
環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格であるISO14001は、多くの企業で環境への取り組みを推進するための重要な仕組みとして活用されています。
近年では気候変動や生物多様性の保全、資源循環への対応など、企業に求められる環境配慮の範囲が広がっており、ISO14001にもその変化が反映されつつあります。
中小企業でもISO14001認証を取得されているところは多いと思います。
ISO認証には、ISO9001やISO45001などいくつもの種類があり、今回のようにアップデートされることがあります。そして、ISO14001の最新版であるISO14001:2026が発行されました。
すでに認証を取得している企業の中には、
- 今回はどのような改訂なのか
- 現在のシステムを大きく作り直す必要があるのか
- いつまでに移行しなければならないのか
といった疑問をお持ちの担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、ISO14001:2026の改訂内容と認証取得企業が今後取るべき対応について、わかりやすく解説します。
ISO14001の歴史と2026年版への改訂
ISO14001は、環境マネジメントシステムの国際規格として、1996年に制定されました。
企業活動と環境との関わりを管理し、環境負荷の低減や法令順守、継続的改善を実現する仕組みとして世界中で活用されています。
これまでも数回にわたり改訂が実施されてきましたが、前回の2015年の改訂から10年以上を経て、2026年4月にISO14001:2026が発行されました。
今後は日本国内でも日本産業規格(JIS)への反映が進められて、JIS版が発行されてから、認定機関や認証機関から移行審査に関する情報が案内される流れになると考えられます。
ISO14001認証を取得している企業は、最新規格への移行対応を計画的に進めていく必要があります。
ISO14001:2026ではどこが改訂されたのか?
今回の改訂では、要求事項の次の箇所に変更が加えられています。
- 4.1 組織及びその状況の理解
- 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
- 4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定
- 6.1.2 環境側面
- 5.2 環境方針
- 6.3 変更の計画策定
- 7.4 コミュニケーション
- 8.1 運用の計画策定及び管理
また、規格全体にわたり、「文書化した情報を利用可能な状態にしなければならない」という観点から、文書化した情報に関する表現の見直しが行われています。
今回の改訂の特徴として挙げられるのが、近年の環境課題への対応をより明確に求める内容となっている点です。
例えば、
- 気候変動
- 生物多様性
- 天然資源の保全
- ライフサイクルの視点
といった考え方が、要求事項や注記の中でより明確に示されるようになりました。企業を取り巻く環境課題が高度化・複雑化する中で、環境マネジメントシステムにもより実効性のある運用が求められていると言えるでしょう。
ネット検索などで、気候変動について調べている人が増加していることからも、今回の改訂のポイントを知りたい方は多いことと思います。
ISO14001を取得している企業はどう対応したら良いのか
今回のISO14001:2026への改訂については、2015年版からの全面的な刷新というよりも、近年の社会環境や環境課題を反映した改善色の強い改訂であると考えられます。
そのため、すでにISO14001を適切に運用している事業者であれば、大規模な仕組みの再構築を求められる内容ではないと、私の知り合いのISO認証取得コンサルタントの方から教えていただいています。
むしろ重要なのは、現在運用している環境マネジメントシステムが組織の実態を適切に反映しているかどうかを再確認することです。
具体的には、
- 利害関係者の期待や要求を正しく把握できているか
- 最新の環境課題を考慮できているか
- 環境側面の評価が現状に即しているか
- 変更管理が適切に行われているか
- 文書や記録が実際に活用可能な状態になっているか
といった観点から改めて見直すことが重要になります。
今回の改訂対応を、単なる認証維持のためとして捉えるのではなく、自社の環境マネジメントシステム全体を再点検する機会として活用することが望ましいでしょう。
いつまでに新規格へ対応しなければならないのか?
ISO14001:2026への移行期限については、2026年7月時点で正式な発表は行われていません。
ただし、ISO規格の改訂では一般的に3年間程度の移行期間が設けられることが多いため、2029年頃までに移行を完了することが求められる可能性があります。
正式な移行期限や移行審査の取り扱いについては、今後認定機関や認証機関から案内されることになります。
ISO14001認証取得企業は、
- 認証機関からの通知
- メールニュース
- 提携している認証支援コンサルタントからのお知らせ
などの情報を継続的に確認し、最新情報を把握しておくことが重要です。
普段はメールニュースをあまり読まないという企業でも、規格改訂のタイミングでは重要な情報が配信されることが多いため、注意して確認することをおすすめします。
また、実際の移行対応では社内の文書改訂や教育、審査スケジュールの調整なども必要になります。余裕を持って準備を進めるためにも、早い段階からの予算組みや移行計画を立てることが重要です。
改訂対応を支援してくれるおすすめのコンサル会社
ISO14001:2026への移行対応において、「自社だけで対応できるか不安」「どこから手を付ければよいかわからない」という企業もあるでしょう。
そのような場合には、ISO認証支援コンサルタントを活用することも有効な選択肢です。
当社にISO認証支援のご相談があったときは、株式会社アールアンドイーをおすすめしています。株式会社アールアンドイーは、ISOをはじめとする第三者認証支援を専門としており、多くの企業の認証取得・維持支援を行ってきた実績があります。
同社の特徴は、単にテンプレートを提供するだけではなく、現在運用されているマネジメントシステムを事前に確認し、現状分析を踏まえた上で移行支援を行う点にあります。
例えば、
- 現行システムの分析
- 新規格とのギャップ確認
- 文書改訂の提案
- 規程類の整備支援
- 移行スケジュールの立案
など、企業の実情に合わせた支援を受けることが可能です。オンラインで全国にも対応してくれます。
この記事のISO14001:2026についても、同社のコンサルタントから丁寧にアドバイスいただきました。相談や支援は、株式会社アールアンドイーホームページ「ISO14001:2026改訂対応支援」をご覧ください。
ISO14001:2026への移行は、単なる規格変更対応ではなく、自社の環境マネジメントシステムをより実効性の高いものへ進化させる良い機会でもあります。無理のない計画を立てながら、計画的に移行準備を進めていきましょう。
この記事の著者

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)
国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら万を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくる独自の戦略系コンサルティングを開発する。
