自社ホームページをSEO対策して集客をしたいとお考えの企業は多いです。そのときに大切なことは、キーワード選びです。
どのような検索キーワードでSEO対策をするかによって、集客ができるかどうかや、費用対効果が大きく異なってきます。
SEO対策を行う検索キーワードのことを、「SEOキーワード」といいます。
一般的には、検索回数(検索ボリューム)が多いものをSEOキーワードとして選ばれることが多いのですが、それだけでは、集客に結び付きにくい場合もあります。
この記事では、ホームページで集客したい企業様向けに、検索キーワードの何を調査して、SEO対策を行うSEOキーワードを選ぶのかをご説明いたします。
当社では、SEO対策やWeb集客のアドバイスだけでも承っているので、お気軽にご相談ください。
SEOキーワードを選ぶ4つのポイント
SEO対策をする場合には、当社ではまずどのような検索キーワードでネット検索されているのかを、考えられるものすべてをリスト化することから始まります。
- 自社に関連する検索キーワード
- 月間検索回数
- 検索者インサイト
- SEO対策の難易度
調査結果から、すべての検索キーワードをABC分類します。
ABCの内訳は、AはSEO対策で上位ヒットを狙う検索キーワードです。Bは、できれば上位ヒットさせたい検索キーワードです。Cは、SEO対策しない検索キーワードです。
上記の調査項目について、ご説明いたします。
月間検索回数の調査
月間検索回数が多い検索キーワードでは、上位ヒットさせられたら、その多さに応じてアクセス数が増大させられます。
そのため、SEOキーワードを選ぶために、月間検索回数は最初に調査・分析すべきものです。
月間検索回数とは?
月間検索回数とは、「1か月間で何回ぐらい検索されているキーワードか?」を数値化したものです。
例えば、月間100回検索されている検索キーワードがあれば、「月間検索回数は100回」ということになります。
月間検索回数の多い検索キーワードで上位ヒットさせられたら、それだけホームページのアクセス数を増大させることができます。
月間検索回数を調べる方法
月間検索回数を調べる方法は、主に2種類あります。それは、Googleキーワードプランナーを利用する方法と、Googleサーチコンソールを利用する方法です。
サーチコンソールとは、ホームページのアクセス解析で用いることができるGoogleの無料ツールです。その項目の中に、「検索パフォーマンス」というものがあります。そのページを開くと、自社ホームページが、Googleでネット検索したときの検索結果に表示されたりクリックされたりした回数などを調べることができます。
その表示回数が、Googleで検索された回数と一致する場合があります。この数値は、割合正確なものですが、上位ヒットさせられた検索キーワードに限定されます。
キーワードプランナーは、Google広告を利用している人が使えるツールです。キーワードプランナーで、月間検索回数を調べられるのですが、実は正確ではありません。
SEO対策すべきかどうかを調査するための、おおよその傾向性を調べることができます。
月間検索回数が多ければ良いとは限らない
初めてSEO対策を導入される企業で、よくある勘違いがあります。それは、「月間検索回数の多いキーワードでSEO対策したい」というものです。
確かに、月間検索回数の多い検索キーワードで上位ヒットさせられたら、相対的にアクセス数も増大します。
しかし、そのキーワードでは上位ヒットさせることが困難で費用対効果が悪くなったり、集客ができなかったりすることが多いのです。
例えば、当社ではコンサルティングをご提供していますが、「コンサルティング」という単ワードで上位ヒットさせられたとします。この検索キーワードでネット検索した人が、上位ヒットした業者にコンサルティングをお願いするでしょうか?
答えは、否です。
コンサルティングにはさまざまなジャンルがあります。当社では、経営理念コンサルティングをはじめ、集客コンサルティングやマーケティングコンサルティングなどの戦略系コンサルティング、SEMコンサルティングやSEOコンサルティングなどのWebコンサルティング、はたまた製造業コンサルティングなど、さまざまなコンサルティングサービスをご提供しています。
コンサルティングを依頼した企業は、単に「コンサルティング」という単ワードではなく、コンサルティング分野を含めた複合ワードで検索するはずです。
ですので、単純に「月間検索回数が多いから」という理由だけでなく、複合的な調査によってSEOキーワードを選ぶべきです。
月間検索回数の少ない検索キーワードで集客は可能か?
