社長の夢実現への道

社長に反旗を翻し独立起業したら必ず失敗する!?

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社長に反旗を翻し独立起業したら必ず失敗する!?

会社を辞めて起業しようとする人の中に、「社長に腹が立ったから」という理由で、社長に恨みを持って、反旗を翻して起業する人もいます。

本当の歴史はどうか判りませんが、明智光秀のような感じのことでしょう。

しかし、反旗を翻しての独立起業は、とある条件の場合を除いたら、たいていは経営が上手くいかなくなります。

この記事では、会社に勤めていて、社長に腹が立って反旗を翻して起業しようと考えている人に向けて、起業して失敗しないための考え方について述べたいと思います。

結論としては、「仕返しでうまくいく例はない」と考えた方が良いこと、「経営のコンセプトは、お客様を中心とすべき」ということです。

独立起業する理由

社員が社長に反旗を翻して独立起業しようと考える理由は、おそらくは次の3つのことと思います。

  • 社長から首を切られた
  • 社長に経営能力がなかった
  • 社長の思想・信条に合わなかった

社長と自分の実力差の理由

1つ目と2つ目は、社長と自分の実力差の理由です。

社長から首を切られるときは、自分自身に社長が期待する能力に至っていないか、能力があり過ぎて社長から煙たがられていたかのどちらかでしょう。私は起業したときは、後者だったと自負しています。

社長にいろいろな提言をし、アイデアを出し、収益性の高い新規事業を短期間で2つ立ち上げて、赤字経営を回復させる手助けをしたのですが、功績が認められなくて、首を切られてしまいました。

会社を辞めて経営コンサルティング会社を設立した後に、前社長のもとにご挨拶に行ったら、前社長は「そんな実力を持っていたなんて知らなかった」と驚いた様子でした。

自慢はさて置き、社員が「社長の能力が低い」「今の社長では、私の能力を使いこなすことができていない」と感じるときに、「自分を試したい」と思って起業することがあります。そう感じたときは、本当に能力のある人だと思うので、独立して自分の能力を伸ばしていった方が良いと思います。

社長の思想・信条に合わない場合

怖いのは3つ目の理由の「社長の思想・信条に合わなかった」場合です。社長がネガティブな思想・信条を持っていて、自分の良心が許さなくなり、起業するケースもあります。私が経験したものも、このパターンです。

その反対に、社長が崇高な思想・信条を持っており、それに合わないケースもあります。社長が経営理念を制定し、理想を追い求め、それに対して社員たちが違和感を持ち、同じ気持ちの社員たちを集めて反旗を翻すように起業するケースです。

この起業パターンは、たいていうまくいきません。

販売ができたり、製造できたりしても起業は難しい

社員の中には、「自分は実力があるのだ」と勘違いしている人もいます。会社の中で、誰よりも販売ができたり、製造ができたりすると、実力があるものと思います。しかし、世間は広いもので、個人として独立したら、「井の中の蛙だった」ということもあります。

例えば、ケーキ屋さんを経営していて、美味しいケーキを製作するノウハウを身に付けた場合、「その技術があれば起業ができる」と勘違いをする人がいます。また、製造業の営業担当をしていて、「営業ノウハウを身に付けたら起業してもやっていけるのではないか?」と勘違いをする人もいます。

会社に勤めているときに、自分が担当していたお客様がいたとして、起業するときにそのお客様を引き連れていけば、起業直後の収益は安定しますが、それでも経営がうまくいくとは限りません。

はたまた、少し頭の賢い人は、「製造と営業ができ、お客様を引き連れて起業したらやっていける」と思う人もいます。このケースでも、起業当初から社員が何人かいる状態であれば、それだけでは、うまくやっていくためには圧倒的に何かが足りません。

起業時の理念(コンセプト)が間違っている

会社を経営していくためには、モチベーションを下げないことが大事です。そのモチベーションが、「社長に仕返しをする」ということであれば、それは根本的に理念(コンセプト)間違っています。

根本的に間違った理念(コンセプト)を持っていると、営業や製造の能力が高い人であっても、それが悪いものを引き寄せてしまうのか、経営がうまくいかなくなることが多いです。

表面的には「お客様のため」と言っていたとしても、本心では社長への仕返しを思っていたら、その気持ちが知らず知らずのうちに間違った行動として現れてきます。

仕返しで反旗を翻した会社の商品は売れなくなる

仕返しをしようとした場合、注目対象が前社長の会社です。お客様に注目できていないのです。そういった会社が、お客様に対して良い商品やサービスを開発できるでしょうか?

