社長の夢実現への道

行動指針はどのような内容にすべき?例文でご紹介

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行動指針はどのような内容にすべき?文例を教えて!

これから会社の行動指針を作成しようとお考えの社長。行動指針を作成しようとしたけれども、どのような内容のものを作成したら良いか分からない社長に向けて、行動指針の内容を作る上での考え方や例文をご紹介いたします。

まずは、行動指針の意味や、経営理念との関係性について述べたいと思います。

「行動指針はコロコロと変えていいのか?」「中小企業の行動指針に入れるべき内容とは?」といった疑問にもお答えいたします。

行動指針とは?

まずは、当社における行動指針の定義からご説明いたします。

当社では、行動指針のことを、「基本理念や企業ビジョンなどの会社が目指すべきことを実現するために、社長を含む全社員が仕事に取り組むときの考え方や行動が書かれたもの」と定義しています。

それらが、箇条書きで少ない項目にコンパクトにまとめられたものがあったり、かなり多くの項目があり、それらの説明文まであり本の厚みぐらいあるものもあります。どちらにしても、立派な企業として成り立っているので、どれが正解かはありません。

行動指針の内容については、後ほど詳しくご説明いたします。

なぜ、このような定義をしているのかと言いますと、経営理念に関連する用語には、明確な定義が存在しないからです。

行動指針を作成する目的

行動指針は、自社の社員がそれに従って行動するものですが、目的としては「社員に質の高い仕事をしてもらいたい」という願いで作成されることでしょう。行動指針が機能すれば、そのようになります。

社員はロボットではなく人間ですので、社長の「社員を働かせたい」という目的で作成した行動指針であれば、社員が受け入れてくれることはありません。

行動指針が浸透して機能するためには、必ず大義名分となる基本理念や企業ビジョンが必要となります。社長がよほど社員から尊敬されていたら別として、それらの大義名分がなく、行動指針だけを作成し浸透させようとしても、うまくいきません。

「社員が働かないので、働かせたいから作成する」とか「社員を働かせて、会社の利益を増やしたい」といった考えだけで行動指針を作成し浸透させようとすると、外部環境を知らない社員ほど辞めていってしまいます。場合によっては、社員が一斉に会社を辞めてしまい、倒産の憂き目に遭いかねません。

行動指針を作成する目的は、会社が社会貢献をして、事業活動を通じてより良い社会を目指すために、社員全員が正しい考え方や行動ができるようにするためのものとお考えください。経営理念あっての行動指針なのです。

行動指針と経営理念の関係

経営理念に関連する用語は、たくさんあります。パーパスやウェイなどの流行用語もあります。ビジョンを1つ取っても、企業ビジョン、事業ビジョン、未来ビジョンなどといった名称があります。

経営理念に関連する用語は、調べてみたところでは統一された意味が存在していませんでした。

そういったことから、「経営理念を作りたい」とお考えの社長は、「何を作成したらいいのかわからない」と頭が混乱されていることでしょう。

そこで、ご提案です。当社は、今まで経営理念コンサルティング支援をさせていただいてきた中で、「経営理念をこのように考えたらうまくいった」というもので定義したのですが、それをご利用されてはいかがでしょうか?

経営理念を構成する4つの要素

それは、コラム「経営理念の構成要素」でご紹介した内容なのですが、「経営理念をいくつかのパーツに分けて、それをパッケージにしたものを作成する」というものです。

つまり、経営理念を次の4つのパーツに分解して、それを一つのパッケージとして「経営理念」と称するというものです。

  • 基本理念
  • 企業ビジョン(全社目標)
  • 経営方針
  • 行動指針

基本理念は、ミッションやパーパスといった名称でも良いと思います。企業ビジョンは、会社の事業活動が1つであれば事業ビジョンでも良いと思います。全社目標とは、会社が目指す最終目標のことです。

経営方針は、基本理念や企業ビジョンを達成するための、経営幹部が社長に代わって経営判断をするための基準です。基本方針と言われることもあります。

そして、行動指針は上でも述べたように、社長を含め全社員が仕事で成果を出し、基本理念や企業ビジョンを達成するための人間性の成長や仕事能力の向上を目指す、考え方や行動の仕方が書かれたものです。

行動指針だけ作成してはいけないのか?