とは言うものの、基本的には月間検索回数は多い方が良いのですが、少ない検索キーワードでも集客ができる場合があります。
複合ワードでの検索の場合
先ほどご説明したように、コンサルティングの検索キーワードであれば、例えば「営業コンサルティング 料金 」という具合に、複数のキーワードを組み合わせて検索されるものです。
キーワードプランナーで月間検索回数を調べたところ、月間検索回数は次のような結果になりました。
検索キーワード | 月間検索回数 |
---|---|
コンサルティング | 22,200回 |
営業コンサルティング | 2,900回 |
営業コンサルティング 料金 | 40回 |
1つ目の「コンサルティング」で上位ヒットしても、集客には結びつきませんので、SEO対策はしない方が良いです。
2つ目の「営業コンサルティング」では、コンサルティングの分野が明確になっています。上位ヒットさせられたら集客ができそうです。しかし、多くのコンサルティング会社が上位ヒットを狙っていると思われるので、集客のための費用対効果は悪い可能性があります。
3つ目の「営業コンサルティング 料金」は、月間検索回数が圧倒的に少ない、ニッチな検索機キーワードです。ところが、料金を調べている企業は、コンサルティングを依頼したいと思っている企業でもありますし、ニッチな検索キーワードはそれだけ競合も少なくなるので、上位ヒットさせやすいという特長もあります。
ここでは、「月間検索回数が少ないからと言って、集客ができないわけではない」ということを、覚えておいてください。
このことは、後ほど何度かご説明いたしますが、当社では、ニッチな検索キーワードでSEO対策することをおすすめしています。
ニッチな業界・業種の場合
次にニッチな業界でのSEO対策についてご説明いたします。先日も、「高圧電線の電力系統で使用される部材をWeb集客できないだろうか?」とご相談をいただいたところです。とてもニッチな業界・業種です。
こういったニッチな業界・業種の企業の多くは、「自社の製品を探している人は、圧倒的に少ないので、集客ができないのではないか?」とお考えのことと思います。また、そういった業界・業種では、「自社は古い体質の業界だから、ホームページでの集客なんてできるはずがない」とお考えのところもあります。
結論としては、調査は必要としても、集客できることが圧倒的に多いです。
ニッチな業界・業種だとしても、月間検索回数がゼロでない限り、Web集客の可能性もゼロではないのです。
反対にニッチな業界ほど、Web集客が有効な場合もあります。とあるニッチなパッケージ・システムを開発した企業様が、当社の支援でWeb集客に力を入れたところ、日本全国から問い合わせが来るようになったケースもあります。
検索者インサイトの調査
検索者インサイトという言葉を、初めてご覧になられたことでしょう。それもそのはずです。この用語は、私が作ったものだからです。
検索者インサイトは、SEOキーワードを選ぶ上での調査項目としては、とても大事なものです。
検索者インサイトとは?
「インサイト」とはマーケティング用語で、消費者が本心で思っていることです。つまり、検索者インサイトとは、検索エンジンを利用する人が何を本心で思ってネット検索をしているのかを洞察することです。
例えば、先ほどの事例で「営業コンサルティング 料金」で検索される月間検索回数が40回であったことを述べました。
この検索キーワードを用いてネット検索する人の半分以上が、「営業コンサルティングを利用したいのだが、どれくらいの料金なのだろうか。コンサルティング会社それぞれの料金を調べて、どこか検討したい。」とお考えのことと思います。
このように、検索キーワードから検索者インサイトを予測して、どれくらいの割合の人がネット検索しているのかを予想し、SEO対策の難易度とWeb集客ができる可能性を比較検討します。
この予測は、フェルミ推定で行いますが、当社では月間の売上高予想の推移まで出すこともあります。
検索者インサイトの詳細を知りたい方は、SEMによるWeb集客設計では必須の「検索者インサイト」とは?をご覧ください。
どのような検索キーワードが集客につながりやすいのか?
