社長の夢実現への道

30代で独立起業してサバイバルできる条件

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30代で独立起業してサバイバルできるためには

30代で独立をして、まずは食べていける。そして、できれば豊かになれる方法を探して、このコラムにたどり着かれた方は多いことでしょう。

30代で独立となると、やる気はありますが、生活のこともあり不安のことと思います。このコラムを書いている私も、30代で独立起業したので、気持ちはよくわかります。

激動の時世もあり、働き方も変わり、会社を離れて独立起業をしようとしている人が増えているのではないかと思います。

この記事を書いていた今現在、厚生労働省が発表した一般職業紹介状況(職業安定業務統計)によると、有効求人倍率は下がってきているようです。30代に限らず、独立起業する人が例年よりも増えるのではないかと予想します。

この記事では、独立起業して、「こんなはずではなかった」と後悔する人を、少しでも減らしたいと思い、私自身が経験してきたことを踏まえ、会社勤めの30代の方が独立起業してサバイバルする、あるいは最低限生活が維持できるために必要だと思うことを述べておきたいと思います。

ここで「サバイバル」とは、何とか生き残るという意味を込めました。私は30代前半のときに、ホームページ制作の仕事で独立起業しました。その経験を踏まえて記事にしました。ここで述べていること以外にも、サバイバルするための条件があるかもしれませんので、気が付いたら追記していきます。

目次は、次の通りです。

独立起業してうまくいくビジネスの考え方

30代で独立起業するときは、もしかしたら、ビジネスの考え方が未熟な人が多いかもしれません。恥ずかしながら、私自身、独立起業したときのビジネスの考え方はとても未熟で、ここで文章にすることが恥ずかしいぐらいのものでした。

独立起業してから15年以上経過しましたが、その中で、「30代前半のときに知っていたらよかった」と思えるビジネスの教訓を列挙したいと思います。

  1. 富の本質は、多くの人のお役に立つこと
  2. お金は価値中立(良いビジネスで得られたお金は良いもの)
  3. 自分は何のために存在しているのか?(利他の気持ち)
  4. まずは、やってみなはれ
  5. 狭い領域に絞りナンバー1を目指すこと
  6. 無借金経営の可能性を検討すること
  7. 最高の商品を創り出すことは大切だが、それよりも販売の方にパワーがいる

独立起業しやすい業種を選ぶ

世の中にはさまざまな業種があります。どの業種においても社長がいますので、条件がそろえば独立起業をして社長になることは可能です。その可能性の中でも、独立起業しやすい業種があります。そのポイントをご紹介いたします。

成長している業界を選ぶ

成長している業界を選んで独立起業する

さまざまな業種がある中で、成長している業種と衰退している業種があります。やはり、独立起業して成功しやすいのは、「成長している業界」です。成長している業界とは、GDPの成長以上に年々売上高の合計が伸びている業界のことです。

今現在、成長している業界であれば、顧客の創造がしやすく、売上高も伸ばしやすい。また、資金調達がしやすいというメリットもあります。しかし、競合他社が生まれやすいというデメリットもあります。その場合は、絞り込みをして差別化します。

衰退している業種に、あえてチャレンジしたいと考えている人もいることでしょう。衰退している業種でも独立起業は可能ですが、市場に対する特別な付加価値を持っていないと厳しいと思います。特別な付加価値とは、顧客にとっては必要とされつつも、商品やサービスを提供する企業がそれに気が付いていない価値のことです。要するに、ブルーオーシャンを狙うことです。

成長していない業界であったとしても、これから成長する業界もあることでしょう。私がホームページ制作で独立起業したときは、飛び込み営業でホームページ制作を販売しました。

ほとんどの会社では、「ホームページなんて必要ない」と言われたのですが、中には「そのようなオモチャを誰が見るのだ?」と言われたこともありました。今では考えられないことです。当時、「これは波が来るチャンスだ」と思いました。

資本金がほとんどいらない事業か

資本金がほとんどいらない事業を選んで独立起業する

資本金がほとんどいらない業種であれば、例えばデザイナーやホームページ制作、経営コンサルティングやビジネスコーチングなどであれば、自己資本と粗利益(売上総利益)だけ資金の調達や資金繰りが容易に行えます。

ホームページ制作制作を商売として始めるためには、パソコンとネット環境があれば始めることができます。自宅や街中のカフェでも仕事ができます。つまり、資本金がほとんどいりません。そのため、資金の借り入れが必要ありませんので、手軽に始めることができます。この負担の軽さは、私には向いていたようです。