この考えに基づくと、「行動指針だけを作成しようと考えていた」とお考えの社長は、どうしたら良いのでしょうか?

結論から申しますと、「行動指針だけを作成し、浸透させることは、止めておいた方が良い」です。

行動指針が存在しない会社で、行動指針を導入するということは、社員に対して「この行動指針に従って仕事をするように」と言うことになります。すると、今までの仕事のやり方でうまくいっていたのにもかかわらず、行動指針に従って仕事をするとなると、業務の流れを変えないといけなくなります。

社員からすると、「お給料も上がらないのに、また余計な仕事が増えた」と感じるわけです。

社員は、実は仕事の効率を高めるために独自でルーチン化し、独自で編み出した仕組みで仕事をしているのです。その属人化したルールや仕組みで業務をこなすことによって、それぞれの社員が楽に仕事ができるようになっています。

社員は、お給料が上がらない代わりに、独自のやり方で工夫して仕事を楽にしていたのです。

そこに新しい行動指針が導入されたら、独自のやり方を構築し直さないといけません。「今まで楽に仕事ができていたのに、なぜわざわざ社内が混乱し、自分たちにインセンティブの欠片もないものを導入するのか?」ときます。

そこで、経営理念の4つの構成要素をセットで作成することで、行動指針が機能します。

基本理念や企業ビジョンがあると、それが大義名分となり、「それを実現するための行動指針だ」、「立派な会社に成長させて社会貢献をするための行動指針だ。だから協力してほしい」と、社員を感化することができます。

社員は、企業ビジョンが実現したときの自社の姿をイメージします。すると、自分の仕事に意味を見出し、会社が成長したらお給料も増えていくことが伴います。そして、社長の熱意に呼応して、社員のやる気が出てくるのです。

零細企業や小企業では、4つの構成をセットで作成することは、なかなか骨の折れます。そこで、行動指針を示す前に、最低でも自社の定義付けと企業ビジョンの作成をし、自社が何を目指しているのかを示すことが大事です。

以下、経営理念を4つの要素で考える方法に基づいて、行動指針の内容を検討したいと思います。

行動指針はどのような内容にすべきか?

行動指針をいざ作成しようとしたときに、何を基準に内容を作成していったら良いのか、迷われたことでしょう。行動指針を作成する上での考え方を、ご紹介いたします。

どのような社員になってもらいたいか?

社長は、普段から社員の仕事ぶりを見ていると思います。その中で、「もっとこうしてもらいたい」とか「このように考えて仕事をしてもらいたい」という希望を持っていることでしょう。

行動指針の内容は、「どのような社員になってもらいたいか?」を想定すると考えやすいです。

例えば、「お客様のことを考えて判断してもらいたい」とか「会社全体のことを考えて、コスト意識を持ってもらいたい」といった具合です。

社長の不平不満だけを基に行動指針を作成すると、偏りのあるものになると思います。そこで、全方位的な行動指針の内容にしたいところですが、結局のところ、次の2つについて集約されるのではないかと思います。

  1. 人間性の成長
  2. 仕事能力の向上

1つ目に「人間性の成長」を挙げました。会社では、社員の仕事能力のみの向上を考えがちですが、真面目さや誠実さ、協調性など、さまざまな人間性の成長も必要です。

どちらも、学校を卒業したら完成ではなく、会社に入社した後も成長していかなければ、会社の成長はありません。つまり、会社は学校とは違いますが、良き教育の場になるべきなのです。その教育の基準となるものが、行動指針なのです。

自社においてこの2つを満たしつつ、基本理念や企業ビジョンといった会社の存在意義を満たすために必要なことを、行動指針の細かな内容として作成されることをご提案します。

