当社では、ホームページ集客のご相談を受けたり、Web集客コンサルティングのご依頼があったり、ホームページ制作のご依頼を受けたりと、さまざまなホームページのソリューションを提供しています。
それらの経験から、中小企業がホームページで集客できないパターンを発見しました。それは次の6つです。
- デザインにこだわり過ぎる
- 商品力が低い/競合他社の商品が強すぎる
- 制作会社に丸投げ
- 第三者の営業コンサルタントがアドバイスしてくる
- ホームページ担当者から社長までの上司決済が幾度もある
- そもそもホームページで集客できない事業をしている
それぞれのパターンについて、次の目次に沿って解説いたします。
デザインにこだわり過ぎる
最初に、デザインにこだわりすぎるとホームページ集客に失敗することを述べたいと思います。
デザインにこだわり過ぎると、なぜホームページ集客ができないのか。それは、デザインはこだわるとキリがないからです。キリなくデザインを追求するあまり、集客に対する費用が捻出できなくなることがあります。
そういったホームページは、たしかにキレイなデザインなのですが、アクセス数は皆無となり、結果集客ができないホームページとなります。
なぜデザインにこだわり過ぎるのか?
現代社会を生きる私たちは、ほとんどの人がインターネットを利用しています。毎日のように、たくさんのホームページを見ているので、ホームページのデザインに対して目が肥える人が多いことでしょう。
デザインの素人でも、「このホームページはデザインが良い、悪い」と判断ができます。
ホームページを制作したい企業は、実際にお金を払って制作依頼するわけですから、ホームページのデザインに対して、あれこれと言いたくもなります。
また、「デザインが美しい = 集客力がある」という勘違いもあります。
デザインの費用対効果
デザインにこだわりを持つべき企業であったとしても、お考えいただきたいことは、デザインの費用対効果です。
デザインは、こだわり出したらキリがありません。デザインにこだわればこだわるほど、デザイン代が高くついてしまいます。
デザイン性が高くなることによって、集客力が2倍に増えたとしても、ホームページ制作費が予算より10倍になってしまったら、本末転倒です。しかも、ホームページは制作しなければ、デザイン性の効果が測定できません。
「デザインの良いホームページでブランディングしたい」というご要望をいただくこともあります。良いデザインだけのブランディングは、小さな会社ほど効果が低いですし、また効果のほどを測定しにくいのです。
また、デザインにこだわるあまり、デザイン代が高くついてしまい、集客のための予算が圧迫される場合もあります。
それであれば、デザイン性はそこそこに抑え、デザインの予算をランディングページの制作に振り向けた方が良いです。
全社員がデザインに関わった会社の事例
従業員数100名程度の特殊な通信機器メーカーの企業様から、ホームページ制作をご依頼いただいたときの事例です。
ホームページ公開のほぼ前夜に、事業部長からの提案で「ホームページは全社プロジェクトにしたい」ということで、社員全員にデザインに対する意見を求めました。
その結果、ホームページのデザインはどうなったのでしょうか?