飲食店やネット通販などは、商売を始めるのに設備や土地、在庫などの経営資源が必要です。それを自己資本だけで賄うことは無理ではありませんが、資金を貯めるのに時間がかかります。そこで、銀行などから融資を受けることになりますが、そのお金は将来に返済しなければなりません。

30代前半までに独立起業したい人の中には、自分の実力の低さを穴埋めするために、他人のお金を当てにする傾向が強い人がいます。起業して成功している人の中には、融資を受けて大々的に起業し、短期間で大きく成長する人もいますが、をの逆の考え方もあります。

それは、他人の庇(ひさし)を借りつつ小さく事業を始め、「自分の実力の範囲で起業する方が幸福だ」という考え方です。私は、後者の考え方を選びました。

どうしても大きな資本が必要な商売を始めるときは、出来る限り無借金経営の可能性を検討するようにしてください。

なるべく一人で仕事を完結しやすい事業か

一人で仕事を完結しやすい事業を選んで独立起業する

人を雇わないといけない商売であれば、売れ行きの予想が立たない中で、人件費や事務所の家賃を払い続ける必要があります。一人で完結できる仕事だと、小さく始めることができるので、資金繰りも楽です。言い換えれば、固定費を安く商売を始められるかどうかです。

仕事量が増えてきたら、仕事の一部を業務委託で外注するか、従業員を雇い仕事を体系化して振っていくようにします。仕事量が安定するか微妙であれば、まずは、外注を利用することをお勧めします。

ホームページ制作は、一人でも仕事を完結させて納品できる性質があります。自分一人で営業し、デザインやコーディングを行い、一人で納品ができます。つまり、人を雇わなくても良いのです。デザインが苦手な私は、フリーランスでデザインをやっている方と協力しながら仕事をしました。

人を雇っていなかったので、仕事量が少ないときでも、赤字になったことはありませんでした。

会社に勤めている人であれば、会社での仕事のやり方を踏襲する人も多いことでしょう。会社では仕事の仕組みが出来上がっているため、そのままの仕方では仕事ができない場合があります。そのあたりは、経験しながら工夫が必要になります。

好きな仕事か

仕事を長く続けるために仕事が楽しいかが重要

独立起業し、事業を始めたら、請け負った仕事を納品する義務があります。また、信頼を得るためにも、商品やサービスを継続して提供していく必要があります。

そのためにも、好きな仕事をすることが、独立起業では大切になります。

成長していたり、儲かりそうな仕事だとしても、好きでない仕事であれば、仕事が苦痛になります。独立起業をすると、就業時間は決まっていませんので、際限なく働くこともあります。好きでない仕事を際限なく続けることはできません。また、商品やサービスの向上も望めません。

やはり、「好きな仕事と興味のある仕事は異なる」ということです。

シャンデリアを製造・販売する会社を経営している社長のエピソード

私の知り合いで、シャンデリアを製造・販売する会社を経営している社長がいます。

その方とは、異業種交流会で知り合いました。そのとき何名かの経営者で会話をしていて、とある人が彼女に「シャンデリアが好きなのか?」と質問しました。すると彼女は、「私はシャンデリアに興味はない」とおっしゃっていました。

そこで私は、「大手化粧品会社の社長は、ほとんどが男性だということと同じですね」と尋ねると、少し考えて「その通りですね」と言われました。

周りにいた人たちの頭から、クエスチョンマークが飛び交っていたので、私は説明いたしました。

「大手化粧品会社の社長は、化粧に興味があるわけではなく、化粧品のマーケットに興味があるのです。つまり、彼女はシャンデリアに興味はないけれども、シャンデリアの市場や顧客の満足に興味がおありだということです。」

彼女は、シャンデリアの仕事を通じて、ものづくりの楽しさや顧客が満足してくださる姿を見ることが、仕事の楽しさにつながり、興味のない仕事でも好きな仕事になっていました。

仮に仕事に興味がなったとしても、仕事に別の楽しさを見つけていくことが大切です。

私の場合は、最初はホームページ制作を始めました。ホームページのデザインを行うことは苦手でしたが、お客様が新しい見込み客と出会えたり、売上アップしたりしていく姿を見ることが、仕事の楽しみになりました。

私の強みは分析力と体系化です。ホームページ制作は、強みである分析力と体系化を活かすことができました。強みを活かすことができる仕事は、成果が出しやすく、仕事が楽しくなりやすいです。