行動指針の内容は、社長がご自身の知識や経営に基づいて作成されるものです。いろいろな参考文献を調べて、他の立派な会社の行動指針を参考にしつつ、自分自身の経験を盛り込むと良いでしょう。

このコラムの最後に、簡単にですが例文もご紹介いたします。

社長の知識や経験、カルチャーによって行動指針の内容が異なる

行動指針の内容は、社長の仕事に対する考え方の傾向性が表現されるので、会社によって内容が異なります。

例えば、営業畑の社長であれば、営業色の強い行動指針になりがちです。技術畑の社長であれば、技術色の強い行動指針になります。バランスの良い行動指針を作成したければ、自分にはない能力を持った経営幹部に相談したら良いでしょう。

また、会社のカルチャーによっても行動指針の内容が異なります。すでにカルチャーとしてあるものを、行動指針に具体的に書き込む必要がない場合があるからです。

例えば、「社員は挨拶がきちんとできていない」と社長が感じるのであれば、具体的に「挨拶は自分から明るく積極的にしよう」というものを入れても良いと思います。

そのため、「この行動指針で大企業にまで成長できた」とされる行動指針を、そのまま自分の会社に当てはめても、うまくいかない場合が多いです。

初めて行動指針を作成するときは少ない項目数で具体的なものを

初めて行動指針を作成するときは、最初は少ない項目数で具体的なものから始めて慣れていくことが大事です。なぜなら、膨大な数の行動指針が策定されても、誰も慣れていないので実施できないからです。

具体的な内容としては、例えば挨拶では「挨拶は毎朝出会った社員と『おはようございます』と会釈しながらあいさつをする。」「お客様に対しては、身体を90度曲げてあいさつをする。」という具合です。このような具体的な行動指針が基本となって、自社のカルチャ―になっていきます。

行動指針が浸透しない企業でよくあるものが、「きちんと挨拶をする」という漠然としたものです。「きちんと」という内容は、人によって異なるので、上司によって部下指導の内容が異なるので、部門によって行動指針が徹底されず、社員の不満やにつながる場合もあります。

会社で発生するトラブルに対応するために、業務内容を改善していくことで、行動指針が進化していくものです。トラブルの度に行動指針の項目を増やしたり、内容を変更したりして、行動指針を完成させていきます。

最初は5つほどの項目数から

行動指針の項目数ですが、最初は5つほどの項目からスタートさせると良いと思います。

行動指針の項目数が少ないと、その行動指針で会社のすべての行動を定義することはできません。しかし、行動指針が浸透しなければ、いつまで経っても会社を変えることができません。少ない項目数から浸透させていくことが大事です。

5つの項目の内容は、覚えやすいようにシンプルな内容が良いと思います。最初は社長や経営幹部から暗記し、部長や課長に解説します。そして、全社員に浸透させていきます。浸透させるときは、社長自ら実践し、社員への声掛けが大事になります。

しかし、シンプルな内容ですと、具体性が欠けるので、上司が部下に自分の言葉で解説ができることが大事です。行動指針の定期的な研修や改善ミーティングを開催したり、解説書や浸透マニュアルの作成も大事です。

少ない数の行動指針については、『行動指針の「あいうえお」のすすめ』をご参照ください。

事業内容によっても行動指針の内容が異なってくる

社長の知識や経験、カルチャー以外にも、会社の事業内容によって、行動指針の内容が異なってくることも、もちろんあります。

例えば、飲食事業やホテル事業であれば「衛生」はとても大事ですので、衛生面をしっかりすることを行動指針に盛り込むべきです。

しかし、経営コンサルティング事業であれば、「衛生」はほとんど関係ありません。経営コンサルティングでは、飲食事業やホテル事業の「衛生」に当たる部分は、「誠実さ」や「正しさ」でしょう。お客様の企業が正しい事業を行い、正しく発展していただくためには、経営コンサルタントに「誠実さ」や「正しさ」が求められます。