検索者インサイトの分析に慣れてくると、どのような検索キーワードが集客に結び付きやすいのか分かってくるものですが、慣れていない人におすすめのキーワードをご説明いたします。
料金
複合ワードに「料金」が入っているものは、料金を調べているので、購入の可能性が高いです。他にも、「価格」や「値段」などがあります。どれを使用したら良いのかは、月間検索回数などで検索回数を調べて、多いものを選ぶと良いでしょう。
会社や業者
複合ワードに「会社」や「業者」が含まれている検索キーワードでネット検索する人がいます。例えば、「冷凍コロッケ 業者」という複合ワードです。
この検索キーワードでネット検索する人の検索者インサイトは、それらを製造や販売している会社を探していることが多いです。
集客できそうでできない検索キーワード
次のキーワードが含まれる複合ワードでは、上位ヒットさせられたとしても、集客に至ることが少ないです。
おすすめ
まず、「おすすめ」です。例えば、「営業コンサルティング おすすめ」や「冷凍コロッケ おすすめ」です。
「おすすめ」を含めた複合ワードで検索する人は、業者を探している場合は比較サイトを確認することが多いことと思います。そのため、自社ホームページが上位ヒットさせられたとしても、比較サイトばかりが見られて、自社ホームページはほとんど訪れてもらえません。
比較
次に「比較」です。これも、「おすすめ」と同様の理由で、訪れてもらえることは稀です。また、「おすすめ」よりも上位ヒットさせることが困難となります。
通販
「通販」を含めた複合ワードでのネット検索です。例えば、「座布団 通販」といった検索キーワードです。
この検索キーワードでは、大手通販サイトが上位ヒットすることが常です。しかも消費者の検索者インサイトは、「比較検討したい」と思っている人が多いので、自社ホームページを上位ヒットさせられたとしても、訪問すらしてもらえないことが多いです。
アクセス数は増えるが、まったく集客に結び付かない検索キーワード
アクセス数を増やすことができても、まったく集客に結び付かない検索キーワードがあります。その代表例は、「とは」です。
例えば、「営業コンサルティングとは」や「冷凍コロッケとは」というものです。
「とは」を含めた複合ワードでネット検索する人の検索者インサイトは、「それってどういったものだろうか?」と意味を調べていることが多いです。意味がわかったらすぐにホームページから離脱するので、売上につながることはまずありません。
しかし、このような検索キーワードで上位ヒットさせられたら、少ない確率ですが自社名やブランド名を覚えてもらえる可能性が出てきます。すぐに集客ができなかったとしても、ちょっとぐらいは何らかの効果があるものと思います。
このように、検索者インサイトを分析することで、集客に効果的なSEOキーワードを選ぶことができます。
SEO対策の難易度調査
SEO対策の難易度も、SEOキーワードを選ぶ基準にすべきです。検索キーワードの検索結果を分析していると、次の3種類の検索キーワードに出会うことがあります。
- そもそも上位ヒットさせられない
- 競合ホームページのSEO対策が強すぎて、上位ヒットさせることが困難
- 上位ヒットさせるための費用が高くなる
1つ目は、そもそもGoogleが企業のホームページを上位ヒットさせようとしていない場合です。そういった検索キーワードは、たいていが集客に結び付きにくい検索キーワードですので、相手にしないことが無難です。
2つ目は、競合ホームページのSEO強度が強すぎて上位ヒットさせられない場合です。
検索キーワードを調査していると、月間検索回数が多くて集客に結び付きやすい検索キーワードを発見することがあります。しかし、そのような検索キーワードは、上位ヒットさせたいと思っている企業が多くなる傾向があります。
このような検索キーワードでは、SEO対策をすることに費やした時間と費用が無駄になります。
また、3つ目としては、「上位ヒットはさせられるものの、費用対効果が合わない」という場合です。上位ヒットさせるための費用が高くなり、費用対効果が合わなくなることがあります。
Google検索結果の傾向性
そもそも上位ヒットさせられない検索キーワードについて、もう少し詳しくご説明いたします。
SEO対策したい検索キーワードで、実際にGoole検索します。そして、上位ヒットしているホームページの一覧を確認し、「企業のホームページが上位ヒットしているのか?」を調査します。
検索結果に表示されたホームページを確認すると、政府や行政法人、大学、アフィリエイトなどのホームページが上位ヒットしている場合があります。
そのような検索キーワードでSEO対策する場合、それらのホームページを押しのけて上位ヒットさせることが難しい場合が多いです。
もし、そういったホームページが上位を占めていたら、その検索キーワードは諦めます。上位ヒットさせられそうであったとしても、検索者インサイトによっては、上位の1~3位ぐらいまでしかクリックされない検索キーワードもあり、その場合も諦めることが少なからずあります。
ですので、上位ヒットしている企業のホームページを、自社のホームページに差し変わるように施策をすると、費用対効果が高くなります。そのようにSEO対策が可能かを知ります。
競合ホームページのSEO対策の強度調査
競合ホームページとは、SEO対策したい検索キーワードで実際にネット検索したときに上位ヒットしているホームページのことです。
SEO対策では、上位ヒットしているホームページを押し下げて、自社ホームページを上位ヒットさせる必要があります。
その場合、競合ホームページのSEO対策をしている強度が問題となります。自社ホームページのSEO対策の強度と、競合ホームページのSEO対策の強度で競争をして、基本的に強度の勝っているホームページが上位ヒットします。
SEO対策の業者に任せている場合は、技術力と予算が戦力となり、業者同士の戦力争いで勝った方のクライアント企業様のホームページが上位ヒットすることになります。
当社のSEO対策は、たいていの企業に負けることはございませんので、安心してお任せください。
競合ホームページのSEO対策の強度をどのように調べるのか?