ホームページをお客様に納品して、その後、お客様の売上高がなかなか伸びない場合は苦痛で、仕事を楽しむことができません。そこで、ホームページ制作のご依頼があった場合、まずネットの市場分析をして、お客様の売上高増加が見込めない場合はお断りするようにしています。

値打ちのある仕事を追求する

値打ちのある仕事を追求する

値打ちのある仕事とは、世の中のお困り事を解決し、社会の進歩に貢献する仕事のことです。そのような仕事ができるようになると、お客様から感謝されるようになります。値打ちのある仕事ができるようになり、その実力が多くの人に知られれば、自然に顧客が増えます。

独立起業をするときは、向上心があると思います。独立起業当時の私にとっては、「何かで一番になりたい」という自己中心の気持ちから来るものでした。

考えてみれば、そのような気持ちで仕事をしているようであれば、顧客が増えるわけはありません。顧客にとっては、「なぜ、あなたが一番になるために、私が仕事を発注しなければならないのか?」と聞かれるようなものです。

自己中心的な向上心では、値打ちのある仕事に到達しにくいと思います。値打ちのある仕事を追求するためには、まず仕事の本質を考えるようにすること、そして、仕事を使命感にまで高めることが大切だと考えます。

仕事の本質を考える

仕事の本質を考える

「仕事の本質」とは、定義しにくいものです。具体的には、提供する商品やサービスの性質や機能、顧客の真なる要求やベネフィットを考え抜くことと思います。

私が独立起業仕立ての頃、納品したホームページがたまたま売上高増加に大きく貢献し、感謝されたことがありました。それをきっかけに、「ホームページは広告宣伝の一種なので、売上高アップにつながらなければならない」と思うようになりました。

それ以降は、ホームページの付加価値を高めたり、仕事の生産性を高めるためたりするために、自分なりに研究や工夫をしました。

ホームページの付加価値を高めるために、ホームページが持つ性質や企業がホームページを持つ理由などを追求しました。また、生産性を高めるために、仕事のフレームワーク化を行いました。

そのときに、自然にマーケティングの概念を理解するようになりました。そのおかげで、マーケティングの3C分析や4Pなどのフレームワークを知ったときは、それらをすぐに取り入れて活用できました。

ホームページのコーディングでは、普段や見えないHTMLソースの正確さにこだわりました。ソースがどのように書かれていたとしても、ホームページの見栄えは変わりません。しかし、そのこだわりがSEO対策の技術力アップにつながりました。お客様がホームページ制作を他の業者に依頼したとしても、その業者に「前の業者は綺麗なソースを描いているものだ」と言われることを期待しています。

ドラッカーの書籍『プロフェッショナルの条件』を読んだときに、フェイディアスの教訓というものがありました。この教訓は、仕事レベルの完成形を表しています。

この教訓に共感し、ホームページ制作をご依頼いただくたびに、より一層の美しいコーディングを心がけるようになりました。書籍からの抜粋をご紹介いたします。

フェイディアスの教訓

ちょうどそのころ(作曲家ヴェルディの仕事ぶりに感化されたころ)、まさにその完全とは何かを教えてくれる一つの物語を読んだ。

ギリシャの彫刻家フェイディアスの話だった。紀元前四四〇年ころ、彼はアテネのパンテオンの屋根に建つ彫像群を完成させた。それらは今日でも西洋最高の彫刻とされている。

だが彫像の完成後、フェイディアスの請求書に対し、アテネの会計官は支払を拒んだ。

「彫像の背中は見えない。誰にも見えない部分まで彫って、請求してくるとは何事か」

と言った。それに対して、フェイディアスは次のように答えた。

「そんなことはない。神々が見ている」。

(ダイヤモンド社 『プロフェッショナルの条件』 P・F・ドラッカー著、上田惇生編訳)

仕事に使命感を感じるようになるまで追求する

仕事に使命感を感じるようになるまで追求する

30代で独立起業をしようと考えている人は、実力が高いはずです。その実力を世に問いたいという気持ちをお持ちのことでしょう。その気持ちがモチベーションになるのであれば、それも良いかもしれません。独立起業してサバイバルするためには、自分の未熟さを知って、コツコツと仕事の実力を高めるように独力する姿勢が大切だと思います。