飲食事業やホテル事業のスタッフにも、「誠実さ」や「正しさ」は必要だと思いますが、経営コンサルタントとは事情が異なります。

このように、事業内容によって、行動指針の内容や優先順位が違ってくることがあるため、他の企業の行動指針をそのまま真似することはできない場合があります。真似する場合は、自分の会社に合った言葉にしたり、「これはいいな」「共感できるな」と思った箇所を取り入れたりすると良いでしょう。

考えるカルチャーのある会社は抽象的な内容でも良い

行動指針の内容を具体的に書くべきか、それとも抽象的な内容にすべきか、会社のカルチャーによって異なると思います。

例えば、会社によっては「考えて考えて考え抜くカルチャー」がある会社があります。例えば、新商品開発でコンセプトを決めたときに、そのコンセプトについて徹底的に考えるカルチャーです。

そのように、考えるカルチャーが企業にあれば、行動指針の内容は抽象的なものでも良いと思います。その抽象的な内容について、自分や自分の仕事に当てはめたときに、それが何を意味するのかを考えて行動してくれます。

抽象的な内容の例文としては、次のようなものはどうでしょうか?

  1. 幸福創造
  2. 欲のコントロール
  3. 向上心

これらは、抽象的な行動指針の例文ですが、この3つは相関関係があります。この3つを自分や自分の仕事に当てはめて深く考えられると、かなりの大人物を目指せるのではないかと思います。

さて、全方位的に内容が網羅された行動指針があれば、その行動指針は長い期間、活用できるものになり、会社が次の世代にバトンタッチされたとしても、そのまま活用できます。行動指針を作成したときは、「この行動指針を社員全員が実施できたら、基本理念や企業ビジョンが達成できる」と思えるものに仕上がっていたら、完成したと言えます

たいてい、そういった行動指針は抽象的な内容です。その抽象的な内容を解説するかのように、時代に合わせた具体的な内容の補足説明が必要になります。抽象的な行動指針を作成した場合は、行動指針解説書を作成すると良いでしょう。

中小企業の行動指針は具体的なものが良い

中小企業で初めて経営理念を作成し、浸透させようとしている企業では、社員はそこまで深く考えて行動することは、まずありません。たいていはミスして怒られない範囲で考えて仕事をしていると思います。

ミスしないで仕事ができることも、とても大事なことですが、毎日のルーチンワークのみにとらわれて、社員の成長が止まってしまう可能性もあります。

そのようなあまり考えずに仕事をするカルチャーから脱却して、抽象的な行動指針の内容について考えて行動できるようになる人は、ごく稀です。

上記の3つの行動指針を具体的な内容で書くとするならば、次のような例文になります。

  1. お客様、上司、部下、同僚など、自分が直接接する人はもちろんのこと、自分の仕事で影響を受ける人が幸せになれるように、良い仕事ができるようにしよう。
  2. お金や時間は有限な経営資源なので、有効に使おう。また、自分や他人の時間を奪う嫉妬や怒りは抑えよう。
  3. 自分の仕事にプロ意識を持ち、自分の能力を高めていこう。さまざまな知識を身に付け、毎日1歩進めたか確認して着実に成長していこう。

行動指針の内容の改善

行動指針を作成しようとしたときに、最初から完璧な行動指針を作成できたらいいのですが、できるものではありません。しかし、何らかの行動指針がなければ、社員の仕事に一定の品質が出てきません。

そこで、ある程度の行動指針を作成したら、そこでいったん社員に浸透させて、行動指針に基づいて仕事をしてもらい、何か問題があれば、行動指針の内容を追加したり変更したりして、改善させていくといかがでしょうか?

