社長の夢実現への道

ビジネスコーチが質問をするときの思考力

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ビジネスコーチが質問をするときの思考力

先日、私が講師を務めるコーチング基礎講座を開催しました。(セミナーの詳細はビジネスコーチ養成講座をご覧ください)

そのときに受講されたお客様から、「これほどたくさんのことを思考しながら1つの質問を出しているのか」と驚かれました。

それをキッカケに、私がビジネスコーチングをしているときに、自分がどのような思考をしながら質問を繰り出しているのか、客観的に分析しました。すると、自分でも「案外多くのことを思考しながら1つの質問を繰り出しているのだな」と感じました。

ここで述べたことがすべてでないと思いますが、ビジネスコーチを目指して修行されている方にとっては参考になるのではないかと思い、1つの質問を繰り出すのにどのような思考をしているのか、コラムにまとめました。

なお、当社が想定しているビジネスコーチは、これから起業しようとしている人や、すでに起業し従業員数が数名までの社長を対象としたコーチングのことです。社長の目標を明確にし、社長の事業活動に対する情熱を高めていき、成長を促すことが主な仕事です。

次の目次に沿ってご説明いたします。

「コーチング」をしているかをチェック

何とも当たり前の思考を最初に述べたいと思います。ビジネスコーチングは、コーチングの一種ですので、「コーチングを行っているか」を思考することが大切です。

私自身は、コーチングをしているかどうかの確認を、セッション中に客観的に確認するようにしています。このことは、熟練してくるとわざわざ思考する必要はないかもしれません。

コーチングをしているかどうかは、この2点についてのチェックを行います。

  1. コーチングの基礎スキルを使っているかどうか
  2. コーチング以外のことをしていないか

それぞれ解説したいと思います。

コーチングの基本スキルを正しく使っているか?

まずチェックしていることは、「コーチングの基礎スキルを正しく使っているか?」です。これは述べるまでもないことなのですが、実はこれらは奥が深いのです。レベルの高い傾聴ができていたら、クライアントの心の声が聞こえてくるような感じになります。

コーチングの基本スキルとは、大きくは傾聴・承認・質問・フィードバックです。これらのスキルを使ってクライアントを導くことが、コーチングの基本です。これらの基本スキルを正しく使うことができたら、こちらから何も質問しなくてもクライアント自ら話し出してくださるようになります。

このコラムを考えるキッカケとなったお客様もコーチを何年も生業としている方でした。コーチング基礎講座を受講されたときの感想に、「自分はコーチングを仕事としていたのに、今までやっていたことはカウンセリングに近いものだった」とおっしゃいました。

当社のコーチング基礎講座をご受講され、「正当なコーチングを始めて学ぶことができた」とご感想で述べられました。ご自身がやってきたことがコーチングでなかったことを認めらえたことで、大きな進歩になったようです。

初回のセッションでは、クライアントがコーチングのセッションを欲していて、コーチングが合っているかを判断します。合っていると判断できたら、あとはコーチングの基礎スキルを正しく使いこなして導くだけです。それができたら、クライアントを目標達成に導くことができることになっています。

私自身は、セッション中にコーチングの基礎スキルを違和感なく使っているかを、確認するようにしています。違和感があるということは、コーチングの基礎スキルを正しく使えていないことを意味し、瞬時に反省して正しく使えるように思考を巡らせています。

コーチング以外のことをしていないか?

私は経営コンサルティングも行っているので、クライアントに対してどうしても答えを教えたくなる場合があります。答えを教えてしまったら、コーチングではなくコンサルティングやティーチングです。

セッションの時間がないときに例外はあるものの、セッション中に「アドバイスをした方が早い」と思っても、基本的にはコーチングスキルを用いてクライアントが導き出せるようにしています。

なぜ、そのようにしているのか。それは、こちらが提案しても、クライアントが気分よく実施できない場合があるからです。小学生の宿題を思い出してください。母から「宿題してから遊びなさい!」と叱咤されて、宿題のやる気が出たでしょうか?

