社長の夢実現への道

中小企業倒産の原因はたった1つ!?

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慢心しました

書店で販売されている経営に関する書籍は、「どのようにしたら会社が発展したのか」という、発展した理由が書かれたもので溢れています。

最近販売されている経営の書籍では、「経営理念が大事だ」という内容のものが多いです。

確かに、会社が経営理念を立てること大事ですが、経営理念を作成しただけでは、会社は飯を食っていくことができないことも事実です。それをどのように活かしたかがもっと大事です。

経営理念を作成し、浸透していく中で、それが大きな要因となることはありますが、その他にもさまざまな成功要因が重なっていって、会社が発展していくものと思います。

さて、書店に並んでいる書籍を見ていると、「こうしたら会社が倒産しました」、あるいは「これをしなかったから倒産しました」という、倒産理由が書かれた書籍はほとんど見かけません。

会社を倒産させてしまったら、その対応で精根尽き、書籍として教訓を残す気すら起きないと思います。倒産した会社に勤めていた社員が書籍にすることがあったり、調査会社が倒産理由を調べて書籍にすることもあったりしますが、わざわざ自分の失敗を赤裸々に語るような人はいないことでしょう。

当社では、会社の栄枯盛衰を調べているうちに、「中小企業が倒産する原因は極めて少ない」ということに気が付きました。

間違いを恐れずに、中小企業の倒産の原因を述べたいと思います。

倒産した本当の理由は語られない

さて、倒産理由を調べているうちに、倒産理由の本質の部分は語られていないことが分かりました。

「倒産理由を語る」ということは、倒産を反省して理由を分析することで語られます。ところが、その反省が浅いものであったら、明らかに倒産理由となっていることであったとしても、その本当の理由は語られていません。

例えば、感染症が流行したときに、飲食店やホテル業界はどこも厳しい状況を迎えました。補助金が出てなんとか救済されたのですが、補助金が出ても倒産したところもありました。

その理由を調べていると、「感染症で客数が減ったから」というのがもっともな理由です。その反面、倒産していない企業もあるのです。

では、倒産理由は本当に感染症の流行だけでしょうか?

そのように考えると、感染症の流行は引き金であったことは事実ですが、別の理由が見えてきそうです。

会社が倒産するたった一つの原因

よく、「赤字になったら倒産」や「諦めたときが倒産」と聞きます。赤字経営でも、現金が準備できたら倒産はしません。確かに、黒字でも諦めたら倒産します。

財務的な倒産の理由は、ただ一つと言って良いと思いますが、それは「流動負債が払えなくなった」というものです。

流動負債とは、簡単に述べると毎月の支払のことです。お給料や原材料の仕入れなどです。お給料が払えなければ社員が辞めてしまったら経営は成り立ちません。原材料が仕入れられなくても同様です。

納税も待ってくれません。銀行の融資で乗り切ることができても、根本の原因が解決できなければ、一時的なものとお考えください。

さて、流動負債が払えなくなったときに倒産することを述べましたが、なぜ流動負債が払えなくなるのか。それを考えたいと思います。

もちろん、売上高が下がって利益が減ることが、倒産の王道です。まっとうな事業活動を行っていて、倒産の王道を歩む社長のマインドは、まさしく「慢心」です。慢心とは、うぬぼれの心です。慢心が、中小企業倒産のたった一つの原因です。

「私は慢心なんてしていない」とおっしゃる社長は多いことでしょう。しかし、倒産している会社の社長は、どこかで慢心していることがほとんどです。

以下、慢心が招く倒産理由をご紹介したいと思います。正常化バイアスの考えを取り除いてお考えいただき、「自社は倒産の王道を歩んでいるかもしれない」と思った社長は、少しずつでも良いので改善していってください。

勉強不足で倒産

社長の慢心は、勉強不足につながります。慢心の反対語は「虚心」と言うそうですが、意味は謙虚な心のことです。社長が謙虚に経営の勉強を行うと、経営の危機を予測したり、飯の種を発見したりして、利益を落とすことを防いでくれます。

経営の勉強とは、どういったものでしょうか?