多くの場合は、「デザインが気に食わない人がいるので、デザインのやり直し」となります。
ところが、そのお客様は、意外にも大幅なデザイン変更なく、まとまったのです。
全社員から50項目ぐらいの改善案が上がってきました。「お問い合わせボタンの色を緑色よりも赤色の方が目立っていいのではないか。」「こちらの画像が目立ちすぎていて、こちらの画像が目立たないのではないか。」「写真の位置を少し左にずらして社屋が中央に来るようにしてもらいたい。」など、細かいことだらけでした。
確かに、「ボタンの色を変えるだけで集客力が2倍に増えた」というような話はたくさんあります。しかし、そういった事例は、ほとんどがBtoCのECサイトの事例です。
この企業は特殊な通信機器のメーカーです。通信機器を製造しているメーカーは、国内に2~3社しかありませんので、ホームページの訪問者が「ボタンの色が気に入ったから、ここで通信機器を購入したい」と思うことは皆無なのです。
ホームページ担当者は、それらの意見に対して、一部は取り入れつつも、大部分を一刀両断していき、アクセス数の増大や集客の仕組みづくりに力を注ぎました。その結果、ホームページが思ったよりも早く公開され、ホームページ集客に力を入れることができました。
デザインにこだわりを持つべき企業
企業によっては、デザインにこだわりを持つべき企業もあります。例えば、化粧品を製造・販売している会社、美容エステを提供している店舗などがそうです。
コンシューマ向けの商品やサービスを提供している企業で、美にこだわりが求められる事業であれば、ホームページのデザインもこだわる必要があります。
そのような企業では、ホームページのデザインの良さで、ネット集客の具合が左右されることでしょう。
このような企業であっても、デザインにこだわり過ぎて、集客への注力がおろそかになっている企業も散見されます。集客ができなければ、いくらデザインにこだわっても意味がないのです。
デザインにこだわりを持つべき企業であったとしても、ホームページのデザイン性と集客のバランスが大切です。
費用を抑えてデザイン性を高める方法
ホームページのデザイン性は、実は写真の良し悪しでほとんどが決まります。きれいな写真が入っているホームページは、デザインが良く見えます。そのため、ホームページのデザインに予算を導入するよりも、写真撮影に予算を割いた方が良いのです。
とある高級家具を扱っている都内の中小企業では、ホームページのデザイン性はほとんどこだわらず、商品の写真撮影に力を入れ、集客に成功しているところがあります。
とある美容院では、ホームページ制作のデザイン代に10万円ほどしかかけずに、モデルを使った写真を前面に出してホームページ集客に成功しています。
ホームページ集客のポイント1
中小企業のホームページ制作では、デザインにこだわり過ぎず、ホームページ集客に予算を割いた方が良いです。デザインにこだわるべき商売の場合には、写真に力を入れた方が良いです。
商品力が低い/競合他社の商品が強い
そもそも商品力や競合商品が強すぎる場合も、ホームページ集客ができません。一時的にできたとしても、後で苦労します。
商品力の低い商品は、そもそも集客は難しいことは、述べるまでもありません。
ところが、その現実から目を逸らしている社長が少なからずいます。私としても、直接的に「商品力が低いですね」なんて言えませんので、なかなか苦労するところです。
また、自社の商品力がそこそこあったとしても、競合他社の商品の方が明らかに商品力の高い場合もあります。
どちらにしても、商品力を高めなければホームページ集客はできません。商売の原理は、「強いものが勝つ」ということです。商品力がなければ、そもそもの問題です。
商品力が低いものが売れたときのデメリット
今から15年ほど前の話ですが、商品力がない商品をホームページで販売したいというご相談を受けたことがありました。
その方に、「商品力がないと売れません」と申し上げたところ、「それを売るのが、おまえの仕事だろう!」と怒鳴られたこともありました。そのときは、私自身の無力さを実感し、ご支援を体よくお断りしました。
仮に、商品力のないものをネットプロモーションで売れたとしましょう。その商品を購入した人は、「悪いものを買わされてしまった」ということで、悪い噂はネットですぐに広がってしまい、売れなくなるばかりか、会社の信頼を失墜させかねません。そうなってしまったら、ホームページ集客にいくら予算を投入してもムダになります。
昔、ご相談いただいた企業様で、悪い噂がネットで出回ってしまったため、倒産してしまった会社もありました。ネット社会では、小さな会社であってもレピュテーションリスク(評判リスク)が高いのです。
当社にご依頼をいただいた場合は、そのようなことを防ぐために、まず市場分析し、自社の強みや弱みを明確にします。もし、商品力が弱いことが判明したら、現実を受け入れていただき、商品の改善からアドバイスをすることになります。
競合他社の商品力が強い場合の対策
競合他社の商品力が強い場合は、次の検討を行います。
- 競合他社よりも商品力を高められそうか?
- 対象顧客を見直しできないか?
