SEO対策の手法の一つ、ロングテールSEOについて、わかりやすく解説いたします。
ロングテールSEOを正しく行うと、旧来のSEO対策よりもかなり費用対効果を高めることができます。当社のクライアント企業様の多くは、ロングテールSEOを導入されて魅力に感じ、長く施策を続けてくださっています。
それでは、次の目次に沿って、ロングテールSEOを解説していきます。長文になりますが、どうぞお付き合いください。
ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOとは、簡単に述べると、たくさんのロングテールキーワードでSEO対策を行うことです。
ロングテールキーワードとは?
では、ロングテールキーワードとは何でしょうか?
ロングテールキーワードの文字を分解すると、「ロングテール」と「キーワード」に分けられます。ロングテールとは、恐竜の長いしっぽのことです。キーワードとは、検索キーワードのことです。
次の図は、「物流」という単一のキーワードや、「物流」を含む複合キーワードを、検索されている回数で順番に並べ、回数を縦軸にグラフ化したものです。1番多く検索されるものは、もちろん単ワードの「物流」です。2番目が「物流 英語」という複合ワードです。3番目が「物流業界」という複合ワードです。
このように、棒グラフの形状が恐竜(竜脚形類)のしっぽと同じような形になるため、恐竜のしっぽに位置する、検索回数の少ない複合キーワードのことを「ロングテールキーワード」と呼んでいます。略して「テールワード」といわれたり、ニッチなキーワードですので「ニッチキーワード」といわれることもあります。
ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOとは、単一のキーワードではなく、たくさんの種類のロングテールキーワードで上位ヒットを狙う手法です。当社では、通常100種類以上(多くて500種類程度)のキーワードで上位化を狙います。
このような検索回数(検索ボリューム)の少ないキーワードでSEO対策をするため、企画提案した企業様から「何の意味があるのか?」と思われることもあります。
以下、ロングテールSEOのメリット、ロングテールSEOを導入したらお得な企業、ロングテールSEOのやり方、デメリットなどをご紹介いたします。
ロングテールキーワードでのSEO対策は上位ヒットしやすく効果が出やすい
ここで、「検索回数の多い単ワードで上位ヒットさせた方が、アクセス数を増やせるのではないか」と思われた人もいることでしょう。しかし、どのようなキーワードであったとしても、上位ヒットさせることができなければ、ホームページのアクセス数を増やすことはできません。
例えば、3PL(サード パーティ ロジスティクス)を行っている中小の物流会社があったとします。その会社では、3PLの顧客数を増やすために、ホームページを制作し、SEO対策を検討していたとします。
その場合、「3PL」の単ワードで検索をしたときに、自社ホームページを検索結果の上位に表示させたいと思われることでしょう。しかし、上位には大手物流企業や情報サイトがひしめき合っているので、上位ヒットさせることはとても難しいと思います。
そこで、ロングテールキーワードでのSEO対策です。「3PL 導入事例」や「3PL 流通加工」といったロングテールキーワードであれば、大手物流企業が上位ヒットを狙っていない場合が多いので、中小の物流会社であったとしても、上位ヒットを狙うことができる可能性が高まります。
また、どの業者もSEO対策を行っていないキーワードを発見した場合には、条件によっては1~2週間ほどという短期間で上位ヒットさせることも可能です。
難易度の高い単ワードでの上位ヒットを狙い、いつ上位化できるか判らないままSEO対策を続けるよりも、ロングテールキーワードでのSEO対策の方が、手軽で確実にアクセス数を伸ばすことができます。SEO対策の投資対効果(ROI)も高まります。
ロングテールキーワードの検索ボリュームとCTR
ロングテールキーワードの検索ボリュームとCTRの関係をご説明いたします。
検索ボリュームとCTRの用語解説
まず、検索ボリュームとCTRの用語を解説いたします。すでに知っている方は、読み飛ばしてください。
検索ボリュームとは?
検索ボリュームとは、一定期間内の検索回数のことです。
期間は月が多く、月間検索回数ともいわれ、その月間検索回数で、検索回数の多さを判断することがほとんどです。
「物流」を例にすると、「物流」という単ワードの検索ボリュームがもっとも多いことは、容易に理解できます。実際に月間数万回検索されています。2番目に多いものは、「物流 英語」です。これは月間数千回検索されています。
こういった検索ボリュームの多いキーワードで上位ヒットすると、ホームページのアクセス数が増えるため、お問い合わせや注文の回数も相対的に増える可能性があります。
CTRとは?