コンセプトが、前社長への仕返しですから、前社長の会社を見ることになり、市場を広く見ることができなくなる可能性があります。

そして、前社長の会社しか見えていなくなると、その会社が目標になるので、その会社を超えることができなくなります。超えてしまったら、目標が無くなってしまうからです。

前社長に人徳があれば、自社の結果は虚しいものになります。

反旗を翻した人からは人が離れていく

面白いことに、反旗を翻した人は、反旗を翻されることもよくあります。

起業時のコンセプトが、前社長への仕返しですから、それが虚しいものに感じた人は、会社を離れていくことになります。

社員の人心が、崇高な理念やチャレンジングな目標でつながっていないので、利益の低下に比例するかのように人心が離れていってしまいます。

やはり創業の理念とも言えるコンセプトが、将来的に経営理念となっていくので、そのコンセプトが間違っていたら、その会社は存続する価値のない会社になってしまいます。

真剣さが足りない

社長に反旗を翻して起業した人は、会社経営に真剣さが足りないように感じます。戦国時代のように真剣で戦うわけではありませんので、命を失うことはありませんが、経営は真剣勝負のようなところがあります。しかも、あらゆる場面で真剣勝負です。

社長の仕事は、開発や製造、営業・販売、人事、経理・財務といったカテゴリで、細かな作業がたくさんあり、本当に多岐にわたります。

社員を何人も引き連れて起業した場合、いきなり大所帯なので、社長の負担はかなり大きなものとなります。どれが欠けても、会社が危なくなるが、社長としての経験の浅い人は何をしたら良いのか判らなくなることもあります。

新しい問題に対処する胆力が足りない

会社経営は問題の連続です。人はすぐに辞めていくし、お客様は契約を解除していってしまうし、新しく集客もなかなかできません。

コンセプトが「怒り」では、人がついて来なくなることもあります。

「社長に仕返しがしたい」という怒りによって社員を引き連れて起業し、確かに、前の会社の社長は甚大な被害を受け、仕返しができたかもしれません。会社を経営は、怒りがコンセプトでは良くないので、少なくとも「お客様に対する愛情がなければならない」と考えます。

その愛情とは表面的なものではなく、家族を大切にするかの如くお客様に奉仕させていただき、お客様に幸せになっていただくことが大事です。社長がそういった使命感を持たなければ、新しい問題にすぐに挫折することになります。

そういった奉仕の精神がなければ、さまざまな問題に耐えられないと思います。さまざまな問題に立ち向かう胆力は、お客様への愛情から生まれてきます。

アイデアが出ない

会社の経営は本当にクリエイティブなもので、アイデアの連続です。何も商品開発だけがアイデアを出す場面ではなく、経営においてはあらゆる場面がアイデアの連続です。

自社のコンセプトが、前社長への復讐でしたら、それに対するアイデアは出てくるかもしれませんが、そのようなことでは、お客様に対するアイデアが希薄になってくると思います。

そのような社長を見ると、経営に対して真剣さが足りないように思いますし、行き過ぎたら哀れに感じてしまいます。

復讐を成し遂げてしまったら事業が成り立たない

社員を大量に引き抜いて、前の会社が倒産してしまったらどうでしょうか?

前の会社の社長は、とてもダメージを受けることと思います。それは、それで腹いせができたかもしれません。しかし、その後は何が残るのでしょうか?

コンセプトが達成されて、気持ちが潰えてしまい、会社の勢いが止まってしまうかもしれません。おそらくは、虚しさが残るものと思います。

大組織を率いるリーダーとしての経験が足りない

反旗を翻して、何人もの社員を引き連れて起業した場合、その社長はリーダーとしての経験の足りなさで、会社経営を危なくする場合があります。その経験不足は、社員の人数が多ければ多いほど、ダメージが大きくなります。