仕事の中で、自分の知らないことが出てきます。自分の実力を認めてもらいたいと考えている人は、「自分の知らないことはあってはならない」と考えることが多いと思います。しかし、知らないことを正直に「知らない」と答えることも、自分の実力だと思ってください。

仕事の実力が高まり、付加価値の高いホームページを提供するようになると、新規顧客獲得ができなくて困っていたお客様から喜ばれることが多くなりました。そのことが自分の仕事のモチベーションになっていきました。

そうするうちに、「世の中に必要とされる仕事を提供する企業を成長させること」が、私の仕事だと気づくようになりました。この仕事に使命感を感じ、さらに多くのまだ見ぬお客様のお役に立てるのかを研究し、ホームページ制作の組織化や経営コンサルティングの事業を立ち上げるようになりました。

お客様から信頼を得る

独立起業してサバイバルするためには、特定のお客様から信頼を得て、コーチングを受け続けてもらえることが大切です。

先ほど、値打ちのある仕事を追求することを述べましたが、それを基本としつつ、顧客からさらに信頼を得るために、仕事で成果を出すこと、誠実さをモットーにすることは、述べるまでもありません。

見込み客に対しては、誠実な見積もりの提示することと、顧客の絞り込みと企画提案を行うことについて述べます。

誠実な見積もりを提示する

誠実な見積もりを提示することが信頼につながる

見積を作るということは、仕事ができるということを宣言することと同じです。見積を作るためには、仕事を完結する能力が必要です。そして、見積の仕方にもノウハウがあります。

仕事を始めたばかりの頃は、とにかく仕事が欲しいので、値段を安く見積もることが多いと思います。そのうちに自信がついてきたら、少しずつ値段を上げていくことでしょう。そのときに、顧客によって見積金額を変えたりすることも出てくると思います。しかし、顧客から信頼を得るためには、できれば誠実な価格帯域で定価を決めておいて、その価格を提示するようにした方が良いです。

私の話になりますが、私にホームページ制作をご依頼される企業様の多くは、売上に困っています。ですので、高付加価値なホームページであったとしても、なるべく廉価なご提案ができるように工夫しています。

「値切られることを想定して、あらかじめ高めに値付けしよう」ということは、最初から行いませんでした。また、「このお客様はお金を持っているので、高めに見積もりを出そう」など、客層によって鉛筆舐め舐めは行いませんでした。なるべく誠実な見積もりになるように、定価を決めました。

見積の内容について聞かれたときにも、しっかりと答えられるような内容にしています。

顧客の絞り込みと企画提案

顧客の絞り込みと企画提案

商売で、顧客から聞かれたことに対応するのであれば、アルバイトでもできます。しかし、独立起業してサバイバルするためには、アルバイトと同レベルではいけません。できれば、顧客が感動するサービスが提供できて、「値打ちのある仕事ができている」と言えると思います。そのために、企画提案を行うことをおすすめします。

私が起業したばかりの頃は、仕事の欲しさを考えるばかりに、どのような仕事で請け負うようにしていました。そのうちに、ある程度、仕事の仕組み化ができて、収益にも余裕が出るようになりました。

そのころには、自分の強みを理解できるようになり、「自分の強みと顧客が求める価値が一致するところで仕事をしよう」と考えるようになりました。その方が、自分にとっても顧客にとっても利益が出やすいからです。

今では、ムリに仕事を取るのではなくて、自分の強みが活かされ、顧客にとって付加価値のあるホームページがご提案できる場合に限って、ホームページを販売するようにしています。すると、さらに収益が増えるようになりました。

顧客に確度の高い企画を提案するためには、仕事の知識を持っていることや市場の動向を掴んでいるだけでなく、顧客の事情を知る必要があります。顧客の事情をしる有効なスキルが、コミュニケーション・スキルです。

私は、コミュニケーション・スキルを鍛えるために、コーチングを繰り返し勉強しました。コーチングを勉強しだしたタイミングで、収入が増えていったことを記憶しています。

まずは生活を成り立たせること

独立起業をするときに、まず考えることは、生活が成り立つかどうかでしょう。言い換えれば、生活の基盤となる収入が得られるかどうかです。家族の理解を得ることと、営業への投資について、そして、顧客と永く取引をするためのポイントを述べます。

家族の理解を得るためにすべきこと

家族の理解を得るためにすべきこと

踏み込んで述べると、集客のめどが立ってから独立起業した方が良いです。そして、借入金がほとんどゼロで起業できれば、なお善しです。それぐらいでなければ、家族からの理解が得ることが難しいと思います。

