BtoB企業からよく「ホームページで営業力を高められるのか」とご質問をいただくことがあります。答えはもちろん「Yes」です。
ただし、ホームページを改修工事して営業力を高めるためには、コツがいります。
ときどき、「ホームページのデザインを刷新したが、お問い合わせはまったく増えなかった」と聞くことがあります。実のところ、BtoB企業でホームページのデザインを変更することは、営業力アップの要因のごく一部でしかありません。他にも、デザインの変更以上に重要な要素があります。
このコラムでは、BtoB企業向けにホームページの営業力を高めるための条件とコツをご紹介いたします。
BtoB企業がホームページで集客できるのか?
BtoB企業の社長にWeb集客コンサルティングをご提案するときに、「BtoB企業がホームページで集客できるのか?」と半信半疑になられる方が多いです。
それもそのはずです。今までホームページを何度も制作し直してきたのにもかかわらず、いっこうに集客ができる気配がないからです。
お問い合わせ件数としては、良いときでも年間で数件程度のことと思います。
ところが、そのようなBtoB企業であったとしても、集客できる条件に合致し、なおかつホームページで営業力が高められる条件をクリアーできたら、お問い合わせ件数ではなく、月々に数件の受注に至るくらいの営業力アップができる可能性があります。
私が提唱する方法を導入されたBtoB企業の社長からは、すべからく感謝されています。
さて、まずはその集客できる条件は、次のものです。
- 自動車製造や製鉄、造船などの成熟した業界でないこと
- 見込み客がネット検索で業者を探していること
1つ目の成熟した業界では、ソリューションを求めてネット検索をするのではなく、企業名で検索されることが多いと思います。企業の知名度や利便性などで企業が選ばれやすいため、ホームページでの営業力強化と言うよりは、ブランディングが大事になりやすいです。
2つ目の見込み客がネット検索で業者を探していることは、述べるまでもありません。ネットでBtoB企業を探している見込み客がいるからこそ、ホームページの営業力を高めて、集客効果が得られます。
集客できる条件にすべて合致したら、次の3つの条件に合致するホームページを制作することで、営業力を高めることができます。
- 訪問者が知りたい製品情報を掲載すること
- 自社ホームページがネット検索で上位ヒットすること
- お客様がコンタクトしやすいコンバージョンポイントを設けること
この3つの条件について、少し解説します。
条件1.訪問者が知りたい製品情報を掲載すること
ホームページで集客したい場合は、自社の製品の詳しい情報や導入事例などの情報を記載することは当たり前のことと思われることでしょう。
今現在、集客できていないとしたら、その当たり前のことができていない可能性があることを、ご理解ください。自社が「掲載したい」と思った内容と、ホームページの訪問者が「知りたい」と思った内容が食い違っている可能性があるのです。
製品やサービスがオーダーメイド品の場合
ほとんどのBtoB企業は、提供している製品やサービスはオーダーメイド品であると思います。そして、その製品もしくはサービスが、体系化できていないのではないかと思います。そういった企業様の場合、社長や営業担当者様は「自社製品はオーダーメイドなので聞かれたら答えられるが・・・」とおっしゃることがあります。
実は、オーダーメイド品であったとしても、それを体系化ができたらホームページで販売ができます。つまり、オーダーメイド品であったとしても、出来る限り体系化していかないと、ホームページで売れないのです。
「オーダーメイド品をどのように体系化するのか?」と感じられたことでしょう。次のことを体系化」してみてください。
- 自社製品はどのようなお困りごとを持つ企業に効果的なのか?
- 販売できる条件は何か?
- 導入方法や導入の流れはどのようなものか?
- 過去に販売してきた中で、よく聞かれることは何か?
これらを体系化し、製品情報に掲載するだけで売れるようになることがあります。
ご自身がオーダーメイド品を購入するときのことを考えてみてください。オーダーメイド品をどこかの企業に注文しようとして、問い合わせたとします。対応してくれた担当者に対して、「こういったものを作ってもらいたいのだが」と問い合わせたところ、担当者が「できるかどうかわかりません」と返答してきたらどうでしょうか?
オーダーメイド品を販売している企業で、「お問い合わせがあったら答えられる」という発想をしている企業は、いつまで経っても売れない企業です。
訪問者が知りたいBtoBビジネスの製品情報とは?
