社長の夢実現への道

コーチングのスライドアウト質問でアイデアをたくさん引き出すコツ

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たくさんアイデア出すならスライドアウトと4つのコツ

ブレーン・ストーミングなどの手法を使って、アイデア出しをする打ち合わせで、あまりアイデアが出なくて困ったことはないでしょうか?

そういった場合に、ファシリテーターが参加者に、とある質問を、とあるコツを使って出すと、アイデアが次から次へと出てくることがあります。

その質問は、「スライドアウト」と言われるものです。スライドアウトの質問は、コーチングの質問スキルの1つです。スライドアウトの質問は、とても簡単ですので、きちんと練習すればすぐに使いこなせるようになります。

このコラムでは、次の目次に沿って、コーチングのスライドアウトでアイデアをたくさん引き出すコツや、スライドアウトが活用できる場面をご紹介しつつ、最後にコーチング講座のご案内をさせていただけたらと思います。

コーチングのスライドアウトとは?

コーチングの質問には、次の3つあります。

  1. チャンクアップ
  2. チャンクダウン
  3. スライドアウト
コーチングの質問

この中で、スライドアウトとは、「他にありますか?」という質問です。コーチングの質問については、前出のコラム「コーチングで使う質問の種類」にて詳細に説明してあるので、併せてご覧ください。

スライドアウトを使用する場面は、話し相手が箇条書きにできそうな内容を話し出したときです。そのときに、「他にありますか?」と質問すると、相手は「そうですね・・・」という具合に考え出し、アイデアがたくさん出せます。

ブレストをするときには、欠かすことのできない質問方法です。

PR方法のアイデアを出す場面でのスライドアウトの質問例

私が営業コンサルティングで支援に入ったときは、PR方法のアイデア出しをすることがよくあります。例えば、PR手法を検討する打ち合わせを行っていて、渡したがファシリテーター(進行役)をしており、営業担当とPR方法を検討していたとしましょう。

営業担当の相手が、「ホームページでPRしたいと考えています。」と答えたとします。

PR方法は、世の中にたくさんあります。ホームページでのPRは有効な方法の1つですが、他にも検討していることがあるかもしれません。

そこで、スライドアウトの出番です。すかさず、「ホームページ以外にPRで有効な方法はありますか?」と質問します。

すると、相手から「チラシ配布もありますし、看板の設置も良いかもしれません。」という具合に、他のアイデアを引き出すことができます。

スライドアウトを用いるアイデア出しの常套手段

スライドアウトを用いてアイデア出しをするときは、常套手段があります。それは、次の2つのことを行うことです。

  1. アイデアを出せるだけ出す
  2. アイデアに優先順位をつける

アイデアを出せるだけ出す

スライドアウトでもっとたくさんのアイデアを引き出すコツ

スライドアウトを使用するときは、よく用いられる常套手段があります。それは、「アイデアを出せるだけ出す」ということです。

特にアイデアを出すときには、自分一人で考えていたら、あまり多くのアイデアを出すことはできません。それを知っている人であれば、「アイデアをたくさん出しましょう」と言っても、「そんなに出ないよ」と一蹴されてしまいます。

そういった場合にスライドアウトがとても有効です。

人は、質問されたら、それに条件反射で答えようとする性質を持っています。その性質を利用して、アイデアをたくさん出すのがスライドアウトです。

実際にお客様の集客手法を検討していたときのことでした。お客様は、お一人で集客手法を考え、5つほど持って、打ち合わせに臨まれていました。私が、「細かな集客手法も含め、もっと集客手法を検討しましょう。」と述べたところ、「もうムリだよ」といったんは断られましたが、物は試しということで、スライドアウトの質問をしました。

すると、アイデアが次から次へと連鎖的に出てきて、100個以上のアイデアが出ました。お客様は、それらのアイデアを出しまくっている自分自身に驚かれていました。コーチングのスライドアウトをうまく使うと、これほどの効果があります。

アイデアに優先順位をつける

アイデアを出せるだけ出したら、次に優先順位を付けます。出されたアイデアは、相手にとっての何らかの判断基準によって、優先順位が付けられます。

質問例は次の通りです。

アイデアに優先順位をつける質問例

  • これらのアイデアに優先順位を付けるなら、どのような順番になりますか?
  • これらのアイデアの中でもっとも良いものはどれですか?