行動指針の浸透で問題が起こるパターン

行動指針を浸透させていったときに、問題が発生するパターンは、次の4種類です。

  1. 経営者が行動指針に基づいて仕事をしていない場合
  2. 行動指針の浸透方法に問題があった場合
  3. 行動指針の内容に矛盾や問題があった場合
  4. 社員が行動指針を受け入れてくれない場合

1つ目は問題外です。経営者が実施していない行動指針を、社員が行動するかどうかを、お考えください。社長や経営幹部が率先して行動指針に基づいて仕事をすることで、その背中を見て社員が真似をしていくことで、本物の社員が育ちます。

行動指針を作成した社長といえども、治外法権や例外をつくってはいけません。行動指針を自分の都合で変えるのではなく、企業ビジョンの実現のために変えていくことが正しいスタンスです。

2つ目は、浸透のさせ方の問題です。例えば、なかなか行動指針に従って仕事ができない社員を怒鳴りつける社長がいます。行動指針を浸透させ、その内容に基づいて仕事ができるようになるまで、とても時間がかかります。行動指針の項目が多ければ多いほどそうです。

3つめの、行動指針の内容に問題がある場合です。仕事内容は部署によって異なりますし、役職によっても異なります。その全員に該当するような内容の行動指針でなければ、どこかで問題が発生するものです。

行動指針を始めて策定したときは、シンプルな内容であることが多いです。シンプルな内容の行動指針では、事業活動を全方位的に包含する行動指針になっていません。3番目の理由で行動指針が浸透しないのであれば、問題に対応できる行動指針に改善していくべきです。

4番目の理由の場合は、社長が正しく企業ビジョンを示せていないか、そもそも社員の素行が悪いかのどちらかです。社員が問題の場合は、行動指針の浸透によって、行動指針に馴染めない社員が辞めていき、人材の入れ替わりが起こることが多いです。

行動指針はコロコロと変えていいのか?

よく、「経営理念はコロコロと変更すべきでない」と言われます。私もその通りだと思います。しかし、経営理念が正しくなくて、社員がおかしな考え方を持っていたり、仕事をし出していたりして良いのでしょうか。早く変更しなければ、究極には経営理念を守って会社が滅んでしまう場合もあります。

経営理念を変更するとなると、社員から何か言われるかもしれませんし、恥ずかしいことかもしれませんが、会社がおかしなことになっていくようであれば、プライドなど関係ありません。すぐに変えてください。

コロコロと変えてはいけないのは、経営理念の中の「基本理念」や「企業ビジョン」です。「今の行動指針のままでは、基本理念の実現が難しい」と判断される場合は、変えなければいけないのです。

また、「基本理念」や「企業ビジョン」も客観情勢の変化によって変えなければいけない場合もあります。

行動指針の変更は前向きに変える

行動指針は、基本理念や企業ビジョンの実現のために、社長を含めた社員全員が守るべきものです。そのため、行動指針を変更するときは、「変更された行動指針を守ることで、基本理念や企業ビジョンを実現できそうか」をよくよく検討すべきです。

場合によっては、「行動指針の内容が厳しくて、社員がその通りに実施できない」ということもあります。その内容を緩やかな内容に変更し、基本理念や企業ビジョンの実現が遠のいてしまうのであれば、その変更は行うべきではないのです。

行動指針は、社員の理想の姿ですので、厳しい内容でもあくまでもそれを目指すべきです。変更すべき場合は、前向きに変えてください。

厳しいと思う場合には、行動指針を分割して厳しい内容でも実施できるようにしたり、段階的に成長できるような研修を組んだりすることで、行動指針の後ろ向きな変更を回避できます。

中小企業の行動指針に入れるべき内容

行動指針は、ある程度のものが作成できたら、それでスタートさせたら良いのですが、それでも最低限必要なものがあります。

会社が目標に向かって成長していくためには、社員の成長が欠かせません。結局のところ、先ほども申し上げた通り、社員が次の2つのことをバランス良く成長できたら良いのではないかと考えます。

  • 人間性の成長
  • 仕事能力の向上

いくら仕事能力が高くても、人間性に問題があったら、仕事になりません。例えば、仕事能力が高くても、お金をごまかしたり、平気で嘘をついたりするような人とは、信頼して仕事を任せることができません。

また、人間性に優れていても、仕事能力が低ければ、これも仕事になりません。例えば、正直で素直な人であっても、仕事でミスばかりするようであれば、この人にも信頼できないものがあります。