まずは、独立起業をする前から、ときどき家族に相談するなどして、予告をしておいた方が良いです。いきなり、独立起業を宣言するとなると、家族にとっては衝撃が走り、反発を招くことが多いからです。

「家族が手伝ってくれるだろうか?」と心配の方も多いことでしょう。理解した家族は、がんばっただけ自分の収入につながるとなったら、夢中で手伝ってくれることもあります。

30代後半であれば、家庭を持っている方が多いことでしょう。家庭での生活を成り立たせるためにも、一定の顧客数を得る必要があります。独立起業は、その自信があってから行った方が良いです。あらかじめ、副業である程度の収入を得ておくことも、有効な手法です。

また、生活が成り立たない場合には、会社勤めに復帰することも視野に入れておいた方が良いです。「いつまでに、いくらの年収になっていなければ復職する。」という了解を得ておくことも、家族から理解を得られやすい方法のひとつです。

営業への投資にいくら必要かを考える

営業への投資がある程度は必要

起業して最初にやることは営業をして仕事を受注することです。仕事があり、利益が出なければ生活が成り立ちません。

以前に勤めていた会社の顧客を奪うことは、露骨にはできませんし、また商売は信頼ですので、そのようにすべきではありません。最初は、飛び込み営業、ご紹介、チラシの配布など、さまざまな営業手法がありますが、それらを組み合わせて最初の顧客を獲得することから始めます。

独立起業のときに、営業を安易に考えている人が多いことに驚きです。会社の登記や事務所を開所することに資金を使いすぎて、集客に資金が回せない人もいます。会社の登記をしたり、事務所を開いたりしただけでは、顧客ができることはありません。営業をして初めて顧客ができます。

営業には、最低限度、名刺とチラシ、ホームページを用意した方が良いでしょう。「ホームページは自分で制作すれば良い」と軽く思っている人が多いです。そのようなホームページでは、ほとんど集客できません。

独立起業で、名刺やチラシ、ホームページをパッケージで制作してくれる業者があるので、そういったところを活用すると、初期のコストを抑えられると思います。(例えば、こちらのホームページ

元々勤めていた会社から仕事をもらえる人もいますが、その会社の社長が代わったり、景気が落ち込んだりすると、「事情が代わってしまった」ということで、仕事量が減ることもあります。営業チャネルは複数持っていないと危険です。

私の場合は、先ほど述べたように、飛び込み営業から始めました。その中で、何度か同じところを回っているうちに、小さな仕事をもらえるようになり、ホームページ制作のお仕事につながりました。

長く付き合えるお客様を得る

長く付き合えるお客様を得る

お客様に価値を提供し続けることができれば、長く付き合えるお客様を得ることができます。このことは、生活を安定させるためには、とても大切なことです。生活が安定すると、自分だけでなく家族にも精神的に余裕が出るので、安心して仕事に集中できます。

長く付き合えるお客様を得るためには、お客様に貢献し続けることが大切です。それに加え、コミュニケーション力やお客様に対する感謝の気持ちも大切になります。

利益を先に出し過ぎると、長く付き合えるお客様はいなくなります。「利益は後からついてくるものだ」と考えた方が良いです。

最近では、お客様の社長様から「知り合いで困っている人がいるので、わが社と同じように助けてあげてくれないか」とご紹介いただいたり、噂を聞いてご相談いただいたりする機会が増えてまいりました。そのようなご紹介が、今のところ案件数の50%を超えています。

経営の学びを継続すること

経営の学びを継続すること

30代であれば、知識と経験が不足していることがほとんどです。「自分には実力がある」と思っていても、実は不足しているのです。私自身がそうでした。

起業して10年以内に倒産することがほとんどの時代ですので、その10年間を生き抜くことが大切です。その間に多くのことを経験するので、10年を超えてくると智恵もついて倒産しにくくなります。

起業してから10年に達するまでは、ひたすら勉強が必要です。

経営の学びには、経験からの学びと、師匠や書籍などから得られるインプットからの学びがあります。この両方の学びを継続していくことが大切です。

独立起業したら、たくさんの新しい経験をするため、たくさんの学びの機会が訪れます。ときには成功をして学びになり、またあるときは失敗して学びになることもあります。町を歩けば学びになり、コンビニに並んでいる商品を分析しても学びになります。

