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なぜ経営理念の作成は時間がかかるのか?

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なぜ経営理念の作成は時間がかかるのか?

経営理念の作成に1度でも取り組まれた社長は、経営理念の作成にはとても時間を要することをご存じのことでしょう。

経営理念の作成や浸透をこれから取り組もうとされている社長は、ぜひとも「とても時間がかかる」ということを、覚えておいてください。

反対を言えば、1~2ヶ月ほどの短期間で出来上がった経営理念は、本物の経営理念でない可能性があります。私の経験上、短期間で作成された経営理念が本物の経営理念であったことは皆無です。

本物の経営理念は、会社が立派な会社に成長していくための全方位的な内容が網羅され、従業員に正しく浸透させると、従業員が鼓舞されるものです。

社長お一人で経営理念の作成に取り組まれた場合には、社長の任期中に本物の経営理念が完成しないこともあります。

このコラムでは、なぜ経営理念の作成に時間がかかる理由と、作成時間を短縮する方法をご説明いたします。

経営理念の言葉の定義がはっきりわからない

最初の難関は、「経営理念とはどういったものなのか、その言葉の定義が明確にわからない」ということです。経営理念という言葉の定義がはっきりと理解できるまでに、独学では時間がかかってしまうのです。

経営理念には、社是や社訓、行動指針などさまざまな構成要素があります。それらの意味がはっきり理解すると、どういった経営理念を作成したら良いのかがわかります。しかし、経営理念に関する書籍を読めば読むほど、経営理念の意味がわらからなってしまうことがあります。

なぜなら、経営理念に定理があるわけではなく、著者によって経営理念の定義がバラバラだからです。

経営理念の意味を知るために、まずは経営理念に関する用語をすべて知り、それらの統一された定義を理解することから始めてください。と言いたいところですが、時間がもったいないので、当社の定義「経営理念の用語解説Q&A」をご参照ください。

経営理念の作成時間は経営理念の目的によって変わる

中小企業が経営理念を作成する目的は、次のどちらかだと思います。

  • 経営理念を掲げて会社の体裁を整えたい
  • 立派な会社をつくりたい

前者のように、会社の体裁を整えるために経営理念を作成するのであれば、会社の魅力を伝えることが目的ですから、何回か考えて策定する程度でも良いでしょう。深く考えずに思いつきの一言を経営理念にする人もいると思います。そういった場合には時間がかかりません。

後者の場合は、経営理念が社長を含む会社の人材を鼓舞し、経営理念が機能する段階のものです。入念に練り込まれた経営理念の言葉一つひとつが、社員の心に響き、浸透していきます。社長によって経営理念が作成されたいきさつや、経営理念の内容の解説を聴くことで、社員が感動をするくらいのものです。

そのような立派な会社を創り出す根源のエネルギーと言える経営理念ですが、もちろん作成には多大な時間がかかります。

しかし、時間をかければかけただけのメリットがあるのです。

社長の認識が広がるのに時間がかかる

経営理念は現在はもちろん、社長が引退した後の会社の指標であり続けるものです。そして、経営理念に込めるものは、長の認識の範囲で明文化されます。そのため、社長の成長とともに、経営理念の内容は異なっていきます。

その意味で、社長の引退前に出来上がったものが、最高の経営理念になることが理想だと言えます。

ですが、いつまで経っても経営理念ができなければ、立派な会社はできません。そこで、今現在の社長の認識で、最高の経営理念を創り上げることが大事です。

桶の胴板に短いものがあると水が漏れてしまう

経営理念の中身は、全方位的に網羅されていなければ、穴の部分で足を救われて、会社の発展が止まってしまうものです。

ちょうど桶の胴板に短いものがあり、水が漏れてしまうようなものです。

経営理念作成に時間がかかる理由は、社長の得意な箇所では明文化がしやすいのですが、苦手な部分は社長の認識が高まるまで時間がかかります。

学習や勉強に時間がかかる

さて、社長の認識が高める方法には、学習と勉強があります。学習とは、経験しながら学ぶことです。勉強とは、読書や研修などを通じて過去の事例から体系化された経営の原理原則を学ぶことです。

もちろん、学習をした方が身に付いているので、より良い経営理念を作成することができますが、仮説思考でトライ&エラーを繰り返して学習していくので、時間がかかります。

勉強ですと、古典や名著、ビジネス書を読んだり、文献を調べたり、経営研修に参加したりすると、学習するよりも浅くはありますが、圧倒的に早く学ぶことができます。

ともあれ、どちらも時間がかかることは確かです。

古典でのおすすめは守屋洋先生の書籍です。成功哲学に関する書籍も必読だと思います。詳しくは、経営理念を完成させた社長が普段から取り組んでいることをご参照ください。

経営の智恵を得るのに時間がかかる

学習では、トライ&エラーを繰り返して学ぶことを述べましたが、そこから経営の原理原則をつかむ、つまり経営の智恵を得るのに時間がかかります。

1度のトライ&エラーで原理原則をつかめたら良いのですが、何度もミスを繰り返して、「やっと理解できた」と気が付くのに時間がかかります。

大きなミスをしてしまったら、立て直すのに何年もかかる場合があるので、時間がもったいないと思います。しかし、この失敗は社長が智恵を得るために必要なことでもあります。

