社長の夢実現への道

コーチングで使う質問の種類

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コーチングで使う質問の種類

コーチングとは、傾聴・承認・質問などのスキルを活用して、クライアントを自発的に目標達成や問題解決に導くための技術です。ビジネスコーチングは、経営者を対象としたコーチングです。

このコラムでは、これからコーチングを学んで、スキルを習得したいと思われる方向けに、コーチが用いる質問の種類をご紹介いたします。

クローズド・クエスチョン/クローズド・クエスチョン

コーチングの質問には、大きく2つの分類があります。

  1. クローズド・クエスチョン
  2. オープン・クエスチョン

クローズド・クエスチョンとは?

クローズド・クエスチョンとは、Yes/Noで答える質問のことです。例えば、次のような質問です。すべてYesかNoで返答することになります。

  • 朝ごはんは食べましたか?
  • 今日は、出かける予定はありますか?
  • カレーはお好きですか?

コーチングでは、オウム返しや確認、決意を念押しするときに、クローズド・クエスチョンを用います。

オウム返しのクローズド・クエスチョン

オウム返しとは、相手が話した言葉をそのままクローズド・クエスチョンにして返答する、傾聴のスキルの一種です。

例えば、相手が「今日の仕事は主要得意先の訪問です。」と話したら、「今日の仕事は主要得意先の訪問ですね?」とそのまま返答したり、略して「主要得意先の訪問なんですね?」と返答することです。

オウム返しをすると、相手は「そうです」と、Yesで返答してくれます。

オウム返しをされた相手は、「話をきちんと聴いてくれている」と思ってくれます。会話の中でオウム返しを多用すると、相手は話しやすくなります。

バックトラッキングとリフレイン

「オウム返し」という言葉は、相手の発した言葉を機械的に返しているだけでも、オウム返しになります。きちんと聴いている状態のオウム返しは、機械的に返しているオウム返しよりも、レベルの高いものです。機械的なオウム返しは、コーチングでは用いられるべきではありません。

最近ではオウム返しのレベルの違いを表現するために、「オウム返し」という言葉を用いず、バックトラッキングリフレインという言葉が用いられることがあります。

当社のコーチング入門講座、コーチング基礎講座、GROWモデル講座では、説明を簡単にして覚えやすくするために「オウム返し」と言って教えていますが、ビジネスコーチ養成講座では「リフレイン」を持ち出して、オウム返しとのレベルの違いを説明するようにしています。

決意を念押しするためのクローズド・クエスチョン

決意を念押しするためのクローズド・クエスチョンとは、相手が目標達成に向けて実行する決意をするとき、相手に対して「それを必ずやるということで、良いですね?」と問うて、決意を念押しする質問です。

例えば、相手が「明日は必ずお客様のところに訪問します。」と言ったら、その決意を念押しするために、「明日は必ずお客様のところに行くということで、良いですか?」と念押しをします。すると相手は、「はい」と答え、実行のための決意が固まります。

オープン・クエスチョンとは?

オープン・クエスチョンとは、Yes/No以外の自由な返答ができる質問のことです。例えば、上記のクローズド・クエスチョンをオープン・クエスチョンに変換してみましょう。

  • 朝ごはんは、何を食べましたか?
  • 今日は、どこに出かける予定ですか?
  • どのような種類のカレーがお好きですか?

これらの質問には、相手の事情に応じて自由に答えることができます。1つ目の質問であれば、Yes/Noではなく、「魚を食べました」や「目玉焼きとパンでした」という具合です。

これらの質問のように、オープン・クエスチョンは5W1Hの質問です。コーチングで繰り出す質問は、ほとんどがオープン・クエスチョンです。

オープン・クエスチョンには、1.チャンクアップ、2.チャンクダウン、3.スライドアウトの3種類あります。

チャンクアップ/チャンクダウン/スライドアウト

コーチングで使用するオープン・クエスチョンには、次の3つの質問の仕方があります。

  1. チャンクアップ
  2. チャンクダウン
  3. スライドアウト

チャンクとは、「かたまり」という意味だそうです。それぞれの意味をご説明いたします。

チャンクアップとは?