また、CTRとは「クリックスルーレート」の略で、ネット検索されてクリックされてホームページが閲覧される割合のことです。検索回数とクリック回数の割り算で算出されます。
ネット検索すると、検索結果に表示されたホームページのリストの中から、どれかをクリックして、ホームページを見ます。その見られる割合のことです。検索ボリュームが100回で、5回クリックされたら、CTRは5%です。
もちろん、検索結果の1位に表示されたホームページは、CTRが高くなります。順位が落ちてくると、CTRが下がってきます。
ロングテールキーワードの検索ボリューム
では、ロングテールキーワードの検索ボリュームはどうでしょうか。
「物流倉庫」のロングテールキーワードの検索ボリューム例
例えば、「物流倉庫 委託」といったロングテールキーワードであれば、検索ボリュームは「物流倉庫」と比べて、グッと減ります。
Googleキーワードプランナーで月間検索回数を調査したところ、「物流倉庫 委託」が月間20回、「物流倉庫」が月間4,400回という検索回数でした。(2022年8月に調査)
ここで、「月間20回のキーワードで上位ヒットさせて、集客できるのか?」と、疑問が浮かんだ方もいらっしゃると思います。
確かに、そのロングテールキーワードを1つだけ上位ヒットさせても効果は薄いです。しかし、100種類ものロングテールキーワードを上位ヒットさせられたらいかがでしょうか。
単ワードの検索ボリュームは多いように思われますが、実際のところ、ロングテールキーワードの検索ボリュームをすべて足したものの方が、圧倒的に多くなります。これは、「パレートの法則」にも似た現象です。実際に、ユーザは単ワードよりも、ロングテールキーワードで検索する方が多いのです。
これは、検索エンジンを利用するユーザは、単ワードで検索するよりもロングテールキーワードで検索した方が、自分が知りたい情報が見つかりやすいことを知っているためです。検索エンジンユーザの検索スキルがアップしているためです。
ロングテールキーワードでのSEO対策は、単ワードとくらべて容易に行えること。ロングテールキーワードの検索ボリュームを合計したら、単ワードの検索ボリュームよりも圧倒的に多いことを考慮すると、単ワードでのSEO対策よりも、ロングテールキーワードでのSEO対策の方が有利です。
ロングテール検索はCTRが高くなる
単ワードで検索する場合と、ロングテールキーワードで検索する場合とでは、検索順位におけるCTRの傾向が異なります。
単ワードの場合は、1位から3位ぐらいまではCTRが高いのですが、それ以下はほとんどクリックされなくなる傾向があります。調べ毎をしていて、1位にヒットしたホームページを見たら事足りることが多いからです。
ロングテールキーワードで検索する人の場合は、入念に調べていることが多いので、5位や6位などの下位にヒットしたホームページも見られる頻度が高まる傾向があります。
ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないものの、たくさんのキーワードで上位ヒットさせることができると、単ワードよりも検索回数が多くなること。また、ロングテールキーワードはCTRが高くなる傾向があることから、単ワードでのSEO対策よりも、ロングテールSEOの方が、ホームページのアクセス数を増やすことができます。
ロングテールキーワードのコンバージョン率(CVR)
コンバージョン率とは?