経営理念は、経営の智恵から経営哲学を抽出してまとめられたものです。社長が経営の智恵を得ていくことが、経営理念の作成につながります。つまり、時間がかかるのです。

経営の智恵を獲得することには、作成した経営理念が本物かどうかを点検する時間も含まれます。経営理念の作成や浸透も、トライ&エラーを繰り返し、本物の経営理念を作成したり正しく浸透させたりするための智慧を得る必要があるからです。

社長が経営理念を作成したら、それを従業員に浸透させます。浸透させた結果、その経営理念に不備を発見すると思います。その不備を直して、また浸透させていくことを繰り返すのです。そうやって、本物の経営理念が出来上がっていくものです。

実のところ、浸透させる方法も智恵の獲得が必要です。正しい経営理念があって、正しく浸透させることによって、経営理念が機能を発揮するのです。

経営理念を作成し始めた社長の多くは、「経営理念は、一文で表されたものだ」とか「何個かの箇条書きのものだ」という誤解をしています。しかし、浸透させてトライ&エラーを繰り返していく中で、そういった一文や箇条書きは、経営理念の構成要素の一つに過ぎないことを理解していきます。

そういった時間はもったいないですし、会社の発展速度を止めてしまうものですので、できれば経営理念コンサルタントにご相談ください。経営理念コンサルタントの智恵を利用していただくと、たいへんな時間短縮につながります。

経営理念作成の時間を縮める方法

経営理念の作成はとても時間がかかるのですが、できるだけ時間を縮める方法をご紹介いたします。その方法は

  • 普段から経営の勉強をする
  • 経営理念コンサルタントと共同して経営理念を作成する

普段から経営の勉強をする

社長が普段から経営の学習だけではなく、勉強をすることをおすすめいたします。

先ほどもご紹介したように、経営の書籍を読んだり、経営研修に参加したりすることが大事です。

経営の書籍では、全方位的に書籍を読まれたら良いのですが、ご自身の興味のある分野のことしか読まない場合もあります。苦手な分野の書籍は、読もうとしても読み進めないので、そのうちに読まなくなってしまうこともあります。

その点、経営研修でしたら、全方位的に体系化された経営の知識を学ぶことができるので、おすすめです。

当社でも、経営研修を行っていますので、ご希望の方はご相談ください。

ここで、経営理念を作成するために勉強すべきことですが、それは経営のやり方ではなく、経営の原理原則を学ぶことです。

例えば、集客の方法は、時代と共に変化するものですが、「収益は顧客からしか得られない」ということは、今後も普遍的なことだと思います。そういった経営理念に練り込まれる経営の原理原則を学ぶのです。

経営理念コンサルタントと共同して経営理念を作成する

書籍を読んだり、研修に参加したりすることが苦手な方は、経営理念コンサルタントに経営の智恵を教えてもらうこともおすすめです。

経営理念コンサルタントによる経営理念の作り方

経営理念の作成を支援してくれる経営理念コンサルタントは、経営の智恵の宝庫です。経営理念の作成を支援しつつ、社長に足りない経営の智恵を提供してくれることでしょう。

社長が体得している経営の智恵に、足りていない智恵を組み合わせて、正しい経営理念の作成を支援してくれます。

また、社長はたくさんの経営課題を抱えていると思います。その経営課題の解決に、経営の原理原則を提供してくれます。社長が経営課題に取り組み、解決していく中で、経営の智恵をつかんでいくので、そのことが正しい経営理念の作成につながります。

経営理念コンサルタントに依頼して、経営相談ばかりをしていて、なかなか経営理念の作成に着手できなかったとしても、経営課題の解決によって着実に正しい経営理念完成に近づいているのです。

経営理念コンサルタント選びの注意点

経営理念コンサルタントを選ぶときに注意点があります。それは、「支援を依頼する経営理念コンサルタントが、経営理念の作成の支援をしてくれるのか?」ということです。

経営理念コンサルタントには、次の2種類あります。

  • 経営理念の作成と浸透を支援してくれるコンサルタント
  • 作成された経営理念の浸透のみを支援してくれるコンサルタント

経営理念を作成するのであれば、もちろん前者の経営理念コンサルタントに依頼しなければなりません。

経営理念のテンプレートを用いる

正しい経営理念は、次の4種類で構成されたものです。この4種類があって、初めて経営理念が機能します。

  1. 基本理念
  2. 企業ビジョン
  3. 経営指針
  4. 行動指針

これらの中で、基本理念や企業ビジョン、経営指針は、オリジナルで作成しなければいけませんが、行動指針は当社が作成したテンプレートをカスタマイズして使用することができます。作成に最も時間のかかるのが行動指針の作成ですが、当社にてテンプレートをご用意しているので、経営理念作成の参考にでき、経営理念完成までの時間を大幅に短縮できます。

この行動指針テンプレートは、今までの経営理念コンサルティングで作成してきた行動指針から、行動指針に必ず盛り込まれる内容を、一般的な言葉を用いて抽出したものです。

この行動指針テンプレートを、貴社の言葉にアレンジして作り直したり、貴社オリジナルのものや部署毎の行動指針を付け加えたりするだけで完成させられます。

行動指針テンプレートを用いての経営理念作成支援なら、当社までご相談ください。

以上、経営理念の作成に時間がかかる理由や、できるだけ時間を縮める方法をご紹介いたしました。

経営理念の作成や浸透でお困りの方は、ぜひ経営理念コンサルティングをご利用ください。作成や浸透のご支援だけでなく、「経営理念のことを聞きたい」というスポット相談にも対応しております。

貴社の経営理念づくりの参考になれば幸いです。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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