新規オープンしたクリニックは、最初は患者さんが来てくれるか、とても心配になります。
患者さんは少しずつ増えていくものですので、1ヶ月、2ヶ月と待っていたらいいのかもしれませんが、何か手を打ちたいものです。
そこでおすすめの方法は、ホームページによる集客です。
この記事では、ホームページで患者さんを集客するための方法として有効なSEO対策の方法や可能性についてご説明いたします。
当社では、クリニック向けのサービスとして、クリニック集客ホームページ制作やSEO対策をご提供しています。ホームページでの集客なら当社にお気軽にご相談ください。
そもそもホームページでクリニック集客(集患)は可能か?
クリニックがホームページを持って、ホームページ経由で集客ができるかどうかは、「可能ではあるけれども、条件がある」ということです。
クリニックを開業した先輩に、「ホームページを制作したら集患はできますか?」と質問したら、意見が分かれることと思います。自分で制作した場合には、ほとんどの場合で、集患はできないと思います。
とあるクリニックの先生から、「自分でホームページを制作したのだけれども、集患ができないので、集患できるようにデザインを変更してもらいたい」というご相談がありました。
その先生には、「集患が出来ていない理由は、ホームページのデザインではなく、アクセス数が少ないからです。アクセス数を増やす方法は、SEO対策を行えば良いです。」とご説明させていただき、当社にてSEO対策をすることになりました。
SEO対策とは、ネット検索したときに自院ホームページを上位ヒットさせる技術のことです。SEO対策の詳細は、後ほどご説明いたします。
そのクリニックのホームページに対して、テクニカルSEOという手法と、コンテンツSEOというページを量産する手法を組み合わせてSEO対策した結果、1年後には患者さんの数が想定よりも増えすぎてしまったことがありました。
ホーページで集客ができないときに、よく「デザインが悪いからだ」と勘違いする方もいらっしゃいますが、最初に行うべきことはアクセス数を増やすことです。それができたら、その数と相対的にホームページを見た患者さんが、クリニックにご来院してくれるようになります。
「クリニック」という事業の特徴
クリニックでのホームページ集客は、「クリニック」という事業の特徴をつかむと、比較的容易に行えます。ここで述べることは、「当たり前のことだ」とお感じになられると思いますが、その当たり前をしっかり押さえること、基本を守ることとが大事です。
地域密着型ビジネス
クリニックは地域密着型ビジネスです。いくら診療技術が高いとは言え、遠くから通ってくれることは稀です。ですので、基本的には地域住民、地域に働きに来ている人を対象とすべきです。
そういった地域に住んでいる人や働きに来ている人がクリニックをネット検索で探す場合、必ず地域名や駅名と、診療科目を組み合わせた検索キーワードでネット検索しているはずです。
例えば、JR山手線「目黒駅」を利用している人が、駅の近くで眼科を探していたとしましょう。そうすると、どのような検索キーワードでクリニックを探しているのか、もうお分かりのことでしょう。
つまり、「目黒駅 眼科」でネット検索します。
地域密着型ビジネスであるクリニックのホームページ集客は、地域名や駅名と診療科目を組み合わせたキーワードでSEO対策することが基本です。
繰り返しご来院頂ける可能性
人は繰り返し病気に罹るものです。そうしたときに、信頼できる先生がいるクリニックは、繰り返し利用されるようになります。つまり、1人の患者さんができたら、その患者さんは、先生のことを気に入ったら、繰り返しクリニックを利用してくれるようになります。
ここで大事なことは、「1人の患者さんが生涯に渡って、お金を払い続けてくれることになる可能性がある」ということです。
例えば、1人の患者さんが1回来てくれて、診療報酬点数が700点だったとしましょう。その患者さんが同じ診療内容で、月1回10年間来てくださったら、生涯で84,000点になります。このような考え方を、顧客生涯価値と言います。
クリニックの安定経営のためには、クリニックを繰り返しご利用してくださる患者さんを獲得することが大事です。そして、繰り返しご利用してくださる患者さんができたら、顧客生涯価値として、たくさんの利益をもたらしてくれます。
診療科目によっては、患者さんのご家族も来院してくれるようになることもあります。
そのようなことから、ある意味でホームページ集客の費用が高いと感じたとしても、顧客生涯価値で考えたら、費用対効果はとても高いものになります。
競合クリニックのホームページのSEO対策や集客力は弱い
ホームページで集患できていない理由は、「クリニックのホームページが、ネット検索で上位ヒットしていないだけ」の可能性が高いです。
いままで、いくつかのクリニックのSEO対策をさせていただいてきましたが、どこのクリニックのホームページもSEO対策がとても弱いことに驚かされます。
この記事を読まれている先生は、集客にとてもご関心があり、いろいろとネット検索で調べていることと思います。
しかし、多くのクリニックの医師は、集客に関心があっても、「ホームページのことは知らないから」という理由で、クリニック経営に大事な集客を他者にまかせっきりになっているのです。
ですので、ほとんどのクリニックのホームページのSEO対策や集客力は弱いのです。
これは、貴院のホームページの集客力を高めて、ホームページ経由での集患ができることを意味しています。
クリニックのホームページ集客の基本はSEO対策
SEO対策の意味やクリニックのホームページをどのようにSEO対策すべきなのかをご説明いたします。
SEO対策とは?