次に、「コンバージョン率(CVR)」という聞きなれない言葉をご説明いたします。コンバージョンを日本語にすると、「変換」や「転換」といった意味になります。コンバージョン率とは、ホームページに訪れた人が、お問い合わせや商品の購入につながった率のことです。
コンバージョン率は、高くても2~3%で、通常は0.3~0.5%で計算します。ランディングページを制作するなど、ホームページの作り方を工夫したら、コンバージョン率を高めることができます。
ロングテールSEOとコンバージョン率の関連性
SEM(検索エンジンマーケティング)を行う場合、単ワードでのアクセスよりも、ロングテールキーワードでのアクセスの方が、圧倒的にコンバージョン率が高くなります。
例えば、3PLをどこかの物流企業に依頼したいと思っている百貨店があったとします。その物流責任者がネット検索で物流企業を探しているとしたら、「3PL」というキーワードで検索するでしょうか。おそらく、「3PL 業務委託 東京」という具合に、ロングテールキーワードで検索することでしょう。
反対に、「3PL」という単ワードで検索する人は、多くの人は「3PLとは何だろう?」と興味で調べる人が増えてきます。興味で調べている人から受注につながることは、ごく稀です。
もし、ランディングページを制作してロングテールSEOに成功したら、さらにコンバージョン率を高めることができることでしょう。
ロングテールキーワードの探し方
ロングテールキーワードの探し方は、主に2種類あります。1つ目は検索エンジンのサジェストを用いて探す方法、2つ目はキーワード連想して探す方法です。これらを組み合わせて、ロングテールキーワードを探します。
サジェストを用いて探す
検索エンジンGoogleを開くと、検索キーワードを入力する枠が表示されます。そこに何らかのキーワードを入力すると、そのキーワードに関連する候補キーワードが表示されます。このキーワードを、ロングテールキーワードを探すのに用いることができます。
Googleサジェストは、よく検索されているキーワードが順番に並んで表示される仕組みになっています。つまり、よく検索されているロングテールキーワードを探すのに用いることがでいるのです。
キーワードを連想して探す
あまりにも検索回数が少ないのですが、検索されていると予想されるロングテールキーワードもあります。そういったキーワードは、サジェストに表示されたキーワードをリスト化して、そこから新しくロングテールキーワードを連想して作成します。
例えば、サジェストから「検索キーワード『エプロン 赤』で検索している人が多い」という傾向をつかんだとしましょう。すると、赤色だけでなく、黒色や白色など、いろいろな色のエプロンを探している人がいることが連想できます。そのようにして、ロングテールキーワードを探すことができます。
当社がSEMコンサルティングでご支援させていただくときには、最低でも300種類以上、多いときには800種類以上のロングテールキーワードを調べるようにしています。その程度調べることで、検索ニーズがどこにあるのかの傾向をつかむことができます。
ロングテールSEOのメリットまとめ
ロングテールSEOを行うと、次のようなメリットがあります。
- さまざまなキーワードで上位ヒットをさせることができます。
- 個々のロングテールキーワードのSEO対策は、単ワードでのSEO対策よりも上位化のための難易度が低いです。
- そのため、単ワードでのSEO対策よりもロングテールSEOの方がコストを抑えることができます。
- どの業者もSEO対策を行っていないキーワードを発見した場合には、条件によっては1~2週間ほどという短期間で上位ヒットさせることも可能です。
- ロングテールキーワードでのアクセスは、コンバージョン率が高い傾向があるため、お問い合わせや注文に結び付きやすいです。
- ランディングページを制作し、ロングテールSEOに成功すると、複合的にコンバージョン率を高められることが期待できます。
この他にも、会社を発展させられる可能性にもつながる重要なメリットもあるのですが、ノウハウの提供はここまでにしておきたいと思います。
ロングテールSEOを導入すると集客に効果的な企業
ロングテールSEOは、多くの企業で集客に貢献しますが、特に集客が困難な企業でも効果が発揮できる可能性があることが、ロングテールSEOの魅力です。
認知度の低い技術や製品・サービスをPR
世間にあまり知られていない認知度の低い技術や製品、サービスは、そのネーミングで直接検索する人は少ないはずです。あまり知られていないものを、どのように認知度を高めるのか、多くの企業で苦労されていることでしょう。
一般的にはどのようにPRしているのか?
