を用いていることが当たり前になってきています。これも、美容院と髪を傷めにくい水との結合です。

このように、新結合によって世の中に新しい価値が生まれ、生活や仕事がより便利で生産的になっています。

ドラッカーが説いたイノベーション【体系的廃棄】

ドラッカーはイノベーションのことを、「体系的廃棄」と定義しました。体系的廃棄とは、簡単に説明すると、段階的に廃棄していって、新しいものに置き換えていくことです。

そこらじゅうで見られる体系的廃棄

新結合によって新しい価値が生まれましたが、体系的廃棄は古い価値を廃棄して新しい価値に置き換えていきます。スマートフォンに慣れ親しんだ人は、ガラケーに戻ることは難しいことでしょう。インターネットで何かを購入したときに、銀行振込で支払いをする人はすでに絶滅しつつあります。これらもイノベーションです。

企業でも同様です。パソコンの普及によって、すでに手書きの企画書を作成する人は、特殊な業界以外ではいなくなりました。働き方もイノベーションし、都心にあるコーヒーショップは働く人でいつもいっぱいです。

サービス提供に不備がありクレームがあった場合に、そのクレームが起こらないように、業務をイノベーションさせることもあります。

汽車が電車に代わり、ガソリンエンジンが電動モーターに代わるような、大きなイノベーションもあります。

「体系的」とは?

企業で生産しているものが、だんだんと売れなくなり、利益が出なくなったとしましょう。すると、「この商品は明日から生産しない」と決めてしまうこともできます。

しかし、いきなり生産数をゼロにしてしまったら、その商品が生み出していた付加価値分もゼロになり、赤字に陥ってしまいます。

そこで、利益の出る商品の生産を少しずつ増やしていって、利益が出なくなった商品を減らしていくと、企業の損害が少なくて済みます。

会社であれ産業であれ、イノベーションは段階的に行われていくことで、負担を少なく成長させていくことができます。

一倉定のイノベーションの定義

一倉定によるイノベーションの定義は、明確に述べられていませんが、事業経営の定義でイノベーションのことが述べらています。その内容とは、

変転する市場と顧客の要求を見きわめて、これに合わせて我社をつくりかえる

この定義は、すべての企業に当てはまるイノベーションです。

ドラッカーのイノベーションは、社会変革も含まれているので、これよりもさらに広義な意味になります。ドラッカーの述べる社会変革のイノベーションを企業ができるとなると、その多くが大企業のイノベーションでしょう。

さらに付け加えるなら、零細企業の場合は、別のイノベーションがあるかもしれません。

この内容からも、ドラッカー理論は、一部中小企業にも合うが基本的に大企業に合う内容です。一倉定理論は、中小企業で組織経営している企業に当てはまる内容です。

イノベーションの使い分けと大切な考え方

新結合によるイノベーションは、何か新しい価値を生み出したいときに用いると良いでしょう。新商品を考えたり、新しい顧客フォローの方法を考えたりするときに、「新結合で何か考えられないだろうか?」と思っていると、斬新で効果的なアイデアが浮かぶことがあります。

体系的廃棄によるイノベーションは、段階的に古いものを捨てて新しいものに変革させていくことです。商品の入れ替えやサービスの改善などに用いることができます。新しい機械を導入したら、古い機械は使われなくなるので、廃棄していかなければなりません。企業では新しいものを生み出したら、古いものを捨てていくことになります。

どちらのイノベーションを行う場合にも共通する、大切な考え方があります。それは

顧客の立場に立って考えること

会社は顧客によって利益がもたらされます。顧客のニーズに応えられなければ利益は得られないことは、述べるまでもありません。ですので、イノベーションは自社都合ではなく、顧客の立場に立って、「そのイノベーションは顧客にとって良いものか」を考えるべきです。特に次のイノベーションは、知らず知らずのうちに自社都合になりやすいので、ご注意ください。

  • 新商品を開発する場合
  • 顧客管理などの社内ルールを変更する場合

では、どのようなときに新しい機械を入れるべきなのか。新しいサービスを生み出すべきなのか。そういった、体系的廃棄によるイノベーションを行うタイミングについて、次にご説明いたします。

どのようなタイミングでイノベーションするべきか?

企業においてイノベーションすべきタイミングは、新商品を生み出すときだと思われがちですが、それだけではありません。

体系的廃棄によるイノベーションは、「イノベーション7つの機会」と言われるタイミングを考えると行いやすいです。イノベーション7つの機会とは、次のものです。

  1. 予期せぬ成功と予期せぬ失敗を利用する
  2. ギャップを探す
  3. ニーズを見つける
  4. 産業構造の変化を知る
  5. 人口構造の変化に着目する
  6. 認識の変化をとらえる
  7. 新しい知識を活用する
  8. アイデアによるイノベーション

企業では、これらの変化を察知して、自社固有の使命を果たし、生産性を高め、社会に貢献していくためにイノベーションさせていきます。

1つ目の「予期せぬ成功と予期せぬ失敗を利用する」では、クレームが分かりやすい事例です。クレームは予期せぬ失敗に該当します。クレームがあったときに、今後も同じクレームが発生する可能性があるので、原因や真因を突き止めて、クレームが発生しないように、商品やサービスなどをイノベーションしなければなりません。

ちなみに、この順序はイノベーションに成功しやすい順に並んでいます。これらの解説は、別のコラムでご紹介いたしますので、ご期待ください。

ここで、7つの機会なのに、8つあることに疑問を持たれたことでしょう。ドラッカーは、8つ目の機会について、イノベーションが起こるまでに時間がかかりすぎることや成功しにくいために、注意を促しています。一倉定は、7や8のイノベーションについては、やってはいけないこととして戒めています。

アイデアによるイノベーションについては、前出のコラム「イノベーション7つの機会の中でやってはいけない8番目の機会」をご参照ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジン・マーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツ・マーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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