オーダーメイド品であったとしても、規格品であったとしても、BtoB製品をネット検索で探している人が、業者のホームページに求める情報には、おおよその共通点があります。それは、次のようなものです。
- スペック
- 効果
- 製品や企業の強み
- 導入事例
- 導入の流れ
- ご契約の条件
スペック
1つ目のスペックとは、仕様のことです。製品であれば、まずサイズや質量があります。電源を必要とするものであれば、電源電圧や消費電力、動力電源を必要とするといった情報です。
オーダーメイド品のスペックであれば、「スペックは分からない」とか「何でも製造できる」と答えてしまったら、おしまいです。部品を製造したり加工したりするのにも、最大のサイズや最小のサイズがあるはずです。
効果
製品やサービスを導入したらどのような効果が得られるのか、ソリューションを記載します。
工作機械であれば、どのような材質のものをどのように加工ができるのかが効果です。ソフトウェアであれば、導入すればどのような問題が解決できるのか、生産性が上がるのかを記載します。
製品や企業の強み
製品の強みとは、競合他社と比べて、どのような強みがあるのかを記載します。企業の強みとは、競合他社と比べてお客様の近くであったり、製品そのものではなく、付帯サービスの質が良かったりする、そういった強みです。
導入事例
導入事例とは、過去に製品やサービスを導入した事例を掲載することです。
お客様によっては、オーダーメイドした製品の写真やスペックなどを掲載することが困難な場合があります。そういった場合は、内容を曖昧にしたり、少し情報を変えたりして、お客様が特定されないように掲載したら良いと思います。お客様の企業名を掲載するとしたら、例えば「ソフトウェア会社のN社様」といった具合です。
導入事例をたくさん掲載していくと、あるときお問い合わせがあり、「この事例と同じものが欲しい」と注文してくるお客様が現れます。私の実家の手作り布団店では、事例をたくさん掲載していたら、あるとき有名高級ホテルから「この事例のような掘りごたつ布団をオーダーメイドしてほしい」とご依頼がありました。
導入の流れ
導入の流れとは、製品やサービスを購入したいと思った人が、どのようにしたら購入ができるのかを記したものです。
流れには次の2種類あります。
- お問い合わせからご契約までの流れ
- ご契約から納品までの流れ
この2つの流れを融合させたものを掲載してもかまいません。オーダーメイド品であれば、契約が複雑になると思うので、2つを分けて掲載しておいた方が良いです。
コンサルティングで無料相談をしているのであれば、「無料相談はここまで。ここから有料です。」という具合に、無料と有料の境目をはっきりさせておくと、訪問者はサービス内容を理解しやすいので、お問い合わせしやすくなります。
ご契約の条件
ご契約の条件とは、契約をする上で条件がある場合に記載します。ご契約条件で記載してもらいたいものが、サービスエリアです。
業者を探している人は、なるべく近くにある企業から買いたいと思っているはずです。直接お会いして話が聴けたり、製品を購入した場合に輸送コストが安く済むからです。
他にも、例えば食品会社であれば、「発注単位は1甲単位です」という具合です。物流企業であれば、「冷蔵と冷凍は扱っていません」という具合です。
これらの情報があれば、ネット検索で業者を探している人は、「親切に書かれているので安心できる。お問い合わせもしやすい」ということになります。
条件2.自社ホームページがネット検索で上位ヒットすること
ホームページに訪問者が知りたい製品情報が掲載されたら、次に行うことは、SEO対策やリスティング広告です。
SEO対策とは、任意のキーワードでネット検索したときに、自社ホームページを上位ヒットさせる技術のことです。リスティング広告とは、ネット検索の検索結果ページに表示される広告のことです。
業者を探している人は、上位ヒットしたホームページ、もしくは広告が表示されたホームページを確認します。もし上位ヒットしていなかったり、広告を出していなかったりしたら、そのホームページは、アクセスをしてもらえません。
つまり、自社ホームページが存在しないことと同じ意味になってしまうのです。
SEO対策について
SEO対策は、施策を行い上位ヒットするようになると、競合他社が対策してきたり、Googleのアップデートで下がってしまうまで、自社ホームページを上位ヒットさせることができます。一度上位ヒットさせられたら、継続的な費用をかけなくても上位ヒットし続けるというメリットがあります。
しかし、上位ヒットするまでに時間がかかる場合が多いので、すぐに営業力を強化することができないというデメリットがあります。
「いやいや、自社名でネット検索したら上位ヒットしているよ」とお考えになられた方もいらっしゃることと思います。
しかし、お考えください。自社名でネット検索する人は、すでに自社のことを知っている人なので、すでにお客様であるか、競合他社のどちらかです。新規顧客の獲得は、ほとんどありません。
リスティング広告について
リスティング広告は、広告掲載のために課金し続けないといけませんが、すぐに検索結果に自社ホームページを表示させることができます。
リスティング広告は、広告をクリックされたら料金が発生する仕組みです。課金した金額を消費し切るまで、自社ホームページを表示させ続けられます。
ただし、広告をクリックする人は、お客様だけとは限りません。競合他社がクリックすることもありますし、何かを宣伝したい業者がクリックすることも多いです。そのようなことに費用を使い続けるという悔しさに堪えるという、忍耐力を鍛えられるツールでもあります。
SEO対策とリスティング広告のどちらを選べば良いか?