今まで、認知度の低い技術や製品、サービスを訴求したいとお考えの企業様から、さまざまなご相談を受けてきました。
その中で多かったことは、展示会とブランディングでした。
展示会への参加は、否定はしませんが、PRが下手な企業様は、展示会ブースの前を歩く人への声かけすらできていなくて、せっかく作成したカタログの大半を余らせていました。
ブランディングを行った企業様では、ブランディングと称してロゴマークを制作したり、注目を集めそうなカタログを制作したりしていましたが、ブランディングの意味すら解っておられませんでした。
認知度の低い技術や製品・サービスのPRはロングテールSEOが効果的
展示会やブランディングよりも圧倒的に費用対効果の高いPR方法として、ロングテールSEOがあります。
認知度が低いものは、その名称では検索してもらえませんので、それらが持っている機能に着目することで、ロングテールSEOで集客することができます。
例えば、金属や樹脂などの板を切断するコンターマシンをネットでPRしようとします。すると、(業界人であればそのような人は少ないですが)「コンターマシン」というネーミングを知らない人がいたら、ネット検索では、「金属板 切断 機械」といった、コンターマシンの機能的なキーワードでネット検索することが多いことでしょう。
そのような機能に関するキーワードや、人々の悩み事に関するキーワードをいくつもピックアップし、それらでロングテールSEOを行うと効果的です。
他にも同様の手法で、大手企業のシェアが90%を占めているような業界であったとしても、ロングテールSEOでパイの拡大をしつつ、大手企業のシェアを少しずつ奪っていくことが可能になる場合があります。
B2BのECサイト
B2BのECサイトでは、プロを相手に部品や道工具を販売しているホームページです。販売している商品にニッチなものが多く、販売している商品の単価が高いことや、商品点数も数百点以上あるところが多いと思います。そういったところであれば、ロングテールSEOを考慮していなくても、そのようになっている可能性があります。
ただし、同業の競合他社であれば、同程度の規模のECサイトはすぐに制作可能なので、参入障壁が低いことが問題です。「儲かる」と知られた瞬間に競合が市場を荒しにくることは明白です。
そこで、SEOコンテンツマーケティングとホームページ解析・改善を組み合わせて、競合他社のECサイトの追従を許さないぐらいの規模に仕上げていくことが望ましいです。
地域密着型の高付加価値商品
地域密着型の高付加価値商品は、価格の高い商品のことで、例えばリフォームとか土地の販売などがあります。東京のお店が、大阪まで行って営業することは稀ということで、地域密着です。この場合は、市区町村名や地域名、駅名などと組み合わせて、ロングテールSEOを行います。
過去の事例として、家庭の水漏れ修理業者様にてロングテールSEOを行ったところ、集客に成功し喜ばれたことがありました。家庭の水漏れ修理業者は、テレビCMやネット広告、冷蔵庫に磁石で貼り付ける広告などで目立っているようですが、ロングテールSEOは穴場のように思います。
B2CのECサイト
B2CのECサイトでは、ロングテールSEOを行うことができる程度の商品群があれば、集客の効果が期待できます。何を販売しているかにもよりますが、競合となるECサイトが少なく、単価が数千円以上のある程度高いもので、商品点数が100点以上のものなら、ロングテールSEOをテスト的にでも始めるべきだと考えます。
もし、大手モールで似た商品が販売されているようであれば、ロングテールSEOを始める前に、商品の付加価値を高め、参入障壁を高めることから行うべきです。
B2CのECサイトで、商品点数が数点以下の単品販売に近いぐらいの商品点数で勝負する場合は、「世間にあまり知られていない技術や製品をPR」と同じ方法で集客が可能ですが、商品価格が低いため費用対効果が悪くなります。
他にもロングテールSEOで成果が出せる可能性の高い商品やサービスはたくさんあります。
ロングテールSEOの方法
ロングテールSEOとは、このような、たくさんの種類のロングテールキーワードで上位ヒットさせる施策のことです。
当社が普段から行っているロングテールSEO方法の流れをご紹介します。
当社のロングテールSEOの考え方は、「たくさんの検索キーワードで上位ヒットさせること」がゴールではありません。「ホームページ経由で集客できること」です。ですので、他社のロングテールSEOとは方法が異なると思います。
もしかしたら、他にもロングテールSEOの方法があるかもしれませんが、今のところ次の流れで行う方法が、SEMによる集客においてもっとも有効だと思われます。
- マーケティングの3C分析
- 検索キーワード分析
- 競合ホームページン分析