SEO対策とは、「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略で、任意の検索キーワードでネット検索したときに、任意のホームページを上位ヒットさせる手法のことです。
SEO対策を行うことで、患者さんがネット検索でクリニックを探したときに、先生のクリニックのホームページを、上位ヒットさせることができ、患者さんの来院数を増やすことができます。
クリニックを開業した直後は、クリニック名を知っている人はとても少ないと思います。ですので、クリニック名ではなく、先生が診療科目としているキーワードで上位ヒットさせることが、SEO対策での集患の基本です。
もちろん、上位ヒットするかどうかは、検索エンジンGoogleの判断にゆだねられます。SEO対策は、Google対策でもあります。クリニックのホームページが、Googleに気に入られるように施策を行うことが大事です。
SEO対策の基本は患者さんが知りたい情報を掲載すること
Googleに気に入られるSEO対策の方法は、ホームページ閲覧者となる患者さんにとって良いホームページをつくることが基本です。SEO対策の方法はたくさんありますが、やり方にこだわるよりも、基本が大事です。
患者さんが知りたいこととは何でしょうか?
クリニックの診療科目や場所、営業時間、定休日などです。先生のプロフィールなども知りたいことでしょう。そういった患者さんが知りたいことを掲載しつつ、テクニカルSEOで上位ヒットしやすいホームページを作り、コンテンツSEOでページを量産していって、たくさんの検索キーワードで上位ヒットさせます。
患者さんにとって見やすく、読みやすく分かりやすい文章で、スマホでも正しく素早く表示されるようなホームページを制作することです。診療内容が伝わりやすいホームページを構築し、先生のプロフィールを掲載したり、クリニックの利用方法や場所なども掲載することが大事です。
テクニカルSEOとコンテンツSEO
患者さんにとって見やすい、ホームページを構築したら、次にテクニカルSEOと言われる手法と、コンテンツSEOと言われる手法の2種類を組み合わせて、SEO対策をします。
テクニカルSEOとは、ホームページを上位ヒットしやすい状態にするものです。ホームページに盛り込まれたキーワードをGoogleが理解しやすいようなHTMLタグを用いて表記したり、ホームページの表示速度を高めるための最適化を行います。
コンテンツSEOとは、ページを量産していって、たくさんの検索キーワードで上位ヒットさせる方法です。
ホームページでの集客は、たくさんの種類のキーワードで、クリニックのホームページを上位ヒットさせることです。検索キーワードに合わせて、ページを量産していくことで、たくさんの検索キーワードで上位ヒットさせます。
テクニカルSEOで上位ヒットさせられやすいホームページにしておけば、コンテンツSEOでページを量産して、たくさんの検索キーワードで上位ヒットさせられます。
SEO対策以外の方法でのクリニック集客は?
