ホームページで集客をしたい企業では、その集客方法をネット検索で調べ、SEMという言葉に出会われたことでしょう。
当社では、SEMコンサルティングを15年以上前から提供していますが、その頃は、日本でSEO対策という言葉が知られ始めた頃でした。12年ほど前にSEMという言葉が流行り始めました。
検索エンジンが日進月歩しているため、SEMコンサルティングに要求される知識や能力も、日々向上が要求されます。その結果、当社では経営コンサルティングまで行うようになってしまいました。
このコラムは、「SEMコンサルティングとは、どのようなものか知りたい」という方に向けて、簡単にですがご紹介しています。すでに、SEMのことをご存じの方は、冒頭の「SEMとは?」を読み飛ばしてください。
SEMとは?
そもそもSEMとは何かを解説したいと思います。SEMとは、Search Engine Marketingの略で、日本語では「検索エンジンマーケティング」です。要するに、検索エンジンでネット検索した人を集客する手法のことです。
Webマーケティングはホームページを活用した集客のことですので、SEMはWebマーケティングの一種という位置づけになります。
SEMの種類
SEMを行う場面は、現在では最も検索エンジンシェアのあるGoogleを対象としたものです。広義な意味では、Google地図の検索を対象としたMEOや、Amazon検索やSNSの検索に対するSEMも存在します。
Google検索を対象としたSEMには、主に2種類あります。
- リスティング広告のSEM
- 自然検索でのSEM
リスティング広告とは、検索結果の上下に表示される広告のことです。この広告も、検索エンジンでの集客につながるので、SEMの一種と言えます。
自然検索とは、ネット検索の検索結果に順番に表示されるものです。Googleのアルゴリズムが計算して、どのようなホームページを順番に表示させようか自動で行われています。ここに表示させるために、SEO対策を行うことが、SEMで行うことの一つです。
SEMの施策内容
SEMの施策内容には、検索結果に表示させることと、ホームページにアクセスした後のことの2つを考えます。
検索結果に表示させる
SEMでは、どのような施策を行うのかですが、リスティング広告とSEO対策では、共通することは「どのようなキーワードで表示させたいか」ですが、施策方法が異なります。
リスティング広告では、キーワード、広告のお値段の費用、表示させる文言をどのようなものにするかが施策内容です。表示させる文言は、クリックして購入につながりやすい文言になるように設定します。
SEO対策は、キーワード、表示させる文言を検討しますが、文言を間違うと、狙ったキーワードで上位ヒットしなくなる場合があるので、SEO対策との兼ね合いが大事です。この微妙な兼ね合いが、SEMコンサルタントの腕の見せ所です。
ホームページにアクセスした後
リスティング広告やSEO対策によって、検索結果に自社ホームページを表示させ、ホームページにアクセスしてもらった後に、訪問者にお問い合わせなり購入なりの行動をしてもらえなければ、SEMとしては失敗です。
この行動のことを「コンバージョン(CV)」と言いますが、コンバージョンに至るには、2つの方法があります。
- ランディングページで直接的に集客につなげる
- コンテンツページからランディングページに誘導する
前者は開いたページですぐさまコンバージョンに至るようにします。後者は、ランディングページが検索結果に表示させられない場合に、コンテンツページを量産してロングテールSEOを行い、ランディングページに誘導するものです。
SEMとSEOの違い
念のためですが、SEMはSEOとは若干ことなるものです。SEMは、検索エンジンマーケティングのことでしたが、SEOは検索エンジン最適化で、検索結果の上位にヒットさせる技術のことです。SEMの施策方法の一つとしてSEOが存在しています。
SEMとSEOの違いについては、前出のコラム「SEMとSEOの違い」をご覧ください。
SEMコンサルティングとは?