チャンクアップは、「なぜ?」の質問です。トヨタ生産方式の「5回のなぜ」もチャンクアップです。「なぜ?」と質問することで、抽象化された上位概念の理由を導き出すことができます。

チャンクアップの質問例は、次のようなものです。

  • なぜ運動をされているのですか?
  • なぜ今の仕事を選んだのですか?

1つ目の質問であれば、「体力を維持したいから」といった返答例があります。コーチングでは、返答にチャンクアップを繰り返して行うことがあります。

チャンクアップの質問例と返答例

Q なぜ運動をされているのですか?

A 体力を維持したいからです。

Q なぜ体力を維持したいのですか?

A 仕事のパフォーマンスを高めたいからです。

Q なぜ仕事のパフォーマンスを高めたいのですか?

A お客様に貢献したいからです。

Q なぜお客様に貢献したいのですか?

A 社会が豊かになるからです。

このようにチャンクアップしていくと、運動をすることで、社会が豊かになることにつながります。運動から社会貢献ですから、かなり抽象化された例になります。

「なぜ」を連呼する場合は、オウム返しを使って和らげる

「なぜ」の質問を繰り返すと、相手は責められているように感じて、返答がしにくくなります。

「なぜ」を和らげて抵抗なく返答ができるようにするために、オウム返しを使って「なぜ」を出すと良いでしょう。先ほどの質問に、オウム返しを入れた例に変更すると、次のようになります。

Q なぜ運動をされているのですか?

A 体力を維持したいからです。

Q 体力を維持したいのですね。それはなぜですか?

A 仕事のパフォーマンスを高めたいからです。

Q 仕事のパフォーマンスを高めたいのですね。それはなぜですか?

A お客様に貢献したいからです。

Q お客様に貢献したいのですね。それはなぜですか?

A 社会が豊かになるからです。

いかがでしょうか。オウム返しの後に「なぜ」を質問すると、チャンクアップが少し和らいでみえませんか?

Whatを使ったチャンクアップ

チャンクアップは、What(なに)を用いてもできます。Whatを用いたチャンクアップの質問例をご紹介します。

  • 運動をされる理由は何ですか?
  • 今の仕事を選んだ理由は何ですか?

このように理由を尋ねるとチャンクアップになります。

チャンクダウンとは?

チャンクダウンとは、抽象化された言葉や、意味があいまいな言葉を明確化するための質問です。例えば、次のような質問です。

  • どのような運動をしているのですか?
  • 何の仕事をされているのですか?

1つ目の質問では、「ランニングをしています」という具合に、「運動」という抽象的なことを、明確化しています。

チャンクダウンの質問例と返答例

Q 何の運動をしているのですか?

A ランニングをしています。

Q どれぐらい走るのですか?

A ペースはゆっくりですが、5kmほど走ります。

Q いつ走っているのですか?

A 朝食の前です。

Q どこを走っているのですか?

A 近所の河原を走っています。

この質問例では、運動の内容が明確化されていることがわかります。

このように、チャンクダウンでは、What(なに)、When(いつ)、Who(だれ)、Where(どこ)、Which(どれ)、How(どのように)、How many(どれくらい)などを用いて質問し、明確化していきます。

チャンクアップした後のチャンクダウン

チャンクアップの質問例では、相手に「運動をしている理由」を聞いていくと、「社会が豊かになること」を考えての運動に到達しました。

もし、チャンクアップせずにチャンクダウンの質問をしても、クライアントの運動に対する返答は、単に運動を具体的に聞かれるだけなので、面倒がられるかもしれません。

ところが、チャンクアップされた後だと、仕事のパフォーマンスが高まり、社会が豊かになるための運動についてなら、かなり高いモチベーションで返答してくれることでしょう。

また、運動以外の仕事のパフォーマンスを高める方法や、お客様に貢献すること以外の社会が豊かになる方法まで、質問を発展させられます。そうすると、相手はすることを会話を喜んでくれます。

言葉の意味を明確化するチャンクダウン

会話の中で、言葉の意味が不明確なものがあります。それを明確化するときに、チャンクダウンは有効です。

例えば、上司が部下に対して「この仕事はいつまでにやるのか?」と質問したとしましょう。すると部下が「すぐにやります」と返答したとしましょう。ここで、「すぐ」とはいつのことでしょうか?