- 新規ホームページ制作/既存ホームページのSEO改善(テクニカルSEO)
- SEOコンテンツマーケティング
- 継続的なホームページ解析・改善
それぞれを簡単にご説明いたします。
1. マーケティングの3C分析
もし、ランディングページを新規制作してロングテールSEOを行いたい場合には、まず、ホームページをどうするかをや、検索キーワード分析する前に、自社を取り巻く市場を分析します。
そのために有効な手法が「マーケティングの3C分析」です。
マーケティングの3C分析とは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)のそれぞれの価値を分析し、ブルーオーシャンを探し出すことです。
マーケティングの3C分析は、2種類行います。1つ目は企業、商品・サービスの分析、2つ目はSEMの分析です。2回目の分析は、検索キーワード分析を行った後に実施します。
企業、商品・サービスの分析
顧客とは、自社が想定する顧客のことです。場合によっては、ペルソナマーケティングから行うこともあります。顧客は何らかの要望を持っていて、それを満たしてくれる企業を探しています。そのため、3C分析では顧客が求める価値を徹底的に洗い出します。
次に、自社や自社の商品・サービスが与えられる価値を考えます。それをすべて洗い出します。顧客が求める価値と、自社が与えられる価値の合致するところで、ソリューション提供を行い、商売が成立します。
競合分析では、競合他社を想定し、それらの企業や競合商品・競合サービスが与えられる価値を洗い出します。
最後に、顧客が求めていて、競合他社が与えられず、自社のみ与えられる価値を発見します。それがブルーオーシャンです。
ブルーオーシャンをランディングページで訴求することで、ランディングページの集客力が飛躍的に上昇します。
場合によっては商品・サービスの改善を実施
ロングテールSEOで集客ができるようになるためには、商品やサービスの何等かが競合他社に勝っていること、商品やサービスの見せ方が、顧客が求めているものに合致していることが大事です。
もし、競合他社よりも劣っている場合、顧客が求めているものに合致していない場合は、その改善から入ります。
このようなアドバイスができるホームページ屋さんは限りなく少ないものです。当社はコンサルティング会社ですので、ロングテールSEOといった虫の目だけでなく、事業経営全体を鳥瞰して集客をアドバスしています。
2. 検索キーワード分析
顧客が想定され、ブルーオーシャンが分かったら、次に、その顧客がブルーオーシャンを求めて、どのようなキーワードで検索するかを考えます。できれば、考えられるすべてのキーワードを洗い出します。
当社では、そのキーワードをExcelでまとめ、月間検索回数と現在の検索順位を記載するようにしています。
その検索キーワードの中から、「どのキーワードで上位ヒットさせたら集客につながりそうか?」を考え、合致する検索キーワードをすべてピックアップします。
選ばれる基準は、次の通りです。
- 自社ホームページが上位ヒットしたときに集客できるほどの月間検索回数か?
- 検索者インサイトからして、集客ができそうか?
月間検索回数
自社ホームページが上位ヒットしても、月間検索回数が少なければ、SEO対策の費用対抗が悪くなるため、ある程度検索回数のある検索キーワードを選びます。
ここで、ロングテールSEOでは、月間検索回数が多過ぎるものは除外するように考える場合もありますが、当社ではピックアップするようにしています。なぜなら、上位ヒットできる可能性があるからです。
検索者インサイト
検索者インサイトとは、「検索者がどのような気持ちで検索しているかを考えること」です。その考えによって、集客に結び付きそうな検索キーワードか、それとも反対にまったく無縁となりそうな検索キーワードなのかを考え、次の3種類に分類します。
- 無縁キーワード(C)
- 直接キーワード(A)
- 間接キーワード(B)
すると、どのような検索キーワードで上位ヒットを狙うかを検討しやすくなります。検索者インサイトの詳細を知りたい方は、SEMによるWeb集客設計では必須の「検索者インサイト」とは?をご覧ください。
無縁キーワードと無縁顧客
無縁キーワードは、上位ヒットさせられても集客に結び付かない検索キーワードのことです。
例えば、検索キーワードで、用語をしらべるような「とは?」とか「意味」を含む検索キーワードですと、上位ヒットしても集客には結びつけられません。
このような検索キーワードのことを、当社では「無縁キーワード」と呼んでいます。無縁キーワードで検索する人のことを、「無縁顧客」と呼んでいます。
直接キーワードと直接顧客