社長は、比較的負けず嫌いな人が多いのですが、負けず嫌いな人ほど、コンサルタントからのアドバイスは実施されにくいのです。

ビジネスコーチングでは、アドバイスはしないで、クライアントに自ら「これをやり切る!」と言ってもらった方が良いです。社長は、自ら「やる」と言ったことは、実施される人が多いです。

どうしてもアドバイスしなければならない場合

クライアントがどうしても答えを導き出せない場合は、アドバイスしなければならない場面があります。後ほどご説明いたしますが、経営の原理原則から外れたことを行おうとしている場合です。

経営の原理原則から外れた判断をすると、会社を傾かせてしまう可能性があるからです。

アドバイスをしなければならない場合も、コーチングの基礎スキルでアドバイスせずにアドバイスしたのと同じ効果を得ることができます。

例えば、起業をしたときの最も大切なことは、商品開発と販売です。簡単な例で述べると、クライアントが商品開発だけしか思考が至らず、販売のことをまったく考えていなかったとしましょう。その場合には、ビジネスコーチは、「新商品が売れるようにするためには、何が大切ですか?」と質問し、販売のことを考えるように促すことができます。

他にも、進む道が2つに分かれて、どちらを選べば良いか分からず、コーチはどちらに進めば良いかアドバイスできる場面に遭遇したとしましょう。これをコーチングで導く方法は、「一般的に、Aの道のメリットとリスクは・・・だと言われています。Bの道のメリットとリスクは・・・です。この場合、どちらを選べば最適だと思いますか?」

このように、アドバイスが必要な場面でも、質問スキルで導くことができます。

クライアントの状態の変化を読み取る

セッション中に随時思考していることは、クライアントの次のような状態を読み取ることです。

  • モチベーションの状態
  • しぐさや話し方の状態
  • 気持ち

これら3つのことは、変化に気が付くように随時注意しています。これらの3つの状態の変化について解説いたします。

クライアントのモチベーションの状態を読み取る

セッション中にクライアントのモチベーションがどのように変化しているのか、高まっているのかそれとも横ばいなのかを確認しています。

私の場合は不定期でセッションのご依頼を受けているので、特にモチベーションが下がり切った社長からのご依頼が多いです。

ビジネスでは、社長のモチベーションが会社の発展に大きく左右します。なぜなら、社長だけができる仕事は、会社の未来について決定を下すことだからです。

従業員ならば、やる気が出なかったとしても、ルーチンワークをこなしていたら成果は出せます。社長のモチベーションが下がり、会社の未来に関する決定ができずにルーチンワークばかりしていたら、会社は斜陽化していきます。

セッションでは、モチベーションが下がった理由を確認し、社長が前向きになれるようにプラス転換して、セッションの最後には最高のモチベーションになるように高めていきます。

クライアントのしぐさや話し方の状態を読み取る

セッションでは、クライアントのしぐさを見て、そこから本音を探り出すことがあります。なぜなら、クライアントの発言と本音が異なる場合があるからです。

例えば、クライアントが「ぜひとも、この事業にチャレンジしたい」と言ったとしましょう。本当にやる気があるなら、目が輝いてきます。やる気のあまり、ガッツポーズする人もいるはずです。

しかし、目がイキイキしていなかったり、手がモジモジしていたりしたら、何か引っかかりがあるのだなと読み取れます。

そうした場合には、事業の実現を考える前に、本音を探り出すような質問を繰り出します。

クライアントのしぐさから、気持ちを読み取ることもそうですが、話し方からもやる気の度合いや自信のなさなどを読み取ることができます。

例えば、何かを決意するときに、話し方に自信が感じられないのか、自信にみなぎっているのかを読み取ります。

クライアントの気持ちを読み取る

セッションでは、しぐさや話し方、それに雰囲気などを加えて、クライアントの気持ちを読み取るように気を付けています。

例えば、事業を立ち上げる場合には、何らかの苦手意識を持つ部分があり、それが事業の立ち上げのボトルネックになっていることがあります。「営業が苦手」とか「数字が苦手」といったことです。そういった苦手な部分に気持ちがとらわれ過ぎると、事業の立ち上げに対するモチベーションが下がってしまうことがあります。

この場合は、事業の立ち上げを主としたセッションではなく、苦手意識を取り除くことを主とした方が、起業が進む場合があります。

別の例えで、クライアント社長が事業で売上アップをテーマとしてビジネスコーチングを受けたとしましょう。ところが、売上アップについてセッションを進めていっても、いまひとつ気持ちが乗らないことをコーチが発見したとしましょう。