競合ホームページのSEO対策の強度を調べることは、これは熟練のノウハウになります。
私自身がどういった箇所を調査するのかご説明すると、おおよそ次の箇所を調査しています。
- 検索順位
- HTMLタグの使い方
- 上位ヒットしたページの文字数
- ドメイン内にある、検索キーワードに関連するページの数
検索順位について
検索順位が上位にあれば、ホームページにSEO対策をしている企業が多くなります。
しっかりしたホームページを制作していても、上位ヒットしていないようであれば、SEO対策の知識が乏しい制作会社に依頼してしまったのでしょう。
HTMLタグの使い方について
HTMLの使い方では、特にtitleタグ、metaディスクリプション、h1タグの使い方を調査します。titleタグやmetaディスクリプションに入っている文言の内容や文字数を調査します。h1タグでは、もちろん文言を見ますが、h1タグが設置されている場所も調査します。
HTMLタグの使い方で、SEO対策のプロに依頼しているのかどうかが、一目で判ります。なぜなら、私自身がSEO対策で絶対に気にする箇所は、他のSEO対策業者でも気にしているからです。
そして、もしプロに依頼していることが分かった場合は、HTMLタグの使い方で、その業者の熟練度が分かります。
文字数とページ数について
上位ヒットしたページと、ドメイン内にある検索キーワードに関連するページの数では、それらが多いページはSEO対策している可能性が高くなります。このページ数とは、もちろんGoogleが認識しているページ数になります。
これらを複合的に確認して、ホームページにどの程度のレベルのSEO対策をしているのか、SEO対策の業者を入れているのかといったことを調査します。
文字数やページ数が少ないのに上位ヒットしているホームページがあれば、ドメインエイジを念のためチェックすることもあります。
このようにSEO対策の難易度を調べ、上位ヒットしている競合ホームページよりも上位ヒットさせられそうか、させられるのであれば、どの程度の難易度なのかを調査します。それによって、SEO対策の費用対効果を、概算にて導き出すことができます。
この概算を調査することで、お客様はリスクを低くしてSEO対策をご発注いただけることになります。
ロングテールSEO(コンテンツSEO)のすすめ
SEO対策をするときには、どのような検索キーワードでSEO対策をするのかを選びます。そのための調査方法として、月間検索回数、検索者インサイト、SEO対策の難易度調査をご説明いたしました。
まとめると、「たくさんの複合キーワードでSEO対策をすると良い」という結論になります。
このようなSEO対策の手法のことを「ロングテールSEO」といいます。ロングテールSEOは、まさしく「数撃ちゃ当たる」をSEO対策に取り入れたようなものです。
ロングテールSEOを行う場合は、「上位ヒットするのかどうかわからないけれども、とにかく検索キーワードに対応したページをとにかく量産すること」です。このような手法を、「コンテンツSEO」といいます。
当社は、コンテンツSEOによるロングテールSEOにて、たくさんの集客支援実績があり、お客様からたいへんご好評をいただいております。
ロングテールSEOによる集客なら、チームコンサルティングIngIngにお任せください。また、「SEO対策のアドバイスだけ欲しい」という企業様にも対応しています。お気軽にご相談ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。