競合他社よりも商品力を高めることができれば、それに越したことはありません。中には、すぐに商品力を高められるのに、忙しさのあまりに改善をしてこなかった企業もあります。そういった場合には、すぐさま商品の改善を行っていただきます。
商品の改善をしても、商品力が目立って高まらない場合もあります。例えば、どこの会社も同じようなものを製造している場合です。
その場合は、商品の改善というよりも、販売の対象顧客を変えたり絞り込んだりして、その顧客が求める商品にします。
例えば、都内にある地域密着でリフォーム業をしている会社様から、リフォームのホームページ集客をご依頼いただいたときのエピソードです。大手建築会社の子会社で、リフォームに特化した企業が格安で市場を荒らしに着ていました。その企業に対抗するために、策を練りました。
その策とは、お客様は水道工事に強みがあったため、すべてのリフォームを訴求することをやめ、水道周りのリフォームを専門としたホームページを制作し、一定の効果がありました。
ホームページ集客の企画段階で、お客様から「水回りのリフォームに絞り込んだら、そのようなお客様しか来ないではないか」とご指摘をいただきました。私からは「水回りは地中に埋まるので、手抜きがあった場合に工事が難しくなる。見えない箇所を強みとしていたら、顧客に安心感を与えられる。その安心感が伝わってから、別のリフォーム工事も提案したら良い。もし、水回りだけに特化して集客ができなかったとしても、すぐさまページを追加して、その他のリフォームも訴求できる。」と、ご納得いただき、集客ホームページを制作いたしました。
今現在、そのホームページは公開した当時のまま設計が変わっていませんし、集客力アップのご依頼もないので、今でも水回りのリフォームの訴求だけで集客ができていることでしょう。
商品の改善点を発見する方法
商品そのものの改善は難しいかもしれませんが、どのように改善したら良いのかは、すぐに理解する方法があります。その代表例をご紹介します。
- お客様からのクレーム
- お客様が不便に感じている箇所の調査
- マーケティングの3C分析、4P分析
お客様からのクレームは、イノベーションの機会です。お客様が期待している価値が満たされない場合にクレームがあるので、お客様が求める価値を理解することもできます。
お客様が不便に感じている箇所の改善では、自社商品だけでなく、競合他社の商品も調査すると良いでしょう。
マーケティングの3C分析や4P分析は、自社商品の強みや弱み、ブルーオーシャンの発見につながります。そこから、どのような強みを身に付けたいか、どのような強みを伸ばしたいか、どのような弱みを消し込みたいかの、商品開発の方向性を定めることができます。
新商品開発や商品の改善の正しいやり方については、別のコラムでご紹介したいと思います。
ホームページ集客のポイント2
ともあれ、競合他社よりも強い商品を開発することです。強い商品ができたら、ホームページでメリットだけでなく強みも訴求することで、ホームページ集客ができるようになります。
ホームページ集客を制作会社に丸投げ
ホームページ制作は、制作会社に依頼することがほとんどですが、制作会社に丸投げしてしまったら、ホームページ集客はできません。
ホームページ制作会社に丸投げするパターンは、「ホームページのことは、よくわからないのですべてお任せします」というパターンです。
ホームページの知識がない企業ほど、それに反して「ホームページの集客力を高めたい」という気持ちの強い企業ほど、制作会社の食い物にされる可能性が高いパターンです。
仮に食い物にされたとしても、集客がしっかりできれば、結果オーライですが、そうなるかどうかは、たまたま選んだ制作会社のマーケティング力などの実力次第です。たいていの場合は、集客できずに失敗します。
ホームページ集客の費用対効果を高めつつ、自社にホームページ集客のノウハウを蓄積していきたいのであれば、制作会社への丸投げはおすすめできません。
制作会社に丸投げのデメリット
ホームページ集客を制作会社に丸投げをしている場合は、決裁権は自社にあるにせよ、「ホームページのことはよくわからない」ということですので、制作会社に何を提供するかの権限を与えてしまっているようなものです。
