社長の夢実現への道

チラシは本当に効果がないのか?チラシの効果を高める考え方

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チラシは本当に効果がないのか?

先日、とある物販をされている社長に「チラシを配られたらどうですか?」とご提案しました。

すると案の定、「チラシは何度も配ったが、効果がありませんでした。」と即答されました。

私は「チラシが効果的だ」と思ったことと、その社長が「チラシは効果がない」と思ったことには、チラシのやり方に違いがあります。

社長には、チラシのやり方をよくよく説明し、ご納得いただいた次第です。

自分で試して「効果がない」と思ったとしても、マーケティングの専門家からしたら「効果的だ」と思えることもあります。

ここで、2つのことを覚えておいてください。それは、

  1. どのようなPR方法にも、相性と効果的なやり方がある
  2. 「このPR方法はダメだ」と決めつけたら、解決策が見えなくなる

この2つのことについて、ご説明いたします。

やり方ばかり聞いてくる人は、集客が苦手な人が多い

いろいろと集客コンサルティング支援をしてきて、「集客が苦手な人は、やり方ばかり聞いてくる」ということに気が付きました。

コンサルティングの初回訪問で、お客様とお会いしたときに、「当社はどうやったら集客ができますか?」とか、「ホームページはどのように修正したらいいですか?」とやり方ばかり聞かれることが多いです。

初めてお会いした会社への適格なアドバイスは不可能に近い

私が、もし本当に優秀なコンサルタントでしたら、お会いした瞬間に何をしたらよいのか、適格にアドバイスできるかもしれません。集客コンサルタントとして、さまざまな集客に貢献してきましたが、今のところ初めてお会いした方に、適格なアドバイスは難しいです。お客様の会社のことや、業界の事情などを知らないこともあるので、いきなり即答はできません。

実のところ、いきなりやり方から聞かれても困るのです。

初めてお会いしたとある社長から、「当社の業界のことを勉強してこないなんて、とんでもないコンサルタントだ。当社の業界のことを知って、集客提案をしてもらいたい。出直して来るように。」と言われたことがあります。私もそのようにできたらいいのですが、私どものような小さなコンサルティング会社は、情報網を持っているわけではありません。

また、私のようなお客様の業界の素人がいくら勉強したところで、社長のように直接業界と接しているプロに敵うはずがありません。そうはおっしゃらずに、業界の事情を丁寧にお教えいただけたら嬉しいです。

営業コンサルタントにまず相談すべきこととは?

ともあれ、営業コンサルタントに相談するときに大事なことは、やり方よりも企業の存在目的と顧客目線の考え方です。

企業の存在目的から、集客すべき顧客が明確になります。顧客が明確になったら、その顧客の目線で考えるのです。

競合他社の業績が伸びていて、自社が伸びていない場合には、顧客目線の考え方に、何らかのズレがあることが多いです。その顧客目線の考え方のズレを発見してからでないと、効果的なPR方法が見えてこないのです。

顧客目線を知らずして、いろいろとPR方法を試す場合は、トライ&エラーを繰り返すことになるので、費用が高くなります。また、効果が出なかったPR方法のことを、やり方が悪かっただけにもかかわらず、「このPR方法は効果がない」とレッテルを貼ってしまうことにもなります。

そういった機会損失は、もったいない話です。

やり方よりもスピードの方が大事

初めて行うことは、失敗することが多いです。実のところ、私がチラシを企画しても、思ったよりも集客できなくて失敗することが多いです。

1回の失敗で「もうだめだ」というものでは成長はありません。エジソンのように、「このやり方がダメなのを発見した」ということで、次のやり方を考えていけばよいと思います。

やり方を変えて、次のチャレンジをしていくスピードが早ければ早いほど、会社の成長が早くなります。

やり方ではなく、スピードです。そのためにも、アイデアの数が大事ということになります。

アイデアの数は、どれだけ世の中のことに関心があるのか、分析しているのかに比例するように思います。

毎朝届く新聞にはチラシが入っていますし、街中を歩いていてもチラシが配られていますし、スーパーマーケットのレジ付近にはチラシの山です。

そういったチラシにも関心を持ち、「このチラシは、どういったところが良いのか、悪いのか」を分析することで、チラシのアイデアをたくさん出せます。

「チラシで集客が出来ない」は固定観念

さて、タイトルにもあるチラシでの集客について検討したいと思います。ここでお話しすることは、チラシにかかわらず、ホームページ制作も同様です。

「チラシで集客できない」という極論は、社長がやってはいけない

社長は、PR方法を検討するときに、「この方法は良い」とか「この方法は悪い」という具合に、0か100の極論で検討してはいけません。

どのようなPR方法でも、ゼロということはありえないのです。どの程度の可能性があるのかを検討しなければ、可能性を潰してしまうことにつながります。

例えば、建築業界で「当社が仕事を得るためには、入札に参加するしかない」という発想も、極論になります。何か別の顧客や、別の方法が検討できたら、入札をしなくても仕事を得られる方法があるかもしれません。