この両輪で、仕事で成果が出せるようになるものと考えます。

この2つの項目を、具体的な行動指針に練り上げると、相当なボリュームになります。

機会があれば、内容を分割してご紹介していきたいと思います。以下、中小企業の行動指針の例文を、ご紹介いたします。ここで述べる内容が全てではございませんので、参考程度にご利用ください。

「人間性の成長」の例文

人間性の成長とは、一言でまとめると、高度な処世術のようなものです。

他人の立場で物事を考えられたり、人間関係を潤沢にしていったり、感情のコントロールができるようになったり、積小為大でコツコツ積み上げていく力を身に付けたり、積極的な姿勢で仕事に取り組んだりできるように成長することです。

成功哲学やゴールデンルールと言われる法則などを学び、身に付けていくことも、人間性の成長につながると思います。

そのための行動指針の例文を3つご紹介いたします。

  • 感謝できる人になろう
  • 前向きに考えられる人になろう
  • 他の人の幸福を考えられる人を目指そう

「仕事能力の向上」の例文

仕事能力の向上は、プロとしての意識や姿勢、他人とのコミュニケーション、自分の仕事だけを考えるのではなく会社全体を考えられるようにすると良いでしょう。

そのための行動指針の例文を3つご紹介いたします。

  • 仕事能力の向上
  • コミュニケーション能力の向上
  • 会社全体を考える

内容は浸透まで考えて練り込むこと

人間性の向上と仕事能力の向上で、3つずつ例文をご紹介いたしましたが、これらは具体的な内容ではありません。具体的に書くとするならば、例えば「仕事能力の向上」であれば、「仕事で1番を目指そう」という方が具体的です。

ところが、具体的に書くと、仕事能力の1番だけでは、仕事能力の向上に関して一部分しか網羅されていなくなります。具体的な内容で書けば書くほど、項目が増えてきます。すると理解しやすくなりますが、覚えにくくなります。

項目の数としては少ない方が良いのですが、項目の多い行動指針には30項目ぐらいある企業もあります。場合によっては、覚えやすいものに絞り込んで、「行動指針10ヶ条」という具合に10項目に絞り込んでも良いと思います。

その辺りは、社長のお考えと社員の能力とのバランスになります。どちらかと言えば、具体的過ぎるぐらいの方が良いと考えます。なぜなら、社長が考えている意図を文章から読み取ることができる社員は、ほとんどいないことが実情だからです。

そのようなことからも、行動指針ができたら浸透です。浸透の方法は、企業によって独自のやり方があると思います。ただし、行動指針の一覧を壁に掛けて「これを毎日見るように」と指示しているところもありますが、壁に掛けているぐらいで浸透するようなものではありません。定期的に研修を行って、行動指針の内容を社員が考える時間を取った方が良いです。

行動指針の一覧に対して、その各項目に社長の言葉で説明文を付け加えた「行動指針の解説書」を作成すると、経営理念浸透研修がしやすくなります。行動指針のそれぞれの項目に対して、それを入れた意図や、たとえ話を入れると、社員は理解しやすいと思います。

当社では、行動指針の作成を含めた経営理念全体の作成や、経営理念の浸透をご支援しています。

全方位的な行動指針を考えられない場合は、当社が作成した行動指針テンプレートを用いると早いと思います。それを自社に合うようにカスタマイズすると、短期間で行動指針作成できます。

行動指針テンプレートをご要望の方、まだ基本理念や企業ビジョンを作成されていない方、どのような内容の行動指針を作成すべきかお困りの方など、経営理念の作成ならぜひ当社の経営理念コンサルティング支援をご利用ください。

ベテランの経営理念コンサルタントが、社長にたくさんのヒアリングを行い、社長の納得のいくすばらしい内容の行動指針に仕上げてくれます。

行動指針の作成支援をご依頼の方は、お問い合わせフォームもしくはお電話にてご連絡ください。ご連絡をお待ちしております。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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