一人社長であれ、大企業であれ、すべての企業に共通することは基本の徹底です。そして、お客様と競合他社の分析です。従業員を雇ったら、財務の勉強不足も倒産理由として出てきます。

基本の徹底

例えば、当社にてコンサルティング支援している企業では、「基本の徹底」を行っていただいています。売上ダウンしている企業では、基本が徹底されていないことがとても多いのです。

では、基本とは何でしょうか?

企業によって膨大な種類の基本が存在しています。その中でも特に基本的なことを述べるとするならば、「社員が挨拶しない」とか、「オフィスがきれいに掃除されていない」とか、そういったところができていない会社があります。

どうすれば基本が徹底されるのかは、社長が基本を把握し、理想と現実とのギャップに気が付くことです。社長は、そのための勉強が必要です。

お客様と競合他社の分析

社長で、「お客様と競合他社の分析は必要だ」と思われる方多いことでしょう。ところが、「分析を正しく行っていますか?」、「頻繁に行っていますか?」と聞くと、売上ダウンしている企業では、行われていないことが現状です。

お客様の分析では、「お客様は何を求めているのか?」という基本的な価値について考えるようにしてください。そのときに、商圏での市場全体で求められている価値の傾向と、個別のお客様で求められている価値について考えるようにしてください。

競合他社の分析では、「他の立派な会社はどのようなことをしているのか?」と気にして、勉強するようにしてください。

競合他社で分析することは、いろいろあります。また、分析するための情報は限られたものですので、そこから推測することになります。

分析項目としては、新商品開発と営業戦略の動向です。他にも、生産体制や取引先、社内の雰囲気や顧客対応など、自社よりも優れているところ、劣っているところを分析してください。

そこから、売上アップのために、「自社はどのような改善をすべきなのか」が見えてくると思います。

財務については、とても多岐に渡る内容ですので、別の機会で少しずつ述べたいと思います。

販売方法のお客様無視で倒産

勉強不足のところでご紹介した内容と被ることですが、「大名商売」と言われるように、お客様無視をした結果、顧客離れで売上高が下がって倒産する会社があります。

強引な営業で倒産

かなり昔から、訪問販売で強引な営業を繰り返して倒産に至った会社が、何社もありました。

数年前、当社にご相談があった企業でも、家庭用太陽光発電を販売している企業が、訪販が苦手だったので、販売会社に依頼したところ、とんでもない販売方法でクレームが入り、倒産した会社がありました。当社のアドバイスは、「もう手遅れです」としか言いようがありませんでした。

怠惰な社内スタッフにより倒産

また、社長が営業で全国を飛び回っているパッケージソフト会社でも、社長のいない社内では社員の怠け心で、顧客の信頼を失って倒産した会社がありました。

昼休みは平気で2時間も取り、社内では雑談ばかりをしていたようです。そのような状態で、ソフト開発が進むわけがありませんし、顧客対応も遅れに遅れて、顧客からの信頼を失ってしまいました。

社長は、「社員が会社でソフト開発や顧客対応をしっかりしている。私が営業で頑張らなければ。」とけなげに営業されていたことが悔やまれます。

お客様からお問い合わせがあっても、それをクロージングまで結びつけられずに売上をダウンしている会社もあります。顧客がクロージングに至らずに、どこで脱落しているのか、フレームワーク「カスタマークライミング」で分析してみてください。

脇の甘さで倒産

「脇の甘さ」とは、相撲の用語です。腕で脇を閉める力が弱くて、組手にまわしを取られやすい状態のことです。

経営では、さまざまなところに目が向いていなければいけませんが、脇の甘さや、脇の警戒ができていなかったことで、会社が倒産に追い込まれてしまうことがあります。

社員の不祥事で倒産

社長は、社員を信用しなければなりませんが、社長の目の届いていないところで、社員がさぼっていることはよくあります。社長の目の届いていないところが、脇の甘さになって、倒産理由になることもあります。

先ほどの、「社員は社内でしっかり働いてくれている」と思っていたが、ずさんな顧客対応で倒産した例を述べました。「当社は大丈夫だ」と思っていることに、慢心による脇の甘さが出てしまいます。

はやり、社員一人ひとりに対して特徴をつかみ、「こういったところでミスをしやすい」というところのポイントをつかんでおき、ときどき言い過ぎにならない程度に声を掛ける必要があります。