もちろんお時間やご予算などの余力があったら対応すべきです。仮に、ホームページで集客ができるようになったとしても、他の集客の流れも構築して、クリニック経営の安定性を高めるべきだと思います。
リスティング広告
リスティング広告とは、ネット検索をした結果に表示される広告枠のことです。Googleでは、AdWordsというリスティング広告のサービスが提供されています。
SEO対策をしても、上位ヒットするまでに時間がかかります。クリニックを開業した直後は、すぐにでも患者さんに来院してもらいたいものですので、リスティング広告は有効だと思います。
リスティング広告のメリットは、狙ったキーワードで上位ヒットさせられることと、クリックされた分のみ料金が発生することです。クリニックを調べている人がクリックしてくれたら、その分だけ料金が発生し、課金した金額から引かれていく仕組みになっています。
デメリットは、キーワードによってはクリック毎に発生する単価が高額になり、すぐに予算を消費してしまうこともあります。
SEO対策を行い、ホームページが上位ヒットしてきたら、リスティング広告を止めて、SEO対策だけに絞ると良いと思います。
SNSの活用
SNSは、新しいものが次々と出てきていますが、主なものはX、Instagram、YouTubeです。それぞれに、メリットやデメリットがありますが、どれにしても頻繁に投稿する必要があります。
先生によっては、お忙しい時期が重なって、SNSの投稿がおろそかになってしまうこともあります。クリニックのスタッフがSNSに定期的に投稿してくれるような仕組みを構築されたのであれば、SNSはおすすめです。
チラシ配布
クリニックのチラシは、明確に禁止されているわけではないと聞きますが、暗黙で行ってはいけないことになっています。内覧会のご案内や、自由診療のPRであればチラシを配布しても良いように思います。
チラシは、紙面の面積で掲載できる情報に限りがありますし、1回配布したら終わりです。しかも、チラシを受取った人が内容に興味がなければゴミ箱行きです。
それに対してホームページは、チラシのような紙面の面積による制限はありませんし、公開されたホームページがネット検索で上位ヒットするとずっと集患し続けてくれます。しかも、ネット検索する人の中には、クリニックをわざわざ探している人もいるので、集患しやすいです。
Google地図
Google地図は、登録しておいた方が良いです。Googleビジネスプロフィールというサービスがそれです。
Google地図にクリニックを登録していなくても、口コミの書き込みが入ることがあります。どのような良心的なクリニックであったとしても、クレームがあるものとお考えいただき、その口コミの書き込みに正しく対応できるかが大事です。
そのためにも、Googleビジネスプロフィールに登録しておくことをおすすめします。
どういった検索キーワードでSEO対策すべきか?
クリニックがホームページで集患をするためには、SEO対策が大事であることを述べました。SEO対策では、どのような検索キーワードでSEO対策するかが大事になります。
キーワードによって、高い集客力があるものから、まったく集客できないものまであるからです。
集患ができるキーワードを選んでSEO対策をするために、検索キーワードの選び方をご説明します。
キーワード選びの基本は「地域名・駅名」と「専門分野」の組み合わせ
クリニックは、地域密着型ビジネスなので、SEO対策の検索キーワードは、「地域名」や「駅名」と「専門分野」を組み合わせた検索キーワードが最適です。
患者さんが、あるキーワードを用いてネット検索をするときは、何かの調べ事をしています。
例えば、駅名と診療科目を組み合わせて検索する場合、例えば「目黒駅 眼科」でネット検索する人は、目黒駅から徒歩圏内のところにある眼科クリニックを探しているはずです。
眼科であれば、「白内障」や「ドライアイ」、「ものもらい」や「めばちこ」などといったキーワードでも地域名や駅名と組み合わせたキーワードでSEO対策をすると良いと思います。
専門性の高いキーワードでのSEO対策は?
あまり知られていないような病名や特殊な医療機器、特殊な治療方法などでのSEO対策は、集患ができるかどうかは場合によります。
高名な医師がクリニックを開業して、治療の難しい診療を行ったとしても、医師お一人で対応できる人数に限りがあるので、難しい治療であればあるほど、その患者さんお一人に時間が取られるので、ホームページで集患ができても利益が得られるかは別問題となります。
クリニックのホームページに専門性を出すことは難しい場合もありますが、あまり難しい診療科目を前面に打ち出すのではなく、「子ども専門」や「妊婦さん専門」などといったニュアンスを出すことで、少し遠い場所にお住まいの患者さんが来てくれるようになります。
SEO対策でどれだけ集患ができるのか?見込みの分析
SEO対策の魅力は、ホームページが上位ヒットし続けたら、継続的に集客をし続けてくれることです。
SEO対策の費用対効果の考え方
SEO対策を行うためには費用がかかりますが、SEO対策によって集患ができて、顧客生涯価値で得られる営業利益以上の効果が出たら、「SEO対策にかけた費用以上に効果があった」と言えます。
例えばですが、SEO対策をしたときに費用が100万円かかったとしましょう。それによって、毎月10人ずつ新患が増えたとします。
すると診療報酬点数が、700点×10人=7,000点だったとします。
ここでよくある勘違いが、「100万円もかけたのに、7,000点しか入らなかった」と考えることです。
毎月10人の新患さんが来られるということは、その患者さんが繰り返し来てくだされば、顧客生涯価値はどれほどになるでしょうか?