企業は売上高を気にする生き物です。当然ながら、お客様に成果物を提供して、その対価を得ます。
ホームページの制作過程で、素人ながらのさまざまな要望を制作会社側にしていくこともあります。そうなれば制作会社はしめたものです。「それを実現させるために、追加でお見積りをしましょう。」ということになり、ホームページ公開時には驚くほどの請求が来るようになります。
こちらが中小企業で、丸投げする制作会社が大手企業であれば、なおさら制作費が高騰して、費用対効果が悪くなります。
大手コンサル会社にホームページ制作を依頼した中小企業
とある大手コンサルティング会社が開催している、ホームページ集客のセミナーに参加した工業用部品の製造業の企業様の事例です。
今の時代は、ホームページでの集客が主流となった時代ですので、その知識を仕入れようと、セミナーに参加されたようです。そのセミナーでは、ECサイトを構築して集客する方法を教えてもらっていたようです。
社長はとても勉強熱心で、本もたくさん読まれ、お小言でもクレームでも何でも受け入れるという器を持った方でした。
その社長が一つ間違ってしまったのは、「BtoB企業なのに、BtoCのECサイト構築を考えてしまったこと」でした。
セミナーに参加されても、どのようにECサイトを構築したらいいのかわからず、結局、大手コンサルティング会社が提携する制作会社に依頼して、ほぼ丸投げでECサイトを構築してもらったようです。
その制作会社は、ホームページ集客に関するさまざまなアドバイスを、過去の事例から説明してくれたようです。その制作会社を信頼して、言われるままに機能を追加しつつ、またこちら側の要望も対応してくれていったようです。
その結果、製作費は高騰し、費用対効果はとても悪いものが出来上がりました。それを改善したいと、別の制作会社に相談するも、その別会社では手が付けられない状態でした。つまり、そのECサイトは、契約という大手企業特有の制約によって縛られていました。
依頼企業の立場に立ち、高い見識でアドバイスしてくれる制作会社を選ぶ
ホームページ制作会社を選ぶときは、「誰かから紹介されたから」という理由だけで選ぶのは、この事例のような結果になりかねません。
まず、貴社の要望ばかり聞いてくる制作会社は、格安で制作してくれることが多いのですが、遠慮願った方が良いです。
なぜなら貴社は、ホームページで集客をしたいが、そのノウハウを持っていないはずです。貴社は、ホームページを制作してくれる業者を選ぶのではなく、マーケティングの知識を持ち集客のアドバイスをしてくれる制作会社を選ぶことが、最低限の条件となります。
できれば、経営の知識を持ち、貴社の立場で高い見識からホームページ集客について考えて、提案してくれる制作会社が理想的です。(そういった業者は、本当に少ないですが)
ところが、先ほどご紹介した事例では、ホームページ集客のさまざまなアドバイスをしてくれていたはずですが、実際には集客ができませんでした。その理由は、そもそもBtoB企業がBtoC向けのECサイトを構築してしまったという、根本的な問題があったためです。
相談に乗ってくれる制作会社に出会ったとしても、できれば、戦術でなく戦略、場合によっては経営の原理原則からアドバイスしてくれる制作会社を選んでください。(そういった制作会社は皆無ですが)
ホームページ集客のポイント3
お客様の立場で身の丈に合った経営全般のアドバイスができ、ホームページ集客のノウハウを教えてもらえ、ノウハウの蓄積を手助けしてくれる制作会社を選びましょう。
第三者の営業コンサルタントがアドバイスしてくる
社長が、第三者の営業コンサルタントにアドバイスを求めるようなら、ホームページ集客は諦めてください。
「営業力を強化したい」と考えた社長が、同時にホームページ制作会社と営業コンサルタントを雇った場合、たいていホームページ集客は失敗します。
なぜなら、営業コンサルタントは、「ホームページ集客のことはわからない」とは言えず、素人意見を出してくるからです。制作会社は、納品しないと利益が得られないため、営業コンサルタントの素人意見を取り入れるしかないのです。
