経営理念コンサルティング
企業ビジョンとは?
- 企業ビジョンとは何ですか?
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企業ビジョンとは、会社をあげて実現したい、社会貢献を含めた定量的な目標の未来ビジョンです。基本理念やミッションが実現した姿を段階的に描いたものです。単に「ビジョン」と言われる場合もあります。当社では、最終的な企業ビジョンを「全社目標」と言っています。
ビジョンは「見えること」ですから、明確に描かれた目標でなければなりません。例えば、「地球から公害をなくす」というものです。この例では、地球全体や公害ゼロという、壮大で定量的な目標になっており、全社目標と言えるものです。
企業ビジョンとは?
経営理念には、次の4種類のもので構成されます。
経営理念の中で最上位にある基本理念は、会社の存在目的や価値観が表現された、目標を引き出すための抽象的なものです。
企業ビジョンとは、基本理念から引き出された目標、すなわち将来の会社がどのような状態になっているのかを、ありありとイメージしたものです。「経営ビジョン」とも言われます。
企業ビジョンを作成すると、将来における会社の規模や商品・サービスの構成、どのようなお客様にどのような価値を提供しているのか、社員の処遇はどうなっているのかなどが、将来の企業像がイメージできるようになります。
企業ビジョンを明確化する理由
企業ビジョンが明確になると、達成した姿を予算に落とし込むことができるようになります。会社の規模が想定できれば、そのときの社員数や事業所数が判り、設備費や固定費などの数値が明確になります。これを基にすることで、経営理念に基づいた経営計画や事業計画を作ることができます。
(ここでの予算とは、必要経費のことだけでなく、売上予算なども含まれます。)
企業ビジョンは、段階的にイメージすることもできます。例えば、1年後、5年後、10年後といった具合です。すると、段階的な経営計画や事業計画を作ることができます。
全社目標(Be Hag)
企業ビジョンは、10年までイメージするものとは限りません。10年後よりもっと先の、社運を賭けてぜひとも達成したい企業ビジョンもあります。松下幸之助先生は、250年先まで計画されたことは有名です。
このような会社が最終的に達成させたい企業ビジョンのことを、当社では「全社目標(Be Hag)」と言っています。
全社目標は、20年後や30年後に設定されることが多いですが、そこまで先のことは具体的にイメージすることが難しいので、全社目標を経営計画にまで落とし込むことはしません。
そこで、「いついつまでに、日本一の会社にしなければならない」とか「いついつまでに、このような新技術を開発しなければならない」という具合に、基本理念達成のための足掛かりを設定すると良いでしょう。
企業ビジョンの作り方
ここでは段階的な企業ビジョンの作り方を、簡単にですがご説明いたします。
1. 基本理念が実現された姿をイメージ
まず、基本理念が達成された姿をイメージしてください。その姿が全社目標となります。全社目標が実現できそうなのは何年後なのかをイメージしてください。
もし、それが10年以上後のものであれば、次に10年後や5年後などの、売上高でイメージできる自店の企業ビジョンをありありとイメージしてください。
5年以上の企業ビジョンのことを、長期ビジョンと言います。10年であれば、10年ビジョンという場合もあります。
2. 通過点の企業ビジョンをイメージ
それができたら、次にその中間の通過点で企業ビジョンをイメージします。例えば、長期ビジョンが10年後であればその中間の5年後を、長期ビジョンが30年であれば10年後をイメージします。これを中期ビジョンと言います。
3. その半分と1年後の企業ビジョンをイメージ
そして、またその期間を半分にしたときの企業ビジョンをイメージし、最後に1年後の企業ビジョンをイメージします。それを短期ビジョンと言います。
このように、未来に達成したい全社目標から10年後、5年後、3年後、1年後などの段階的な企業ビジョンを作成します。
企業ビジョンと事業ビジョンとの違い
企業ビジョンは、会社をあげて実現したい、社会貢献を含めた定量的な目標のことと説明いたしましたが、事業ビジョンとは異なるものです。
事業ビジョンとは、当社では「事業における未来ビジョン」と定義しています。企業ビジョンと事業ビジョンの違いの詳細は、コラム「事業ビジョンと企業ビジョンの違いは?」をご覧ください。
事業ビジョンの作り方は、「中小企業における事業ビジョンの作り方」をご覧ください。