社長の夢実現への道

高い志を掲げる社長の効用!その志に人材が集まる

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高い志を掲げる社長の志に人材が集まる

大きな事業を成功に導くためには、たくさんの優秀な人材が求められます。

偉人を何人か調査していると、過去に大事業を成しえた偉人は、すべからくたくさんの優秀な人材に支えられていました。そして、優秀な人材に応援してもらうための、社長の条件が判ってきました。

高い志を持つことが、人材が集まる条件であることは、述べるまでもありません。

しかし、人材が集まっても高い志を持っているだけでは、その人材が離れていく場合があります。

人材が集まり、志を事業にし、大成させていくための社長の条件を考察いたしました。

応援が得られやすい社長の徳目

人から「応援したい」と思ってもらえるためには、たくさんの徳目があるかと思います。その徳目をいくつか対比で見てみましょう。

応援が得られやすい社長応援が得られにくい社長
私欲のない
私欲を抑えようとしている
私欲にまみれた人
欲に弱い人
会社を公器なものと考えている会社を私物化している
責任感が強いミスを他人の責任にして責める
大きな夢のある小成を望む人
経営実力の高い経営実力の低い人
謙虚傲慢
コツコツ勉強する勉強しない
明るい暗い人
お金のある人
お金の使い方がうまい
お金のない人
投資と浪費の区別がついていない
素直人の言うことを聞かない
人の話をよく聞く
人をよく褒める
自分が話してばかり
自慢話か怒っているかのどちらか
自分に厳しく人にやさしい自分に甘く社員に厳しい

応援が得られやすい社長の徳目があると「プラス」、応援が得られにくい項目があると「マイナス」です。このような条件の合計点が、一定の基準を超えてくると、その人の能力に合わせて応援が受けられるようになります。

これらの徳目を見ていると、書いている私自身も「うっ」と思ってしまう内容があります。

「類は友を呼ぶ」と言われるように、徳目の合計点の高い人には、優秀な人材が集まってくることでしょう。合計点の低い人は、応援が得られなかったり、私欲の強い人が集まってきたりすることでしょう。

仕事を手伝ってくれる人材の4段階

人の応援には、経済的な応援もあれば、会社に入社して仕事を手伝ってくれるという応援もあります。

会社をおこして、いきなり何人もの優秀な人材が仕事を手伝ってくれることは、ほとんどありません。仕事を手伝ってくれる人には、次の4段階があります。

  1. 家族や友人
  2. 一般採用の人
  3. 仕事能力の高い人
  4. ナンバー2

第一段階 : 家族や友人

第一段階は、家族や友人が仕事を手伝ってくれるレベルです。中には家族から反対される人もいることでしょう。

会社が成長しだして、仕事が増えてきて社長や奥様の二人だけでは対応しきれないときに、家族や友人に手伝ってもらえるようになります。

場合によっては、このときの人材がある程度の規模になっても、株主の重役として会社に居残る場合が多いです。

第二段階 : 一般採用の人

社長の実力が高まり、仕事量が増えてくると、第二段階として、一般採用で人が集まるようになります。

このときに採用された人材は、最初は何でも屋です。技術系で入社したのにもかかわらず、経理に回されたりする場合もあります。それでもついていった人は、重役に育つ場合もあります。

一般採用が始まったら、会社には一般採用された人材が育つための仕組みが必要となります。この段階で会社のビジョンを打ち立て、会社経営の仕組みづくりや事業マニュアルの作成を行うことで、10~30人の壁を突破していくことができます。

第三段階 : 仕事能力の高い人

第二段階で一般採用した人達が育ち、会社組織が30人を超えてくるようになってくると、仕事能力の高い人材が入社してくるようになります。そういった人たちは、自社よりも大きな企業からの引き抜きでか、転職です。

ところが、まだ小企業のうちは、社長の実力では優秀な人を使いこなすことができず、辞めていき、また新しい人が入れ替わりで入ってくるようになります。社長は、そのように人材が入れ替わる中で失敗から学び、社長が人材を活用できるノウハウを身に着け、それを経営理念に仕上げていきます。