営業コンサルタントは、ホームページと連携してリアル営業の方法を話し合うのなら良いでしょう。営業コンサルタントは、ホームページの内容まで口出しすることは避けた方が良いです。
効果的な集客企画が営業コンサルタントに阻止された事例
私自身がホームページ制作もさせていただいた、システム開発の事例です。
ホームページ制作の打ち合わせでは、優秀な営業担当を付けてくださり、2人でホームページ集客の企画や、ホームページの設計を行いました。その企画や設計書を社長に提出し、社長がチェックして決済をするという流れでした。
2人で考え出された企画や設計は、そのままホームページ制作ができていたら、私の今までの実例からも間違いなく集客ができるものでしたし、月間でどれぐらい集客ができるかも、ほぼピタリと予測できるものでした。
一つ気に食わないことは、企画や設計に必ずと言ってよいほど、社長からのダメ出しがあったことでした。
具の根も出ないほどの完璧で、わかりやすく書かれた企画や設計書だったのにもかかわらず、そしてホームページの素人である社長がダメ出しをしてくるのか。それは、後で分かったことでしたが、見出しにもあるように、社長がダメ出しをしたのではなく、社長をアドバイスしていた営業コンサルタントがダメ出しをしていたことでした。
企画や設計書を受け取った社長は、それを営業コンサルタントに見せて相談していたようです。営業コンサルタントは、それを見て「営業の観点から、ここがダメだ、このようにしろ」とアドバイスしていたようです。
私と担当者は、「営業コンサルタントの言ったことは間違っている」と突っぱねても、決済が通らないし、担当者の実務が滞るまで追い詰められていたので、仕方がなく営業コンサルタントが述べるように設計変更し、ホームページ制作をしました。
なぜ営業コンサルタントは専門外のことに口をはさんだのか?
なぜ、社長に付いた営業コンサルタントは、直接営業の専門家で、Web集客は専門外でした。にもかかわらず、ホームページ集客の企画に口をはさんできた理由は、社長付きのコンサルタントだからです。
社長から相談を受けたコンサルタントは、何らかの返答をしなければなりません。そして、自分が社長付きだということで、ホームページ集客についても専門家よりも上の見解を出さなければなりません。
専門外のことに口を出しているのですから、素人に毛が生えた程度の意見だったのですが、社長は営業コンサルタントを信じ切っています。
そのため、ホームページ担当者に付いている私が、上司である社長に直接会うこともなく、社長が信じ切っている営業コンサルタントの意見をつっぱねることもできません。
営業コンサルタントの指示通りにホームページ制作した結果
言わずともわかることですが、結果は1年間、集客はほぼゼロでした。
1年後に、社長、営業部長、担当者と4人で面談を行い、ホームページ集客がなぜできなかったのかの報告会が開催されました。そのときに、私なりの考えをお伝えしたところ、社長と営業部長にご納得いただけたようです。
その社長は、その後の対応が「偉い」と思えたのですが、自分の判断ミスだと認められたのか、営業コンサルタントを解雇し、ホームページの会議に営業部長も入ってくださるようになり、ホームページ集客を「我社の重要プロジェクト」として捉えていただけました。
もともとの企画と設計書通りにホームページをつくり変え、少しずつ集客ができるようになり、今では、以前よりも10倍の集客力のあるホームページに仕上がりました。
コンサルタントが複数いる場合の選択肢
コンサルタントが複数いる場合は、経営全般のコンサルタントと専門性の高いコンサルタントがいることでしょう。
基本的には、経営全般のコンサルタントが戦略を決め、戦術は専門性の高いコンサルタントが担当する方向で良いと考えます。そして、コンサルタントが複数いたとしても、それぞれの意見を聞きつつも、その中から最善の選択ができるような実力のある社長であれば問題がありません。
ところが、経営全般のコンサルタントと専門性の高いコンサルタントの意見がぶつかる場合は、それぞれの立場の意見が出た理由を聞いて、納得のいく方の意見を採用し、採用した理由をそれぞれのコンサルタントに説明するようにしたら良いと思います。
