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ノーコードツールはSEO対策に弱いのか!?

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ノーコードツールはSEO対策に弱いのか!?

先日、都内のホームページ制作会社からご相談をいただきました。

そのご相談内容とは、「有名どころのノーコードツールを使用して作成し、納品したホームページで、『自社名で検索しても上位ヒットしない』というクレームがあった。その原因を調べてもらいたい。」というものでした。

ノーコードツールは、誰でもホームページが簡単に制作できるとても便利なツールです。

今回のご相談は、単に「自社名で検索して上位ヒットさせたい」というものでしたが、もしノーコードツールのSEO対策が弱いものであれば、検索エンジン経由での集客「検索エンジン・マーケティング(SEM)」を考えたホームページとしては採用できません。

ノーコードツールのSEO対策について調べたところ、「ノーコードツールはSEO対策に弱くない」と書かれた記事はありましたが、「ノーコードツールがSEO対策に強い」と書かれた記事は発見できませんでした。

当社で調査したところ、結論から述べますと、すべてのノーコードツールを調査したわけではありませんが、今現在のところ「ノーコードツールは基本的にSEO対策に弱いものが多い」と感じます。

なぜノーコードツールで制作されたホームページがSEO対策に弱いと感じたのか、SEO対策をしてWeb集客をしたい場合は、どのようにしたらいいのかをご説明いたします。

ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは、プログラミングのコードを書かなくても、あらかじめ用意されているツールを用いたら、アプリやホームページを制作できるウェブアプリのことです。

ホームページだけでなく、業務管理のノーコードツールもあります。まず、ホームページ制作のためのノーコードツールについてもう少しご説明いたします。

便利なノーコードツール

ホームページをノーコードツールで制作する場合、あらかじめ用意された枠の中に文言を入れたり、ドラッグ&ドロップで移動させたりしてデザインを変更したり、写真を差し替えたりします。

すると、プログラミングを知らない人でも、手軽にホームページが制作できます。

そういった直感的にホームページを制作できることが、ノーコードツールの魅力です。

HTMLでホームページを制作する場合は、HTMLやCSSのコーディング方法を知っておく必要があります。それを知っていたとしても、他人が制作したコーディングを修正することは、慣れるのに時間がかかります。

WordPressは、「HTMLを知らなくてもホームページが制作できる」と言っても、管理画面の操作がとても複雑に思えます。

その点、ノーコードツールは初心者でも直感的にホームページが制作できるという、操作性を高めたツールです。

無料で使用できるものが多いので、「お試しで登録し、自分でもできるか試したい」という方にもおすすめです。

ノーコードツール導入のメリット

制作会社やクライアント企業が、ノーコードツールを導入するメリットは次の通りです。

  • 制作工程が少なくなるので制作費が安くなる。納期も短くなる。
  • 制作会社の担当者が新人でもクオリティの高いホームページが制作できる(人材育成の手間を軽減できる)。
  • ホームページの初心者でもホームページの更新がしやすい。

ホームページ表示の仕組み

ノーコードツールにはさまざまな種類があります。今回、ご相談のあった有名どころのノーコードツールは、管理画面で文章や画像を登録し、JavaScript(ジャバスクリプト)というプログラムを用いてホームページを表示させるものでした。

ホームページを開くと、JavaScriptのプログラムが動作し、管理画面で登録したホームページのレイアウト、文言、画像を読み込んで、ホームページが表示される仕組みでした。

このような仕組みを、「JavaScriptベースのウェブアプリ」と呼んでいます。

その有名どころのノーコードツールのSEO対策についての見解

その有名どころのノーコードツールのホームページを確認したところ、「SEO対策も完璧」と書かれていました。

実のところ、SEO対策に強いわけではなくて、「SEO対策の設定が完璧にできる」という内容でした。当たり前のことだと思いますが、ツールを提供している業者ですので、SEO対策の強度は保証するものではなく、利用者の自己責任のようです。

ノーコードツールで制作したHPをGoogleは正しく認識しているのか?

制作されたホームページをGoogleが正しく認識してくれることによって、検索順位が上がっていきます。

今回のご相談では、「自社名で検索しても上位ヒットしない」というものでしたが、もちろんその会社名は他にない社名でした。

そもそもGoogleはJavaScriptで表示された文言を認識するのか?