そのように可能性を検討することで、会社の未来が開けてくることもあるのです。

ゼロではなく、格率が低いだけ

チラシの効果を表す言葉で、よく「せんみつ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、「1,000枚のチラシを配ったら、3件ぐらいのレスポンスがある」という意味です。レスポンス率が0.3%ということです。

現在は、もっと低くなって、「0.01%ほどである」ということも聞きます。10,000枚のチラシに対して1件のレスポンスがある計算です。

とは言うものの、これらの数字を見ると可能性はゼロに近いが、ゼロではありません。しかも、不特定多数の人に配った場合のレスポンス率のことです。

不特定多数の100人にチラシを配ったら、レスポンス率が0.3%ですとゼロ件になります。そのことは、「集客できない」という意味ではない。母数を増やしたら集客ができる可能性があります。

そして、不特定多数の人ではなく、商品やサービスを必要としている人に配ったら、レスポンス率が飛躍的に高まるはずです。

チラシの改善が大事

チラシでのPRで大事なことは、1回やって終わりではなく、やり方を変えて研究することです。商品の開発では、何度も失敗して改善し続けてきたように、1度の失敗であきらめることなく改善し続けて、最適なPR方法を発見しなければいけません。

チラシを改善するときに、変えられる部分は、次のようなものがあります。

  • チラシの内容
  • 配布場所
  • チラシを配布する回数
  • 配布する方法やタイミング

研究開発が大好きな社長の場合、販売が苦手なことが多いです。そういった社長は、地元の広告代理店にチラシの制作や配布は任せてしまうことと思います。

そういったPR方法では、たまたま広告代理店に実力があれば、商品が売れることはあります。

あまり言っては失礼になりますが、広告代理店に実力があったら、その広告代理店の業績は伸びていると思います。地元の広告代理店に任せ切る場合は、伸びている企業を選ぶべきです。

販売が苦手な社長であっても、売上高を生み出す最重要な部門は、外部の業者に委託しないで、自社で研究するようにした方がよいです。広告代理店を選ぶのであれば、いっしょに集客を研究してくれる企業と組んだり、営業コンサルタントに支援を依頼した方がよいと思います。

インターネット時代なのに、なぜチラシが残っているのか?

現在では、BtoBの商取引であっても、インターネット経由での商取引が当たり前になりました。

経済産業省が発表した「令和3年度、電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2021年のBtoB-EC市場規模は、372兆7,073億円となり、商取引において電子商取引が占める割合「EC化率」は35.6%です。

このような時代であって、印刷業界の市場規模は右肩下がりになってきていますが、それでも3兆円前後もあり、チラシは残り続けています。

なぜ、チラシが残っているのか。それは、集客効果があるからです。

正しいやり方で効果が数十倍違ってくる

チラシに効果があったとしても、普通にやっただけでは、ご相談のあった社長のように、まったく効果が出ないものになってしまいます。チラシによるPR方法にも、正しいやり方があります。

それは、実のところ、ごく当たり前のやり方です。

そのごく当たり前のやり方は、広告代理店が把握できていなことなのです。冒頭で、「当社の業界のことを勉強してこい」と言われたことと同じです。

では、正しいやり方の一部をご紹介いたします。この一部のことを考えるだけでも、チラシの効果を数十倍に高めることが可能です。

最初に顧客から考える

効果のあるチラシは、それを受取った人が、「これは自分の知りたかった情報だ」と思ってもらえることが大事です。自分の興味のない情報が書かれたチラシは、すぐゴミ箱行きです。

そこで、最初に「顧客は誰か?」を考えます。

顧客が明確になれば、その人に対して効果的なチラシを作成したらよいのです。

顧客を明確にするために、次の問いに答えてください。

  • 貴社が集客したい顧客はどのような人でしょうか?
  • 顧客は、どのような価値を求めているのでしょうか?
  • 自社の商品やサービス、提供方法、顧客フォローは、その価値を満たしているでしょうか?
  • そして、どのような人であれば、貴社の商品やサービスが最高のパフォーマンスを発揮、お客様が感動してくれるのでしょうか?