優先順位を付けたら、その理由をチャンクアップして聴き出すと、さらに良質なアイデアが出ることもあります。

スライドアウトでもっとたくさんのアイデアを引き出すコツ

このように、自分で考えて5個でムリだとお言っていた人から、スライドアウトの質問を活用して、100個以上もアイデアを引き出すためには、いくつかのコツがあります。

そのコツとは、次の4つのことですが、どれも慣れてしまえば、簡単に利用できるものばかりです。

  1. アイデアを否定せず、アイデアを出したこと褒める
  2. オウム返し
  3. 要約
  4. チャンクダウン質問
  5. メモ術「16分割メモ」

コツ1. アイデアを否定せず、アイデアを出したこと褒める

アイデアは、質よりも量を優先することで、質の高いアイデアにつながることが多いです。アイデアを限定せずに、たくさんのアイデアを出すように導きます。

そのときに、たわいもないアイデアだったら、否定したくなるところですが、それをグッとこらえて否定しないことです。上司と部下がアイデア出しをしていて、部下がたわいもないアイデアを出したら、上司は否定しがちですが、こらえてください。

そして、アイデアを出したことを褒めるようにしてください。褒めると、波に乗ってきて、ペースも上がり、楽しくなってきて、「もっとアイデアを出したい」という気持ちになります。すると、次から次へとアイデアが出てくるようになります。

ブレストをしていて、アイデアが出にくくなったら、ファシリテーター自ら、たわいもないアイデアを言って、場が和むようにしても良いでしょう。

コツ2. コーチングスキル「オウム返し」

オウム返しとは、相手が話した言葉をそのまま質問にして返すことです。例えば、相手が「ホームページ集客を検討しています。」と述べたら、そのまま質問にして「ホームページ集客を検討されているのですね?」と返す、コーチングの技の一種です。

先ほどのPR方法を検討するという例でご説明いたします。

相手が「ホームページでPRしたいと考えています。」と答えたので、オウム返しで「ホームページでPRをお考えなのですね?」と返答します。すると相手は、必ず「そうそう」と述べます。

その後にすかさず、「他にありますか?」とスライドアウトの質問をします。

「そうそう」と言った相手は、会話の波に乗っている状態なので、スライドアウトの質問をされても答えやすい状態になっています。すると、「チラシ配布もありますし、看板の設置も良いかもしれません。」と、頭に浮かんだアイデアを述べます。

コツ3. コーチングスキル「要約」

要約とは、相手が今まで話してこられたことを要約することです。

スライドアウトの質問をすることで、ホームページ、チラシ配布、看板の3つのアイデアが出てきました。3~4つのアイデアが出てきたら、スライドアウトの質問をしても、考えが行き詰まってしまうことがあります。

そこで要約をして、さらに会話の波に乗せてあげるのです。

要約とスライドアウトの組み合わせ例は、「PR方法は、ホームページ、チラシ配布、看板の3つが出ておりますが、他にありますか?」です。

すると、相手は自分で話した3つのアイデアを、頭の中で整理でき、スライドアウトの質問のみの場合と比べて、他のPR方法が考えやすくなります。

コツ4. チャンクダウン質問

チャンクダウン質問とは、コーチングの質問スキルの1つで、抽象的なものを具体的にしていく質問のことです。

例えば、社長が新商品開発を考えているとしましょう。それに対して、「どのような人を対象とした新商品を開発したいですか?」、「いつまでに新商品を発表したいですか?」など、具体化していく質問です。

スライドアウトの質問をしているときに、相手が具体性に賭ける返答をしたときに、チャンクダウン質問をして、具体的な内容を聞いていくと、アイデアを出す対象や目的などが明確にできるので、アイデアが出やすくなります。

新製品のアイデア出しの場面で、工作機械のメーカーの社長が、新製品開発を考えていたとして、「どのような人を対象とした工作機械ですか?」とチャンクダウン質問したとします。

社長の返答が「今まで工作機械を使うという発想の新規の顧客向けに開発したい」ということであれば、見た目のデザインを親しみやすいものにしたり、操作を簡単にしたり、安全性をさらに高めたりといったアイデアが出てくることでしょう。

コツ5. メモ術「16分割メモ」

16分割メモ

16分割メモとは、図のようにA4の紙に16個のマス目ができるように、単なる方眼線が引かれたメモ用紙です。16分割メモのことが提唱されている書籍は、「すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術(高橋政史著)」です。

16のマス目に、相手が述べたアイデアを1つずつ記入していき、相手といっしょに眺めながら、スライドアウトの質問を繰り出していきます。

16分割メモのメリットは、1枚の紙でアイデアをすべて眺めることができ、また、メモをすべて埋めたくなるという人間の性質を利用しています。

16分割メモは、何枚か用意しおき、16マスが埋まり切ったら、次の用紙を用います。

いちばん左上のマスは、インデックスとして利用しても良いです。1枚目に「PRのアイデア1」とブレストをした日付を、2枚目に「PRのアイデア2」と同じく日付を記載するなどして、インデックスを記載しておくと、何のメモなのかが一目でわかります。

スライドアウトでたくさんのアイデアを出すコツは、この5つを組み合わせるだけです。

スライドアウトの質問が活躍する場面

私自身、集客コンサルティングやホームページの文章作成などで、スライドアウトを上記のコツといっしょに、ふんだんに活用しています。

すると、お客様からはアイデアがたくさん出てくるので、ソリューション提供の満足度が高かったり、「他のホームページ業者とまったく違う」とお褒めをいただいたりします。

実は、お客様にご満足いただくための隠し味の1つに、スライドアウトの質問があります。

明確なペルソナ設定

顧客設定

ペルソナマーケティングでペルソナ設定をするときに、あまりアイデアが出なくて困ったことはないでしょうか?