Googleの公式では、10年ほど前だったと思いますが、過去に「JavaScriptで書かれた文章をも認識するように変更している」という発表がありました。

それからだいぶ時間が経過しているので、認識してくれる範囲も広がっていることが予想されます。

JavaScript SEO の基本を理解する」をご参照ください。現在のところGoogleのクローラによっては、JavaScriptを実行できないものもあるようです。

JavaScriptが認識できるクローラであったとしても、Googleと互換性のあるプログラムでなければ、認識してくれないのです。

Googleのキャッシュで真っ白になることもある

GoogleがJavaScriptの内容を認識してくれない場合は、Googleのキャッシュでは真っ白に映ってしまいます。

つまり、本文がまったく何もない「のっぺらぼう」のページとしてGoogleが認識するのです。

次の図は、有名どころのノーコードツールをGoogleがどのように認識しているのかを比較したものです。

ノーコードツールで制作されたホームページをブラウザでの見た目とGoogleで認識された内容を比較

左側が、ホームページを閲覧するソフト「Chrome(クローム)」で表示させたものです。画像をぼかしてありますが、きちんとホームページが表示されることがわかります。

右側がGoogleがそのページを認識したキャッシュです。右側は真っ白になっており、GoogleボットがJavaScriptベースのホームページをレンダリングできていないことが分かります。

ブラウザでの見た目は「SEO対策の設定は完璧にできた」としても、Googleボットがホームページの内容を認識してくれないようでは、「SEO対策の強度は弱い」と言わざるを得ません。

ペナルティを受ける可能性は?

あくまでも可能性ですが、Googleはブラウザでの表示内容とクローラとの表示内容が、故意に変えてある場合には、ペナルティを課する場合があります。

今回の真っ白に認識されるケースでは、故意ではなく、たまたまGoogleがJavaScriptベースで制作されたホームページを認識できなかったために、表示内容が異なるだけですので、ペナルティは無いと思います。

ただし、真っ白なホームページとして認識されているので、「希薄なコンテンツだ」ということでペナルティを受けてしまって、社名でも検索しても上位ヒットしていない可能性があります。

ただし、有名どころのノーコードツールですので、Googleは露骨にペナルティを加えてくることは無いと思います。

キャッシュされたホームページのソースを調べたところ、titleタグとディスクリプションは認識されているようです。サーチコンソールでサイトマップを設定しておくと、時間が経過したら社名検索であれば上位ヒットしてくることと思います。

いずれGoogleはノーコードツールのJavaScriptに対応してくれる(はず)

有名どころのノーコードツールのシェアは、今現在のところ1万件中2~3件程度です。WordPressの国内シェアが1万件中8,000件以上からすると、圧倒的に低いシェア率です。

しかし、そのツールが多くの企業で採用され、Googleも無視できないぐらいになってきたら、Googleも「有名どころのノーコードツールのJavaScriptをきちんと認識し、インデックスされるようにプログラムを修正しないといけない」と考えることでしょう。

SEO対策を期待してノーコードツールで制作してしまった企業は、「いずれ」を期待してお待ちください。

もっと早くSEO対策してWeb集客をしたい方は、ノーコードツールのホームページを諦めて、別のホームページを制作された方がよいです。

SEO対策を強化したい場合はノーコードツールを使用しない方が無難

上記のことから、SEO対策でホームページ集客をしたい企業の場合は、ノーコードツールの使用は考えない方がよいです。

もし、有名どころのノーコードツールを利用したホームページを、当社に「SEO対策して上位ヒットさせたい」とご相談いただいたとしても、JavaScriptベースのツールでGoogleが認識してくれないので「ホームページを制作し直してください」としか言えないからです。

Googleがホームページを正しく認識してくれるノーコードツールもあるが・・・

ノーコードツールの中にも、Googleがホームページを正しく認識してくれて、上位ヒットさせられるものもあります。

以前にSEO対策のご相談をいただいた企業様は、電話営業をしてきたホームページ制作会社に依頼し、制作をしてもらったところ、使用しているツールがノーコードツールでした。

そのノーコードツールは、当社でデザインテーマのSEO修正ができないタイプのもので、制作を依頼した業者に修正をしてもらわないといけませんでした。

お客様からその業者に「SEO対策をしたい。WWAVEさんにHTMLソースの修正案を作成してもらうので、その通りに修正してもらいたい」と依頼をしたところ、ホームページをもう1つ制作できるぐらいの、ものすごく高い値段を言われました。

結局そのお客様は、テクニカルSEOを行わずに、コンテンツSEOのみを行い、そこそこの成果は出たものの、煮え切らない感じでした。このお客様のノーコードツールは、Googleがホームページを正しく認識してくれますが、強力なSEO対策は期待できません。テクニカルSEOができていたら、もっと上位ヒットさせられていたのに残念です。

ホームページの修正のしやすさを選ぶか? それともSEO対策を優先するか?