ここで、「SEO対策とリスティング広告のどちらを行えば良いか?」とお考えのことと思います。予算に余裕があれば両方を行えば良いと思います。
どちらかを選ぶのであれば、集客を急がない場合はSEO対策を、集客を急ぐ場合はリスティング広告を選べば良いと考えます。
両方を行う場合は、SEO対策の効果が出てきて、リスティング広告が表示される回数を少しずつ減らしていき、一定の集客数を保つことも可能です。
SEO対策について詳しく知りたい方は、こちらのページをご参照ください。
条件3.お客様がコンタクトしやすいコンバージョンポイントを設けること
ネット検索で自社ホームページを上位ヒットさせられてアクセス数が増え、製品情報もしっかり記載されました。3番目にお大事なことは、コンバージョンポイントを設けることです。
コンバージョンとは、日本語では「転換」を意味しますが、「ホームページにアクセスのあった人が、自社にご連絡してくること」です。そのための仕掛けを、コンバージョンポイントと言います。
BtoBビジネスで代表的なコンバージョンポイントの例
BtoBビジネスでの代表的なコンバージョンポイントは、次のようなものがあります。
- お問い合わせ(メールフォーム/電話)
- 資料請求
- 見積依頼
- デモンストレーション依頼
- 無料セミナー/無料相談会の申込
- 事例集などの小冊子請求
- サンプル請求
- 期間限定の無料利用依頼
どのコンバージョンポイントを設定したら良いかは、BtoBビジネスの内容によります。お問い合わせは必須です。資料請求や見積依頼は、できれば行ってください。
工作機械を販売するのであれば、デモンストレーション依頼が有効です。ソフトウェアであれば、デモンストレーション依頼か期間限定の無料利用依頼のどちらかです。コンサルティングであれば、無料セミナーや無料相談会の申込が良いと思います。薬品や量産品を販売するのであれば、サンプル請求が有効です。
どのようなコンバージョンポイントを設けるべきか?
どのようなコンバージョンポイントを設けたら営業に結び付きやすいのかを、よく問われることがあります。その答えは、「少なくとも、ホームページ集客に力を入れている営業力の高い同業他社がコンバージョンポイントとしていることは、真似した方が良い」とお伝えしています。
試しに導入してみて、実験をすることが大事です。
同業他社が取り入れている手法であったとしても、一朝一夕で真似できるものは少ないとお考えください。やり方を真似して、改善していって、「これで営業につながった」という成功事例に出会うまで、実験を繰り返すことが大事です。
ホームページ担当者は誰にすべきか?
営業力は、企業の収益の部分を大きく左右するものですので、ホームページ集客の担当者は、社長が直轄で行うべきです。そして、アシスタントを営業担当者が行うぐらいがちょうど良いと思います。お客様のことを知っているのは社長や営業担当者だからです。
自社製品のことを知っている製造部長や総務部のスタッフ、パソコンの得意な内部スタッフがホームページ担当者をする企業もあります。
その場合は、コンバージョンポイントを社長や営業担当者と話し合って決めることが大事です。コンバージョンがあったときに、営業担当者がどのように行動すれば良いのかの流れを作成し、マニュアル化をしておくこともおすすめします。
ホームページ集客でもっとも大事なことは、お客様の気持ちがわかることです。
以上、BtoB企業がホームページで営業力を強化するための方法について述べました。
ここに記載されている方法は、すぐに実施することが難しいと思います。もし、ノウハウを習得するために時間をかけることが惜しいとお考えであれば、当社のご支援をご検討ください。
当社は、BtoB企業様のホームページ集客で、たくさんの実績をあげてきました。
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この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。