他社の不祥事を教訓にする

毎年のように、食中毒を出した焼き鳥店がニュースになることがあります。そして、同じような事件は連続して起こることがあります。たまたまニュースに取り上げられた企業は、たいへんな打撃を受けることでしょう。

そのニュースを見て、「わが社は大丈夫か?」と考えて、社員に通達を出したり、店舗の衛生状況を点検したりしている企業であることが、普通のことだと思います。

マニュアルに安心しないこと

ところが、マニュアルがしっかり整備されていて慢心した社長の会社に、食中毒が起きやすいと思います。

社員は、「一度見て、しっかりできている」、「管理責任者を決めて、衛生を徹底させている」と思っても、早い人であれば1~2週間もしたらマニュアルが反故にされていることがあると思ってください。

マニュアルを反故にする社員は、今まで自分のやり方で仕事をうまくやってきたわけですから、「今さらマニュアルで仕事の仕方を言われても困る」「今までのやり方がなぜいけないのか?」と考えている人が多いと思います。

そういった人の中には、仕事を体系化できる能力の高い人もいますので、マニュアルづくりに参画させてあげてください。そして、マニュアルをさらに改善して良いものに仕上げるように指令を出してください。

震災で倒産

国内で大地震があったときのエピソードです。その地域には、プラスチック部品を製造する会社が2社ありました。どちらの会社も、震災に見舞われて工作機械が壊れてしまい、部品製造ができなくなりました。

片側の会社は、工場の状態を見て復興をあきらめ、自治体や政府からの支援を待ちました。

ところが、もう片方の会社では、社長が陣頭指揮を執り、社員全員を復興に当たらせ、社長は会議室から一歩も出ないで寝泊まりをしながら、早急なる復興に着手しました。

前者の工場は、復興に3ヶ月ほど要しました。

後者の工場は、復興がなんと1週間でできてしまい、お客様の納期に間に合わせるように、工作機械をフル稼働させました。

すると、前者の会社はどうなったのでしょうか?

前者の企業に「いつ復興しそうか?」と問い合わせても、「わかりません」と答えるばかりでしたが、そのうち「1週間で復興させました」と発表した企業が出てきたわけです。

前者の会社に注文していたお客様は、商売にならないので、ほとんどが後者の企業に乗り換えてしまいました。その結果、前者の企業は倒産してしまいました。

何があっても、競合他社の動きを見ていなかったわきの甘さで、顧客のほとんどを奪われてしまったようになりました。

もし、「そろそろ大きな地震が起こりそうだ」と考えていても、何の備えもしていなければ、慢心していることと同じです。

無理な設備投資で倒産

経営者としての経験の浅い社長であっても、無理な投資をしてはいけないことはご存じのことでしょう。ところが、ベテラン社長で慢心してしまうと、無理な投資をしてしまう社長があるのです。

それは、今まで赤字が続いていて、引き締めてきた社長が、黒字に転じたときに気持ちが緩んでしまって無理な設備投資をしてしまうことです。

設備投資をすると、5年で減価償却することが多いと思います。すると、経費として認められる金額が1/5に減ります。ところが、今まで赤字だった蓄積があるので、「税金はほとんどかからないだろう」と直感で予想して、設備投資をしてしまうのです。

このように、BSをしっかり把握できていない社長に限り、想像以上の税金がかかって、予定納税も加わって、資金繰りが急激に悪化して倒産することがあります。

設備投資は、しっかりと経営計画を立ててください。

社員が全員辞めて倒産

私は見たことはありませんが、社員が全員辞めて倒産するケースもあるそうです。社員が辞めていく原因は、社長と馬が合わないことが原因です。どういったときに馬が合わないのかを、考えたいと思います。

処遇が良くても辞めていく社員

とある建築業の会社のご支援をさせていただいているときのご相談で、「社員の処遇を改善しても辞めていく人が多い」と困っているところがありました。福利厚生を充実させたり、給料を上げたりしても、若手社員が辞めていったそうです。

若手社員が辞める割合が増えたのは、先代社長がお亡くなりになり、息子さんが二代目社長に就任してからでした。

先代社長は人情味があり、面倒見がよくて、部下に仕事をしっかり教えてくれて、多くの社員から慕われていました。二代目社長は、どちらかと言えばドライな方でした。給料は「地域の平均よりも10%ほど高ければ問題ないだろう」とか、「福利厚生を充実させたら定着率が高まるに違いない」という具合に、合理的に考えていました。