仕組みを構築・改善できない

前の会社の仕組みをそのまま導入して起業したとしても、その仕組みを改善していくことができなければ、前の会社に負けてしまうことになります。

前の会社の社長は、起業してからアイデアを出しまくってきたはずです。出しまくってきたアイデアから、今の仕組みが出来上がっていて、会社が成り立っています。

独立したての社長の場合、その仕組みの中で働いてきた経験があり、仕組み通りに仕事をする、もしくは部下に仕事をしてもらうことができたのですが、仕組みを生み出したり、改善したりする経験をしていない可能性があります。

その仕組みを創り出すこと、より良いものに改善していくことができなければ、いずれは衰退していってしまいます。なぜならば、前の会社は、前社長の号令の元に仕組みが改善され続けているからです。

十分な利益が得られない

起業をする人は、「会社が生き残るためには収益が必要だ。収益を稼ぎ出すための販売が必要だ」ということを知っている人が大半です。しかし、それの本当の意味を解っていない人が多いです。

社員を何人も引き連れて起業をしてしまった人は、その人達を食べさせていかないといけません。食べさせるだけでなく、「自分たちが成長していけるのだ」という希望を与えることと同時に、実際に成長させていかなければいけません。

いっしょに起業した同士が、「自分たちが、今までの会社務めのときよりも、お給料が上がりさえしたらそれで良い」というものであれば、起業したときの人数を変えないで、そのまま経営をしていっても良いと思います。

会社に反旗を翻した場合は、「全社長のことが嫌だ」と思っていることは共通しているのですが、全員が個人的に同じコンセプトとは限らないのです。

やはり、社員には会社が成長していくことを期待させることが大事になり、その根源が社長の販売力です。

社長にならないと社長の仕事が何か判らない

社長の仕事とは何か、ある意味で社長になっても判らない場合が多いです。そのため、いきなり大組織の社長はできるものではありません。

社員のときにいろいろとアイデアが出て意見をする人もいますが、意見をずっとしてきて、社長が聞き入れてくれなかったら、社長のことを悪く思う人もいます。自分のことを「社長よりも優秀だ」と勘違いをし始めた人はなおさらのことです。

そのように考えてしまう根底には「認められたい」という自我があると思います。

社員のときに、社長に対していろいろと意見をしていたとしても、「社長に意見ができること」が「社長ができること」「社長の仕事ができること」とは異なります。

まずは、「認められたい」という気持ちを抑えて、人を認められるようになってください。嫌な社長の元で働いている社員だとしても、どこか社長の良いところを発見するようにしてみてください。

やり方や方法から入る(「考え方」ではなく答えを求める)

社長の仕事は、決定を出すことです。その中で最大の問題が、「問題が何か判っていないこと」です。

そういった社長であったとしても、「何かが足りない」と考えていると思います。その何かとは、「売上高を増やしたい」とか「販売を強化したい」といったものです。そういった漠然な目標を掲げる社長に限って、コンサルタントに依頼したとしても、「やり方」から入ってしまいます。

私のコンサルタント人生の中で、「やり方から入る社長は、何をやってもうまくいかないことが相場として決まっています。

反旗を翻して起業した社長から、「やり方」のご相談をいただいた場合は、やり方をお教えすると同時に、コンセプトをお客様へのご奉仕に変更するように促しています。

反旗を翻して集結した人たちは、もともとは前の会社の社長に対する怒りで集結した人たちなので、そもそものコンセプトを変えてしまったら、それについていけない人は、会社をすぐに辞めていってしまうかもしれません。そうすると、会社は瓦解していく可能性もあります。

会社の瓦解が早いか遅いかの差です。

通常、コンセプトを変えるとき少しずつ変えていかないといけませんが、反旗を翻して起業した会社は少しずつコンセプトを変えていっては間に合わないことが多いと思います。

そこで、「やり方」から入る。ケースとしては次のようなことであるが、どれも社長としての経験不足から出てくる質問です。

  • 何を新規事業として導入したらいいのか?
  • ホームページをどのように変更したらいいのか?
  • チラシの作り方はどうなのか?
  • 会社の体制をどのようにしたらいいのか?
  • 社名やロゴを変更したらいいのか?