では、本題のSEMコンサルティングをご説明いたします。すでにお察しの通り、SEMコンサルティングとはネット検索経由で集客するための支援のことです。また、SEMコンサルティングを行う人のことを、SEMコンサルタントと言います。
SEMコンサルティングの内容には、細かく分けるとご支援内容はたくさんあると思います。主な支援内容は、次の4種類です。
- 検索マーケティング分析と企画立案
- 検索結果に表示させるための支援
- コンバージョンを高めるための支援
- ホームページ担当者の養成
検索マーケティング分析と企画立案
検索マーケティング分析では、どのようなキーワードでどれぐらい検索されているのか、検索者インサイト、競合ホームページのSEO対策の強度などを分析します。
検索者インサイトとは、「検索者が何を考えて検索しているのか」です。検索者インサイトの詳細を知りたい方は、SEMによるWeb集客設計では必須の「検索者インサイト」とは?をご覧ください。
検索結果に表示させるための支援
検索結果に表示させるためには、リスティング広告とSEO対策の支援があります。SEO対策では、コンテンツマーケティングによるロングテールSEOの支援が求められることが多くなりました。
コンバージョンを高めるための支援
上でも述べましたが、ランディングページを新規制作したり、既存のランディングページのコンバージョン率(CVR)を高めたりするための支援が主なものです。既存のランディングページを改善することを、ランディングページ最適化(LPO)という場合もあります。
コンテンツマーケティングを行っている場合は、訪問者をコンテンツページから、ランディングページに誘導するための施策を行って、コンバージョン率を高めることもご支援します。
ホームページ担当者の養成
SEMコンサルティングの支援を受けて、「集客ができたら良い」と考える企業様がほとんどですが、ホームページ担当者を養成することで、貴社の発展に欠かすことのできない、ホームページを活用した販売ノウハウの蓄積ができます。
当社が提供するWeb集客コンサルティングには、SEMコンサルティングが含まれており、これらすべてのご支援を行っています。リスティング広告は、やり方のみをお教えするのみにとどめております。
SEMコンサルティングの流れ
当社でのSEMコンサルティングのご支援は、既存ホームページを改修して集客ができるようにする場合、基本的に次の流れで行っています。
- 検索キーワード分析(検索者インサイト分析)
- 競合ホームページ分析
- 自社ホームページ分析
- 検索者ペルソナ分析
- マーケティングの3C分析
- サイト構成設計
- ランディングページのコンテンツ設計
- コンテンツページのテーマ設定
- 既存ホームページのHTML改善
- ランディングページやコンテンツページの制作支援
- 検索順位解析・アクセス解析による継続的改善
- ホームページご担当者様の養成
新規ホームページ制作であれば、ホームページのデザインが入ります。もちろん、お客様のご事情によって、コンサルティング内容をカスタマイズしてご提供しています。
SEMコンサルティングを利用するメリット
SEMの手法は、ホームページ経由での集客では、常套手段と言えます。SEMによる集客は、それなりのノウハウが必要です。
SEMコンサルタントの支援を受けることで、自力によるSEMよりも強力な集客が可能となります。これが最大のメリットです。
また、SEMコンサルタントによっては、ノウハウを公開してくれて、ホームページ担当者を養成してくれる場合もあります。当社でも、育成サービスをご提供しています。
経営は販売することが基本です。その販売のノウハウを蓄積することは、自社の発展にとても大切なことです。ですが、なぜかホームページ集客に関しては、ノウハウの蓄積をせずに、外部支援のみに頼ってしまう企業があります。
ホームページでの集客をお考えであれば、ホームページ担当者を養成してくれるSEMコンサルタントと提携することがポイントです。
当社が提供する、SEMコンサルティング支援のメリットをまとめると、次のようになります。
- ロングテールSEOで、たくさんのキーワードで上位ヒットする
- 効果的なランディングページ制作で、お問い合わせや資料請求の数が飛躍的に増える
- ホームページ担当者にWebマーケティングの知識が身に付く
- SEO対策のノウハウがわかるので、集客ができる担当者に育成できる
SEMコンサルティングで効果が出にくい業種
SEMコンサルティングを依頼したら、すべての企業で効果が発揮されるわけではありません。SEMを強力に行っていない企業であったとしても、SEMコンサルティングで効果が出にくい企業があります。
それは、次のような業種です。
- 日用品などの単価が安い製品の販売
- クリーニングなどの地域密着ビジネス
- 製鉄所などの成熟した業種
- 入札でないと受注できない商品やサービス
- Web集客が飽和している業種
- ブランド品のEC通販
総称すると、お困りごとを解消してくれる企業をネット検索で探さない業種のことです。これらの詳しい説明は、「Web集客コンサルティングで成果が出にくい業種」をご覧ください。
SEMコンサルタントのなり方
最後に、SEMコンサルタントのなり方をご紹介いたします。SEMコンサルタントは、資格がございません。SEMの手法を習得し、「SEMコンサルタントとして自信がある」と思ったら、名乗ることができます。
SEMの手法には、2つの方法があります。1つは自分自身でSEMの研究をして実績を出すことです。もう一つの方法は、SEMで実績のある人から学ぶことです。
前者は、独学でSEMを習得するために時間がかかります。後者では、講座などで学ぶのであれば費用がかかりますが確実です。SEMコンサルティングを行っている業者に就職して、ノウハウを習得する方法もありますが、SEMの部門で仕事ができるかわかりませんし、先輩がきちんと教えてくれるかどうかは、会社の方針や先輩との人間関係によることでしょう。
また、SEMコンサルタントは、できればコンテンツページの文章を作成できた方が良いです。文章作成は外注し、それを改善する方法もありますが、本当に集客ができる文章を作成したいのであれば、もっともマーケティングに精通しているSEMコンサルタントが作成した方が良いからです。
SEMコンサルタントに必要な、もしくはあった方が良いと思われる知識や技術をまとめると、次のようになります。
- コミュニケーション力(提案や文章作成のためのヒアリング)
- 検索ニーズの分析力
- ホームページの知識や制作能力
- SEO対策の能力
- ランディングページやコンテンツページなどの文章作成能力
直近では、ホームページの能力として、構造化データの知識を持っておいた方が良いでしょう。
当社では、SEMコンサルティングの方法を学ぶことができる講座をいくつかご用意しています。初めてSEMについて学ばれる方は、「SEO対策技術研修(基礎編)」をおすすめしています。
以上、SEMコンサルティングの全体像について、述べてきました。SEMコンサルティングで、ホームページの集客力を高めたい企業様は、15年以上の実績のある当社に、ぜひお任せください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。