社長の夢実現への道

小さな会社の社長の働き甲斐とは?

投稿日:

小さな会社の社長の働き甲斐とは?

今まで、いろいろな社長と出会ってきましたが、それぞれの社長の働き甲斐は、千差万別です。

小さな会社の社長は、どのようなモチベーションで仕事に精を出しているのかをパターンにしてみました。

社長の働き甲斐とは、社長の幸福論でもあります。少し哲学的な内容にも触れますが、解りやすい言葉で、小さな会社の社長の働き甲斐について述べたいと思います。

生活を安定させること

起業したばかりで売上高が少ない場合は、まずは生活を安定させることがモチベーションになります。私自身、「人並の生活ができるようになりたい」という気持ちで仕事をしていた時代もあります。

「夜に外食ができるくらいに収入を得たい」とか「妻と旅行に行きたい」というささやかな夢をモチベーションとしている社長もいます。起業することは、それはそれは大変なことなのです。

そういった社長は、まず生活を安定させるように、何でも仕事を受けるようにして、馬車馬のように働かないといけません。

起業して、生活を安定させるためには、お客様にどれだけ貢献できるかが大事になります。そして、利益を増やしたいと思ったら、なるべく手離れの良い仕事をして、外注先や仕入れ先を活用できたら、利益を増やすことができます。外注先や仕入先といった取引先と共同して、お客様に貢献することによって、収入を増やすことができます。

先代社長から会社を引き継いだ方で、先代社長が80歳前後の社長は、小さな会社でも借金が割と多い場合があります。

とある個人経営の飲食店で、「親父のお店を手伝うようになり、経理を担当してみたら、借金が1億円あった」という方もいらっしゃいます。そういった借金過多になった先代の話を聞くと、「借金をすることが当たり前の時代であった。それを返済することをモチベーションとしていた」という具合に、訳が分からないことを言い始めます。

そのようなモチベーションもあるかと思いますが、健全ではありません。「借金の返済のために働いている」と考えると、モチベーションが下がってしまうこともあります。

そういった場合には、まず反省です。自分の経営に対する考え方に間違いがなかったのかを振り返ってください。そのためには、正しい考え方を学んでおく必要もあります。学ぶ時間がない方は、コンサルタントやビジネスコーチに相談しても良いでしょう。

そして、銀行や専門家に相談して返済計画を立てて、見通しを立てます。原材料やサービス内容を見直して、腕を磨き直して、売り方や見栄えを改善していくという、凡事を徹底させてください。

お客様への貢献

お客様への貢献は、社員として働いているときでも基本です。起業されたらなおさらです。このお客様に貢献することを、働き甲斐としている社長は多いことと思います。私も、そうです。

先ほど、お客様に貢献できて褒められたりしたら、とても働き甲斐があります。大変なお仕事でも、疲れが吹き飛んでしまいます。しかしそれは、収益が伴っての話になります。

いくらお客様から褒められても、収益が出なければ、やる気を失せてしまうことと思います。お客様の貢献を働き甲斐とするためには、利益が得られることが大事です。

お客様への貢献は、売上高として現れます。お客様にとって緊急性やお客様が困っている度合いが高いもの、お客様が感動するようなサービスは、いずれはたくさんのお客様から支持されるようになり、売上高も上がっていくはずです。

次に、その売上高から利益が得られるかどうかは、商品やサービスを提供する生産性と関連があります。

お客様に手厚いサービスを行って、売上高が余計に得られるようになったとしても、その手厚さが故に人件費が高くなりすぎてしまって、利益がマイナスになってしまうことも考えられます。

小さな会社で生産性を高めるためには、社長ご自身や社員が仕組みで働けるようにすることが大事です。仕組みが構築できた会社のみが、お客様により良いサービスが提供できて高収益になり、小企業から中企業へと成長ができるのです。

家族や従業員、取引先(仲間)の幸せ

家族や従業員、取引先の幸せを働き甲斐としている社長もいます。そのような社長は、社員や取引先を家族や仲間のように感じている社長です。

社員の要望をすべて聞き入れてあげることはできませんが、「なるべく社員に還元をしてあげたい」と思う気持ちは立派です。

時には、社長のお給料を減らしてでも、社員に還元しようとする社長もいらっしゃいます。会社が成長しようとするときや、不況のときには、そのようなときもあり、誰しも経験することと思います。

そのような社員や取引先の気持ちが判ってあげられる社長は、社長を支えくれる人も集まってきます。

取引先にも同様です。一部の地方では、値切ることが当たり前のようになっていますが、関東圏では値切ることはあましません。ですので、関東圏では誠実な金額の見積もりを立てることが多いと思います。そこから値切られたりしたら、取引先はいい気分ではありません。良い仕事ができる取引先でも、仕事に手は抜かないとしても、気持ちが抜けてしまいます。

適性価格を知らずに、すぐに値切るような社長は、良い取引先が離れていってしまうので、「徳が下がり、社運を下げるものだ」と思ってください。

また、取引先側としては、お客様から値切られたとしたら、自社を信頼していない証拠でもあり、自社のPRが下手なのかもしれません。「値切られた側が悪い」とお考えいただき、原材料や腕前、見栄え、魅力の伝え方などの改善を行ってください。