たいていの場合は、専門性の高いコンサルタントの意見が採用されることでしょう。
稀にですが、ホームページ集客のコンサルタントでも、経営全般のコンサルティングや営業コンサルティングができる人がいます。そのような人であれば、1人に任せておけば間違いないことでしょう。
また、経営コンサルタントや営業コンサルタントを選ぶ場合でも、事業規模に合ったアドバイスをしてくれるコンサルタントを選ぶべきです。事業規模に合ったアドバイスは、とても大事なことです。
ホームページ集客のポイント4
船頭多くして船山に上る。餅は餅屋。ホームページ集客の専門家の意見を優先することが大切ですし、そういった人の中からできれば中小企業向けのアドバイスをしてもらえる人を選ぶことが大事です。
ホームページ担当者から社長までの上司決済が幾度もある
決済の階層が深い場合、たいていはハンコを押して終わりなのですが、それが重要プロジェクトとなると、ホームページ集客ができなくなってしまいます。
ホームページ制作会社と担当者の間で、ホームページ集客の企画を練り上げますが、上司の決裁でなかなか許可が出ず、何度も何度も企画をやり直し、やっと社長まで届いたと思ったら社長のダメ出しでやり直し。
ホームページ集客に精通していない上司の意見に翻弄されて、いつまでもホームページが完成しないパターンになります。
中規模企業はホームページ集客が重要プロジェクトであるほど失敗
小さな会社では、決裁権のある社長自らホームページ制作の会議に臨まれることが多いですが、会社が大きくなってきたら、ホームページ担当者が会議に臨み、それを上司に報告するスタイルになります。
中規模の会社であれば、社長がホームページ集客に関心があり、重要プロジェクトと位置付けている場合は、報告は社長まで上がります。
その場合に、「ホームページ担当者 → 営業部長 → 社長」という具合に、段階を踏む場合があります。
このように、多くの3段以上の段階を踏む場合には、ホームページ集客で失敗する場合があります。
上司決済が幾度もあると集客できない理由
ホームページの企画策定を、ホームページ担当者と制作会社の2人で進めていたとしましょう。出来上がった企画が営業部長に報告されます。
営業部長は、部下指導と称して何らかの意見と課題を部下に出し、その課題を部下に押し付けます。その課題を克服できるような企画に仕上げることで、営業部長は納得して社長に報告に上がります。
報告を受けた社長は、営業部長に同じように指導します。そして、それがホームページ担当者に降りてきて、また企画のやり直しです。その結果、また営業部長とのやり取りが再開されます。
このようにいつまでたっても、ホームページ企画が出来上がりません。あげくの果てには、「ホームページ企画に時間がかかり過ぎる」と来ます。
企画の費用が高まり、ホームページ担当者の人件費もかかり、新規ホームページの公開日も後ろにずれていき、機会損失も発生してきます。
ホームページ集客が重要プロジェクトなら社長自ら取り組む
では、どうしたらいいのかですが、それは簡単です。小規模企業の場合は、ホームページ集客がその会社にとって最重要プロジェクトと認識し、社長自らホームページ制作の陣頭指揮を取り、打ち合わせに参画すべきです。
中規模企業の場合は、ホームページの最終決定権を持った人が、打ち合わせの席に着くべきです。そして、そういった人がその場で決定を下していけば、ホームページ担当者は社内調整でなく集客に時間配分できるようになります。
ホームページの制作は、チラシやカタログの制作とは異なります。販売促進やマーケット開拓など、企業の将来の集客をどうするかという、戦略的な視点が必要です。つまり、ホームページによる新規顧客獲得は、企業にとって最重要項目の一つです。
会社の将来の集客にかかわることですので、社長の決済があって当然のことですが、できればホームページの企画を策定するところだけでも、社長自ら会議にご参加いただきたいものです。
ホームページ集客のポイント5
ホームページ集客は企業の存続にかかわるので、できれば社長自らホームページ企画に関心を持ち、打ち合わせに参加する。
そもそもホームページ集客ができない事業をしている