しかも、毎月新規の患者さんが10人ずつ来てくださるので、ブロック塀を積み上げるかのように、売上高も積み重なって増えていくのです。その10人がさらに患者さんを紹介してくれたら、さらに効果が出ます。
SEO対策での集患数の計算方法
先ほど、JR山手線「目黒駅」を利用している人が、駅の近くで眼科を探している場合、「目黒駅 眼科」でネット検索することを述べました。
「目黒駅 眼科」でネット検索される回数は、Googleで月間390回です。Yahooを合わせると、月間500回ほどになります。
ネット検索する人は、1回だけ検索することはないので、1名の人が3回検索したとします。すると、検索している人の人数は170人ほどです。毎月、170人ほどの人が目黒駅に近い眼科を探している見込みがあります。
この170人の全員が眼科に行くわけではなく、10%の人が眼科に実際に行くと想定します。すると、眼科クリニックのホームページを「目黒駅 眼科」で上位ヒットさせることができたら、毎月17人の新患さんが、どこかのクリニックに来られる計算になります。あとは、シェアの問題になります。
検索キーワード「目黒駅 眼科」でホームページを上位ヒットさせられたら、毎月17人のうち何割かの新患さんの集患が期待できる計算です。さらに、他のキーワードも上位ヒットするようになったら、より多くの新患さんの来院数を増やせます。
SEO対策の効果分析
SEO対策を実施したら、その効果分析をどのようにするのかは、次のことを点検します。
- 検索順位分析
- ネット検索からのアクセス数分析
- ホームページの訪問キーワード分析
- 新患数の増加数分析
SEO対策を実施したら、すぐに新患さんが増えるわけではなく、少しずつ上位ヒットし始めて、ホームページのアクセス数が増えていきます。上位ヒットを狙った検索キーワードでの検索順位や、ネット検索をしてホームページを訪れた回数を調べることで、SEO対策の効果が出てきているのかを調べることができます。
ホームページのアクセス数が増えてきたら、どういった検索キーワードで訪れてくれているのかを調べます。
訪問のあったキーワードの検索順位を調べると、「さらに上位ヒットさせることができたら、アクセス数をもっと増やせる」というキーワードを発見できます。そういった場合は、ページの内容を修正して、さらなる上位ヒットを狙います。
最後に、実際に新患の来院数の増減を調べます。
SEO対策をするよりも制作し直した方が早いホームページの特長
クリニックでは、先生ご自身がホームページを制作される場合があります。その多くの場合は、WordPressをご利用になっています。その場合に、既存ホームページをSEO対策したいと考えたとき、「最初から制作し直した方が早い」ことがあります。
WordPressとは、ホームページを簡単に構築するためのシステムです。誰でも無料で利用ができるので、世界中でも利用されています。このホームページも、WordPressを用いています。
従来のホームページ制作は、HTMLやCSSの知識が不可欠でした。WordPressを利用すると、WordPressテーマと言われるテンプレートを利用することで、HTMLやCSSの知識がなくても、原稿や画像を投稿していくだけで、ホームページを構築することができます。
そういった、先生がWordPressを利用して独自に制作されたホームページを、当社に「SEO対策してほしい」とご依頼される場合があります。この場合、先生が利用されているWordPressテーマの性質によって、高度なSEO対策ができないことがあります。
競合クリニックのホームページがSEO対策されていない場合は、ご利用になられているWordPressテーマを用いたら良いのですが、「競合クリニックに負けない高度なSEO対策をしたい」とお考えの場合には、WordPressテーマを当社オリジナルのものに差し替えることが必要となります。
既存のWordPressテーマのままで、競合クリニックのホームページに勝てるのかどうか、無料で確認するサービスをご提供しております。お気軽にご相談ください。
クリニックを新規開業したい場合の集客ホームページ制作のタイミング
クリニックを開業しても、最初はなかなか患者さんが来てくれないので、「経営は大丈夫だろうか?」と心配になることが多いです。
そこで、クリニックの集客ホームページは、クリニックの開業が決定したら、なるべく早めに集客ホームページを制作しておき、開業予定日をトップページに記載しつつ、診療内容をしっかり訴求しておくと良いと思います。
SEO対策をしても、すぐにネット検索で上位ヒットするわけではなく、早くとも数週間はかかります。そのため、テナントと契約をしたら、ホームページを公開しておき、ネット検索で上位ヒットするように施策を行います。
オープンしたときには、ネット検索で上位ヒットしている状態にしておけば、オープン時から患者さんを集めることが可能となります。
以上、クリニックの集客(集患)をホームページで行いたいときの方法として、SEO対策をご説明させていただきました。SEO対策の魅力と可能性をお感じになられたことと思います。
当社では、クリニック集客ホームページ制作やクリニック向けのSEO対策のサービスをご提供しています。それらの導入をお考えの先生は、当社までお気軽にご連絡ください。メールフォームでのお問い合わせはこちらです。
クリニックのホームページをSEO対策して集客ができるようになったら、それで安心しないで、クリニックの安定経営のためにも、別の方法でも集客ができるようにならないか、ご検討ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。