社長の夢実現への道

行動指針を作成し浸透させる目的とは?

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社長が作った行動指針に納得できました

「行動指針を作成したい」とお考えの社長向けに、行動指針を作成し、浸透させる目的について述べたいと思います。

社員の仕事に対する考え方がバラバラで、提供されるサービスの品質もバラバラ。売上高が伸びず、利益が下がり、「社員に質の高い仕事をしてもらいたい」ともお考えのことかもしれません。

このコラムでは、そのようなお考えの社長や経営者に、行動指針を作成し浸透させる目的についてご紹介しつつ、基本的な行動指針の内容や、行動指針を手っ取り早く作成する方法についても触れたいと思います。

会社の成長段階と行動指針

会社が小さなうちは、社長が自ら社員の働き方を指導することで、社長の考えた通りに働いてくれるようになります。会社が小さければ、社長の身内や知り合いが働いてくれていることが多いので、社員に指示が出しやすいと思います。

事業が軌道に乗り、縁故採用の社員が増えてきて、一般採用をしようとするタイミングがあります。

その段階では、社長一人で全員の面倒が見られなくなるので、社長が働き方を指導することができなくなってきます。すると、社員は独自の価値観や考え方で仕事をするようになります。特に会社の社員数が急激に増えていったときに、そのように感じることがほとんどです。

そういったときに、行動指針を作成し、浸透させることで、会社での働き方の統一された考え方や仕事方法を定着させたいと思うものです。

要するに、行動指針を作成する理想のタイミングは、社員の一般採用を始めようとしたときです。

ここで、行動指針を作成し浸透させることの目的を間違うと、社長と社員の人間関係が壊れてしまう場合もあります。反対に、社長が行動指針を作成し浸透させる目的を正しくつかむことで、正しい行動指針を作成し、正しく浸透させられるので、社員はイキイキと働き、より成果を出してくようになります。

行動指針を作成し浸透させる目的は「企業ビジョンの実現」

最初に結論から申しますと、行動指針を作成し、浸透させる目的は、「社長が掲げた企業ビジョンを実現させるため」です。

「社員を働かせるため」や「売上をあげるため」で行動指針を作成する社長もいます。結果的に、社員がよく働くようになったり売上が上がったりしますが、それらのことは通過点に過ぎません。通過点を目標にしてしまうと、予期せぬ悪い結果になりかねないのです。

企業ビジョンとは?

さて、ここで述べる企業ビジョンの実現は、長期的なものです。

当社では、最終的に到達すべきビジョンのことを「全社目標」と呼んでいます。全社一丸のとなって目指す目標のことです。会社によっては、「ビジョン」や「事業ビジョン」、「ミッション」と言ったりします。

企業ビジョンとは、会社の理想の姿が描かれたもの、明文化されたものです。理想の会社は、優秀な社員で満たされているはずです。優秀な社員が事業活動を通じて、社会貢献していることも、イメージされていることでしょう。

そのような企業ビジョンを実現するためには、社員が自己変革して自己成長し続けることが必要です。

社員が自己変革や自己成長できる行動指針ができたとしても、それを浸透させたらすぐさま納得して、行動指針の通りに行動できるものではありません。人の自己変革や自己成長は時間がかかるように、行動指針の浸透にも時間がかかることを肝に銘じてください。

企業ビジョンの詳細については、「企業ビジョンとは?企業ビジョンの例と経営理念の関係」をご参照ください。

社員の自己変革や自己成長に必要なこと

社員の自己変革や自己成長には、次の3つのことが実現すれば良いと考えます。

  1. 自己中心的な考え方を改める
  2. 仕事に対するやる気や熱意を持ち続ける
  3. 仕事能力が高まる

社員が自己中心的な考えを持っていると、自分に与えられた仕事の範囲を超えて作業することはありませんし、積極的に他人をサポートしようとも思いません。部下に新しい仕事をしてもらいたくても、部下は自分がどれだけ忙しいのかを言い訳するので、上司が一苦労することもあります。そして、仕事の属人化やセクショナリズムが生まれます。