第四段階 : ナンバー2

ある程度、経営が成り立ってくると、第四段階として、仕事能力の高いナンバー2が参画します。

優秀なナンバー2がいると、社長の弱点を補ってくれるため、資金調達をしてくれ、営業網を築き、社内がまとまり、生産性が高まり、会社が発展し、優秀な人が会社にとどまるようになります。

すると、事業は急激に伸び、事業規模を飛躍的に大きくすることができます。

しかし、ナンバー2と思える人が、理想的かどうかは違った話です。理想のナンバー2は、社長を尊敬して止まず社長と運命を共にするぐらいの人材です。社長を裏切るようなことはしません。

理想のナンバー2が事業に参画することで、社長が持ち続けてきた大きな志や目標を実現できるようになります。

ナンバー2の限界が会社発展の限界になる

社長に大きな目標がある場合には、それなりの人格者であるナンバー2と組むことができれば良いのですが、そうはいかない場合もあります。

最初はうまく組んで仕事ができていても、会社の規模と同じく社長やナンバー2が成長できなければ、どちらかが落ちこぼれてきます。そうすると、二人が組めなくなってくるのです。

もし、ナンバー2の方が社長よりも成長し、社長の人徳を伸ばすことができれば、それは問題ないと思います。しかし、それでもナンバー2が社長に対する信仰とでも言うべき態度が取れない場合には、ナンバー2は自ら離れていくか、社長から解雇されてしまいます。

また、ナンバー2が社長よりも成長できない場合には、会社の発展は鈍化してしまいます。

どちらにしても、社長の限界もさることながら、ナンバー2の限界が会社発展の限界になります。

そういったことから、志の高い社長は、理想のナンバー2を求めることが大切です。

理想のナンバー2を得るために必要なこと

ナンバー2は社長にとっての最良のパートナーです。しかし、実際に組んでみないと、その人が社長にとって最良かはわかりません。最初は、「この人となら一生やっていける」と思っていても、実際に仕事をいっしょに始めてから、違和感を覚え「理想のナンバー2ではなかった」と袂を分かつことがとても多いです。

本田宗一郎の事例

本田宗一郎が設立した本田技研工業は、藤沢武夫という理想のナンバー2が参画することによって、世界一のオートバイメーカーになり、今もそれが続いています。

本田宗一郎は、オートバイを商売の種にする前は、エンジンの重要な部品の一つであるピストンリングの製造をしていました。その会社の当時の名前は、東海精機重工業です。そのときに組んだ人物が、後にトヨタ自動車で社長も務め、昭和の大番頭とも言われた石田退三でした。

石田退三は、これ以上ないぐらいの理想的なナンバー2と思われたことでしょう。実際、石田退三は本田宗一郎の弱点を補い、東海精機重工業を日本有数の企業にまで成長させました。

本田宗一郎は、自分が苦手だった資金調達をいとも簡単に行った石田退三のすごさを評価しています。また石田退三は、本田宗一郎を豊田佐吉の再来のように見えました。

ところが、本田宗一郎は社長から専務に降格され、石田退三が社長を務めています。これは、ナンバー2による会社の乗っ取りのようなものです。

大戦の終戦直後に、本田宗一郎は東海精機重工業の株式をすべて売却し、会社を退社しています。つまり、本田宗一郎はナンバー2選びで失敗しているのです。

このような過去の偉人たちを調べる中で、社長が理想のナンバー2を得るための、社長に求められるいくつかの共通点を発見しました。それを理想のナンバー2を得るための条件としてご紹介いたします。