クライアント自身が「売上アップをしなければならない」という強制的な労働を自分に強いているなら、それを止めてあげないとクライアント社長はセッションを受けても効果が下がってしまうことでしょう。そういった場合には、もちろんチャンクアップをして、ゴール設定のし直しや動機の掘り下げをします。

その結果、もともとクライアントが要望するコーチングのテーマが「売上アップについて」だったのにもかかわらず、チャンクアップしていくと「どうやら、本当にやりたいことは社会貢献だった」という具合に、隠されたに目標にたどり着く場合があります。

こうなると、売上アップについてコーチングしていくよりも、社会貢献にテーマを変えてセッションを進めていった方が、クライアント社長のやる気が高まります。

このように、クライアントの気持ちを読み取ることで、クライアントの言葉にとらわれず、クライアントの本音を引き出すことができます。すると、コーチングの満足度が高まります。

質問を出すときに考えていること

コーチングをされている方は、セッションの最後にクライアントが十分に満足するような、良いセッションとなるように心がけていることでしょう。私も、例外なくそのようにしています。良いセッションで終えるために考えていることは、主に次の6点です。

  1. 常にラポールが築けているか?
  2. クライアントがこのセッションで何を得たら満足か?
  3. 自分の感情の確認とコントロール
  4. どのような質問をしたらどのような返答がありそうかを予測
  5. 現在はセッション全体の中でどこの部分を話しているのかの把握
  6. 言葉の定義の明確化

1つ目の常にラポールが築けていることは、良いセッションをするためには当たり前のことです。クライアントの態度、しぐさや話し方、モチベーションの状態など、五感だけでなく第六感までも使って感じ取るようにしています。

2つ目は、クライアントの本音のところでも述べましたが、クライアントがこのセッションで何を得たら満足なのかです。本音のテーマを引き出すことができるかどうかがポイントです。

自分の感情の確認とコントロール

3つ目にある「自分の感情の確認とコントロール」は、私自身がコーチング中に何を考えているのかを客観視することです。

例えば、質問を出すときに「この質問は、クライアントのためか、それとも自分のためか」ということを、必ず確認しています。自分のための質問というものがあるのですが、これを私は「自我の質問」と呼んでいます。

また、感情のコントロールとしては、「お昼前でおなかが空いた」とか、余計なことを考えてしまったら、一瞬で元に戻すように注意しています。

自分の感情の確認とコントロールは、自分を離れた場所から眺める感じで確認しています。

質問の返答内容を予測する

4つ目の質問の返答内容を予測することは、常に行っていることです。ビジネスコーチの質問によって、セッションの進む方向が刻一刻と変化しています。返答の内容を予測することで、セッションの方向が、なるべく最短ルートになるように調整していきます。

また、質問の仕方によっては、クライアントが誤解をして返答する場合もあります。

例えば、コーチが新事業の最大利益を考えた方が良いと思い、「新事業は、どれぐらいの利益を出したいですか?」と質問したとしましょう。ところが、クライアントはこの質問の返答として、損益分岐点の利益を答えてしまうこともありそうです。

その場合は、セッションが間違ったところに行かないように、「新事業は、年間で最大どれぐらいの利益が出せそうですか?」と質問した方が、最大利益を答えてもらえます。

セッション全体のどの部分を話しているのか

5つ目は、今の進捗度合いがセッション全体のどの部分に到達しているかを、把握しておくことです。

コーチングのセッションは、決められた時間の中で、成果を出さなければなりません。ここで成果とは大きく2つあると思います。

  1. 何をしたら目標達成できるのかが明確になること
  2. その何かをするためのモチベーションが高まること

コーチは、この2つを満たすための道筋を考えて、現在、どの位置の話をしているのかを考えながら、成果に向けて質問を出していかなければなりません。

言葉の定義の明確化

6つ目の言葉の定義の明確化とは、あいまいな表現を明確にするスキルです。

例えば、「ビジネスで成功したい」ということを望まれているクライアントがいたとしましょう。この場合、次のことを明確化します。

  • ビジネスとは何なのか?
  • 何が実現したら成功したと言えるのか?
  • いつそれが実現したら成功したと言えるのか?