これらの質問に答えていくと、「もしかしたら、商品に問題があるのでは?」と気づく場合もあります。効果のあるチラシを作成する前に、顧客のニーズを満たした、売れる商品を開発することが大前提となります。

顧客の知りたい情報を掲載する

顧客のことを知ったら、次に顧客がどのような情報を求めているのかを考え、それをチラシに掲載します。

よくある売れないチラシでは、社長が伝えたいことをチラシに描いていることがあります。顧客が知りたくないことをチラシに描いても、無視されるだけです。

どうしても知ってもらいた内容があれば、漫画にしたり、興味を引く問いかけにしたり、読みたくなる流れをつくったりして、顧客が「読みたい」と思えるチラシにする工夫が大事です。

自社の商品を探している人に配る

当たり前のことですが、チラシができたら、自社の商品を探している人に配ってください。

折込広告のように、不特定多数の人に配っても、ほとんどの人が見向きすらしてくれないところに配る時代ではなくなりました。

チラシは、1回配布したら終わりではなく、相手に拒絶されない程度に、頻繁に配るようにしてください。

1回目のチラシを見て購入してくれたらよいのですが、何度もチラシを見ているうちに、商品が欲しくなるタイミングになり、購入してくれることもあります。

チラシだけに頼らず他の方法での集客も考える

飛び込み営業でチラシを配布する場合は、サンプルも同時に渡したり、ホームページで購入ができることを伝えたりと、チラシの効果を期待するだけでなく、興味を持つことや購入するルートをいくつも用意しておいた方がよいです。

また、ホームページでの集客も「SEM(検索エンジンマーケティング)」という手法を活用したらたいへん有効です。ホームページからお問い合わせのあった人に向けたチラシも効果的です。

そういったことで、チラシ単体でなく、さまざまな媒体を用意して、どの方法での集客が効果的なのかを検討していくことが大事です。また、お問い合わせがあってからのクロージングまでの流れ、納品の流れなども検討し、お客様目線で良いサービスを提供できるように検討することも大事です。

集客のボトルネックを改善

チラシを何度も配布することをお伝えしましたが、同じチラシを何度も配っても効果が改善されませんし、見ている側の人が飽きてくることもあります。

チラシを改善させて効果を計測し、どのようにチラシを変更したら、どれくらい反応が変わったという微妙な変化がつかめるようになったら、集客の見込みも検討できるようになると思います。

また、チラシを見てお問い合わせがあったときに、顧客対応で失敗して、結局のところ集客につながらない場合もあります。

チラシだけでなく集客の流れを考える中で、ボトルネックとなっている部分を発見し、そこを改善していくことが大事です。

例えば、商品の購入を躊躇する人がいることが判明したらサンプル品を用意したり、現金での取引を躊躇する人がいたらカード決済を可能にしたりという具合です。

顧客が知りたいことをチラシに記載する

チラシに何を記載したらよいのかを、もう少し具体的なことをご説明いたします。

チラシに記載すると売れやすい内容

掲載する内容では、何のチラシかがわかるものにします。ピザのチラシでは、最初に大きなピザの写真が、ドンと掲載されています。

このときに、第一印象を良くするために、見栄えの良い写真などを選ぶようにしてください。メラビアンの法則でもあるように、第一印象で50%が決まります。

商品や販売方法にもよりますが、次のようなことを掲載すると、購入してもらいやすくなります。

  • 特長や得られる効果
  • それらの根拠
  • 購入方法

共感によるPR方法

同じような競合商品がある場合には、共感によるPR方法も有効です。

商品の開発ストーリーや、商品が生まれた経緯、商品の製造にどれだけお客様のことを考えているのかといったことが、共感につながります。

顧客が商品に共感すると、商品のファンになります。

共感によるPR方法は、人の考え方や行動に対する感動です。

チラシでの集客はタイミングがポイント

顧客は、必要でないときにはチラシを見ません。チラシを見るときは、そのタイミングがあります。

例えば、学習塾のチラシであれば、子どもが小さければ学習塾に興味はありません。子どもが成長して、「そろそろ学習塾に行くことを考えなければ」と考えたタイミングで、チラシを受取ったら、チラシを見てくれます。

どのような商売でも、必要とするタイミングがあります。

顧客が商品を欲しがるタイミングがいつに来るか分からない場合は、そのタイミングが来るまで、チラシを何度も配布する必要があります。何度もチラシを配布していることで、商品の存在が認知されてきて、売れることもあります。

以上、チラシに効果が無いと思われる理由や、チラシの効果を高める方法について述べてきました。

このことは、チラシに限ることではなく、「ホームページを制作しても集客ができない」とか「SNSは効果がない」といったことにも同様に言えることです。

効果のないPR方法だと思われていても、商品やサービスの性質によっては、非常に効果的な場合もあります。

PR方法にお悩みの方は、ぜひ当社の集客コンサルティングをご利用ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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