1.どのようなナンバー2と組むべきか知っている

ナンバー2の候補となる優秀な人材が現れたとしても、その人が理想のナンバー2になれるかと言えば、そうではありません。優秀な人材であっても、能力には偏りがあります。

相手もそのことを知っており、自分が支えるべき社長はどのような人なのか、どのような社長と組むべきなのかを知っているはずです。

社長が自分の強みや弱みを正確に知り、弱みを補ってくれる人はどのような人なのかを、普段から考えておく必要があります。そして、人材が現れたと思ったら、自分の強みや弱みを話して、相手が弱みを補ってくれそうかを判断してもらうことです。

強みとは、「他人が苦労することを、自分は苦労なくすんなりとできてしまうところのこと」です。経営において、自分はどのような強みを持っているのかをお考えください。

また、弱みはその逆です。経営においてボトルネックとなっている弱みをお考えください。

2.理想のナンバー2と組むと志を実現できる実力がある

次に、社長とナンバー2のそれぞれの強みが合体することで、社長が抱き続けている志が実現できるかどうかの実力、仕事能力が問われます。

もし、自分の実力が低いと感じたのであれば、理想のナンバー2になりえる人材が現れるまでに、実力を高めておく必要があります。

また、人材が現れたとき、自分に実力があることを証明するために、ある程度の実績を積んでいることも大切です。ナンバー2が補ってくれて発展することを、まずは社長自ら苦労しながらも行って、ある程度の実績を出します。その苦労や実績を見て、「この人は志を本気で実現しようとしている」と感じ、ナンバー2が事業に参画して補ってくれるようになります。

3.ナンバー2を尊敬・信用できる器

理想のナンバー2が事業に参画してきても、ナンバー2を社員のような扱いをしていたら、ナンバー2は辞めていってしまいます。ナンバー2は、あくまでも社長の右腕としての存在ですので、「何でも話し合えるビジネス上の友達」と言える関係性を築く必要があります。

そのときに、ナンバー2が理性的な人であれば、ナンバー2の私生活のことを突っ込んで聞きすぎないことです。ナンバー2は、あくまでもビジネス上の友達です。

4.無欲の大欲

ナンバー2は、社長の欲の部分を見ています。

ナンバー2にもなれる優秀な人材は、すでに仕事である程度の成功を収めているはずです。そのため、ちょっとの成功を目指すような事業には、魅力を感じないのです。

またもし、事業の成長とともに私欲も成長して、私欲に囚われていくようであれば、ナンバー2は社長を支えきれなくなります。

社長が「無欲の大欲」、つまり会社が成長しても私欲がほとんどなく、大きな志の実現という大欲を持ち続けるようにならなくてはいけません。

ナンバー2は、個人の財産を気づくような経済的な魅力もすでに超越していることが多いため、事業の公器性や理想実現などといった夢に惹かれることが多いです。

そういったことから、社長は「無欲の大欲」。つまり、私的な欲はなく、多くの人を幸福にするという大欲を持っている必要があるのです。

5.「千万人といえども吾往かん」という気概

理想のナンバー2が事業に参画してきても、社長が何もしなければ何も変わりません。理想のナンバー2が現れたら、行動力も大切です。

社長だけでなくナンバー2にもペースがあるため、二人のペースを合わせる必要があります。

ナンバー2候補が現れたら

そのようにして、理想のナンバー2となりえる候補が目の前に現れたら、その人に抱いている夢やその実現性、なぜあなたと組みたいのかを、熱く語ると良いでしょう。一度断れても、諦めずに三顧の礼でもって迎えるべきです。

ナンバー2は、その夢の大きさや可能性、公器性に魅了されて、社長に仕えることを決心します。

ナンバー2は、社長とは得意分野だけでなく性格も異なることが多いです。そして、今まで社長が出会ったことのないような発想をする人物である場合があります。そうすると、その発想に社長が理解できずに、「自分には合わない人なのかな?」と勘違いする場合もあります。

そこで、ナンバー2との仕事がスタートしだしたら、社長はナンバー2の弱みを注視し過ぎず、強みを見てあげてください。

ナンバー2との付き合い方は、「会社にナンバー2が入社したときの社長の心構えや付き合い方を考察」をご覧ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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