経営者の仕事は、会社の未来のことや、会社の浮沈に関わる意思決定をすることです。
そして、集客ホームページ制作における経営者の大きな仕事は、「制作会社を決めること」です。
集客ホームページ制作は、会社の集客力を左右する施策です。どのような制作会社を選ぶかによって、自社の将来の集客力に影響するため、ホームページ担当者に選ばせるのではなく、経営者自身の責任で選ぶべきです。
制作会社によって、集客技術レベルが異なりますし、得意分野も異なります。数ある制作会社の中から、自社に合った制作会社を選びます。
また、制作会社を選定して依頼したら、経営者の仕事は終わりではなく、集客ホームページ制作に付随して、自社でやらないといけないことが、いくつかあります。
このコラムでは、制作会社選定以外に、制作過程で付随してくる経営者の仕事を、ご説明いたします。
ここでご紹介することを怠ったら、集客ホームページが機能しなくなったり、せっかく集客しても取りこぼしたりすることになります。ぜひ最後までしっかりお読みください。
集客ホームページ制作の担当者選び
最初に経営者が行うべき意思決定は、集客ホームページ制作の担当者選びです。(以下、「ホームページ担当者」と呼びます。)
「当社は、すでにホームページ担当者がいる」と思われた経営者であったとしても、少しお考えいただきたいことがあります。それは、「その担当者は、マーケティングができますか?」ということです。
よくある間違った担当者選び
中小企業で、ホームページ担当者に選ばれやすい人をご紹介いたします。次の人たちを選ぶと、集客ホームページが完成しません。
- パソコンやインターネットに詳しい事務スタッフ
- ホームページのちょっとした修正業務を行っている事務スタッフ
- ホームページ制作会社に知り合いがいるスタッフ
- 商品開発の技術スタッフ
パソコンやホームページのことを知っている人であれば、ホームページ制作の知識を獲得することは、たやすいことでしょう。
しかし、制作するものは単なるホームページではなく、集客ホームページです。
集客ホームページの完成は、ホームページを公開することではなく、集客ができることです。つまり、顧客のことを知っている人材でないと、集客ホームページが失敗に終わります。
「パソコンやホームページの知識のある人に、マーケティングを教えてあげて欲しい」とご依頼をいただくこともあります。しかし、マーケティングの知識を覚えても、貴社の顧客のことを知らない人は、マーケティングの実践ができなく、机上の空論になってしまいがちです。
当社でマーケティングをお教えいたしますが、できればその方を営業に出させてください。そちらの方が、マーケティングの勉強になると思います。
理想的な人材
ホームページ担当者に相応しい人材は、次のような人です。
- 社長
- 営業部門のリーダー
- 社長の側近
ホームページ担当者には、できるだけ顧客に近い人を選びます。パソコンやホームページの知識がある人は、ホームページ担当者のサブに付け、ホームページ制作の実務を行ってもらうと良いでしょう。
集客ホームページ制作では、さまざまな部門とのやり取りやコンセンサスを必要とする場合が多いです。他の部門とのコミュニケーションを円滑に取ることができる人材が望ましいことも、付け加えておきます。
各部門長には、社長から「集客ホームページ制作を行うので、何かあれば協力してあげてほしい」と直接ご依頼ください。
集客ホームページ制作の担当者選びの詳細は、「集客ホームページ制作担当としての適任者とは?」をご覧ください。
集客ホームページ企画の良し悪しの判断
マーケット分析を行い、集客ホームページの企画が出来上がってきたら、経営者はその企画で良いのか悪いのかの判断に迫られます。
このときに、企画の内容に少しでも納得がいかなければ、ホームページ担当者や制作会社の担当者に質問をして、納得がいく企画に仕上げてください。
集客ホームページの成否は企画の内容にかかっています。そのGOサインの意思決定は、経営者でなければいけません。「ホームページ担当者に任せているから」とか「ホームページのことはよく解らない」という理由で、意思決定を避けることは、集客という会社の未来に関する意思決定を放棄していることになりかねません。
解らないことがあれば、ホームページ担当者や制作会社に素直に訊いて、理解できるまで教えてもらってください。
自社の改善
集客ホームページ制作を企画するときに、顧客分析や競合他社分析を行います。当社では、集客ホームページ制作での企画段階で、マーケティングの3C分析を行っています。
顧客分析をしたときに、顧客が求める価値を、自社商品が兼ね備えていないことに気が付く場合。また、競合他社商品が持っている価値を、顧客が強く求めていているのにもかかわらず、自社商品にその価値を持っていないことに気が付く場合があります。
競合他社と比較される価値のことを、相対価値と言います。自社にない相対価値を、顧客が求めている価値であるならば、自社商品の改善が必要です。
商品の改善
自社商品にて、顧客が求める価値が含まれていない場合や、競合他社商品にあり自社商品にない価値を発見したときは、商品の改善をご検討ください。場合によっては、新商品開発が必要になることもあります。
そのとき、ホームページ担当者から開発部門や調達部門の人たちに、「商品を改善してください」とは言いにくいと思います。ここは、経営者が商品の改善を意思決定して、開発部門に業務命令してください。
社長によっては、ときどきですが「価値の低いものでも売ってこそ、Web集客コンサルタントの力量ではないのか?」と言われることがあります。残念ながら、そのような力量は、私には持ち合わせておりません。
