今の時代は、とても優秀な人材が企業から流出しやすいときであると思います。そのような優秀な人が、お勤め先の会社を辞めて独立起業をするときに、「コンサルタントになって独立する」という選択肢があります。
「明日にでもコンサルタントになりたい」とお考えの方は、とても能力が高くて、世の中からある程度の評価を得ている人でしょう。
この記事では、コンサルタントとして独立起業するときに持つべき考え方や、安定した起業をする方法をご説明いたします。
コンサルタントとして独立起業するときにもっとも大切なこと
私が考える、コンサルタントとして独立起業するときに、もっとも大切なことを、間違いを恐れずにお伝えいたします。それは、
家族の生活を守れるか?
コンサルタントとして独立する場合、知識や知恵を付加価値に変換する仕事ですので、元手はほとんどかかりません。コンサルタントになるためには、資格は必要ありません。参入障壁が低くも思えます。
実際に、「私はコンサルタントだ」と名乗った瞬間から、コンサルタントになれます。
しかし、知識や智恵を付加価値に変換するためには、顧客が必要です。
コンサルタントとして起業するために、今の仕事を辞めてしまったら、収入はなくなりますが、毎月生活費が出ていきます。そのため、顧客がいない状態を長く続けるわけにはいきません。
そこで、ご提案したいコンサルタントとして独立起業するための条件が、「独立起業するときに、営業先や顧客がいること」です。
能力の高い自分としては、自分の実力を試したいところでしょう。しかし、この条件を満たさないと、独立することを、家族から猛反対されます。
おすすめは週末コンサルタント
そこで、コンサルタントとして独立起業する前に、会社にお勤めのまま、週末コンサルタントになることをお勧めします。
週末コンサルタントとは、平日の昼間は会社に勤めていて、土日や平日の夜に個人的にコンサルティングのお仕事う受け持っているコンサルタントのことです。
もし、今お勤めの会社が忙しくて、日曜日や祝日しか時間が取れなかったとしても、クライアント社長にも同じ条件の人がいるはずです。日曜日や祝日に個人的に仕事をして、ある程度の自信がついて、しかも収入をある程度見込むことができるようになってから、独立起業しても良いと思います。
ただし、お勤めの会社から顧客を奪う行為はしてはいけません。
どうしたらコンサルタントになれるのか?
どのような人でも、クライアント様の悩みを解決している仕事をしています。飲食店であれば、「たまには外で美味しい料理を食べたい」という悩みを解決しています。
飲食店に訪れたお客様が、何を注文しようか迷うことがありますし、注文するワインに迷っていることもあります。フロアー担当のスタッフであっても、お客様が困っているときに、ご希望を聞いて最適な料理や飲み物を提供したとしたら、これも悩みを解決したことになります。
そういったことから、収入につながるかどうかを別として、仕事をしている人は誰しもお困りごとを解決できる方法「ソリューション」を提供しています。
そのようなソリューション提供の中で、お客様の困っていることに対して、解決策やアイデアなどを提供する人のことを、コンサルタントと言います。
会社を経営している社長の経営全般の悩みを解決するお仕事が、経営コンサルタントです。私のように、会社のマーケティングや経営計画などをご支援しているコンサルタントは、戦略系コンサルタントと言うそうです。
コンサルタントになる方法は簡単です。自分自身でコンサルタントだと宣言をするだけです。難しい資格は持っているに越したことはありませんが、基本的にいりません。
しかし、ここからが難しいのです。
なぜならば、コンサルタントと宣言をしても、「あなたは、確かにコンサルタントだ」と見込み客やクライアント様から認めてもらわなければなりません。そうしないと、仕事が入ってこないからです。最初は、自信も出てきません。
コンサルタントとして認めてもらえるかどうかは、クライアント様に一定以上の価値を提供できたかどうかで決まります。
大切なのでもう一度述べますが、コンサルタントになるためには、資格を持っているかではなく、クライアント様に価値を提供できるかどうかです。つまり、資格を持っていても、価値が提供できなければ、コンサルタントにはなれません。
クライアントが何に価値を感じるのか?
クライアント様に価値を提供できたら良いわけですが、「クライアント様は、コンサルティングの何に価値を感じるか?」ということですが、次の一言に尽きます。
価格以上のソリューションを提供できたか?
ソリューションとは、問題解決手法です。そして、価格以上のソリューション提供をして、「お金を払っても良い」と思ってもらえることが求められます。
求められる価値は、次のような傾向があります。
- 知らないことを教えてくれる
- 時間が短縮できる
- 悩みや問題が手っ取り早く解消される
- ストレスが減り、気持ちがスッキリする
クライアント様は、何か問題や悩みを抱えています。場合によっては、その問題のために1週間以上悩むこともあります。問題を解決できるソリューションを提供することに、コンサルタントの価値があります。
場合によっては、話を聞いてもらいたいだけのクライアント様もいらっしゃいます。クライアント様と同等、もしくはそれ以上の能力のある人に話を聞いてもらえるだけで、スッキリして「満足した」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
クライアント様は、悩みを持っています。その悩みのために被る損害を、コンサルタントが解決をします。そのときのコンサルティング費用を、損害よりも小さく抑えられたら、価値のあるコンサルティングだと言えます。反対に、会社の発展速度がコンサルティングによって加速されたとします。そのときに得られた利益が、コンサルティング費用よりも高ければ、価値のあるコンサルティングだと言えます。
コンサルティングの満足度は、価値の提供だけで得られるものではありません。満足度には、他の要素が加わります。その一つに、コミュニケーション力があります。
コンサルタントは、クライアント様とのコミュニケーションがしっかり取ることができたら、クライアント様の満足度が高まりやすいです。
チームコンサルティングIngIngでは、高度なコミュニケーション力を身に付けるための研修として、コーチング基礎講座を開催しています。
まずは修行を
コンサルタントになったばかりの方は、実績がありません。実績のある人と比べたら、見劣りをしてしまい、独立の自信や勇気が出ないことがあります。隣の芝は青く見えるものです。
自信のない方は、どこか名のあるコンサルティング会社で修行をすると良いと思います。
ある程度の実績を積み、自信を付けてきたら、今度は自分個人をPRをしていきます。
そして、起業してもある程度のクライアント様が付いてくれて、生活が充分にできそうになってから、起業したら良いと思います。
PR方法の一案
いくら価値の高いサービスを提供できたとしても、クライアント様に知られなければ雇ってもらえません。そのために、提供できる価値をPRする必要があります。ここで、どのような価値を提供するのかと、PR先が問題となることでしょう。
またPRは、企業にお勤めのときであれば、注意が必要となります。
知り合いにサービスをPRするなら問題ないと思いますが、マッチングサイトやコンサルタント派遣などに登録すると、外部で仕事をしていることが会社に知られてしまって、立場が悪くなる可能性もあります。自分のホームページを制作してPRしたら、確信犯になります。
そこで、お勤めの会社には「スキルアップ」と称して、すでに活躍しているコンサルタントの弟子となって、師匠からしっかりと技術を学びます。そして、会社を辞めた後に、師匠から小さな仕事を譲ってもらうことも、一つの方法でしょう。
チームコンサルティングIngIngでは、それぞれのコンサルティング分野で、コンサルタントを目指している方々をご指導しています。ご興味のある方は、ご連絡ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。