社長の夢実現への道

真の顧客は誰か?営業での成功は真の顧客の見極めが大事

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先日、とある企業様から「大手建設会社から珍しい注文が入ったので、それをサービス化できるか検討し、ホームページに掲載したい」というご相談を頂きました。

ご相談のサービス内容の詳細は、守秘義務があるので避けますが、建物の特殊な部位の検査でした。

集客のご相談では、まず真の顧客が誰かを尋ねたところ、あいまいでしたので、真の顧客が誰なのかを調査することからおすすめしました。

顧客の意味

まず、顧客の意味からご説明いたします。「顧」は「かえりみる」という意味ですので、心配りをしてくれるという意味です。すると顧客とは、「自社の商品やサービスに心配りをしてくれるお客様」という意味になります。

自社の商品やサービスを気に入ってリピートし、ファンにまでなってくれたお客様であれば、完全に「顧客である」と言えます。

顧客の一般的な意味は、言語の先生が定義されていることでしょう。企業経営では、顧客の意味を、全社員が同じ意味で認識している必要があります。社員ごとに意味が異なると、指令や報告が間違った意味で伝わるかもしれないからです。

企業によって顧客の意味が異なる場合があります。「商品やサービスを気になってもらえたら顧客である」と定義をしている企業もあります。「いやいや、きちんと支払いまでしてくれたお客様が顧客である」と定義しているところもあります。

当社では、見込み客からリピート客までを「顧客」としています。

SEMによるホームページ集客で成功するためのポイント

真の顧客についてご説明する前に、今回のご相談内容でもあったSEMについてご説明します。

SEMとは、検索エンジンマーケティング(Search Engine Marketing)の略で、検索エンジン経由で集客するための戦略・戦術のことです。SEMでホームページに訪問してもらう方法は、主にSEO対策とリスティング広告を行うことです。

SEMによるホームページ集客で成功するためのポイントは、「インターネットでサービスが求められているか」です。サービスが求められていて、競合他社のホームページが弱い場合には、飛躍的にWeb集客ができます。

そのためには、検索ニーズを分析します。サービスに関連する検索キーワードで、よく検索されていたら、同時にサービスのニーズも存在するということです。そういったものは、ぜひサービス化を検討すべきでしょう。

そして、SEO対策やリスティング広告を行うことで、サービスに関連する検索キーワードで自社ホームページを上位ヒットさせます。すると、ホームページで集客できるようになります。

ただし、どのような検索キーワードでもSEO対策やリスティング広告をして良いとは限りません。費用対効果が大事です。そのためにも、真の顧客が検索に用いそうなキーワードでの上位ヒットが大切です。SEOとSEMについてもっと知りたい方は、SEOとSEMの違いをご覧ください。

そして、コンシューマ向けはともかくSEMによるビジネス向けの集客(B to B)では、ホームページのデザインはあまりこだわらなくても良いのです。あまりにもデザインがヘボであれば問題ですが、デザインよりも、真の顧客である訪問者の知りたい情報が、ホームページに見やすく掲載されているかが重要となります。

そのために、当社ではビジネス向けの集客ホームページでも、ランディングページの制作を強くおすすめしています。

真の顧客とは決裁権を持った人のこと

真の顧客とは、決裁権を持った人のことです。決裁権とは、最終決定を行う権利を持った人のことです。営業では、発注する権利を持った人のこと、意見が通る人のことです。決裁権を持った人は、基本的には全責任を負う人ですが、そうでない場合もあります。

例えば、経理システムの販売であれば、社長に決裁権がなく、経理担当者に決裁権がある企業があります。社長がいくら「このシステムは素晴らしい」と思っても、システムを利用する経理担当者が「使い勝手が悪くなります」と言われてしまったら、社長はそのシステムの注文を躊躇してしまうことでしょう。

また、学習塾の営業であれば、子どもが「この塾に行きたい」と言っても、母親が「ダメ」と言ったら、子どもは行くことができません。また、母親が「この塾に行きなさい」と言っても、子どもが「いやだ」と言っても、営業は失敗です。この場合は、子どもと母親の両方が決裁権を持っていると言えます。

食品メーカーであれば、商社を通じて商品を販売していると思いますが、真の顧客は商社の仕入れ担当、スーパーマーケットの仕入れ担当、消費者の3人です。

商社の仕入れ担当が良いと思っても、スーパーマーケットの担当者が「いらない」と言ったら終わりです。食品がスーパーマーケットに陳列されたとしても、消費者が手に取らなければ、二度と仕入れられることはありません。