できましたら、当社にて商品の改善や新商品開発のコンサルティング支援をさせてください。
顧客対応の改善
商品が良くても、顧客対応が悪ければ、お客様を取り逃がしてしまうことがあります。しかし、顧客対応の悪さは、自社では気が付かないことが多いです。
業種によっては、レベルの高い顧客対応が求められることもあります。
ちなみに、コンサルタントが顧客対応の悪さに気が付いても、クライアント企業様に直接お伝えできない場合もあります。直接お伝えできるときは、クライアント企業様がコンサルタントからの意見をすべて聞き入れてくれるときです。
その他の改善
商品の価値や顧客対応の他にも、お問い合わせをしてこられた方を取り逃がしてしまうことがあります。
例えば、製造業の企業が集客ホームページを制作し、お問い合わせが来たとしましょう。その場合、お問い合わせをした方は、工場の見学を希望されることが多いと思います。もし、工場の5S活動が徹底されていなければ、お問い合わせをした人は、契約を見送るかもしれません。
商品、顧客対応、その他のターゲット層が求める価値を分析し、顧客が求める価値を満たすように改善することが大事です。そのような改善が指示できるのは、中小企業では社長ただ一人です。
複数のコンバージョンチャネル(CVC)の検討
コンバージョンチャネル(CVC)とは、お問い合わせや資料請求、購入、電話相談、セミナー申込など、コンバージョン(CV)の内容のことです。集客ホームページに訪問した人に、ホームページ内を閲覧していって、最終的にたどり着いてもらいたい落としどころです。
企業のホームページであれば、どのホームページにも「お問い合わせ」をコンバージョンとしています。コンバージョンの選択肢を増やすことで、コンバージョン率(CVR)を高めることができます。
コンバージョンチャネルの種類
コンバージョンチャネルには、お問い合わせ以外にも次のようなものがあります。
- 電話相談
- 資料やカタログの請求
- 小冊子プレゼント
- 無料相談依頼
- デモンストレーション依頼
- ウェビナー申込
- オーダーメイド相談
ECサイトであれば、もちろん購入もコンバージョンチャネルになります。
これらすべてをコンバージョンチャネルに設定する必要はありません。マーケティングの3C分析を行い、ホームページ訪問者が求めるコンバージョンチャネルを設定します。
BtoB営業で取り入れていただきたいコンバージョンチャネル
BtoB営業でぜひご検討いただきたいことが、電話相談と資料請求です。
「電話で相談することは古い」と思われる方が多くなってきましたが、直接電話をして、相手の人なりを知りたい人も、割合多いためです。
資料請求の資料は、製品毎に用意しておきます。資料請求があったら、会社案内とお手紙を添えて、郵送でお送りすると良いでしょう。
当社であれば、コンサルティングのお問い合わせを直接頂くこともありますが、経営者セミナーにお申込みをいただく方もいらっしゃいます。「小さな会社の社長のためのセミナー」という、経営者や経営幹部、これから起業したい方を対象とした経営セミナーを定期開催しており、格安でコンサルタントの話を直接聞ける場を設定しています。
集客ホームページ制作のクライアント企業様の中で、「資料請求をつけよう」と考えたけれども、「自社の会社案内を送れば良い」と、考えが単純な方も少なからずいらっしゃいます。
商品の資料は、できるだけクロージングに至りやすい資料をご準備することをおすすめします。
営業部門とのコンセンサス
ホームページによる物販であれば購入をコンバージョンとするので、問題になることはほとんどないのですが、クロージングを営業部門が行う商品やサービスを集客する場合は、営業部門とのコンセンサスで問題になることがあります。
社長が独自に集客ホームページ制作を行っていて、営業部門が何も聞かされていない場合、営業部門から「何も聞いてないよ」と反発があることがよくあります。
営業部門とのコンセンサスは、できれば契約前に行ってください。
できれば、営業部門のリーダー格の人材を、集客ホームページ制作の担当者とすることが望ましいです。
お問い合わせ対応の準備
当社にて集客ホームページを制作させていただいた場合、集客ホームページを公開してから、2~3ヶ月経過すると、お問い合わせが入るようになることが多いです。
中小企業のBtoB営業の場合は、電話の回数がいきなり急増することは少なく、少しずつ増加していきます。1年ほど継続して施策を行い、月15件ほどのお問い合わせが入るようになると、業種によっては対応し切れなくなってくるので、社内が混乱してきます。その場合は、受注件数増大に対応するための社内体制が整うまで、ページ追加などの集客ホームページの継続施策を抑えると良いでしょう。
コンシューマ向けの商品を扱う集客ホームページの場合は、いきなりのお問い合わせが増加することがあります。そうなると、電話受付の担当者があくせくしてしまうことがあります。
どちらにしても、電話受付の担当者には心の準備として、電話があったらどのように対応するのか、何を聞くべきなのかなどをマニュアル化しておき、ロールプレイングで練習をしてあげてください。
以上、集客ホームページ制作をしたときに、制作の場面以外で経営者に必要となりそうな仕事をまとめました。
当社の集客ホームページ制作では、集客ができるホームページを企画・設計・制作するだけでなく、それに付随することもコンサルティング支援しており、貴社の集客をトータルでサポートします。
集客ホームページ制作なら、チームコンサルティングIngIngにお任せください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。