上司からすると、「すぐ」とはただちに行うことを考えているかもしれません。部下にとっては、顧客訪問に行った後に取り掛かることかもしれません。この言葉の意味のズレが、コミュニケーション不足を招き、仕事の連携が乱されたり人間関係の不調和が起こったりする原因になりかねません。

そこで、「『すぐ』とは、いつのことか?」と質問して明確化すると良いでしょう。すると部下は、「お客様訪問後に行います。」という具合に明確化され、上司が部下のスケジュールを明確に把握することができます。

スライドアウトとは?

スライドアウトとは、「他にありますか?」という質問です。相手がいくつかの選択肢を答えているときに、「他にありますか?」という質問をすることです。例えば、次のような質問です。

  • 他に解決策はありますか?
  • 他に必要なものはありますか?

チャンクアップの質問例で、運動の理由を聞いたときに、「体力を維持したいから」との返答でした。ここでスライドアウトの質問「他にありますか?」を出したら、「気分転換をしたいから」と返答する可能性もあります。

すると、運動をする理由は、体力の維持と気分転換の2つが理由ということになります。さらにスライドアウトをすると、他にも理由が出てくるかもしれません。

スライドアウトとチャンクアップの組み合わせ

チャンクアップの質問例では、体力を維持する理由は「仕事のパフォーマンスを高めること」でした。スライドアウトの返答にあった「気分転換をしたいから」という理由をチャンクアップで尋ねると、「仕事のストレスを解消したいから」という、異なる返答があるかもしれません。

仕事のストレスをテーマに、さらにチャンクアップしていくと、社内の人間関係のことなど、仕事のパフォーマンスが下がっている別の理由が見えてくることがあります。

このようにして、スライドアウトとチャンクアップを組み合わせて質問すると、さまざまな問題や課題が見えてきます。それらを要約してあげたら、相手の悩みやモヤッモヤが整理されてすっきりします。

クライアントが答えやすくなる質問のコツ

コーチングでは、質問を繰り出しますが、コーチから質問攻めにされたら攻められているようで、答えづらいこともあります。クライアントの可能性を引き出すためにも、コーチは、クライアントが答えやすいように質問をしていくことが大切です。

クライアントが答えやすくなる質問のコツは、次の2つが基本です。

  • ラポールを保つこと
  • 相手の話を興味深く傾聴すること

ラポールとは、「心が通いあった状態」の意味で、相手と自分の心の間に信頼関係を築くことです。

これらのコツは、質問とは関係ないと思われたかもしれませんが、コーチングの基本中の基本です。クライアントが質問に答えやすくなるためには、ラポールを築いて保つことが基本です。そして、相手の言葉を傾聴することです。

「なぜ」のところで、オウム返しを使うことで、責められているように感じることを和らげることを、ご説明しました。このオウム返しも、ラポールを築いて保つための傾聴の技の一つです。

コーチングの勉強を始めたばかりの方は、コーチングの練習をするときに、この2つのコツを意識してください。また、コーチングをしっかり習得したい方は、コーチング基礎講座を何度も受けて、身体に覚えさせるとスキル習得が早くなります。

コーチング講座のご案内

当社では、ビジネスコーチを目指されている方や、人材育成にコーチングを導入されたい企業様向けに、コーチング講座を行っています。コーチング講座には、レベルに応じて次の講座をご用意しています。

  • コーチング入門講座
  • コーチング基礎講座
    • コーチング基礎講座
    • GROWモデル講座
  • ビジネスコーチ養成講座
    • コーチングスキル編
    • 経営の基礎知識編
    • フレームワーク編
    • 経営計画編
  • 経営理念コンサルタント養成講座

コーチング講座については、ビジネスコーチ養成講座をご覧ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジン・マーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツ・マーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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