集客に直接結びつけられる検索キーワードは、「業者」や「依頼」などを含む検索キーワードです。このような検索キーワードでは、業者を探していることが明らかなので、上位ヒットすると、直接的に集客できます。
このような検索キーワードのことを、当社では「直接キーワード」と呼んでいます。また、直接キーワードで検索する人のことを、「直接顧客」と呼んでいます。
直接顧客は、ランディングページで集客することが効果的です。
間接キーワードと間接顧客
無縁キーワードと直接キーワードの中間の検索キーワードもあるはずです。
そのような検索キーワードのことを、当社では「間接キーワード」と呼んでいます。また、間接キーワードで検索する人のことを「間接顧客」と呼んでいます。
間接キーワードの例は、「方法」や「やり方」などを含む検索キーワードです。この検索キーワードで検索する人の検索者インサイトを考えると、「方法ややり方はどのようなものか?」と考えて検索しています。
もし、方法ややり方を調べて、「私にはムリだ」とか「業者に頼みたい」と思ったら、その記事を書いた企業に相談する可能性があります。そのように、間接的に集客に結び付く可能性があります。
次の図のように、直接顧客はランディングページに訪問してもらえるように施策し、間接顧客はコンテンツページに訪問してもらえるようにします。間接顧客は、コンテンツページに張られたリンクをたどってランディングページを見てもらえるように訴求する流れが、集客に効果的です。
さて、検索キーワードをすべてリストアップできたら、直接キーワードをA、間接キーワードをB、無縁キーワードをCとして、それらのキーワードをABC分類します。
施策内容としては、裏技もありますが、基本的には直接キーワードは、ランディングページを上位ヒットさせるようにSEO対策し、間接キーワードは、ロングテールSEOを行って上位ヒットさせます。
3. 競合ホームページ分析
上位ヒットさせたい検索キーワードがピックアップできたら、次に、それらの検索キーワードで上位ヒットできるかどうか、競合ホームページを分析します。
競合ホームページとは、自社に対する競合他社のホームページではありません。上位ヒットさせたい検索キーワードで上位ヒットしてくるホームページのことです。場合によっては、WikipediaやAmazonといった強力なホームページが競合ホームページになることもあります。
上位ヒットできるかの判断は、さまざまな要因があります。
競合ホームページのSEO対策の強さもありますし、施策を続けていたらいずれ上位ヒットできる検索キーワードでも、トップマネジメントの要望で「すぐに上位ヒットさせたい。そうでなければ、SEO対策しなくて良い」ということもあります。
SEO対策を強力に行えば、どのようなホームページにも勝てると思いますが、予算との兼ね合いや、投資対効果の兼ね合いもあります。
そのようなことを考えながら、本当に上位ヒットさせる検索キーワードを選別し、自社ホームページをどの程度の強度で、どの程度のスピード感でSEO対策していったら良いかを分析し、投資対効果を算出し、施策の実施スケジュールを決定します。
4. 新規ホームページ制作/既存ホームページのSEO改善(テクニカルSEO)
4番目の手順では、ホームページを新しく制作する場合と、既存ホームページをSEO改善する場合があります。
ここで行うSEO対策の手法を、テクニカルSEOと言います。テクニカルSEOを行うことで、ホームページ全体を上位ヒットしやすい体質になります。
ホームページを新しく制作する場合
新規でホームページを制作する場合は、HTMLタグの入れ方でSEO対策をガチガチに行います。WordPressを使用する場合のテーマの制作も同様です。
市販されているWordPressテーマの場合は、そのテーマを直接改善、もしくは子テーマで改善をしてアップロードします。
WordPressのテーマを改善する場合は、SEO対策やWordPressを操作する知識だけでなく、PHPの知識も必要となります。
既存ホームページをSEO改善する場合
既存ホームページをSEO改善する場合は、デザインの見た目を変えずに、HTMLタグを改善したり、ホームページの表示速度を改善したりしします。
また、重要ページをロングテールSEOするために、文章を追加し、さまざまなキーワードが盛り込まれるようにします。場合によっては、重要ページをランディングページ化することもあります。
また、ロングテールSEOだけでなく、基本キーワードでも上位ヒットさせたい場合は、ランディングページの下層ページを量産して、ランディングページの浮上力を増すように施策します。
WordPressの場合は、新規ホームページ制作と同様にテーマのHTMLタグを改善し、余計なJavaScriptを削除したりします。
5. 継続的なSEOコンテンツマーケティング