企業によっては、「SEO対策をしたいが、するとホームページの更新が複雑になる。ホームページ担当者が『ホームページの更新の仕方が難しい』と思っているので、どうしたものか?」と考える社長もいらっしゃるかもしれません。

選択肢はいくつかあります。

  • SEO対策を犠牲にして、自社スタッフがホームページを更新できるようにする
  • 自社スタッフにホームページを更新する方法を覚えてもらう
  • ホームページの知識がある人材を雇う
  • ホームページの更新を外注する

自社でホームページの更新ができるようになると、自由度が高くなります。しかし、ノーコードツールを使用するとSEO対策が弱くなります。なんでもかんでも自社でやるのではなく、外注する方法もあります。

私の考えとしては、費用対効果にもよりますが、Web集客が確実にできると予想されるのであれば、最初は外注した方が良いと思います。

多くの中小企業では、ホームページの更新は毎日頻繁に行われることではないので、自社スタッフで更新ができるようになるように技術を身に着けて更新するようにすると、結局割高になります。自社で更新するよりも、更新のルールや流れを仕組み化して外注するようにした方が、コストを下げられます。

ネット検索経由での集客を強化したいなら、操作性を犠牲にする方が良い場合もあるので、集客の可能性や費用対効果などを考慮してご判断ください。

SEO対策に強いホームページを制作する方法

もしネット集客を目的としたホームページを外部業者に委託制作するのであれば、絶対条件としてSEO対策に強い業者にホームページ制作を依頼することが大事です。

そして、ホームページは制作したら終わりではなく、メンテナンスをしていく必要があります。そこで、ホームページの更新方法を研修してくれたり、定期メンテナンスをしてくれる業者を選ぶことです。

外部委託しないで、自社で制作したい場合は、WordPressの利用をおすすめします。その理由は、「SEO対策を本格的に行いたい」と思ったときに、SEO業者がホームページの設定をしやすいからです。

以上、有名どころのノーコードツールを中心に、ノーコードツールを用いて制作されたホームページはSEO対策の強度がどの程度あるのかをご説明いたしました。

ノーコードツールは、誰でも直感的にホームページを編集することができ、美しいデザインのホームページを制作しやすいので、便利なツールだと思います。その反面、SEO対策については、今のところ弱いと言わざるを得ません。

ノーコードツールを用いてホームページを制作される場合は、「『直感的に更新ができる』という強みを活かしたいが、SEO対策での集客は考えない」という場面で用いると良いと思います。

「ノーコードツールを用いてホームページを制作してもらったが、検索でヒットしない」とお悩みの方は、ぜひ当社にご相談ください。Googleのインデックス状況を調査し、上位ヒットしそうか分析いたします。

また、ネット検索経由で集客ができる集客ホームページを制作し、自社で更新をしていきたいとお考えであれば、当社のWeb集客コンサルティングならびにWeb技術研修をご利用ください。

さらには、ノーコードツールを開発している企業様には、SEO対策に本当に強いノーコードツールの開発にご協力させていただきます。

この記事の著者

平野亮庵

経営・集客コンサルタント
平野 亮庵 (Hirano Ryoan)

国内でまだSEO対策やGoogleの認知度が低い時代から、検索エンジンマーケティング(SEM)に取り組む。SEO対策の実績はホームページ数が数百、SEOキーワード数なら数千を超える。オリジナル理論として、2010年に「SEOコンテンツマーケティング」、2012年に「理念SEO」を発案。その後、マーケティングや営業・販売、経営コンサルティングなどの理論を取り入れ、Web集客のみならず、競合他社に負けない「集客の流れ」や「営業の仕組み」をつくりる独自の戦略系コンサルティングを開発する。

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