「やり方」から入っていく社長は、ON/OFFのような短絡的な考え方をすることが多いです。例えば、ホームページにしても、「ホームページをつくり変えたら集客ができるようになる」という考えです。

これは、「自動車のエンジンをONにしたら、目的地に到達できる」という考えと同じです。自動車で目的地に到達するためには、地図を確認したりカーナビを設定しないといけないし、交通ルールに従って自動車の運転もしないといけません。道路交通法に違反してもいけません。

そういった細かなことをいろいろと検討して軌道修正いく中で、新規事業が軌道に乗ったり、販売がうまくいったりするようになります。要するに、成功の秘訣は「やるか、やらないか」ではなく、「顧客のことからよく検討して始め、PDCAサイクルで改善していくこと」です。

ホームページで集客したい場合には、どのような顧客がいて、どのようなお困りごとがあり、それを自社の商品やサービスで解決ができるか、ソリューション提供ができるかを検討しないといけません。それをコンテンツとしてまとめたものが集客ホームページとなります。

場合によっては前社長から反撃される

場合によっては、反旗を翻して起業すると、前社長から攻撃を受けることもあります。

例えば、何かを仕入れて販売している企業から独立をして、同じ事業をしようとしたときに、前社長が仕入先に根回しをして、仕入れられなくされることも考えられます。起業して、展示会に出展したら、前の社長がブースにやってきて怒鳴られることもあるかもしれません。

起業するときに、顧客、仕入れ、製造、資金、人材など、事業活動を継続できるための根回しは大事です。

できれば、円満退社ができるようにしてください。円満退社をして、前社長から支援を受けられるようになれば理想です。顧客数が少ないうちは、前会社から外注先として仕事を頂ける場合もあります。

独立起業してうまくいっている社長の気質

独立起業してうまくいっている社長には、うまくいくなりの気質を持ち合わせています。

前の会社の社長との人間関係ですが、たいてい仲が良いです。前の会社の社長と仲良くなかったとしても、感謝はしています。決して、反旗を翻そうなどという考えは持っていません。

また、独立起業する前から、経営の勉強をしていて、ある程度の起業のルールを知っていると思います。起業するときに、前の会社のお客様を引き抜くことは、あまり考えていないし、それはルール違反だと思っています。

そもそも、自分がされたら嫌だと考えることをしません。この考えは、誰にでも共通する人生を豊かにする考え方だと思います。

そういった考えの人ほど、起業しようとするときに社長から、「起業して食べていけるように、お客様を何社か持っていきなさい」と譲ってくださる場合もあります。

そして、社員の時代に、会社からいただくお給料のことよりも、自分の成長を大事にしている人が多いです。この成長には、仕事能力と人格形成の2種類あります。社長が尊敬できる人であれば、人格形成の仕方を学ぶと良いと思います。社長が尊敬できない場合は、尊敬できる社長の書籍を読みつつ、「現社長は反面教師として勉強させていただく」という発想が大事です。

反面教師の社長であっても、「会社が経営できているということは、とてもすごいことなのだ」と割り切り、何か学べるものがあるはずなので、学びつくすことが大事です。その中で、「自分だったらこのように経営する」というアイデアを、いくつも持つことも大事です。そのアイデアの蓄積が、起業後に役立ちます。

反面教師となる社長は、アイデアを出したとしても、その手柄を取られてしまうので、アイデアは出さなくても良いです。しかし、社長かの手柄になったとしてもアイデアを出し続けられるくらいでないと、起業して社長は務まらないことも事実です。

また、アイデアを出して採用されたら、アイデアを出した自分が偉いのではなく、「それを採用した社長が偉い」とか、「アイデアは、溢れるくらいにたくさん出せるくらいにならないと、起業してうまくやっていけない」と考えるようにして割り切ることが大事です。

社長と自分で価値観が合わなければ、あまりお付き合いをしたくないかもしれませんが、会社では穏便に過ごす方が得策です。静かに行く者は遠くにゆくものです。

以上、会社に勤めていて、社長に腹が立って反旗を翻して起業しようと考えている人に向けて、起業して失敗しないための考え方について述べました。

前の会社の社長に復讐ができたとしても、また起業した会社がダメになってしまったとしても、どちらも虚しさが残ることと思います。

独立起業をお考えの方が、少しでも「社長に復讐をしたい」と思うような気持ちがあるならば、起業することを少し待って、冷静になって本物の起業理由を検討した方が良いです。そして、立派な会社に成長させてもらいたいものです。

「起業して立派な会社にしたい」とお考えの方は、ぜひ当社の社長セミナーにご参加ください。

何か参考になれば幸いです。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

プロフィール詳細


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