SEOコンテンツマーケティングとは、上位ヒットさせたいロングテールキーワードに対応したページを継続的に量産して、たくさんの検索キーワードで上位ヒットさせて集客をする手法のことです。量産するページ、もしくは量産されたページのことをコンテンツページといいます。そして、SEOコンテンツマーケティングによるSEO対策の手法のことを、コンテンツSEOと言います。
SEOコンテンツマーケティングをすると、「急激に顧客数が増えてしまい、会社が回らなくなる」とご心配される方もいますが、ご安心ください。ページを量産する頻度によって、ホームページのアクセス数の伸びを調整できるので、少しずつ顧客数を増やしていけます。
当社がご支援する企業様では、ブログ記事を量産してもらい、ランディングページやその下層ページだけでは上位ヒットし切らない検索キーワードでの上位ヒットを狙います。
ブログ記事は、もちろんランディングページに誘導するような記事を作成し、集客に結び付けることが大切になります。
ページを量産していく場合、WordPressといったCMSを導入すると便利です。
6. 継続的なホームページ解析・改善
ホームページ解析・改善では、どのようなキーワードで、順位が何番ぐらいなのか、またどれぐらいのアクセス数があったのかを調べ、各ページを丁寧に改善していき、さらなる上位化とアクセス数増加を狙っていきます。
継続的にSEOコンテンツマーケティングとホームページを改善していくことで、Googleからの評価が少しずつ高まり、少しずつアクセス数が増えていきます。その結果、少しずつ集客ができるようになり、社内が混乱せずに人材が育っていくようにできます。
SEOコンテンツマーケティングとホームページ解析・改善を継続的に行っていくと、アクセス数を飛躍的に伸ばすことができるばかりか、いずれ単ワードでも上位ヒットするようになり、急激にアクセス数が増えていくことがあります。
ロングテールSEOのデメリットとリスク
このように、良いことだらけのように見えるロングテールSEOですが、デメリットやリスクがあります。
ロングテールSEOのデメリット
デメリットとしては、上記のロングテールSEOの方法からすると、ページを量産することです。
当社ではナチュラルなSEO対策を旨としているため、キュレーションサイトのようにライターによる質の低い記事を量産することを行っていません。クライアント様への入念なヒアリングを行い、検索者が知りたいであろう良質な記事を制作して、ページを量産していきます。
そのため、クライアントご担当者様には、ヒアリングのご対応や原稿の作成、SEO改善された記事の添削など、時間的なご負担をいただかなくてはなりません。このことは、文章作成が苦手であったり、マーケティングの知識が乏しい方では、相当な負担になります。
もし、クライアント様が原稿を作成できない場合には、別の方法もご用意していますが、どちらにしてもナチュラルなSEO対策を旨とする以上、ある程度の文章力やマーケティングの知識が求められます。
このデメリットを回避するために、当社ではWeb集客コンサルタントが、ホームページご担当者様にマーケティングの知識をお教えしたり、なるべくコンサルタントがクライアント様の事業を把握し、営業を代弁できるぐらいの知識を身に付けたりするように対応しています。
ロングテールSEOのリスク
ロングテールSEOによる集客は、Googleの順位付けに、集客を依存した状態です。せっかくロングテールSEOをしても、ホームページがGoogleからそっぽを向かれてしまったら、いきなり検索順位が落ち、ホームページからの集客が途絶えてしまう可能性があります。
このリスクを回避するために、当社では「理念SEO」というものを提唱しています。理念SEOは、検索エンジンの理念に対応したホームページを制作し、SEO対策していくことです。
検索エンジンがロジックを変えたら、それに合わせてホームページを変えるのではなく、検索エンジンが目指している方向と同じ方向に向かって、検索エンジンに先駆けて良いホームページを構築していく手法です。
また、Web集客コンサルタントとして、ホームページからの集客に力を入れることはもちろんのこと、既存顧客のサポートや、直接営業の強化にも言及するようにしています。
当社のロングテールSEOサービス
ロングテールSEOコンサルティング
自社のホームページに、効果的なロングテールSEOを導入し、ホームページでの集客力を高めたい企業様は、ロングテールSEOコンサルティングをご依頼ください。
SEO対策技術研修
ホームページ制作会社として、ロングテールSEOをサービスとして提供したい企業様は、次の3つの研修をご利用ください。
この記事の著者
経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。