ホームページ集客は、万能の集客手法ではありません。集客できない事業もあります。
事業そのものの性質として、ホームページで集客ができない事業があります。それは、次の6種類の事業です。
- 新規参入者が少ない成熟した業界(製鉄や造船)
- 入札で受注する業界(建築・土木など)
- 単価の安い商品やサービスの販売(生活雑貨や日用品、食料品)
- 商圏が狭い地域密着のサービス(美容院やクリーニング)
- ネット集客が飽和している業種(ホームページ制作など)
- ブランド品の通販(大手ブランドのサプリメント販売など)
これらの事業を行っている場合は、ホームページ集客はほぼ諦めてください。
直接的にホームページ集客できない事業
1番目と2番目の事業は、そもそもホームページ集客ができない事業です。
成熟した業界では、すでにどこの企業がその製品を扱っているかを知っている人ばかりなので、わざわざネット検索で購入することはありません。入札で受注する業界は、いくらホームページ集客を考えたとしても、入札しなければ集客ができません。
これらの事業を、「直接的にホームページ集客できない事業」と名付けることにします。
間接的にホームページ集客できない事業
間接的とは、ホームページ集客の費用対効果が悪すぎて、「ホームページ集客に力を入れることがムダだ」ということで、ホームページを制作しない。つまり間接的にホームページ集客ができないという事業です。
3番目から6番目までの事業が、間接的に該当します。
3番目にある単価の安い商品やサービスは、値段の高いホームページを制作して集客をかけても、費用対効果のパフォーマンスが出せません4番目の商圏の狭い地域密着型であればなおさらです。
なお、工務店のリフォームは、地域密着であったとしても商圏が市区町村単位で広めですし、単価も高いので、ホームページ集客が可能です。工務店のホームページ集客については、工務店がリフォームをWeb集客するための企画・制作方法をご覧ください。
ネット集客ができる可能性を感じても、5番目のホームページ集客の費用が掛かりすぎる場合や、6番目の大手企業が検索上位でしのぎを削っている場合には、中小企業はそこに参戦すべきではありません。
ホームページ集客のポイント6
このような6種類の事業で集客したい場合は、集客できる方法がホームページ以外にないかを検討することです。
その他の失敗しやすいパターン
確実に失敗するわけではありませんが、ホームページ集客で失敗しやすいパターンがあります。
- 担当者が自社製品や顧客のことを知らない
- 社長が「ホームページ制作は簡単にできる」と思い込んでいる
この2つのパターンを解説いたします。
担当者が自社製品や顧客のことを知らない
よく、ホームページ担当者に、パソコンやホームページの知識がある人を選任する社長がいます。しかし、パソコンやホームページの知識があってもホームページ集客はできません。
ホームページで集客ができるようになるためには、ホームページ担当者はもちろんホームページの知識はあった方が良いのですが、最低でもマーケットを知っている必要があります。マーケットには、製品を探している顧客、競合他社製品、自社製品があります。そういった知識を持ち、制作会社の担当者と協力して集客ホームページが完成されられます。
検索エンジンのことやホームページ制作の方法については、制作会社に任せたら良いと思いますが、ホームページ担当者が顧客のことや競合他社のこと、自社製品のことを知らない状態で、どのようにして集客ホームページを制作できるでしょうか。
ホームページ担当者が、顧客のことや競合他社製品のこと、自社製品のことを勉強してもらえたらそれでいいのですが、それでは集客ホームページの完成までに時間がかかりすぎます。
ホームページ担当者には、最低でも優秀な営業担当に担っていただいた方が良いです。中小企業であれば、できれば社長か営業部長が担当された方が良いです。
ホームページ集客のポイント7
ホームページ担当者は、顧客のことを知りつくしている社長か、優秀な営業担当者が最適です。
社長が「ホームページ制作は簡単にできる」と思い込んでいる