これを明確にすることで、クライアントが目標を明確に持つようになります。また、ビジネスコーチとしても、クライアントに間違った解釈で質問をしなくなりますし、クライアントが答えやすい質問を繰り出すことができるようになります。

ここまで、ビジネスコーチングのセッションとしての方向性を確認していることを述べました。次は、ビジネスの方向性について思考していることをまとめたいと思います。

ビジネスが目標に向かっているか?

ビジネスコーチングは、定期的に繰り返し受けることが基本となります。何度もビジネスコーチングを受けている人は、ビジネスの目標を明確にしているはずです。

クライアントは前回のセッションで決めたことをビジネスの場で実施し、今回のセッションに臨みます。今日のセッションでは、ビジネスの目標を再確認しつつ、前回のセッションから今日までの振り返りから入ります。

そして、セッションが終わるまでに、ビジネスが目標に向かってまた一歩進められるように、クライアントのやるべきことを明確にしていきます。

このような流れのセッションでは、次の2つのことを思考するようにしています。

  • 何か変化があったときに、イノベーションの機会にならないか?
  • 経営の原理原則に則った計画になっているか?

イノベーションの機会がないか?

イノベーションとは変革のことです。事業が変革するという大きなイノベーションから、仕事のプロセスを改善するという小さなイノベーションまであります。

前回のセッションから今日までに、クライアントは何らかの行動をしているはずです。行動すると、気持ちの変化や仕事内容の変化、顧客の反応の変化など、何らかの変化があるはずです。

ビジネスコーチングが開始され、振り返りをしている中で、コーチはその変化がイノベーションの機会となる可能性を考えます。

もし、イノベーションの機会を発見したら、イノベーションした結果によって得られる変化を想定し、それがクライアントにとって大事なことだと判断された場合は、質問を繰り出してイノベーションの機会であることをクライアントが気付くように導きます。

私自身は、セッションの振り返りのときだけでなく、セッション中すべてにおいて、クライアントの変化がイノベーションの機会を捉えるように思考しています。

イノベーションの機会の発見は、マネジメントの父として知られるP・F・ドラッカー先生(1909~2005)が体系化された「イノベーション7つの機会」が有名です。イノベーション7つの機会の詳細は、前掲のコラム「ドラッカーのイノベーション7つの機会とは?わかりやすく解説」をご覧ください。

経営の原理原則に則った計画になっているか?

経営には原理原則がいくつもあります。組織経営をしている社長は、あまりにも多くの原理原則を使いこなされているので、驚かされるばかりです。

これから起業をする人や、すでに起業した人を対象としたビジネスコーチの場合は、絶対に外してはいけない経営の法則は、数が少ないのでご安心ください。その中の代表を4つご紹介します。

  1. 未来志向
  2. 顧客マインド
  3. 戦略と戦術
  4. 強者と弱者

未来志向

未来志向とは、「未来が明るいものになる、事業が発展していく」という気持ちやプランを持っていることです。

中には現状維持を求める社長もいますが、成長しなくなったら、GDPの成長や競合他社の成長などにより、少しずつ収入が減っていきます。収入や利益を最低でも現状維持したいのであれば、少しずつでも成長していかなければいけないのです。

ビジネスコーチングでは、クライアントが未来志向になるように、導くことが大切です。その中で、クライアントの本音を読み取りつつ、クライアントが未来志向になれる、もしくは未来志向を維持できる質問になるように思考しながらセッションを進めていきます。

顧客マインド

顧客マインドとは、顧客を中心として事業を行うことです。

私の元には、ときどき新事業の将来性について聞きに来られる人がいます。「平野さん、このようなアイデアを思い付いたのですが、事業になりませんかね?」と聞かれるのですが、私からの「顧客はそれを求めているのですか?」という質問によって、アイデアを粉砕することになります。

ビジネスの基本は、顧客のお困りごとに応えることです。社長が顧客マインドを持ち、顧客の要求を満たす事業をしなければ、起業したての会社は、市場からすぐさま粉砕され、それによる精神的・物理的ダメージと倒産経験が残るだけになります。

ビジネスコーチは、クライアントをそのように導いてしまってはいけません。ビジネスコーチングでは、クライアントが持っている顧客マインドを引き出すように思考しつつ質問を繰り出します。

戦略と戦術

戦略と戦術の違いは、竹田陽一先生の書籍がとても参考になります。一倉定先生(1918~1999)によると、「敵を見て敵を討つは戦術と云う。敵を見ずして敵を制するを戦略と云う。」とのことです。

ビジネスコーチングでは、行動計画を立てようとしている前後で、戦略と戦術のことを思考することになります。

少し余談ですが、私はよく、売上が上がらなくて困っている会社の社長から、相談を受けることがあります。その場合の社長は、必ずといっていいほど「どうしたらいいですか?」と、やり方の質問ばかりされます。例えば、

  • この商品はどのように売ったらいいですか?
  • どういったチラシを作成したらいいですか?
  • どうしたら売上高を増やせますか?
  • ホームページをどうしたら集客できるようになりますか?