また、社会貢献につながる特殊技術を持っていて、それが大義名分になります。また、会社が発展すれば、社員は給料が上がり、生活が豊かになります。社長に知恵があって、会社を発展させてきた実績もあったとします。

給料が高く、福利厚生が充実していて、技術力があり、社会貢献にもつながり、社長に先見性がある会社です。そうであるならば、そこで働いている社員は、成功が約束されたようなものです。

ところが、若手社員は定着しにくくなっていったのです。つまり、「社員は理詰めだけで動くものではない」ということです。その原因は、社長の人間味にあります。

どのように魅力的な条件を出されたとしても、人は義理と人情がなければ、付いて行けない場合があります。給料や福利厚生を魅力に感じて働いている社員は、もっと良い条件があれば、そちらに行ってしまうのです。

社長が、「義理や人情」のある人であれば、社長と意見が合わなかったとしても、社員がついてくることが多いです。

経営理念を発表して倒産(しそうになった)

極端な理由としては、「社員が全員辞めてしまった」という倒産理由も、ごく稀にあります。社長と、全社員がもめてしまうような出来事があれば、そのようになることがあります。

その典型例が経営理念の発表です。

正しい経営理念が完成したら、社長はとても意気揚々として、熱意の塊になっていることがあります。その熱意を、社員にそのままぶつけて、経営理念に共感できない社員が全員辞めてしまうケースがあります。

「経営理念を発表して、社員が全員辞めてしまった」という例もあります。

社長は、「自社をこのようにしたい」という夢を描き、経営理念に託し、熱意でもって社員にイノベーションを求めます。ところが、初めから冷めている社員たちは「今まで通りで仕事がうまくできている」、「お客様にもご満足いただいている」ということで、イノベーションを拒否します。

社員は、「また社長が何か言い始めた。冷めるまで待っておこう。」という具合に、社長の号令を聞いたふりをして無視します。ところが、社長は「このような立派な経営理念だったら、社員全員が付いてきてくれるだろう」と慢心しているのです。社長が本気度によっては、社員とケンカしてしまうこともあります。社員全員に叱咤して、社員全員が辞めていくのです。

ここでも、社長に義理と人情があれば、「なんとか社長の夢の実現に貢献しよう」と考えるものです。社長が社員に、経営理念を熱く語っても、社員がなかなかついてこない場合は、社長の義理と人情のところを点検してください。

以上、会社の倒産理由の王道として、「利益が下がり、流動負債が支払えないこと」を述べました。その原因は、社長の慢心ただ1つであることを述べつつ、慢心からくるさまざまな倒産理由について述べました。

倒産には原因結果の法則が働いた結果です。必ず原因があり、その原因にどのようなものがあるのかを知ること。その兆候を早くつかむことが大事です。間違った経営判断をしたことによる倒産の兆候は、売上高の低下として現れます。社長が売上高の下がる傾向をいち早くつかみ、「何かおかしい」と気が付くことが大事です。

電車が駅のホームを通り過ぎるときに、(1)電車が来る前に電車の通過を予想できる人、(2)電車が通過しているときに電車の存在に気が付く人、(3)電車が過ぎ去ってから電車が通過したことに気が付く人がいます。

倒産も同じで、倒産の原因が来る前に気が付く人、原因が来たら気が付く人、倒産してから気が付く人がいるのです。売上高が下がる傾向をつかむ方法は、「売上高が下がる傾向をいち早くつかむ方法」をご覧ください。

ここで述べたことは、事業の基本です。「基本の徹底なくして事業なし」です。

ときどき、倒産しそうだということで、ご相談をいただくことがあります。倒産寸前なら、当社でも対応できないことがほとんどです。ともあれ、倒産前であれば、まだ会社があるわけですから、救われる可能性もあります。

やはり、利益が下がる傾向はいち早くつかむこと、その傾向をつかんだなら、早めに当社にご相談いただくことが大事です。売上高が下がる傾向をつかむ方法は、「売上高が下がる傾向をいち早くつかむ方法」をご覧ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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