今までの、集客ができないホームページの制作なら、簡単にできる場合もあります。このコラムのテーマは、「集客ができるホームページを制作すること」です。そのようなものが簡単に制作できるのであれば、私は失業してしまいます。
私は、お客様から「ホームページなんて簡単にできるのでしょう?」と聞かれた場合は、次のように返答するようにしています。
それは、「そのご発言は、『貴社製品は、簡単に製造できるのでしょう?』と言われたことと同じことですよ。」と。
確かに、WordPressなどのCMSの普及で、簡単にホームページが制作できるようになりました。ホームページの内容が希薄なものであれば、一晩で制作してしまう技術者もいることでしょう。
でも、ほとんどのホームページ制作会社や制作技術者が、「集客力」を強みとできていません。なぜなら、ホームページ制作とマーケティングは、まったく異なる技術だからです。
ホームページ制作の方法は専門学校もあり、そこで教えてもらえます。学校を出たばかりの人であれば、美しいホームページを制作することができるでしょう。ホームページ制作なら、知識があれば高校生ですら仕事にできます。
ところが、マーケティングは、なかなか教えてもらえるものではありません。クライアント企業の事情だったり、人の心理学的な知識や感情について知っていたり、経営の知識だったり、世の中の動きを洞察する力だったり、市場分析する技術であったりと、あらゆるものの総合戦になるため、すぐさま身に付くものではないのです。
マーケティングとホームページ制作の異なる技術を融合させることができ、実績が出せた制作会社のみが、「集客ホームページが制作できるのだ」と胸を張って言えることなのです。
ホームページ集客のポイント8
集客ホームページの制作は、ホームページ担当者も制作会社も多くの時間と労力、根気がいるとお考えください。労力をかけた分だけ、「労力のかからない集客」というリターンが待っています。
まとめ
以上、中小企業がホームページ集客で失敗する6つのパターンに、失敗しやすい2つのパターンを加えてご紹介いたしました。ホームページ集客のポイントをまとめると、次の通りです。
- 【デザインにこだわり過ぎない】
中小企業のホームページ制作では、デザインにこだわり過ぎず、ホームページ集客に予算を割いた方が良いです。デザインにこだわるべき商売の場合には、写真に力を入れた方が良いです。 - 【強い商品を開発する】
ともあれ、競合他社よりも強い商品を開発することです。強い商品ができたら、ホームページでメリットだけでなく強みも訴求することで、ホームページ集客ができるようになります。 - 【良い制作会社を選ぶ】
デジタル・マーケティングの深い知識があり、お客様の立場で身の丈に合った経営全般のアドバイスができ、ホームページ集客のノウハウを教えてもらえ、ノウハウの蓄積を手助けしてくれる制作会社を選びましょう。 - 【コンサルタントは1人に絞る】
船頭多くして船山に上る。餅は餅屋。ホームページ集客の専門家の意見を優先することが大切ですし、そういった人の中からできれば中小企業向けのアドバイスをしてもらえる人を選ぶことが大事です。 - 【プロジェクトリーダーは社長】
ホームページ集客は企業の存続にかかわるので、できれば社長自らホームページ企画に関心を持ち、打ち合わせに参加する。 - 【ホームページは万能ではない】
ホームページで集客ができない事業6種類で集客したい場合は、集客できる方法がホームページ以外にないかを検討することです。 - 【担当は顧客を知っていること】
ホームページ担当者は、顧客のことを知りつくしている社長か、優秀な営業担当者が最適です。 - 【ホームページ集客は労力がかかる】
集客ホームページの制作は、ホームページ担当者も制作会社も多くの時間と労力、根気がいるとお考えください。労力をかけた分だけ、後々に「労力のかからない集客」というリターンが待っています。
「ホームページで集客できるようになりたい」とお考えの企業様にとって、ご参考になれば幸いです。
また、当社のWeb集客コンサルティングをご検討いただけましたら幸いです。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。