このような「どうしたら」というものは戦術です。いくら優れた戦術を持っていても、戦略が間違っていたら集客はできません。反対に、戦略がしっかりしていたら、多少戦術がおかしくても何とかなるものです。

例えば、集客ホームページを制作したとしても、想定顧客が間違っていたら何もなりません。

ビジネスコーチングでは、クライアントが実施について考えているときに、それは戦略なのか、それとも戦術なのかを理解し、戦術を決める前に必ず正しく戦略を考えるように導くことが大切です。

強者と弱者

ビジネスの世界での勝敗は単純です。強い者が勝つのです。自社の事業が強者なのか弱者なのかは、事業の占有率や売上高などで決まります。ある商圏の中で、競合他社よりも自社の方が、一定量占有率が高ければ、その商圏内では自社は強者になります。

ビジネスコーチングでは、クライアントの事業が強者なのか弱者なのかを把握することは、とても大事なことです。強者なのか弱者なのかによって、戦略が正反対になるほど異なる場合があるからです。強者と弱者それぞれに正しい戦略や常套手段があるのです。

クライアントの事業が強者であれば、将来競合になりそうな弱者が市場に出てきたら、それを潰しにかからなければなりません。弱者であれば、強者からの攻防を防いで成長し、占有率を高めていかなければなりません。

これから起業しようとしているクライアントや、起業したばかりのクライアントは、ほぼ間違いなく弱者です。ビジネスコーチングでは、クライアントが弱者の兵法に基づいた戦略を立てているかどうかを思考しつつ、間違った兵法を使おうと考えている場合には、それをコーチングで正していくように導く必要があります。

まとめ

ビジネスコーチングのセッションは、まるで囲碁と将棋を同時にやっているような感じです。コーチングの流れやビジネスの流れなど、全方位で先を思考しつつ、セッション内容を組み立てて質問を繰り出します。コーチが予想しなかった方向にクライアントの話が進んでいった場合は、すぐさまセッションの方向性を組み立て直します。

私は、これらの内容を一瞬で考えて1つの質問を繰り出していますが、コーチングを学んだ直後は、慣れるまでは、オウム返しでさえうまくできませんでした。練習を重ね本番を経験し、失敗して反省し、クライアントが満足してくださるようになり、今のようなコーチングの思考力が身に付くに至りました。

最後に、ここで述べた思考を総称するならば、クライアントの立場に立ったコーチングを行えているかを考えることです。

傾聴や承認、質問などのスキルは、あくまでもスキルであって、それをクライアントの立場に立って使いこなすことができれば、良いコーチだと言えると思います。

良いコーチングが手っ取り早くできるようになる方法は、モデルとなるビジネスコーチの先生を見つけて、その先生がクライアントのどのようなことを読み取って、どのように思考し、どのようにスキルを使いこなしているのかを見せてもらったらよいでしょう。そして、先生のようにコーチングができるように練習を繰り返すと良いでしょう。

コーチングの練習ができる講座のご案内

当社では、コーチングの練習の場として、GROWモデル講座を開催しています。

GROWモデル講座では、前半でGROWモデルの基礎を学びます。中盤と後半では、コーチ役とクライアント約に分かれてGROWモデルの実習を行います。

コーチング基礎スキルを習得したい方から、ビジネスコーチを目指される方までが集まる講座です。参加者が練習相手となってコーチングを行うため、練習がしやすいことが特長です。時には、起業を目指している人や小さな会社を経営されている社長にご参加いただいて、セッションを最後まで行っていただく場合もあります。

コーチングの練習相手がなかなか見つからないとお悩みの方は、ぜひGROWモデル講座をご利用ください。

当社が提供するコーチング基礎講座やGROWモデル講座の詳細は、ビジネスコーチ養成講座をご覧ください。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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