ナンバー1を目指すこと

誰しも、「なぜ山に登るのか。そこに山があるから」という言葉を聞いたことがあるはずです。これは、イギリスの登山家、ジョージ・マロリー(1886~1924)の言葉だそうです。当時、マロリーは前人未踏のエベレスト登頂を目指していました。

マロリーのように、会社の社長も何かのナンバー1を目指すことは、とても大事なことです。ナンバー1を目指す魅力に取りつかれた社長は、実際に偉業を達成してしまう人もいます。ナンバー1を目指さなければ、偉業は達成できないのです。

オートバイ業界では、本田宗一郎は世界一のオートバイメーカーを目指し、それを達成しました。ヤマハもスズキも世界一を目指しました。ところが、伊藤正社長が率いていた丸正自動車製造株式会社は、ナンバー1を目指さず、本田技研工業の追従を目指していましたが、倒産してしまいました。市場を無視したナンバー1を目指してしまったみづほ自動車製作所や伊藤機関工業も倒産してしまいました。ナンバー1の目指し方を間違ったトーハツは、オートバイを撤退しました。

ナンバー1は、日本一や世界一でなくてもかまいません。「業界内で最初の偉業を達成したい」とか、「地域ナンバー1のお店を目指す」といった具合の内容でも、充分にナンバー1です。

ナンバー1を目指すことをモチベーションにしている社長は、とても健全だと思います。社員のやりがいにもなります。

ただし、ナンバー1を目指すことを豪語しても、社長が率先して事業活動をしなければいけませんし、ナンバー1を目指すことが社員の幸せを犠牲にしているようでは、社員はついてきませんので、そのあたりお気をつけください。

自分の欲望を満たすこと

「かっこいいスポーツカーに乗りたい」とか「毎晩、行きつけのバーでかっこよく飲みたい」といった自我をモチベーションとしている社長もいます。このような自我を、私はあまり良いとは思いませんが、お客様にしっかり貢献し、社員も幸せにできている社長であれば、許される範囲の中で、自分の欲望を満たすと良いと思います。

社長は本当に疲れる仕事です。そのため、頻繁に旅行に行って、心と身体を癒したいものです。ですが、毎月どこかに温泉旅行に行って、それを会社で自慢していたら、社員から嫉妬されると思います。取引先も、それを聞いて良い気分になる人はいないことでしょう。

社長は、自分の欲望を満たすことを第一とするのではなく、最低限お客様や社員、取引先を幸せにする目標を立てて、その余力で自分の欲望を満たすと良いと思います。

ときどき、「自分が幸せにならなければ、他人を幸せにできない」と言う人に出会います。「自分が豊かな生活をして、初めて他人の幸福に関心を持つことができるのだ」という発想です。私は間違っていると思います。正しくは、「今現在が幸せであることを実感できた人が、他人を幸せにできるのだ」と思います。

小さな会社では、自分の欲望を満たすことをモチベーションとしても良いかもしれませんが、会社が成長しはじめたら、その欲の部分が会社の成長の足かせとなります。会社を大きくしたい方は、欲を満たす気持ちを抑えていくことを覚えておいてください。

社会貢献

社会貢献を目標とする社長もいます。社会貢献ができる会社は、すばらしいと思います。私も社会貢献ができるような会社にしたいと考えています。

会社が大きくなれば、大きな社会貢献ができます。お客様や社員、取引先の皆様が幸せになり、自分のお給料が満たされた社長は、必ず社会貢献を考えるようになります。社会貢献は、会社が大きくなる前から考え、少しずつでも行うことが大事だと思います。

この社会貢献も、自分の欲望を満たすために社会貢献をするような社長もいます。

ある会社の社長が、「平野さん、私の会社をV字回復させてください。そうしたら海外の学校に行けない人たちに寄付ができるからです。」と、コンサルティング費用を値切られたことがあります。もちろん、そのようなご依頼は丁重にお断りしました。

私がコンサルティング支援をするからには、できればその会社に成長してもらいたいと考えています。その社長が社会貢献をするために、平野が犠牲になる義理がありませんし、自分の欲を満たすために取引先を犠牲にするような会社は成長できません。そのような発想では、会社は大きくならないのです。

もし、「平野さん、今は少ししか出せませんが、必ず成長して、平野さんにお返しします。そして、海外に学校を建てられるようになりたいです。今は少ししかコミッションが出せませんが、なんとかご支援ください。少しずつ寄付も始めました」と言われていたら、コンサルティングをお受けしていたと思います。

以上、社長の働き甲斐についてのパターンと、その解説をいたしました。この記事をご覧になられている方は、仕事に対してどのようなモチベーションをお持ちでしょうか?

社長は、社長個人や会社に現金(流動資産)がなければ、モチベーションが下がってしまう人が多いです。それは、当たり前のことと思います。しかし、未来の栄光を信じて精進している社長は、必ずその栄光をつかめるものと思います。なぜなら、失敗とは諦めた人のことだからです。栄光を手にするまでチャレンジを続けた人に、成功の女神がほほ笑むのです。

この記事が、小さな会社の社長の働き甲斐が健全なものとなり、事業活動に積極的に取り組むきっかけとなれば幸いです。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

プロフィール詳細


「社長の夢実現への道」一覧

ページトップ