独立起業後に経営の書籍を読んだときに驚かされることは、理解度が以前とは異なることです。以前に読んだビジネス書を再度読み返すと、書いてある内容が深く理解できるようになることもあります。

30代であれば、できれば、独立起業する前にマーケティングの知識を、独立起業した後は採算感覚を身につけるようにしてください。

マーケティングの知識としては、販売戦略としての「強者の兵法と弱者の兵法の違い」を知っておいてください。大企業に勤めていた人は、強者の兵法での営業を考える人が多いように思います。しかし、独立起業したばかりでは、ほぼ100%、弱者の兵法を用いなければなりません。

採算感覚としては、いくらのお金がいつ入っていつ出ていくか、残りはいくらになるのかを、おおよそで良いので把握することが大切です。

大きなお金をかけて大きな事業を始める場合には、財務三表の読み方は知っておいた方が良いですが、小さく独立起業したばかりの人には必要とは限りません。

私が30代で起業したときは、次の方々の書籍が役立ちました。

お金を正しく使うこと

お金を正しく使うこと。少しでも貯蓄すること。

お金の正しい使い方は、私自身はまだ正確には判っていないと思いますが、今までの経験から感じたことを述べます。まず、できる限り「お金を貯めよう」と思うことです。お金が溜まってくると、精神的に余裕が出てくるので、経営の安定にもつながるからです。

また、貯まったお金は、出来る限り使わないことです。投資を行う場合や緊急事態の場合に用いるべきです。その判断は知識と経験に基づいた直感です。私は、「ここは投資だ」と思ったときは、大胆に投資するようにしています。

仕事が安定して入るようになり、生活に余裕が出て来たら、食事などの消費してしまうことに使うお金が増えてしまいます。消費のお金を増やしてしまったら、後でその費用を減らすことが難しくなるので、自戒が大切です。

お金を使うときは、「これは投資なのか、消費なのか」を、自分に問いかけるようにしてください。投資は、投入した金額以上のリターンがあるもののことです。消費は、使ってしまったお金が返ってこないものを指します。

経営資源はお金だけではありません。時間も貴重な経営資源ですので、お金と同様に正しく使うようにしてください。

師匠やメンターを持つこと

師匠やメンターを持つこと

独立起業でサバイバルするためには、起業しようとしている業種の仕事を覚えておく必要があります。その仕事を、独立起業して覚えることも多いと思いますが、販売方法や仕事の流れなどある程度は師匠から学べたら、成長の時間を縮めることができます。

師匠の種類には、同じ業種で独立起業している方もいれば、経営コンサルタントやビジネスコーチもいることでしょう。師匠に相談するとお金がかかる場合もありますが、人間関係によっては夜ご飯をご馳走して教えてもらえることもあります。

また、独立起業したら、ミスして落ち込んだり、仕事で悩んだりすることがあります。そういったときに、メンターとなってくれる人がいたら大変助かります。

メンターに相談すれば、落ち込んだときに元気を取り戻してくれます。また、経営で成功するための原理原則を教えてくれることも多いと思います。

都心の若手の起業家の中には、そういったメンターとしてビジネスコーチをつける人が増えていると思います。ビジネスコーチは、社長のモチベーション(パッション)を高めて仕事を推し進める力を出させてくれる専門家です。

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小さな会社の社長のためのセミナーには、これから独立起業しようと考えている方や、独立起業したての方、ビジネスコーチを志している方も参加されていますので、仲間づくりとしてもご利用いただけます。

突き詰めれば運が良かった

突き詰めれば運が良かった

私自身の経験を踏まえて、30代で独立起業してサバイバルするために必要なことを述べてきました。他にも述べておきたいことがたくさんありますが、マインド面を除き、実務的なことの大部分と原理原則的なことの一部を、概要的に述べられたと思います。

経営の原理原則や人徳について述べることができれば良いと思いますが、私はまだそれらを多くの人に教えるほどには至っていません。そこで、運について述べたいと思います。

さまざまな困難に遭遇したりしましたが、時流に乗った業界で仕事ができたことや、自分に合った仕事に巡り合ったこと、良いお客様に恵まれたということ、多くの方々から協力を得ることができたこと、たくさんの方々から多くのことを教えてもらったり学べたりしたことは、突き詰めれば「運が良かった」と言えると思います。

「類は友を呼ぶ」とあるように、運が良いと思っていると、運の良い人と巡り合うものだと感じています。

これを読まれた方の独立起業成功の一助になれば幸いです。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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