今回のご相談では、「建物のオーナーさんが、検査を発注する決裁権を持っているのではないか」と担当者さんは言われていましたが、私は「確かにそうではあるが、補助金の関係で自治体も決裁権の一部を持っているかもしれない」と述べたところ、調査するとのことでした。

また、ストックマネジメントのコンサルティング会社が支援している建物では、「コンサルティング会社が入っているのであれば、建物のオーナーさんは言われるままのはずなので、コンサルタントに決裁権がある」とも考えられます。

営業の成否は真の顧客に伝わるかどうか

真の顧客の事例を見ていただいて、一見顧客と思える人であったとしても、真の顧客と異なっていることに、ご納得いただけたことでしょう。この事例を、ご自身の事業にも当てはめてもらいたいと思います。

もし社長が真の顧客を見誤ったまま、営業担当全員に「売上を上げてこい!」と指示を出したとしたら、成功する営業もしにくくなると思います。

経営コンサルタントの一倉定先生(1918~1999年)が、営業戦略では社長が中心となった蛇口作戦を強く推していたのは、このためです。蛇口作戦とは、エンド顧客に直接販売することです。一倉先生の蛇口作戦については、氏の著書「販売戦略・市場戦略(一倉定の社長学)」に詳しく記載されています。

要するに、営業の成否の要因の一つは、真の顧客に自社製品やサービスの良さが伝わるかどうかです。

真の顧客が何を求めているのか?

真の顧客が明確になったら、真の顧客のニーズを探り、それを満たすことができる期待感を与えること。自社サービスの値打ちを知ってもらうことです。

そして、真の顧客が営業の場にいないこともあります。その場合は、どうしたら真の顧客に自社の良さが伝わるのかを検討する必要があります。

当社のWeb集客を例にすると、営業部門のある企業では、Web集客コンサルティングの提案は、社長ではなく営業部長にすることが多いです。しかし、最終の決裁権は社長が持っていることがほとんどです。つまり、決裁者は営業部長と社長です。

営業部長と社長に共通するニーズは、「Web集客コンサルティングで集客力がアップするのか。」「費用対効果の期待値はどうなのか?」です。また営業部長のニーズは、「社長にWeb集客コンサルティングの内容と効果を、きちんと説明できること」です。

これらのニーズを満たすために、Web集客コンサルティングの企画提案書を工夫しています。

企画提案書は、営業部長が納得・理解でき、しかもその資料を使って、社長に詳細に説明できるように、シンプルな内容にもかかわらず納得していただける流れで構成されています。営業部長が社長へのプレゼンで、社長からの反論があるはずです。その反論が出ないぐらいに数字による理論武装されているだけでなく、万が一の反論のための補足説明も記載され、期待感を持ってもらえるように、自社が競合他社に打ち克って明るい未来の姿をイメージできるように営業部門がステップアップしていく姿も記載しています。

真の顧客のニーズをつかむことは、営業や販売のことだけでなく、商品開発や顧客対応の見直しにも役立つことでしょう。

真の顧客を発見するフレームワークはカスタマージャーニー

カスタマージャーニーというフレームワークの存在を、初めて聞かれる人もいることでしょう。カスタマージャーニーとは、簡単に述べると、顧客が自社サービスを発見し、どのようなことを感じて発注し、欲求が満たされていくか、それらのイベントを表にしたものです。

基本的には、次の流れでペルソナマーケティングのようにストーリーを考え、そのときの気持ちまで考えることができたら、真の顧客を発見することができます。

  1. なぜ商品・サービスを探そうと思ったのか?
  2. 探し方はどうなのか? どのように発見したか?
  3. 商品・サービスを発見して何を思ったのか?
  4. なぜ発見した商品・サービスを発注したのか? できたのか?

このストーリーを考える中で、別の人物が出てくる場合、その人物が真の顧客になる場合が多いです。

SEMでは、探し方はインターネット検索です。「どのように発見したか?」では、検索キーワード分析を行うことで、顧客の行動を分析することができます。

カスタマージャーニーの説明は、本題から外れるので、この程度にしておきます。カスタマージャーニーは、営業戦略から販売戦術、商品開発など、中小企業が成長していくためのヒントをつかむために便利なフレームワークですので、機会があれば詳細にご説明したいと思います。

以上、営業で成功するために大事な、真の顧客の見極めについて解説いたしました。真の顧客を見極めて、真の顧客のニーズを満たす商品やサービスを開発し、真の顧客に自社の魅力を伝えることができたら、またそのような営業の仕組みが構築できたら、どのような企業でも売上高アップは間違いありません。

営業の仕組みを構築するコンサルティングなら、当社にご相談ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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