そういったときにも、上記のスライドアウトのコツが活躍し、明確なペルソナ設定が可能になります。

集客コンサルティングでは、最初にペルソナ設定をすることが多々あります。そのときに、ペルソナを明確にすればするほど、集客の方法や訴求内容などを明確に決めることができます。

スライドアウトの質問例

  • その人は他にどのような関心事を持っていますか?
  • その人の特徴は他にありますか?

またペルソナ設定ができたら、対象となるペルソナのニーズ設定もスライドアウトで行うことができます。ニーズが明確になったら、新商品のアイデアが浮かびやすくなります。

スライドアウトの質問例

  • 他にニーズはありますか?
  • 他にご要望はありますか?

ホームページの文章作成

ホームページの文章作成

ホームページの文章作成は、多くのホームページ業者さんでお困りのことでしょう。お客様に「文章を作ってください」と言ってもなかなか作ってくださらないですし、自社で作るとしても、なかなか文章が思いつきませんし、お客様からネタもなかなか出てきません。

私は、文章作成を苦痛なくすんなり行っていますが、その理由は、もうお分かりのことでしょう。スライドアウトを活用しているのです。

お付き合いのあるホームページ制作会社様から、「今、とある企業のホームページ制作の依頼を受けたのだが、どのような文章を作ったら売上アップにつながるのか?」、「このお客様の場合は、どのようなランディングページの文章を作成したらいいのか?」といった、ホームページの内容に関するご質問をいただくことが、ときどきあります。

丁寧に「こういった内容で作成すると良いですよ」と見出しや概要をお教えするのですが、私のようにスラスラと文章は作成できる人は少ないことが現状で、「質問しても、ネタが何も出てこない」とお困りのようです。

実は、私はスライドアウトを含む、コーチングの質問を使いこなしているので、相手から文章のネタや、文章そのものを導き出すことができ、文章をスラスラと作ることができているのです。

スライドアウトの質問例

  • 他にこの商品やサービスを利用して喜ばれた方はいますか?
  • この商品のメリットは、他にどのようなことありますか?

ホームページの文章作成がスラスラできなくてお困りの、ホームページ制作ご担当者様は、当社の講座でコーチングを学ばれてはいかがでしょうか?

このコラムの最後に、コーチング講座のご案内をしていますので、どうぞご覧ください。

ToDoリストやタスク管理表の作成

仕事がたくさんあって混乱している人のToDoリスト作成

特に社長によくあることですが、やることが多くて、何から手を付けたら良いのか、混乱したことはないでしょうか?

そういった場合はToDoリストを作成し、優先順位を決めていくと、頭がすっきりして、仕事が捗ります。

私は、集客コンサルティングを行うかたわら、社長のToDoリスト作成やタスク管理表の作成をご支援することがあります。定期的にお会いするときには、ビジネスコーチングでそれらの管理も行っています。

ToDoリスト作成やタスク管理表の作成は、やることを思い出して書いてもらうことですが、アイデア出しと同じ要領で、スライドアウトを活用して行っています。

この場合は、16分割メモではなく、ToDoリストやタスク管理表の雛形を用いています。

スライドアウトの質問例

  • 他にやることはありますか?
  • 優先順位の高いものは他にありますか?

コーチング講座のご案内

当社では、スライドアウトを含むコーチングの基礎スキルを学ぶことができるビジネスコーチ養成講座をご用意しています。

  • コーチング入門講座
  • コーチング基礎講座

コーチング入門講座は、コーチングとはどのようなものなのかを半日で学ぶ講座です。コーチング入門講座は、1日かけて基礎的なスキルをすべて学ぶ講座です。

どちらの講座も、セミナー会場に集まって受講していただく方法と、マンツーマン(1対1)のオンライン・ワークショップで学ぶ方法をご用意しています。

スライドアウトの練習をしっかり行う講座は、コーチング基礎講座ですが、まずはコーチング入門講座からご受講いただけたらと思います。

2つの講座については、ビジネスコーチ養成講座をご覧ください。

ビジネスの基礎スキルを高めたいとお考えの方は、コーチングを学習されてみてはいかがでしょうか?

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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