社員が自己中心的な考えを改めたら、自分のことだけでなく上司や部下のこと、会社全体のこと、お客様のことを考えて仕事をしてくれるようになります。

そのような人のために貢献したいという気持ちのことを、貢献マインドといいます。社員全員が貢献マインドを持ったら、その会社は間違いなく立派な会社になっていきます。

さらには、仕事に対するやる気や熱意があり、それが継続しているのであれば、貢献マインドを持って仕事能力を高めていくことにも可能になります。

社員がそのような状態になってきたら、社員研修や管理職研修などをすると、とても効果的です。

社員をそのように成長させる行動指針とは、どのような内容であるべきなのか。うっすらと答えが見えてくると思います。

理想的な行動指針の内容

上記の3項目を満たすための理想的な行動指針について考えたいと思います。

仕事に対するやる気や熱意を持ち続けるためには?

仕事に対するやる気や熱意は、魅力的な企業ビジョンになっていたら、自然と出てくるものです。まずは、理想的な企業ビジョンを作成し、それを社員が受け入れていることが条件となります。

そうでなければ、いくら理想的な行動指針が作成できても、企業ビジョンが魅力的でなければ、社員は行動指針を受け入れてくれません。企業ビジョンが魅力的で、正しく浸透させることができれば、行動指針も浸透させることができます。

自社の企業ビジョンが、社員にとって魅力的かどうかの点検方法については、「ビジョンが浸透しない場合の点検項目と浸透方法」をご覧ください。

自己中心的な考え方を改めるための行動指針の内容

企業ビジョンによって仕事に対するやる気や熱意が高まるのであれば、行動指針には、最低でも自己中心的な考え方を改め、仕事能力を高めるための考え方や方法が盛り込まれている必要があります。

自己中心的な考え方を改めるための行動指針の内容としては、少なくとも次の3点が含まれているものです。

  1. 素直さ
  2. 感謝の気持ち
  3. 真摯さ

これらのものは最低限必要なものです。現在の会社の状態によっては、もう少し項目が必要となる場合があります。中小企業の場合は、8項目程度になることが多いです。

仕事能力が高まるための行動指針の内容

また、仕事能力を高めるための行動指針の内容としては、少なくとも次の4つのことが全社共通で含まれているべきです

  1. 仕事の基本動作
  2. 貢献マインド
  3. 対人関係能力
  4. 仕事の改善

これらも最低限必要なものとして挙げたものなので、会社のカルチャーなどの状態によっては、もう少し項目が必要となる場合があります。中小企業の場合は、10項目以上になることが多いです。

管理職向けの仕事能力の項目を合わせると、もっと多くなります。

さらには、仕事に対するやる気や熱意をさらに高めるような考え方や方法が行動指針に盛り込まれたならば、基本的な行動指針としては完成です。

これに、会社の規模に応じた内容、部門毎の内容、自社オリジナルの内容などを盛り込むことができたら理想的だと思います。

これらの具体的な内容については、別の機会で述べたいと思います。

基本的な行動指針を手っ取り早く作成する方法

基本的な行動指針を作成し、その浸透ツールである行動指針解説書まで作成するとなると、とても時間がかかります。当社の経営理念コンサルティングで、行動指針のベースが無い状態から、オリジナルの行動指針と解説書を作成するとなると、最低でも1年はかかります。

今すぐにでも社員に行動指針を浸透させたいと考えている社長にとっては、手っ取り早く行動指針を作成したいことでしょう。

そこで、お勧めの方法は、「行動指針のテンプレートを活用すること」です。

当社では、社員が企業ビジョンの実現に貢献できる自分に自己変革して自己成長し続けるための行動指針で、基本的な部分をすべて網羅したオリジナルの「行動指針テンプレート」をご用意しています。

正しい基本理念や正しい企業ビジョンが完成した企業では、当社オリジナルの行動指針テンプレートを利用することで、経営理念の作成や浸透を飛躍的に早めることができます。

テンプレートの内容は、そのままで使用できるように作られていますが、部分的にカスタマイズしたり、会社独自の項目を追加したりして使用すると、さらに完成度が高まります。

行動指針テンプレートの導入は、当社の経営理念コンサルティングでご支援していますので、ご興味のある方は、ぜひご相談ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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